いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

他国軍の強化支援と防衛ライン。 consolidated support of foreign forces & defence line

2023-04-06 20:29:36 | 日記
 (1)あまりこれまで聞き慣れない「政府安全保障能力強化支援」(OSA)というのを耳にした。岸田政権は5年間で43兆円の防衛費増額を決めているのでその強化策かと思いきや、今度は他国軍の能力強化支援を本格化させ海洋進出を強める中国に対処する(報道)もので、フィリピン、マレーシア、バングラデシュ、フィジーを対象とするものだ。

 (2)ODAは非軍事的支援に限られており、あらたにOSA支援で途上国軍のレーダーなどの資機材の提供、インフラ整備に充てる(報道)無償資金協力だ。どこまでが日本の安全保障の防衛ラインなのかわからないが、フィリピン、マレーシアなどは中国の南シナ海領土化が進み緊張が増しておりこれに日本が具体的に協力支援をするもので、日本の安全保障、防衛というよりは東南アジアの中国の脅威に対する国際協力という側面が強い。

 (3)中国の海洋進出に対抗するために日米印豪によるインド太平洋の安全枠組みクワッドが結ばれて、その一環策としての日本のOSA協力とみられる。「政府安全保障能力強化支援」の見出し(caption)とは役割、本質が違うようにも見え、他国軍の能力強化支援というのは憲法が保障する自衛権を逸脱しており南シナ海のフィリピン、マレーシアなどの軍事支援が日本の安全保障にかかわるもの、防衛ラインになりえるのか、強化に協力支援するというのは戦前の日本の安全保障のために旧日本軍の韓国、中国などアジアが日本の防衛ラインとしてアジア侵略植民地支配に結びつけた軍国主義的思想を想起する。

 (4)米軍役割の肩代わりのようにもみえて、米国の世界戦略に日本が肩代わりとして取り込まれていく危険は大きい。台湾有事は近隣に日本のEEZ、与那国島があり日本の有事との理解とはあきらかに違う中国への軍事対抗進出策であり、日本の安全保障、防衛策とはいえない憲法理念にも反して軍備化拡大路線であり、見過ごすことができない。

 (5)国会では防衛費増額、反撃能力(敵基地攻撃能力)問題の論議は財源も含めてこれからであり、OSAについても国民の理解が得られるのか十分な審議が必要だ。日本の防衛にも大きな意味をもつことになる。

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