goo blog サービス終了のお知らせ 

いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治哲学のない党首討論。debate of the party leaders has no political philosophy

2013-04-18 20:07:33 | 日記
 (1)今、主な政治課題といえば①デフレ脱却、②景気回復、③賃上げ、④1票の格差是正(定数是正)、⑤憲法改正、⑥震災復興、⑦原発再稼働、⑧TPP、⑨北朝鮮ミサイル、⑩尖閣諸島領有権とあるが、昨日の党首討論(debate of the party leaders)では核心、本質問題に踏み込んだ比較論争は聞かれなかった。

 安倍首相は強引な日銀介入による意のままの総裁交代で大胆な金融緩和による円安株高現象を誘引して経済堅調の中で自然と余裕の対応で、野党の民主党代表はアベノミクスの副作用を取り上げて攻撃したが首相に経済成果データを強調されて確実に日本を覆う「空気」が変わったと軽くかわされてしまった。

 (2)長引くスパイラル(spiral)デフレ不況からの脱却に向けて、一時的にも金融緩和、国債負担増による景気刺激策は必要であり(その後は財政規律、健全化)、前民主党政権のようにすべての財政、金融回復責任を消費税引き上げによる当時デフレ円高不況の世代が背負って後世世代にツケを回さないというのも一面的すぎるし、インバランス(imbalance)な政治姿勢だ。

 それに固執して民主党代表がアベノミクスの副作用効果に質問を集中したのは、首相の政治姿勢の本質、核心に迫るものではなかった。経済政策は市場動向を見ながらの影響効果を見ながらの柔軟な対応を求められるものだけに、普遍的、本質的な比較政治論にはならない。

 (3)安倍首相の憲法改正具体化論、TPP参加交渉の聖域問題の論戦を通して安倍首相、政権の政治論、政策論、政治手法の本質、核心をあきらかにすべきであった。
 また憲法違反で緊要な対策、対応が必要な1票の格差是正で0増5減、定数削減のトータルな具体的で実効的な論争が必要であったが、0増5減か定数削減かの無意味な応酬で国会現状の憲法違反という危機感、切迫感打開の意欲が伝わってこない凡庸な討論であった。

 (4)安倍首相も、もっと自らの政治理念(安倍カラー)、信条を前面に出して政治論争を仕掛ければ、政治家の高い政治哲学(political philosophy)を感じさせる党首討論になったのだろうが、夏の参院選を控えて経済政策の成果強調の核心隠し、安全基調のプロパガンダに終始しての凡戦となってしまった。

 (5)内閣、与党の支持率が堅調で、その他野党は軒並み低支持率にあえいでいる現状政治のとおり、野党の政治能力、対応力の次元の低さが目立った党首討論だった。
 東日本大震災被災地域の行政形態(道州制)、原発再稼働についても政治姿勢、政策、政治哲学の比較論争こそが未来社会にとって注目されるべきことである。

 国会、党首討論で自画自賛の政治ショーを見せられても、投資(税)する国民にとっては比較検証もなく先行き考えさせられるだけのものだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする