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アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

塩と梅干の話

2016-06-19 19:07:27 | たべもの
  確か昨年から実施されていた「食べるのこと 考える10の問い」という名のトークイベント。ほぼ毎月、種々の調味料を取り上げ、それぞれの専門家の話を聞き、製造所の見学をし、ちゃんと作られた調味料を味わって、その調味料を生かした料理に舌鼓を打つ、といった企画です。前から参加したいと思っていたのですが、いけずじまい。先週の日曜日、やっと念願かなって参加しました。

   場所は、西尾市一色町の近々オープン予定のsubaco というカフェ。稲武からは2時間強の道のりでした。

   今回のテーマは、塩。お話しくださったのは、三重県松本農園の松本清さん。自家農園の、みごとな南高梅を持参。まるであんずのようです。彼は、梅農家でもあり、梅干の作り手でもあります。そして、ソルトコーディネーターの肩書きもおもちです。

   以下、彼と、イベントのコーディネーターの方の話をかいつまんで書きます。

   「1905年に始まった塩の専売制度は、2005年まで続いた。専売制度は、単に自由な塩の販売ができなかっただけでなく、数回にわたる塩業整備のため、ナトリウム塩(塩化ナトリウムが95%だった会場含まれている塩のこと)しか塩と認められなくなった。そのため、全国各地にあった塩田がほぼ消滅した。1997年、ナトリウム塩以外の塩の流通がようやく認められ、その前から徐々に流通していた、ナトリウムの含有量が80%~90&以下の自然塩(おもに、輸入した天日塩を日本の海水に戻し、再結晶させた塩)が正式に販売できるようになった」
  
   1905年に専売法が施行されたのには、食料難と衛生面での配慮という二つの大きな理由があったとのこと。ナトリウムの少ない塩は腐りやすいし、塩田で少量ずつ生産される塩は値段が高くなる。ナトリウム塩なら、大量生産が可能で、安価に供給できるというわけです。

   でも、食料事情がよくなってもなお、この専売法が改正されないまま続行。わたしが「海の精」の存在を知った1980年代中頃、あの塩は普通の販売はできずに、研究会の会員を募ってその会員たちに渡すという形で、届けられていました。

  「現在は、道の駅に行けば、必ずどこか地元の塩見つけることができるほど、塩の製造は自由化された。これらはいずれも、微量栄養素のマグネシウムやカルシウムが、ナトリウム塩(100年続いた専売公社の塩)よりかなり豊富にふくまれている」

   「とはいえ、日本の塩の自給率は15%。飼料用、加工用はほとんど輸入品に頼っている」

   松本さんが持参した塩のなめくらべは、たのしかった。ヌチマースは沖縄産。海の成分がそのまま濃縮され、結晶化した塩だそうで、いささか苦みが。奥能登揚浜の塩は、人力で海水をくみ上げ、塩田で乾燥させたもの。ナトリウム分は、ヌチマースより高め。

   驚いたのは、ナトリウム分をどの程度にして塩の製造を進めるかは、職人のこだわりにかかっているということ。同じ塩でも、成分の表示が何%から何%と開きがあるところがあるのは、海水濃度の変化にもよるし、その濃度に合わせる職人の勘にもよるのだそう。   

   ところで、塩は人間の体にとても影響を与えるもの。暑い時出る汗の中身は、多くは水分。体は、塩分濃度を下げると危険なので、水分だけ出してしまうのだそう。熱中症の症状として、脱水症状があげられるのは、そのせい。冬でも、体が冷えると血液の塩分濃度を上げ、体温を上げようとするため、トイレに行く回数がふえるというわけです。

   高血圧の人に医者がかならずといっていいほど勧める減塩。これがじつは、効果のない場合が結構あることを、今回初めて知りました。

   「高血圧には、一次性高血圧と二次性高血圧がある。高血圧症の人のうち、一次性は約80%、二次性は約20%。二次性のほうは、複合的老化や遺伝によるものが多く、減塩によって血圧が左右されることは少ない」

    「一次性高血圧の人は、食塩感受性といわれる体質の人が約4割を占めている。こちらは、少しの塩気で生きられ、塩をとりすぎると血圧が上がり、ナトリウムが体内に蓄積しやすい。そのため、彼らには減塩は効き目がある」

    「しかし、残りの6割は、食塩抵抗性といわれる体質の人。塩を食べ過ぎても血圧は上がらず、減塩しても意味がない。減塩しても1割以下の変化しかなかったら、こちらの体質と判断される」

    また、減塩による弊害も最近ではいろいろわかってきたそうで、高齢者が急激な減塩によって、認知症の症状が増すことがあるとも。

     減塩するかわりに、化学調味料などの添加物を増やして、体にはかえってマイナスの要因になることもあるとの話には、おおいに納得。

    自然塩の微量栄養素、それがおいしいだけでなく体にもいいとわたしは思っていましたが、松本さんに言わせれば、それは極めて些細な量だから、塩の違いでからだにいい悪いは判断できない、とのこと。

    それより大事なのは、「食べ物との相関」。「マグネシウムの多い塩は、苦みが多い野菜に合うとか、岩塩は塩からいので脂身の多い肉を焼くときに使うといいとか、カリウムは酸味があるので、焼き魚に合うとか、料理や食材による使い分けをして、豊かな食事を彩ってほしい」

    塩の話の後は、梅干の話。松本さんの農園では、南高梅をはじめ数種の梅を栽培しています。この日、持ってきてくださった梅干しは8種。5分搗きのおかゆに彼の付けた梅干を載せていただきました。外国産の塩で漬けた3種のほか、国産の塩3種、それと、3年物の梅干に、1年物のシソ入り梅干。

    塩気が立っているように感じたのは、外国産の塩のような気がしますが、とりあえず、どれもおいしかった。

    わたしはほとんどシソをいれてつけていましたが、入れないのも純粋に梅の味がわかって、なかなかいい。彼の梅干は、塩分濃度20%。大きい梅だと、23%にすることもあるとか。

     わたしも、つける場合は、いつも20%の塩にしていますが、近頃は甘い梅干がいいという人が多いようです。その甘い梅干、調味梅干というのだそうですが、最初から塩気を控えて漬けるのでなく、普通に塩漬けした梅を水につけて塩気を抜き、それから蜂蜜とか甘味を加えて仕上げるのだとか。当然、腐りやすくやすくなるので、長期保存するとなると、防腐剤そのほかいろいろ添加物が必要になってきそう。

    天日干しは、夏だと2日半ほど、秋だと4,5日。夏に天日干しができなかったら、秋に持ち越せばいいとはおもわなかった。いつもなんとか夏に干さないといけないと思って、あせっていましたが、ゆっくりかまえればいいようです。

    梅干の効能は、食中毒予防のほかに、「血液の浄化作用があり、血液を中和して流れをよくする。胃の中のピロリ菌や虫歯菌をおさえる。肩こりをなおす。疲労回復。血糖値を押さえる。バニリンという梅にしか含まれていない成分が、肝臓の機能の向上に寄与する」など、すばらしいものがあることを、いろいろ知りました。

    Subacoの料理は、おかゆのほか、ニンジンのフライタルタルソースかけ、梅酢の柴漬けなど、梅や梅酢を使った料理がいろいろ。みんないい味でした。

    塩の話も梅干の話も、知らないことがいっぱいでした。2時間かけて運転していった甲斐がありました。

     これまで、梅漬けというと、家の庭で採った斑点だらけの梅か、よそでもらった梅で漬けるばかりでしたが、今回、南高梅の梅干のおいしさを知り、今年はこの梅で漬けてみたくなりました。たまたま、友人から新城の梅農家で南高梅を分けてもらえるという話をきいたので、さっそく頼むことにしました。

     最後の写真は、お土産にもらった昨年収穫したしら梅干しと4年物のしら梅干。それと、購入した3年物のしら梅干です。今年は、私もシソを入れないしら梅干にしようと思います。

    
    
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ナゴヤビーガングルメ祭りで買った食べ物

2016-05-19 00:19:18 | たべもの
   今週日曜日に開かれたナゴヤビーガングルメ祭りは、盛況のうちに終了。アンティマキのスコーンやパン、ケーキ類ははやばやと完売し、あとは日持ちのするクッキーだけとなったので、販売を助けてくださる方が多かったこともあって、他のお店での買い物を、今年はちゃんと楽しめました。

   京都三条のCHOICEのベジチーズ。昨年、乳製品アレルギーの子供を持つ稲武の友人から、この品を求めるためだけにわざわざやってきたと聞きました。昨年同様、今年も行列が並んでいたようですが、昼頃行ってみたら、2種類だけまだのこっていたので、そのうちのひとつ、ドライトマトとバジルの入った品を手に入れました。

    普通のカマンベールチーズよりちょっとちいさめのもので、2160円。ずいぶん高いので一緒に出店した三木さんと共同購入しました。原料は、カシューナッツ。穀物から採った乳酸菌で発酵させ、さらに熟成を重ねたものだそう。原材料は、ほかに、ドライトマト、ニュートリショナルイースト、バジル、自然塩、ガーリックパウダー、乳酸菌。ニュートリショナルイーストというものがなにかわかりませんが、味は確かにチーズに近かった。トマトとバジルの味に消されて、本来のカシューナッツの発酵した味がわかりにくいのですが、パンに塗ると、おいしい。本当のチーズ同様、発酵食品なので、腸にもよいのだそうです。今度また買う機会があったら、本来の味がちゃんとわかる品にしたいと思います。

   ごぱんのパン。山梨のオーガニックカフェのパンです。前も一度食べたことがあるのですが、20年ほど種つぎをし続けた自家製酵母のパンで、どっしり重い。あじわいがあります。こういうパンを作りたいな、と思わせるパンでした。

   焼き菓子いろいろ。左手前の二つは、岐阜中津川のもりのいえ、右側二つは自然食BIO。味がしっかりしていて、噛みしめるといい味です。上のほう、左のチョコレートケーキはなないろ工房。洋菓子職人のご主人が付か売っているビーガンスイーツは、見た目も綺麗だし、味が落ち着いている感じ。いつも、上手だな、と感心します。あとの四つは、岐阜のヴィーガンスイーツジーノ、みき工房、ナチュラルカフェふくろう、ごぱんのどれかです。

   どれもグレードが高くて、勉強になりましたが、とくにおいしかったのはジーノの抹茶クリームパイ。たぶんこくはココナッツオイルで出していると思うのですが、バランスがよかった。

   たくさんのお客様にお越しいただき、訪ねてきてくれた友人親子にも会え、満足の一日でしたが、菓子メーカーとして、まだまだ勉強の足りなさを痛感した日でもありました。
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とよたミライ塾・ピザづくり体験講習会に参加しました

2016-03-21 23:03:32 | たべもの
     昨年秋に開かれたとよたミライ塾。特に人気のあった講座だけを選んで、この春再度開催されました。その講座の中に、薪窯でのピザ体験講習があり、友人といってきました。

     前にちょっと告知したことですが、この春から、稲武の大きな石窯をつかって、一日、石窯を楽しむ会を開くことにしました。

     パンと焼き菓子については、スタッフとなる3人がそれぞれいろいろ作っているので、ある程度はレパートリーはあるし、特長もだせそうという自信もそれなりにあります。でも、ピザにかんしては、いまいちこころもとない。どこかでちゃんと教えてくれるところがあったら、ぜひいってみたいとおもっていたところでしたので、情報を知るや、すぐに応募を決めました。

     講習会は、市内のナポリピザの店・イルファーロ。ご主人が、丁寧にわかりやすく解説しながら、コツを教えてくださいました。

     生地には、セモリナ粉と中力粉が。粒の粗いセモリナ粉が入ることで、ピザが窯の中でスムースに移動できるのだそう。酵母はホシノ。割合を聞くと、ずいぶん少なめです。一晩以上、ゆっくり発酵させています。ばんじゅうをひっくり返しても落ちないのでびっくり。

     ナポリピザと名乗るには、条件がいくつもあるそう。まず、生地の中身は粉と塩と酵母と水。それだけです。油は入れない。オリーブオイルを入れると、「マンマのピザ」といわれるのだとか。水の量は、普段のこのお店のピザよりずいぶん少ないそうですが、それでもかなりやわらかめ。でも、やわらかいからこそ、麺棒を使わず、手だけでずいぶん薄く広げられます。でも、いざ自分でやったら、こんなに伸ばすことはできませんでした。

    ソースはとてもシンプルで新鮮。トマトの水煮缶に塩を入れてつぶしただけとか。一切煮込んでいないのですが、これがおいしい。ピザ生地を鍋として、窯の中で煮る、という考えでやっているとのこと。トッピングしたうえからオイルをかけるので、十分コクも複雑さも生まれます。

    講座で作ったピザは、ピザマルガリータ。チーズは、粉チーズとモッツアレラをつかいます。

    ふちを残して伸ばすのですが、このふちの中に空気を移動させ、平たい部分との食感の違いを楽しんでほしいとご主人。先日テレビで、ピザのこのふちの部分は食べないと発言する人を何人も見た、と人から聞き、あきれたのですが、ご主人の話では、イタリアでも食べずに捨てる人がたくさんいるとのこと。ごみ箱には、このピザのふちが山のように捨てられているそうです。なんてこと!

     「だからこそ、ふちまで食べたくなるようなおいしい生地にしようとおもっています」とご主人。こちらのピザ、わたしたちはもちろんふちまでしっかりおいしくいただきました。

     窯はイタリア製。ピザを載せる木の道具も一緒についてきたとか。幅が広くて、使い勝手がいい。こういうの、どなたかつくってくれないかしら。

     生地の量は一人分200g。たっぷりあります。ほかに、ポテトフライや魚介類のフリット、サラダ、ドリンクが食べ放題、飲み放題。それで、ふたりで講習料が3000円でした。安い!

    ご主人は、粉と水、酵母、塩の割合などについての質問にも気軽に答えてくださり、講習会開催に際し、とても役に立ちました。おなかは満腹になったし、勉強もしっかりできて大満足。行ってよかった。
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順子さんの料理教室に参加しました。

2016-02-23 10:37:37 | たべもの
   昨年の春から数回通った、中條順子さんの料理教室。夏ごろいったん休止となったのですが、半年ぶりに再開したので行ってきました。わたしにとっては、9か月ぶりの参加です。

   中條さんは、一昨年まで、西尾市幡豆の自然食レストラン、カフェオーシャンでシェフをなさっていた方。いつ行っても、料理の味付け、見た目、取り合わせともに斬新で、満足のひとときを過ごしました。その彼女が、シェフを引退し、料理教室を開くというので、早速もうしこんだしだいです。

   稲武から2時間かけて、幡豆まで何度か通ったのですが、彼女の料理はやはりおもしろい。といっても、教えてもらった料理の復習はなかなかできませんでしたが、素材の話や取り合わせの妙にいつも感心させられました。

   再開した彼女の教室は、岡崎市の街中。古い建物を改装して、大勢で料理しやすいしつらえになっていました。業務用のコンロ台も流しもいくつかあり、調理台も広々。きもちよく料理できました。

   あちこちにおいてある、調味料の入ったガラス瓶、鍋や食器、お玉などの小ものすべてが、美しい。まだ改装途中ということですが、すでに彼女のセンスがちりばめられていました。
   
   さて、今月のメニューは、「上巳の節句」にちなんだ料理。「上巳」とは、陰暦弥生の最初の巳の日をさし、平安時代ころから始まる宮中の行事。後代、雛の節句として女の子のお祭りにかわりました。順子さんの作ったメニューは、ひな祭りにふさわしい、ヴィーガンのごちそうです。

   順子さんの前にあるのは、ゆば。ゆばの上には蒸した白菜と小松菜が載っています。これをくるくる巻いて、お椀に入れ、精進だしをかけます。精進だしは、干しシイタケ、かんぴょう、煎り大豆、酒、昆布を水に浸してひと煮たちさせたもの。一晩冷蔵庫に寝かせてあります。

   その精進だしの出し殻でできたのが、大根茶巾のあんかけ。こちらにも、精進だしを使います。ひな祭りにちらし寿司はよくつくりますが、この日のお寿司は、箱寿司。それも、おもしろいことに、五合桝にラップをしいて具とご飯を載せ、上から一合桝で押します。ナイスアイデア! それを箱から取り出し4等分。美しい押しずしができました。

   季節の野菜の揚げ物は、タマネギの新芽、大根、ムラサキイモ、コウサイタイ。大根とイモはあらかじめ蒸してあるので、短時間で揚げられました。大根には、玄米茶の元・ぶぶあられをつけています。

   そしてデザートは、道明寺粉、ムラサキイモ、イチゴを使った桜餅。どれも、ほんのりもも色や薄紫色に色づけされているので、はなやかです。もちろん色づけはすべて、野菜が生み出す自然の色を利用しています。

   できました! 女性ばかりの教室での雛の膳です。参加なさった方みな、思わず顔がほころびます。箸置きは、順子さんが近くの無住の尼寺でいただいてきたというクチナシの実。昔はこれで菱餅をそめていたそう。細かいところまで心憎い演出ぶりでした。

   お寿司は、味のメリハリがはっきりしていて、ゆば巻きのお椀は優しい味で、大根茶巾はいろんな味が楽しめて、揚げ物はさくさくしていて、どれもこれもおしいかった! お客を呼んで、このメニューでもてなしたくなりました。

   教室は毎月、ほぼ一週間ずつ、同じメニューで開催されます。
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栗きんとんの味比べ「栗くらべ」

2014-11-25 18:48:48 | たべもの
    稲武のお隣、岐阜県恵那市やその向こうの中津川市方面を車で走っていると、和菓子屋さんが多いことに驚きます。だいぶ経ってから知ったのですが、こちらはクリの産地なのです。たいていの店先には、季節になると、「栗きんとん」の張り紙が。和菓子屋の多い京都にいたときは食べた記憶のない栗きんとん、こちらにきてからは手作りのきんとんをいただくことも、和菓子屋で求めることも多くなりました。

    さて、その栗きんとん数軒分を1個ずつ箱に詰め、その名も「栗くらべ」という商品名をつけて販売しているというニュースを先だってテレビで見ました。販売しているのはJR恵那駅隣のえなてらす。ぜひとも食べて比べてみたいとおもっていたら、たまたま友人が恵那に行くというので、1箱購入を頼みました。

     これです。6軒の栗きんとんが一堂に。添えられたしおりには、10軒ののお店がこの企画に参加していて、2つの箱に詰め合わせていると書かれています。

     こちらが箱の裏。恵那川上屋、恵那寿や、菊水堂、松浦軒本舗、三久、菓舗ひとつばたご、それぞれの原材料表示が貼られています。基本の材料は栗と砂糖なのですが、店によってはこのほかにトレハロースを入れたり、砂糖を和三盆にしていたり、といろいろ。

     間違えないよう、それぞれ包み紙の上において、食べ比べました。やわらかめ、固め、甘すぎたりちょうど良かったり、味気なかったり、味わいが深かったり、とほんとにいろいろでした。

     来年食べたくなったら、このお店のにしよう、と思ったのは2軒。くらべられてよかった!

    それにしてもこの企画、すごいことだとおもいます。10軒とも老舗和菓子店なので、それぞれプライドが高くて比べられることに抵抗があったろうに、この企画に乗ったということが驚きです。とてもいいことだとおもう。消費者の側に立った企画、あちこちで真似してほしい。
     
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ほうろく屋の菜種油

2014-11-22 11:45:35 | たべもの
    最近、素晴らしい菜種油の存在を知りました。ほうろく屋の菜種油です。

    圧搾一番搾りの菜種油は、自然食品店に行けば結構手に入りますが、こちらの油は、これまで私が知っていた菜種油とは製法が違うようです。

    昔の道具をそのまま使って圧搾。菜種は国産で、天日干し。瓶のふたを開けた瞬間、香りが広がり、瓶を傾けると、菜種の色そのものかしらと思わせるような美しい黄金色の液体が、とろっと流れ出します。

    ほうろく屋は、愛知県西尾市にある油屋さん。昔ながらの道具を使って圧搾しています。

    上の写真の瓶は、ヘルシーメイト岡崎店で入手しました。このお店は、ほうろく屋の菜種油を今とくにおすすめの商品として売り出し中です。こちらに置いている油は、近くの東浦町産の菜種をだけを使用。天日干しした後、日本で唯一のオリジナルのほうろく窯で薪焙煎します。そして先日このお店で開いた、アンティマキのパンとスコーンの講習会では、フォカッチャにもスコーンにもこの菜種油を使いました。
    保育園の年長組に在籍している男の子も参加。彼が切っているのはジャムスコーンの帯の部分です。そして焼きあがったのがこれ。

    いつものスコーンより、色が黄色味を帯びていて、おいしそう。手に取るとぷーんといい香りが漂います。口に入れると、香ばしくてコクのある味わいが口中に広がります。

    上の瓶は、やまのぶ梅坪店のママンのお気に入りコーナーで入手したもの。こちらは販売者がりんねしゃになっていますが、中身は同じです。

    両方のラベルに書いてあることを抜粋します。

    「昭和24年創業の大嶽製油から、昔ながらの伝統と道具を引き継ぎました。(中略)初代喜八郎の教えを忠実に守り、伝統の圧搾菜種油を残したい一心で、香り深き黄金色の菜種油を絞っています」
      
     「脱臭脱色 化学溶剤抽出などの化学的処理は一切行っていません」

      「鉄窯に長時間じっくりと様子を見ながら菜種に熱を加えていきます。長年の経験と職人の勘で焦げる直前のギリギリの焙煎を見極め、その後すばやく圧搾します。これにより極上の滑らかなコクと新鮮な風味を持つなたね油ができあがります」

      わたしは講習会で使ったほかは、もったいないので、まだドレッシングくらいにしか使っていないのですが、一番最初にこの油を勧めてくれた人からは、「ぜひ、てんぷらbに使ってほしい」といわれています。彼によれば、この油は酸化しないので、てんぷらにつかった後は、炒めものなどにして最後の一滴まで利用できるとのこと。今度、試してみようと思います。

    
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名古屋のモロッコ料理店・MOMO

2014-08-10 19:51:19 | たべもの
  知人に誘われて、はじめてモロッコ料理というものをいただきました。いただいたお店は、名古屋市千種区にあるMOMO.こちらはモロッコ菓子と洋菓子のお店なのですが、4人以上であれば、モロッコ料理の予約ができます。それで、奥三河Three trees+の3人と共通の知人の4人で出かけました。カサブランカ生まれ、フランス育ちのパティシェ&シェフが経営しています。

   店内はブルーと白の組み合わせがシンプルで美しい。電灯の傘やランプがエスニックな雰囲気をかもし出しています。

     最初に出てきたのは、レンズマメのスープとナスのサラダ。ナスのサラダは、ラタトゥイユに似ているのですが、とてもこくがあります。おそらくドライトマトをふんだんに使っていて、スパイスもいろいろ組み合わせているのでしょう。

     ついで、レモンタジン。タジンは料理の名前でもあるのだそうで、レモン塩につけた鶏肉をタジンで焼き、野菜と煮込んだ料理のようです。上に散らしたフライドポテトとの取り合わせが妙。

     夏野菜のクスクスです。野菜は、ダイコン、カボチャ、ニンジン、ソラマメなどにそれぞれしっかり味が付いています。蒸したクスクスと一緒に食べると、舌の上でほどよく調和します。クスクスは、たまに買って食べたことがありますが、さほどおいしいとおもったことはありません。でも、これは、おいしい。

     デザートは200円増しで、店頭のケースに好きな洋菓子をたのめるというので、選びました。こちらはモンブラン。モンブランは、かなり好きなケーキの一つだったのですが、最近はめったに口にしていません。甘すぎるだろうと覚悟したのですが、それほどではありませんでした。適度な甘さで台の香ばしさとマッチしていました。おいしかった。

     こちらはモロッコのお菓子。名前を忘れましたが、りんごが入っています。知人と、ふたつのお菓子を半々に分けたのですが、こちらのほうがぐんと甘かった。
     
    モロッコの一般的な飲み物、ミントティー。緑茶にお砂糖を入れたものに、生のミントがわんさと入れてあります。アラビア風のポットをもち、上のほうからグラスに注ぎます。こうすると、ミントの香りがいっそう引き立つのだそう。
     
     お土産に買ったモロッコのお菓子2種。どちらも、西洋のお菓子とはいささか趣が違いますが、それぞれおいしかった。とくに、右のほうだったか、小麦粉を使っていないアーモンドのおお菓子が気に入りました。

     こちらの店で使っている野菜は有機栽培。モロッコは、映画「カサブランカ」の印象のせいか、砂漠の多い国だとおもっていましたが、同行した知人の話では、オアシスで、おいしい味の濃い野菜がけっこう豊かに採れるのだとか。そのため、野菜料理の文化が洗練されたのでしょう。いただいた料理は、どれも、期待以上に口に合いました。わたしは、どちらかというと、スパイスがあまりにまさっている料理は苦手なのですが、こちらの料理はどれもスパイスがうまくコントロールされて、うまさを引き出しているように思いました。

    さて、こちらで料理のサービスをしてくれているのが、モロッコ人のパティシエ&シェフのエットハミ ムライ アメドさん。彼は、「モロッコの食卓」(パルコ出版)という本を著しています。この日に食べたいくつかの料理のレシピも載っていて、なんとか家で真似できそうだったので、ちかぢか購入しようと思っています。なお、この秋、2冊めの本も出版予定だそう。
ホームページでも、紹介しているそうです。
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加計呂麻島の黒砂糖

2014-02-15 16:36:28 | たべもの
   昨日の昼前頃に撮った写真です。

    朝から夕方まで、どんどん降り続きました。日中これだけ降るのを見たのは初めての気がします。先週積った雪が溶けないうちにまた積もったので、40センチほどの積雪になったようです。みるみるうちに庭先のテーブルといすが雪に埋まりました。

    さて、先日、同じ日本でありながら、寒い日でも気温が10度以下になることはない、という南の島から、こんなプレゼントが届きました。

    西田精糖工場製造の、「奄美自然食 加計呂麻島黒糖」です。島に住んでいる、友人のHさんが送ってくれました。「今年も黒糖のシーズンがやって参りました。製糖したばかりの黒糖、お楽しみいただければ幸いです」と、ご主人が撮影したポストカードに一筆添えて。

    同封の紙には、こんなことが書かれています。

    「西田精糖さんの黒糖は、自然豊かな加計呂麻島で栽培されたサトウキビのみを使用した100%加計呂麻島産の自然食品です。
     黒糖を作る作業は12月頃から始まり、糖度の上がる2~3月にピークを迎え、5月初旬に終わります。奄美/加計呂麻地方は5月半ばから梅雨入りします。梅雨に入ってから製糖すると、おいしい黒糖ができなくなるため、精糖は約半年間のみとなります。(中略)
     黒糖作りは手作業で行われるため、シマのあちこちから助っ人がやってきます。畑から収穫したサトウキビを絞り、薪でじっくりアクをとりながら煮詰めて黒糖は造られます。
     絞りたてのサトウキビジュースを煮詰めた汁を次の釜に移して、さらに煮詰め、3番釜で完成です。ほどよい固さにかたまった黒糖は、大きな台の上で冷ました後、人の手でカットされていきます。
     もくもくと薪のけむりを上げた製糖工場に、老若男女が集って賑やかに黒糖づくりが行なわれています。いつもは静かな集落も、黒糖造りのシーズンは活気に満ちています。
     そうして出来上がった黒糖は、滋味に富み、奥深く優しい甘さを感じていただけることでしょう(後略)」

    袋の裏にも、「四百年伝統の手造りで長時間かけて3番直火釜で仕上げた」とあります。ただ釜を替えては煮詰めるだけ、という単純作業でできた、正真正銘の黒砂糖です。

   雪景色を見ながら、この黒糖をかじってみました。じわっと甘い。できたてのせいか、香りを感じます。風味があります。こんなおいしい黒砂糖、ひさしぶりにいただきました。

    ところで、Hさんご夫婦はこの島で、シュノーケリング、スキューバダイビング、キャンプのツアーなどを企画・運営しています。名前は、リトルライフ。豊かな自然を体感できるガイドとして島での暮らしを楽しんでいます。彼らのHPはこちら
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オルチョ・サンニータとジュゼッペ・ジュスティ

2014-01-25 11:31:52 | たべもの
   昨年10月から、アンティマキの焼き菓子を置かせてもらうようになった、やまのぶ梅坪店。わたしがこのお店にときどき買物にいくようになったのは、そのしばらく前でした。

   数年前から手に入れたいと思っていたオリーブ油、オルチョ・サンニータをやまのぶ梅坪店で扱っていると聞き、近くまで用事があるとき、ときどき訪れていたのです。いつもあるとは限らないようで、見つけたのは、だいぶん何度か訪れてから。やっと買えたこの油は、期待にたがわない味でした。

   この油は、福島に住む朝倉玲子さんという方が、イタリアで見つけてほれ込んだもの。アサクラという名前の輸入会社を立ち上げ、この油の販売をはじめたそう。

   瓶に貼られたラベルには、「イタリア南部・ベネヴェント郊外で栽培。手摘みオリーブの風味を最高に引き出すため、搾油後フィルターを使わず、3ケ月かけて果肉とオイルを分離させました」と書かれています。

   写真左が、このオルチョ・サンニータ。750ml3600円くらいだったとおもいます。高いけれど、長いこと使えたし、それだけの値打ちは十分あります。青っぽい新鮮な風味が特長。わたしは、パンにも豆腐にもじゃがいもにも、なんにでもかけていただきました。

   さて、右の瓶は、大阪空堀商店街にあるこんぶの土居さんの店内にある、「よい食品を作る会」コーナーで売られている、ジュゼッペ・ジュスティという名のバルサミコ酢です。

   昨年6月頃、ちえ流マクロビオティック料理教室の講師・森ちえこさんと、彼女が懇意にしている土居さんのお店にうかがったとき、ご主人のお父様が味見させてくださったのが、このバルサミコ酢。紙コップに注いでくださったこの酢があまりにおいしくて、ふたりとも指でなめ続けました。

   普通のバスサミコ酢の、たぶん2,3倍は濃厚そうで、どろっとしています。甘味とすっぱみとこくがあいまって、お店を出てしばらくしてからも、心地の良いあと味が舌に残っていました。 

   実は、このとき、お店のご主人たちはまだこのバルサミコ酢の取り扱いを決めかねていたのですが、わたしたちのようすをご覧になって、お店での取り扱いを決意。その後、ちえさんが来稲したとき、買って来てもらったひと瓶です。

   瓶には、「北イタリア、中世の都市モデナに古くから伝わる芳醇なる黄金の酢」と書かれています。こちらも、いろんな食べ物にかけてみました。オイルと違って、このこくに負けるような淡い食べ物にはあわなくて、チキンカツとかアイスクリームなどそれ自体がきつい味のものにあうようです。とくにアイスクリームは抜群にあいます。

   こちらも250mlでたしか3600円。とても高価なものですが、あくまで調味料なので、使う量はわずかです。こういうのを使うと、ごくシンプルな素材が豊かな味に変化するのが、うれしいことです。

     
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猟師さんを囲んで、イノシシ鍋を食べる会に参加しました。

2014-01-20 19:42:37 | たべもの
   昨朝は、稲武では1,2センチほどの雪が積りました。一日低い気温が続き、道路の凍結が気になりましたが、夕方、隣の集落まで、大野瀬町の猟師・大石俊幸さんのお話を聞きながらイノシシ鍋を食べる会に出かけました。

   場所は、野入町の中乃屋。しし鍋で有名なお店です。会を開いたのは、Miki-Co-Laboの三木和子さんたちが主宰する地球子屋(てらこや)。子供6名、大人8名が集まりました。

   きれいなお肉です。牡丹鍋といわれるだけあって、赤くて花びらのようです。いろりにかけられた鉄鍋には、中乃屋さん特製の味噌仕立ての汁が煮えています。味付けは、味噌と砂糖、それに生姜などの香辛料。酒もみりんも入れないのでそうです。

   薄切りした肉はすぐに煮えます。火が通ったらすぐに引揚げいただきます。臭みはまったくなくて、濃いあじがします。おいしい。

   わたしがしし肉を食べたのは、これで5度目。最初は通販で手に入れたしし鍋セットでした。汁つきだったので、ただ煮ただけなのですが、おいしくなかった。臭かったのです。それで、先入観ができてしまったのですが、なにかの会合で、この同じ中乃屋さんでしし鍋をいただき、偏見が取れました。

   その次は、冷凍肉。解凍して味噌漬けにして焼いて食べました。これはおいしかった。その次は昨年。友人が作ったイノシシジャーキーです(コチラ→)。

   さて、大石さんはほぼ20年近く、稲武の山を歩いて猟をしておられます。猟をするときはいつもだいたい朝の6時半に家を出て、めぼしのついている山へ。たいてい十人ほどの猟師仲間と無線でやり取りしながら、獣の足跡を辿るのだそうです。

   雪のときは足跡が明瞭ですが、そうでないときは、鼻先で地面をつついたあとを追いかけるのだそうです。

    使うのはライフルか散弾銃。しとめたらその場で心臓を突き、血抜きします。「血抜きさえしておけば、肉がくさくなることはない。一日でしとめた分を軽トラにのせて、山をおります」と大石さん。中当町ので解体し、参加した猟師さん全員で平等に山分けします。

    「いまどきのメスで、三歳くらいのやつが一番うまい」とおっしゃる大石さんは、おじいさんの代から猟師をなさっていた家に生まれ育っているので、子供の頃から猟についていきました。

    数年前は、しとめたとおもったイノシシが生きていて猟師仲間を襲い、重傷を負わせたこともあるそうです。「あいつらは、ふだんは人間なんか襲いたくはないので、山で出会っても知らん顔して通り過ぎれば大丈夫だ。でも、あのときは、自分が襲われた、と知っているから必死だったんだろう」

    でも、最近は、稲武ではイノシシが減っているそうです。4年前ころまでは、11月15日から2月15日までの猟期に10頭以上しとめたそうですが、今年は、猟期があとひと月もないのに、まだ4頭しかとってないとのこと。

    数年前、田畑を荒らすイノシシが急に増えたようですが、その後、駆除や電気柵が功を奏してか、かなり被害が減ったそうです。

    猟師さんたちはイノシシのほかに、害獣である日本鹿やタヌキ、アナグマ、ハクビシンなども撃ちます。鹿はイノシシより皮に脂がないので、解体しやすいのだとか。タヌキ汁も食したことがあるそうです。感想は、「まずいということもなかったよ」。
    
    いま、稲武の猟師は30人くらいいるそうですが、銃の免許を持っているのは13人だけ。しかも、平均年齢は60いくつか。一番若い方で40代だそうです。ここでも、後継者不足が悩みです。

    中乃屋の店内にかけられているイノシシの剥製。こうしてみると、牙が恐い。
    
    小さいイノシシの剥製もあります。これくらいならいいけれど、80キロも100キロもあるヤツには、いくら、向こうが襲う気がなくても、できれば会いたくないものです。

    大石さんの派手ないでたちは、誤って撃たれないように目立たせるため。同じ猟師を誤射するだけでなく、近頃は山歩きの人をまちがって撃つ事故もおきているそうです。

    獣は、わなでも捕まえます。こちらも、人間がかかることがよくあるそうです。わなの置いてあるところには、ピンクの標識がちゃんと立っているそうなので、よく見て、気をつけて歩かなくちゃ。

    
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