goo blog サービス終了のお知らせ 

いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

反論の危険性。 dangerousness of contrary opinions

2013-04-25 19:44:45 | 日記
 (1)憲法改正を目指す安倍政権の危険性(dangerousness)がいよいよ顔を出してきたというところだ。彼らは都合のいいロジック(logic)を使って憲法改正、自主憲法制定への環境慣らしに努めている。

 いわゆる諸外国では憲法改正は特別なことではないとか、現行憲法は米国の押し付け憲法で自分たちの手による自主憲法制定は独立国家としては必要だというものだ。
 今のところ自民党改正試案では自衛隊の国防軍化、集団的自衛権の容認、環境権制定などが主な論点として浮上しているが保守色の強い改正全貌は不明で、今夏の参院選までは本格的な憲法改正論議を控える方針の中、今国会ではまず憲法改正手続きの第97条改正を優先して取り組む姿勢を示して、参院選の争点にする意向を示している。

 (2)第97条改正論議でも、安倍首相は国民の3分の2以上が望んでも国会議員の3分の1ちょっとが反対すれば改正発議も出来ないのはおかしいと、ここでも都合のいいロジックを使って自己主張を展開している。

 国の基本法の憲法改正となれば国民全体参加の念入りな議論が不可欠で、国会が「容易」に検討を進めて低いハードルで国民に判断を求める問題ではなく、国政選挙の争点として政権選択も含めて国民に信を問わなければならない重要政治課題であるから、憲法改正手続きのハードルを下げる必要もなく、国政選挙で国民に直接判断を求める方法論を使えばいい。

 (3)そこで冒頭の安倍政権の憲法改正を目指す論理的危険性(logical dangerousness)だが、靖国神社の閣僚参拝を巡る中国、韓国からの反発について安倍首相が国会で反論した。

 「歴史や伝統の上に立った、私たちの『誇り』(ブログ注:誇りは自国だけでなく占領支配された他国にも同様にある)を守るのも私の仕事」、「国のために命を落とした英霊に尊崇(そんすう)の念を表するのは当たり前だ。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」、「批判に痛痒(つうよう)を感じず、おかしいと思わないほうがおかしい」(報道)といまだに日本の戦争責任に明確で理路整然と整理、検証もせずに、自国事情、立場、擁護に徹した国内向け反論はワンサイドでおかしいものだ。

 安倍首相も言うように中国、韓国がある時から急に靖国参拝に反発するようになったとしても、それを「脅かし」と言うのは無責任で短絡だ。

 (4)「国のために命を落とした英霊」は戦争推進先導者とそれに従った戦争被害者に分けられ、理由の如何によらず朝鮮半島、中国大陸に侵略し占領(植民地)支配をして他国民を犠牲にしてきたことは事実だ。

 自国の事情、都合だけに偏向して被害を与えた他国の感情を無視して尊崇の念を表すことなど出来ない国際事情の問題である。だから安倍首相も靖国参拝を控えているのではないのか。

 (5)自己矛盾の中の都合のいいロジック展開でごまかしがある。かって侵略支配をした他国に対して配慮、敬意を示した自国民英霊の尊崇の方法論を確立するのが現在政治の宿命だ。

 グローバル時代、世界経済協調時代の中で自国都合のワンサイド国益擁護論は、憲法改正焦点に危険な思想(dangerous thoughts)と言える。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羽生王位の比較実力。 comparative proficient

2013-04-24 19:51:07 | 日記
 (1)将棋界最高峰の第71期名人戦が行われている。3期連続で森内名人(42)と羽生王位(42)が対戦する異例の名人戦だ。第1、2局は森内名人が勝利した。
 名人戦はA級リーグ棋士の最高実力者10人が数か月をかけた総当りリーグ戦の結果、最上位成績者が挑戦資格を獲得する熾烈(しれつ)で激闘の挑戦権争いの最高峰将棋戦だ。

 名人戦の挑戦権争いリーグ戦だけでも王座決定戦に匹敵するほどの限られた実力者同士の密度、精度の高い将棋戦が展開される。
 毎回(毎年)同リーグ戦下位2名が降格して昇格者と入れ替わるという厳しい勝負環境にある。

 (2)69期に森内さんに名人位を奪われた羽生善治さんは、次のこの最高峰の70期名人戦挑戦者リーグ戦を全勝で勝ち上がり未曾有の圧倒的な実力を示しながら、しかし森内名人との名人戦7番勝負では敗退している。
 今期(第71期)は同リーグ戦を8勝1敗とわずかに1敗はしたが、やはり他を圧倒する高い実力を示して連続で森内名人への挑戦となった。

 (3)スポーツを含めて長い勝負世界の歴史の中で、それぞれの時代を代表するチーム、プレーヤーの「実力」を比較検証(comparative verification)することなど無意味で、実際環境、基盤、条件も違う中で公平、公正に実力比較など出来るはずもないことだ。
 興味本位で史上最強チーム、プレーヤーというのを選出する企画はあるが、人気、欲求満足、叶わぬ夢にすぎない。

 (4)それでは、正に同じ時代に同じ基盤、条件、環境の中で三度連続で将棋最高峰の名人戦を争う森内名人と羽生王位の比較実力度(comparative proficient)は、どう評価できるのか。

 この2年間に限定しても、羽生王位がくり広げてきたのは正に将棋界最高峰実力者リーグ戦でのわずか1敗という文句のつけようのない圧倒的な「実力」だ。
 羽生善治さんは史上初めてのただひとり7冠全制覇の別格の実力者であり、森内名人に先駆けて名人位を獲得している。

 (5)一方名人戦7番勝負に限っていえば、森内名人は直近2期にわたってこの突出した羽生さんから名人位を奪い、挑戦を退けている実力者だ。この間、年間の他将棋戦では極度の不調、不振の年でも名人戦に限って羽生王位に勝利するという「実力」だ。

 1局2日制、7番勝負という対局長丁場の名人戦に向いている思考力ともいわれ、また同年の羽生王位に強い相性のジンクスも出てくる。

 (6)現時点での名人戦での森内名人の実力優位性は変わらないが、待ち受ける立場の優位性でもあり、最高実力者揃いの熾烈で激闘の同リーグ戦を連続で圧倒して勝ち抜いた羽生王位の安定した相対的総合実力もさすがという最高実力評価といっていいだろう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

靖国参拝と反発。 yasukuni worship and repellence

2013-04-23 19:39:19 | 日記
 (1)理由は何であれ、他国の領土を侵略して他国民を制圧支配して占領支配することなど許される行為ではない。仮に何らかの理由で追い込められて挑発されて2国間紛争に巻き込まれたとしても、せいぜい許される正義感があるとしてその原因を排除、排斥する反撃行動に限定されるべきことだ。

 他国に侵略して占領支配することなど許されるはずもないことだ。戦前の日本軍事政権は欧米に対抗する大東亜共栄圏護持とか言ってアジア大陸に侵略して、朝鮮半島、中国大陸を占領(植民地)支配してその後の第2次世界大戦ぼっ発へと発展していった。

 (2)この第2次世界大戦開始の「理由」はそれぞれの立場、思惑から諸説が交錯しているが、理由は何であれ他国、国民を占領支配することなど許されるはずもない。
 第2次世界大戦の敗戦で日本は多くの責任と損害と教訓を負わされたが、侵略された現在の中国、韓国からは当時日本の侵略占領支配責任としての「歴史認識」、反省問題を機会あるごとに厳しく問われ続けている。

 (3)その最たるものが当時の戦争推進責任者(A級戦犯)、軍人が多く祀(まつ)られている靖国神社への政権閣僚の参拝問題(worship affairs)だ。当時の小泉首相が8月15日に強行参拝したことで、その後同政権時代を通して中国、韓国との正常な国交関係が途絶えたこともある。

 その後、中国の経済成長により両国経済関係の重要性が増して、さすがに日本の首相は公然と靖国参拝(yasukuni worship)という形式はとらずに中国、韓国に配慮してきたが、閣僚の一部が参拝するたびに当事国代表者会談の中止、交流行事中止、経済制裁という対抗措置により、中国、韓国との外交関係は亀裂を生んできた。

 (4)今年も安倍首相は靖国参拝をしない方針を示しているが、靖国神社の春の例大祭(4月)に麻生副総理ほか一部閣僚が参拝してこれに中国、韓国が反発(repellence)して、すでに韓国の外相の訪日が中止となり、日本からの日中友好議員訪中団行事も中止となった。

 毎年迎える試練の外交政治の季節に、けっして交わることのない3か国の戦争、占領支配責任政治問題の歴史観がある。

 (5)日本からすれば戦争責任とは別の「国内問題(domestic affairs)」、一神社本庁に属する靖国神社に祀られた戦争被害者に現在の政治執行責任者として、哀悼(あいとう)の意を示す当然の自発的国民行為に外国政府から干渉される問題、筋道ではないという形式論だ。

 日本国内でも、戦争を推進先導した責任者(A級戦犯)とそれに従った軍人、戦争被害者を同列で祀ることへの問題提起もあり、これを分離して祀る議論もある。

 (6)ただし、閣僚、議員の靖国参拝は同支持支援勢力への配慮、呼応問題でもあり、保守系議員勢力にとっては選挙対策としても引くに引けない事情もある。
 日本の第2次世界大戦の戦争責任となると、当時の国体から天皇の戦争責任問題もからんで国内でも理路整然と整理されずに戦争感情論として「うやむや」にされてきた経緯がある。戦争侵略被害国に理解されるはずもないことだ。

 靖国参拝が他国から干渉されない「国内問題」と言うなら、せめて当時の戦争推進責任者(A級戦犯)と従った軍人、戦争被害者を分離して祀る責任方式を国内外に示すことが国民感情だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

河村市長の絶対・相対評価。 absolute and relative appraisal about k. mayor

2013-04-22 19:39:06 | 日記
 (1)昨日行われた名古屋市長選投票では、現職の河村たかしさんが自民、民主連携ほか他候補2名を圧倒して再選を果たした。減税が争点となって他に見るべき政策争点もなくてその時点で対立2候補の力不足はあきらかで、今回の同市長選は河村さんのこれまでの市政評価となる「獲得票」の行方が最大の関心であった。

 結果は前回の市議会リコール成立にあわせた辞任による市長選での記録的な66万票余りに24万票近くも及ばない42万票となった。

 (2)今回の42万票、得票率62%の獲得票の行方をどう見るのかは、絶対評価(absolute appraisal)と相対評価(relative appraisal)では分かれる。
 得票率62%の支持は冒頭のように対立2候補を圧倒する信任による比較高い得票数で、「絶対評価」としては高い評価を得たことになる。

 市民税10%恒久減税、地域委員会、市長報酬800万円、議員報酬削減を公約に議会と対立の末に減税率は5%となったが公約を実現した政策(公約)実行力、信用力への高い支持に、政治理念、政策、行政観が市民本位で市民感覚に近く市民奉仕精神性(public servant)を体現しており、反比例する国政へのアンチテーゼ(anti these)、反権力志向として人気、支持も高い絶対評価だ。

 (3)一方前回の市長選史上最高の66万票獲得に比べて今回24万票(40%近く)も減らしたことは大きな市民批判票として看過できないもので、「相対評価」としては河村市政評価にあらたに多くの不満、疑念を示した結果だ。

 独自観を戦略もなく主張して議会対策を怠り、無意味な対立をただくり返して不毛の行政手法は、自己満足型の限界も露呈した。

 (4)今回も減税、市長・議員報酬恒久削減ほかを公約に勝利して、政策の継続、実行性を主張しているが、不毛の対立、無意味なくり返しのない議会対策を十分にして、前回比24万人批判(票)を重く受け止めた市政、行政運営の進化を示さなければならない。

 政令指定都市で初めて議会リコールを成立させたが、今度は中京都構想による行政機構改革をどう主導するのかだ。国の形を変える成果、期待の大きさもある。
 政治手法のまずさから、公約実現、実績評価が相当に評価されない損な立ち回りではある。

 (5)市長市政の絶対評価と相対評価の反比例は市民迎合政治(populism)の功罪を示すもので、直接民主主義の地方自治を代表する市長(mayor)と議会(diet)が市民本位の行政に協調して効果、成果をあげる必要性の重さを示すバロメーター(baromerter)でもある。

 今日、市長本人も受け取った当選証書を市民からの職務執行命令書だと言っていたが、支持層利益に限らずに抱えた多くの批判層にも丁寧に説明できる成熟した革新的市政推進を目指さなければならない。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敗れてこそ、人間力のすばらしさ。 splendor of human power understand by defeat

2013-04-21 19:31:49 | 日記
 (1)プロ棋士と将棋ソフトコンピュータの対抗団体の将棋電王戦は、将棋ソフトの3勝1敗1分けで終った。将棋ソフトコンピュータは東大開発チームが600台超のコンピュータをつないで(報道)機能総力戦での勝利で、パラドックス(paradox)として敗れたひとり対抗の人間の頭脳のすばらしさをあらためて思い知らされた結果となった。敗れてこその人間のすばらしさだ(splendor of human power understand by defeat))。

 最後の2局はプロ棋士上段者との対戦となったが、第4局はかろうじてプロ棋士がねばって、ねばって引き分けに持ち込み意地と執念を見せ、最終第5局は現在最高峰名人戦リーグ(最新リーグ2位)に所属する実力者プロ棋士であったが、将棋ソフトコンピュータの「弱点(序盤)」を意識しすぎて(本人談)いつもと違った展開で「実力」を発揮できずに敗北した。

 (2)「人間」にあって「コンピュータ」にないものが、確証のない思惑を勝手に左右する感情(喜怒哀楽)、執念であり、思惑、感情(emotion)を意識しすぎての心支配された人間の「弱さ」が無機質で法則(人間解析力)に完全支配されたコンピュータに遠慮もなく今回は押し切られた格好となった。

 人間の弱さでもあり、生物以外には持ち得ない「感情」のすばらしさ、貴重さと、そしてコンピュータ600台超の連合体にひとり立ち向かった人間の頭脳のすばらしさこそ再発見、再認識できた将棋電王戦だった。

 (3)東大開発チーム関係者は、600台超のコンピュータが故障もなく稼動したことに安堵(あんど)し、将棋連盟会長(谷川浩司棋士)は、いまさらながら精神性の重要性をコンピュータに教えられることは思ってもいなかった(報道)と感想戦をともに謙虚に振り返っている。

 コンピュータソフト自身に感想戦を聞くことは出来ないが、プロ棋士側は先導者の面目にかけても負けられない(あるいは負けるはずがない)と相当の意気込み、決意を聞くにつけいつもの冷静さはなく精神的なハンディは戦う前からあった。

 (4)目に見えない相手(頭脳、思考、想像力)の圧力にいつも冷静に適切に対応することが特徴のプロ棋士も、付加価値がすでにソフトに内臓されている無機質でとらえどころのない多機能コンピュータ相手では、人間自らの思惑、感情が「カラ回り(run idle)」する人間の弱点がよくわかったことと、パラドックスとしてやはりこれまた人間の多機能な頭脳、感性のすばらしさを再認識させられた将棋電王戦だった。

 コンピュータの進化論とか最高峰プロ棋士対コンピュータ将棋ソフトの異次元の戦いという興味、注目度以前の、「敗れて」こその「人間力のすばらしさ」を示す教訓でもあった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする