いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米仏の不協和音。 discord of usa and france

2023-04-22 20:31:41 | 日記
 (1)米国と中国の覇権争いの対立の影響を受けて自由主義陣営では米国主導の多国間協定が相次いでおり、米国バイデン大統領主催の民主主義サミットが開催されて海洋進出を強める中国包囲網を敷いている。
 日米豪印クアッドはインド、太平洋の自由航行、平和、安定を目指して、米英豪オーカスで太平洋軍事同盟を強化し、G7は持ち回りでサミットを開催して今年は広島サミットが開催され中国の力による現状変更問題が焦点のひとつだ。

 (2)米英豪オーカスでは米国と豪が豪の原子力潜水艦の建造に向けて協力する協定を打ち出し、すでに仏と豪が進めてきた原子力潜水艦建造計画を一方的にホゴにするもので、これに仏が反発して米仏関係でも波風が立った。
 さらに仏マクロン大統領は中国習主席の要請に応じて訪中して、台湾情勢について「欧州は米中いずれにも追随すべきでない」(報道)と発言してこれまでの米国の台湾擁護姿勢に「追随」しない考えを示して中国に配慮した姿勢をみせて、中国の台湾解放への軍事関与が懸念される中で仏の姿勢が国際批判を浴びている。

 (3)日本で開催された軽井沢G7外相会合でも仏外相は釈明に追われて、G7広島サミットでもこの問題でのG7の結束が問題になりそうだが、G7、自由主義陣営の対中国包囲の連携を強化したいバイデン大統領は関係修復をはかるべく仏マクロン大統領と電話協議をして「台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」を確認した(報道)とされる。

 (4)が、そこまでで、そのあとマクロン大統領が発表した声明では「台湾には直接言及せず」(報道)メディアも「台湾を巡り(米仏)2人のリーダーの声明は異なっていた」と報じた。
 仏には上述したように豪を巡る原子力潜水艦建造計画の米国の横取り問題が念頭にあり、そもそも仏は伝統的に米国主導の自由主義国、陣営連携には外交上一定の距離を置く独自の姿勢、方針が強くあり、中国とも経済的なつながりを重視して等距離外交を目指すマクロン外交もうかがえるものだ。独メルケル前首相も在任中は経済優先で中国重視政策を進めた。

 (5)冒頭例のように中国の海洋進出による一方的な現状変更、米国との経済対立の中で米国は多国間協定を進めて中国包囲作戦を展開しているが、すべての自由主義国が米国主導、意図のそれに従うことでもなく、それぞれの事情、背景、目的もあり、異なり、中国の軍事力を背景にした海洋進出による現状変更、台湾解放の軍事関与に対して結束できればこしたことはないが、そうでないからといって独自の外交方針、姿勢が否定されることでもない。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大学とAI。 Univ. and AI

2023-04-21 20:39:04 | 日記
 (1)そういう記事ではなかったが、今年の東大の入学式で学長他学部長など役員が入場してくる写真があって、それぞれに伝統色の古式ゆかしきマントに身を包んでいた。ピカピカの靴の中、学長だけが使い古したヨレヨレの分厚いスニーカーだったのが愛嬌で微笑ましかった。
 1年に1度か2度の入学生を迎え入れる式だから、伝統色豊かな身なりで祝うのもいいし、大学の国際化も進んで教育、研究競争も激しい中でもうそんなことから脱して時代に合った普段着でもよかった、見たかったという思いもある。

 (2)日本の大学の世界評価が低く(政府の教育投資なども含めてのものだが)、大学改革の9月入学も実現しないマンネリ化教育だ。その藤井東大学長は、大学教育でのチャットGPT利用についてしっかりとした文章を書くためには「創造性を育む基盤として経験学習が重要」(報道)と問題提示をした。
 
 (3)東大は「リポートは学生本人が作成することを前提としている」と強調してチャットGPTの使用を禁止するとしているが、一方でAIの進歩は極めて速いとして生成AI(人工知能)ツールの利用について「AIを巡って今ものすごい競争が世界で起きている。早くやらないとたぶん追いつけなくなってしまう」(太田東大副学長)として具体的な指針を1~2か月後に示したいとしている。

 (4)学長他が古式ゆかしきマントに身を包んで新入生を迎え入れる荘厳な入学式もいいが、日本の大学の置かれている世界基準との落差について理解し、大学改革を進める気力、気概が必要だ。新しい改革として取り組まず、古式ゆかしき伝統色に身を包んで安住していては「創造性を育む経験学習」ができるのかは心もとない。

 (5)入学式での伝統色豊かな古式ゆかしきマントとその学長の足元のはき古したスニーカーの自由でおおらか、愛嬌の異色の組み合わせで、これだから東大改革に期待できるのか、東大のチャットGPT、生成AI利用に対する見解がどう出るのか興味、関心がある。

 (6)教育研究は進化とどう向き合うのかは、パラドックス(paradox)として松下村塾のような先祖返り論も一部にはあり、時代の変化と歩調を合わせる、先取りするものもあれば、時代の変化に左右されない高い独自性、独立性、先見性に帰るものもあり、大学改革の本質論がまだみえない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本経済の危機。 crisis of japan economy

2023-04-20 20:52:46 | 日記
 (1)メタバースが出てきて大学授業にも活用が期待されたと思えば、今度はチャットGPTが出てきて政治の答弁集作成に活用の話がある一方、大学では学生のレポート、論文作成にはすばらしい文章作成には経験学習が必要だとして禁止するとして右往左往で、日本社会もIT、AI時代に適正に対応できないでいる。

 (2)上海で開催中の世界モーターショーでは中国EVが席けんして、日本車は劣勢を強いられている。トヨタは22年の新車販売台数が1048万台と世界1位だったが、EVは2万台と落差が大きい日本経済の危機だ。
 中国の消費者からは今や「日本車は走行性や耐久性は優れているが、車内のスマートサービスが物足りない」(報道)との声があり、車に対する志向、期待も大きく変化をみせている。

 (3)日本がなかなか世界と競争できないIT、AI分野での商品価値が大きな比重を占めている車実情だ。日本企業もこのまま手をこまねいているばかりではないと思うが、日本の将来の経済事情には厳しい市場背景が押し寄せている。
 経済活力は消費者の志向、動向、期待が大きなダイナミズム(dynamism)になるものだけに、将来の日本経済は少子化も含めてこれまでのようにはいかない、ならない落ち込みも予想されるものだ。

 (4)政府も防衛費増額、子ども手当倍増を政策主力に取り組んでいるが、経済が世界の主流から遅れていることにも対策が必要だ。もちろん安倍元首相のように大企業、富裕層優遇政策による経済成長ということではなく、成長と分配の好循環で厚い中間層をつくる岸田首相が掲げるあたらしい資本主義で将来的には「成長」をどう実現していくのか、現在の世界の経済の主流から乗り遅れている日本経済の立て直しが急務といえる。

 (5)GDP3位の日本の経済力は安泰と理解している国民も多いだろうが、環境問題の取り組みで先行する欧州がガソリン車の新車販売を35年までに禁止する方針を打ち出しており、日本は取り組みが遅れてEVでも世界に大きく出遅れている。

 (6)何より巨大市場の中国がEVでも大きく先行して日本車への人気が低迷(時代遅れ感)していることで、インドが中国を抜いて世界一の人口国となることが確実な中で世界の経済市場原理を変える、変わることが予想される中での日本経済も対策、戦略が求められる。

 (7)メタバース、チャットGPTの進出で政府も大学も活用是非を論じているようでは、日本の教育、研究、経済の先行き、将来展望は見通せない、開けないものだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大義と戦争ビジネス。 loyalty and war business

2023-04-19 20:39:37 | 日記
 (1)戦争というのは大義のあるものだから国対国の争いであるが、露のウクライナ軍事侵攻が1年を過ぎて露では前線での民間の民兵組織の活動が目につくようになってきた。露に限らないが露では戦争がビジネスになっていることをうかがわせるものだ。

 (2)戦争は始まってしまえば大義などは二の次で国による公然の破壊行為、殺人行為に終始して、不条理、理不尽な非人間的な修羅場戦場になる。どの国にも国軍、軍部はあるが、政治、軍指導者の指揮命令に従って国の利益のために行動する組織であるのに比べて、民間の民兵組織はカネ、権利、利益、生活のためにビジネスとして自主的、自発的に戦争に参加する組織だ。

 (3)戦争などあってはならないが、非人間的行為、強権抑圧政治、威かく行為による人民強圧、恐怖に対してそれを救うことを大義に戦争を開始することは受け入れられることはあるが、国家としてのガバナンスが働いての聖戦であり、民間の民兵組織がカネ、権利、利益、生活のために参戦することとは本質、意味が違う。

 (4)露の民間の民兵組織がウクライナ戦争で露軍部の統制、指揮、管理の中に入って行動しているのかわからずに、露の民間の民兵組織がウクライナ市民虐殺、虐待に関与しているとの懸念も聞こえて露のウクライナ軍事侵攻作戦とはまた異質の無差別無法行為の恐れもある。
 戦争では表に出ないが兵器、銃器のビジネス密売ルートもあり、大義なき戦争を支えている。

 (5)露によるウクライナ軍事侵攻では米、NATOがウクライナに兵器供与による支援をし、露もイラン、北朝鮮から軍事支援を受けたとの報道もあり、米国は中国も露に兵器支援をするとの危惧を示して取りやめるよう批判、非難している。そこに大義なき戦争兵器密売ビジネスが介在する危険性がある。

 (6)世界に戦争がなくならないのは戦争ビジネスが介在しているからではないのかと思わせて、露のウクライナ軍事侵攻での露の民間の民兵組織が前線での軍事行動で目立って報道されていることが、ウクライナ戦争の戦争ビジネスを特徴づけているようにみえる。

 (7)日本も兵器輸出原則を緩和して戦争当事国以外への兵器輸出を解禁しているが、巡り巡ってどこにその兵器が渡るのかは責任を持つことはできない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ以外の人から。 from persons without this members

2023-04-18 20:26:53 | 日記
 (1)恒例の「首相になってほしい人」世論調査はますます人材不足が顕著なのか、まったく国民の興味、関心がないのか、これまで名前のあがった常連の小粒なものだった。1位は河野デジタル相(66人支持)、2位に現職岸田首相(47人)、3位が高市経済安保相(46人)となり菅前首相、石破元幹事長と続き山本れいわ代表、小泉元環境相、橋下元大阪市長、吉村大阪府知事の名前があがった。

 (2)どれもこれもがスネに傷持つ政治手法、力量に難点、問題があり、少なくともパラドックス(paradox)として「これ以外の人から」(from persons without this members)日本の政治を担う首相候補が出てこないと、世界政治混迷で方向性を見いだせないカオス(chaos)の中で日本のカジを取るのはむずかしいといえる。

 (3)岸田首相が選挙応援演説直前に聴衆の中から鉄パイプ爆発物を投げつけられて爆発した事件を受けて、その後の遊説を予定どおり続けたことが世論調査後のことであり今後国民にどう評価、影響を与えるのかはわからないが、岸田首相は日韓首脳会談実現、ウクライナ電撃訪問の外交成果で内閣支持率の回復もみられて、今回の事件対応が追い風になることも考えられる。

 (4)党内最大派閥の安倍派が後継会長を決めれずに有力候補者がいないことも岸田首相には好都合だ。首相になってほしい人が「これ以外の人から」と書いたが、ビートルズ、チューリップの大ファンという関係からでもないが林芳正外相も首相候補として参院から衆院に転向して期待されている。

 (5)中国からの印象も悪くなく(国内的にはそれが中国から利用される問題でもあるが)、G7国外相との関係もまずは良好で無難なところだが、話題がG7外相会合のリバプール会場のビートルズ記念館でのJ.レノンの「イマジン」をピアノで弾いたり、今軽井沢で開催中のG7外相会合では米ブリンケン国務長官の誕生日に合わせてJ.レノンが長期滞在した万平ホテルの好物だったアップルパイを贈り祝ったことばかりが報道され、注目されるようでは心もとない。

 (6)経済、財政問題での政治家としての政策、理念、方針もまだ伝わってこずに未知数な部分も多く、安倍元首相同様に政治家一家の温室育ちもみられて、参院から衆院くら替え、少数岸田派所属ということもあり党内基盤を固める派閥力学をどう使いこなすのかも未知数のままだ。

 (7)むしろ国内よりも異色話題の外相として国外政治的に知名度の高い政治家像ともいえる。こういう政治環境の政治家林芳正外相がこれからの日本の政治指導者として期待値が高い、世界政治の中の日本のむずかしい立ち位置、役割ともいえる。まずはその期待を込めて経済、財政運営の基本理念、方針がどこにあるのかだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする