アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

月桂樹売っています。

2012-01-07 16:59:09 | アンティマキの場所に生きる動植物
  毎年冬になると、わたしは、剪定した月桂樹の枝を束ねてひとつにし、壁につるせるようにしてどんぐり横丁で販売しています。
  
  月桂樹はローリエのこと。煮込み料理やピクルスに欠かせないハーブです。台所に吊るしておいて、1,2枚ずつちぎってちょっと切れ目を入れてさっと水洗いして使います。鮮やかな緑色が枯れた色になっても、香りは失せず、ずっと使えます。便利だし、台所のインテリアにもなるし、かなり安い値段なので、けっこうすぐ売れてしまいます。
  
  家に1本だけあるこの月桂樹、実はたいへんな老木なのです。

  大正末年生まれの母が生前話していたところによると、彼女がこどものころ、彼女の祖父に当たる人が植木市で苗を買うのが好きで、いろいろ変わったものを買ってきては広い庭に植えていたのだそうですが、この月桂樹もそうした木々のひとつなのだそうです。

  一般の家では洋風料理などまったく食卓に上らなかった時代のこと、カレーやシチューに入れるなどといわれても、そのカレーやシチューを知らないのだから、料理に使うことはまったくなかったそうです。

  曽祖父ゆかりの木の1本が、なぜ母のもとにあって、しかも27年前、父と母が、あたたかい土地からこの寒冷地に引っ越したときに一緒に持ってきたのかについては、母はまったく覚えていないといっていました。「寒いところでは、たぶん育たないだろう」というので、前の家にあったほとんどの木は、人にあげたりそのままにしたりしてきた、と聞いていたのに。

  いずれにしろ、母の話がほんとうなら、この木の年齢は、もう80は越しているはず。それにしては幹が細い気がしますが、寒い土地ではあまり太くなれず、かろうじて生き延びてきたからなのでしょうか。

  毎年いちおう剪定はするものの、素人の仕事なので、どうしても枝葉が生い茂り、風が通りにくくなってしまいます。そのせいだと思うのですが、今年はとくに葉の色も厚みも薄くてなんだか元気がないので、思い切って摘芯してみました。

  脇にたくさんの苗が出ているので、本体が枯れても大丈夫だろうと思ったからです。でも、知人の家では、かなり立派に育っていた月桂樹が、ある年突然枯れてしまったと聞きました。だからほんとは心配なのですが、周りの別の木の枝を除いてやって、日当たりをよくしてやったりして、様子を見てみることにします。

  ところで、アンティマキが売っているこの商品、いちおう汚れた葉や虫食いの葉は落としてありますが、もし見つけたら、まとめてネットなどに入れ、洋服ダンスや車、下駄箱などに入れてください。そのおり、やはりちょっとだけ切れ目を入れたほうが、香りが立ちます。防虫効果や消臭効果が期待できるのではないかと思っています。お試しください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする