骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

布施弁天を骨で聴く

2012-10-08 05:13:03 | 骨で聴く巡礼旅

 上野の寛永寺弁天堂、藤沢の江島神社とともに関東三弁天のひとつに数えられのが、布施弁天です。寛永寺や江ノ島といった有名な場所ではなく、千葉県柏市の利根川に近いのどかな地にあります。平坦なエリアで、そこだけこんもりとした山になっているので、まるで古墳か海に浮かぶ小さな島のような印象を持ちます。

 開運・パワースポットとしても霊験あらたかなこの布施弁天へ、最先端技術満載の骨伝導機器とともに参拝に出かけました。

 正式名称は紅龍山布施弁天東海寺で、大同2年(西暦807年)に弘法大師空海御作といわれる弁財天像をご本尊(秘仏)として開山された祈願寺です。
 布施弁天のいわれ(縁起)は、伝説に彩られ、古からパワースポットを形成してきたことを裏付けるものといえます。



 大同2年(807年)7月7日、大雷雨とともに赤い龍が現れました。赤い龍の手には土塊があり、それを捧げて島を造りました。島の東の山麗からは、その後不思議な光が夜になると射すようになったといいます。そんなある日、天女が村人の夢に現れました。

「我は、但馬の国朝来郡筒江の郷(兵庫県朝来郡和田山町)から参った、我を探し祭りなさい」

 と告げました。
 夢から覚めた村人が光をたどっていくと、そこに三寸の尊い御像があったのを見つけました。早速、天女の言いつけどおり、藁葺きの小祠を建てておまつりするようになったといいます。

 このエピソードは、弘法大師空海が関東巡錫のとき、この地を訪れた際に耳にすることになりました。空海はすぐに小祠に赴き、

「この像は、私が但馬の国で願をかけ、彫刻し奉った弁財天である」

 と感嘆せられたといいます。

 空海ここに寺院を造り、山を紅龍山、天女の利益にあやかり「布施」という地名を付けました。そして京に帰った際、嵯峨天皇に事の次第を申し上げました。

 弘仁14年(823年)、嵯峨天皇は空海の話にいたく感動されました。布施弁天に田畑を寄付し、堂塔伽藍を建立されるようにしました。さらには勅願所にまでしたのです。
 勅願所とは寺社としては別格の扱いで、天皇が天災地変や疫病流行などを祈願せしめられた寺社です。

 その後100年近くが経過した承平年間(931年~938年)、平将門の兵火のため焼失されてしまいました。それに対して、討伐軍の武将が弁財天を信仰し、尊像奉持し、平将門の乱を制しました。そこで布施弁天を再興しました。
 本尊の弁才天は松の木の上に避難し難を逃れていたことから松光院と名付けられるようになりました。

 この後も天災や戦乱で興廃を繰り返すことになった布施弁天ですが、現在の本堂が完成しまたのは、本多豊前守により享保2年(1717年)のことでした。




 赤い龍の伝説から、仏教界の巨星・弘法大師空海、嵯峨天皇、平将門の乱の平定等々、のどかな場所に建つ寺院とは思えないような歴史に彩られているのは、それだけここに宿るパワーの大きさを証明しているかのようです。

 本尊の弁才天は庶民にも親しまれているものですが、梵名でサラスバティといい、インドの大きな河に名づけた聖河の呼び名であるとも言われています。河そのものに対する自然信仰が発祥で、河を神格化してきたことに由来すると言われます。
 これは古代文明がすべて大河とセットとなっていることからも分かるように、大河こそ文明を生み出した母であり、インドではインダス川、メソポタミアではチグリスとユーフラテスの二つの大河、エジプトはナイル川です。

 また弁才天は七福神の一つにも数えられています。それで余計に身近な存在になっているともいえますが、仏教の経典『大日経』では、二臂(二本の腕)をもち、琵琶を奏でる天女姿となっています。しかし布施弁天はインドから中国に渡った『金光明最勝王経』に説かれている八臂弁才天で、剣、弓、矢、斧など武器を持った戦闘神、守護神の風体です。

 剣は冴えわたった知恵を現し、また煩悩を断ち切るめに知恵の利剣です。
 玉はいわゆる宝珠で、財宝、心の幸せを与える宝です。
 弓と矢は、それぞれ心の魔、煩悩などを退治する知恵を改良するためのものです。

 功徳広大無辺である布施弁天が霊験あらたかなのは、むしろ当然のことかもしれません。

 米軍採用に特許技術を活用した骨伝導機器も、それぞれの用途に応じた活躍をします。工場やクルマ、バイクの走行中の騒音環境での驚異の威力、伝音難聴の方の気軽な補助器具としての大活躍などです。

          ⇒ 驚異の骨伝導パワー

 個人的に大好きな布施弁天には、約20年ぶりに行きました。感慨無量で、しかも今回は骨伝導機器と一緒だったので数百倍のパワーを授かった気分です。