いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日銀の相場師と元締め。 a speculator & a manager of the bank of japan

2024-06-17 20:17:12 | 日記
 (1)黒田東彦日銀前総裁は就任10年間とこれまでの最長を記録したが、その間安倍元首相、政府の大企業、富裕層優遇政策を支える大規模金融緩和政策を維持してきた。「投機筋の相場師」的役割でゼロ金利、政府の国債を大量に買い入れして現在の国債保有残高は全体の47.9%(報道)を占め、世界の中央銀行の通例20%程度を2倍以上も上回る異常性だ。

 (2)どういうことが起きているかといえば、政府の予算は国債発行増額で100兆円を超えて毎年更新して、毎年の大型補正予算編成による景気対策で政府の累積財政赤字は1200兆円に増大して将来世代への負担は膨らむばかりで健全財政とはいえない。

 (3)安倍元首相は公然と日銀は政府の「子会社」と明言して、大規模金融緩和策による急激な円安も国債発行増額による政府の大型予算もまるで問題ないと言い切っていた。
 国民生活は円安による大型物価高が続いて負担が大きく、円安効果による企業利益を賃上げ(トリクルダウン)に回すとしても物価高を上回ることが出来ずに消費行動を冷えさせてきた。

 (4)日銀の10年に及ぶ異次元の大規模金融緩和策の後遺症(円安、物価高)、出口論が課題になり、後任は日銀審議員を務め学者の植田和男氏が起用されて、「元締め」としての役割を担う。すでにゼロ金利政策を見直し、14日の金融政策決定会合では国債の買い入れ額を減らす方針を決めた。

 (5)方針は決めたが「いつ」、「どれくらい」減らすのかは明言せずに、市場の動向、景気判断をみながらの次回検討に先送りする慎重姿勢をみせた。「元締め」としては市場判断に任せるのではなく理論武装、裏付けの説得力も必要で、政府の意向に沿って動く「相場師」的判断というわけにもいかない責任がある。

 (6)長引くデフレと大規模金融緩和策は企業意識、心理にも影響して、家電業界は台湾、中国、韓国企業に遅れをとり一部企業は傘下に入り、輸出主要産業の自動車産業での検査データねつ造、認証不正がくり返されて経営倫理、コンプライアンス欠如が社会問題になったと考える。

 (7)円安株高効果により大企業中心に何もしなくても付加価値利益が上がるたなぼた式企業体系、体質の中で、企業の内部留保だけは数百兆円と増大して企業の努力(研究、開発、生産)がなおざりにされたなれあい結果だ。
 日銀の相場師的大規模金融緩和策に振り回された10年の軌跡だ。日銀の元締め的な対応の機会は指摘されていた。

 

 

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