骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

明王院を骨で聴く

2008-01-22 10:07:15 | 骨で聴く巡礼旅


 前に謎のピラミッドとしてご紹介した(⇒ピラミッド不動尊を骨で聴く)寺院について、改めて骨で聴くことにしました。

       

 正式名称は呑嶺山明王院安養寺といいます。
 群馬県の太田市にあり、この場所の地名も安養寺といいます。かつてこの近くには、日進加工㈱の群馬工場がありました。2000年6月、半導体の洗浄剤などに使う「ヒドロキシルアミン」を精製する蒸留塔が爆発するという大きな事故がありました。この事故で従業員4人が死亡しました。周辺住民でも約30人が重軽傷を負ったと報道されました。
 近隣の建物に甚大な被害をもたらしたことはいうまでもないことですが、驚くべきことは爆発音で、その音は30kmも離れた前橋市、高崎市、熊谷市などにまで届いたといわれます。

 戦乱の歴史も経験してきた明王院は、その事故のあとでもかつてと同じように佇んでいます。
 宗派は弘法大師空海の真言宗です。
 本尊の“新田触不動”は「太平記」にもあります。そのときの挿話というのが、本尊の不動明王が山伏に化身して、新田義貞が鎌倉幕府攻めに挙兵するとの報を、越後一帯の新田氏一族に一夜のうちに触れ走ったというものです。

 山門から入り、本堂・庫裏・千体不動塔・大塔宮護良親王の鎌倉幕府討幕の令旨を刻んだ石碑などを見学できます。新田荘遺構の一つとして史跡指定になっているのがよく分かります。

                

 しかし、真言宗の寺院ですから忘れてならないのは大師堂です。
 弘法大師像の後ろに、大師堂としては少し変わった建物として眼にうつります。

 境内で骨伝導を使っても、かつての事故の音は聴こえません。近くのバイパスを通るクルマの排気音は完全なノイズです。
 ただ、新田氏の悲劇の歴史を刻む足音は確かに骨から脳に伝えられてくるようです。耳だけでは決して感知することのできない音かもしれません。それを米軍で使われている最新の特許技術が21世紀の私たちに伝えてくれるのであれば、それもまた不思議な感じがします。

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