いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

首相のスケジュールタイム。 premier's schedule time

2024-06-10 20:11:13 | 日記
 (1)新聞に公開される首相の1日のスケジュールタイムをみていると、岸田首相は国会審議のないある日の1日では次々と議員などからの提言書、要望書を受けとり、これは所管大臣に検討するよう回される、送られるのだろうが、夕方になって「新しい資本主義実現会議」が1時間弱開催されて午後7時過ぎには公邸に戻るというスケジュールタイムだ。

 (2)その間もおびただしい官僚など、人と会っており、これでは岸田首相が「頭」を使って何かを考え、行動することがまったくないスケジュールタイムだ。この日の夕方の「新しい資本主義実現会議」も1時間弱で終わるのでは岸田首相「肝いり」の政策理念としては1日の会議としても時間不足で、官庁任せのこれでは満足な議論などできないし、できないはずだ。

 (3)岸田首相肝いりの重要政策となれば、午後から半日使っても身を入れた会議を開き、早く道筋を示して実現に向けて行動計画を国民に示すことが責務であり、責任だろう。3年前に岸田首相の主要政策、理念としてそれまでの大企業、富裕層優遇のアベノミクスから分厚い中間層をつくる「成長と分配の好循環」を打ち出して首相1期が過ぎようとしているが、具体的な政策、行動計画は示されずに企業に対して賃上げ実現を要請するだけだ。

 (4)今年の春闘では少子化対策として経営者側からは人材確保優先のために賃上げ方針の必要性がいわれて、大企業中心に5%超、中小企業でも3%強の賃上げにパート賃金も上昇するという好結果を生んだがこれで「成長と分配」とはいえないものだ。日銀もデフレ脱却の大規模金融緩和見直しのための「物価高と賃上げ」の好循環と言い出した。

 (5)これでも4月の実質賃金は物価高を上回れずに過去連続のマイナス成長となり、政治が動かなければ、見通しを示さなければ成長と分配の好循環、分厚い中間層は出てこない。アベノミクスも大規模金融緩和維持による大企業優先の利益が中小企業、地方、国民生活に「したたり落ちる」(トリクルダウン)政策を目指したが、今も続く経済、金融後遺症の円安で株価は上昇して大企業、富裕層は潤っても国民生活は賃上げでもまだ物価高を上回れずに苦しい生活が続く。

 (6)とても夕方1時間弱の官邸での新しい資本主義会議では実現には向かわない。岸田首相の唱える成長と分配の好循環が企業頼りの賃上げでは実現せずに、日銀も大規模金融和策を段階的に見直して金利上昇に転換を打ち出しているが円安、物価高対策が政治の責任としての大事な政策、対策、役割だ。

 

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