アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

今川焼き

2012-01-25 17:50:36 | 手作りのたべもの
  台所の戸棚の中を整理していたら、今川焼きの焼き器が出てきました。アルミ製のこの器具は、子供のころからずっとうちにあったものです。もとは黄色かったはずなのに黒光りしています。

  ぜんざいを作ろうと思って、鍋に小豆と水を入れ、薪ストーブの上に乗せておいたら、いつのまにかあんこになっていました。それで、何十年ぶりかで、今川焼きを作ることにしました。

  ネットで検索してみたら、けっこうたくさんレシピが載っていましたが、半分はホットケーキミックスを使ったものでした。ふつうの粉を使ったレシピを参考にアレンジしました。

  薄力粉150g 全粒粉50g 粗糖15g 塩5g ベイキングパウダー 小さじ1.5杯 
  卵 1個 豆乳 240g

  古い器具なので、よくよく熱してから油を何度も敷いてから、生地を入れました。あんこを入れて上から生地をたらします。弱火でゆっくり焼いてから竹ぐしでひっくり返します。

  両面焼いてできあがり。上手にできました! さくさくして軽くて、いい食感です。回転焼きとか大判焼きとかいろんな名で売られているこういうお菓子、昔はけっこう好きでよく買っていましたが、甘過ぎるのでずっと前から食べなくなりました。自分の好みの配合で作った今川焼き、上出来でした。

  でも、昔母が作っていた今川焼きは、卵も豆乳も、もちろん牛乳も入っていなかったはずです。卵は貴重品でしたし、牛乳はいつでも家にあるような食品ではなかったから。入っていたのはたぶん、粉と重曹とほんの少しの砂糖だけ。ずっと薄っぺらだった気がします。そんなおやつでも、とてもおいしいと思っていました。

  先日、卵アレルギーのTちゃんが訪れたとき、玄米粉でドラ焼きを焼いて出したら、とっても喜んでもらえました。3歳になる彼女は、これまで、ドラ焼きというものを食べたことがなかったというのです。そういえば、ドラ焼きも今川焼きも今はみんな卵が入っています。ドラえもんの好きなドラ焼きってどんな味なんだろう、とずっと思っていたそうなのです。

  ぶかっこうなドラ焼きでしたが、初の体験をしてもらえて、私もうれしかった。今度は彼女に、卵抜きの今川焼きをご馳走したい。そのために、卵に代わるおいしい食材を考えてみようとおもいます。
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山岡・おばあちゃん市で買ったもの

2012-01-25 17:14:48 | 小さな旅
  ここしばらく曇天が続き、なんだかくらい日々でした。久しぶりに晴れたので、どこかへいきたくなりました。といっても、思いついたのが午後。夕方からはまた寒くなり、その寒さはしばらく続くとの予報だったので、近場ですぐ帰れるところ、というと車で1時間以内でいけるところ。路面凍結の心配がなく、しかも街ではないところとなると、あまり候補はありません。

 で、選んだのが、恵那市旧山岡町の道の駅・おばあちゃん市です。

  県道沿いの山がにあって、ダム湖らしき小さな湖にトレードマークの水車があるほかは、周囲にはなにもない辺鄙なところなのですが、小さな直売所にはいつもそこそこ人がきています。たぶん、こちらは、地元の産品のほか、全国の道の駅の品もいろいろそろえているので、それが目当てで来る方も多いのではないかと思います。私も、そのひとりです。

 で、この日買ったのがこれです。

 左手前は油麩。わたしはこの麩の味噌汁がすきなのです。こちらは、岩手の地粉で作った麩を大豆油で揚げたものです。とんぶりは秋田産。昔よく食べていたときは、たいてい東北の産だったのに、近頃スーパーで見かけるのは中国産ばかり。それで、あまり買わなくなっていたものです。長芋に載せてたべようとおもいます。

  海ブドウは沖縄産。塩水につけてあるのは初めてです。「久米島産海洋深層水20%配合」とあります。右端はこんにゃく。地元の方の手作りです。こちらにきてから、こういう、地元の方が家で作ったこんにゃくを、よくいただいたり買ったりします。柔らかかったり固かったり、食感はいろいろですが、どれもたいがいおいしい。

  右上は、ヒノキの割り箸。うちでは割り箸をほとんど使いませんが、見た目とてもきれいだったので買いました。12膳120円。東濃のヒノキだと思って買ってしまいましたが、それにしては安過ぎる気もします。

  上真ん中は手削りのとろろコンブ。宮城県産です。一般のスーパーで売られているものにはたいてい醸造酢がはいっているので、なにも入っていない昆布だけのとろろを見つけると、買うことにしています。

  左上はジャガイモ澱粉。かたくり粉です。「十勝の馬鈴薯を原料に、日高山脈の伏流水で、昔ながらの自然沈澱法に手を加えて、低温長時間乾燥して作りました。保水能力が抜群で、腰のある粘りが特長です」と、袋の裏に書いてあり、普通の片栗粉より少な目の分量にして使うよう指示しています。十勝正直村のこの製品、これまで使っていた片栗粉とはちょっと違うみたい。袋の裏で紹介しているジャガイモ団子を作ってみようと思います。

  まだまだ買いました。山金豚という豚肉と田舎自慢の会が作った豆腐と厚揚げ、ゴーバルのソーセージとベーコン、自家製酵母の食パンやカンパーニュです。無添加で素性のいい材料を使ったものが、この道の駅にはけっこう売られています。

  恵那市山岡地区(旧山岡町)といえば、寒天の産地として有名なところ。この地を走るローカル電車・明智鉄道では、特別に「かんてん列車」を走らせて、車内で寒天料理を食べさせてくれます。

  寒天作りはいまが最盛期。田んぼや畑に一面、真っ白い寒天が広げられています。この光景を見るのは初めて。作業している人たちの姿もカメラに収めることができました。

  山岡では、天然細寒天の国内生産量の9割を作っているそうです。天草を煮出して固め細く突き出したトコロテンを、秋から冬にかけて、耕作していない田んぼに干して自然乾燥させてできあがるそうですが、標高500mのこの地の、昼夜の寒暖の差が、寒天作りにとても適しているのだとか。盆地であることも好条件だということです。

  それにしても、海からずっと離れたこの地方で、なぜ山岡だけ寒天作りが盛んになったのか、ずっと不思議に思っていました。寒暖の差があって、盆地になっている山里はほかにもあるはず。なぜここだけ?

  つい最近、どこかにあった看板か何かを読んで、やっとわかりました。江戸時代にこの地を治めていた大名か誰かが、この地の特産品を作ろうと考え、地の利を生かした寒天の製造を奨励し始めたというのです。炭焼きとかこんにゃく栽培のように、もともとこういう山里にある産物を使った加工品を作るわけではないので、かなりの知恵と決断力と実行力が必要だったことでしょう。反対もさぞかし多かったことだろうな、とおもいます。




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