骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

最初のイギリス公使宿館跡を骨で聴く

2013-07-11 19:02:29 | 骨で聴く体験記

 以前に訪れた「最初のフランス公使宿館跡」に続いて、今度は最初のイギリス公使宿館跡へ骨伝導とともに出かけてきました。

 2010年に国の史跡に指定された最初のイギリス公使宿館跡は、高輪の閑静な場所で緑に囲まれた東禅寺にあります。品川駅からもそれほど離れているわけではありませんが、袋小路の突き当りにある関係で、交通量も極端に少ない場所です。

 安政6年にイギリス公使宿館となり、初代公使はルザフォード・オールコックでした。
 これは前年の安政5年(1858年)に締結された日英通商条約によるもので、わが国最初のイギリス公使宿館となりました。

 ここはまた、大きな事件の舞台ともなりました。



 文久元年5月28日の夜、水戸浪士の襲撃事件です。有賀半弥等14人が東禅寺の公使館を襲撃しました。公使のオールコックは難を逃れましたが、書記官オリファントと長崎駐在領事モリソンが負傷しました。襲撃した浪士も3名が討死し、1名がその場で捕縛されました。

 翌年の文久2年5月29日にも事件は勃発しました。幕命により松本藩がイギリス公使館を警備していましたが、これを憂慮した松本藩士の伊藤軍兵衛が公使館に侵入したのです。その結果、イギリス兵クリンプスとスウィートの2名が殺害され、自らは自刃しました。
 この事件により松本藩は警備の任を解かれ、藩主である戸田光則が差控を命じられるなどの処罰を受けるに至りました。

 そんな事件がおきた舞台でしたが、ここは明治6年(1873)ごろまで使用されていたようです。
 
 現在は本当に閑静で、血なまぐさい事件のあった場所とは思えない雰囲気を出しています。夏の太陽の下、骨伝導ヘッドセットを通して当時の悲劇に思いをはせます。耳では聞こえない音を「聴く」ような気分に浸ります。
 米軍で採用された特許技術の骨伝導スピーカーとともに、幕末の歴史を少し考えてみました。

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