いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

改憲国会。 constitutional revision in debate of the diet

2019-10-17 19:50:39 | 日記
 (1)安倍首相の意向を受けてか、忖度か今臨時国会は大災害支援対策とともに改憲国会(constitutional revision in debate of the diet)の様相だ。
 召集前に大島衆院議長が地元での講演で「(国民投票法改正について)この臨時国会で与野党共に話し合って合意を見つけてほしい」(報道)と述べて、野党から安倍寄り、自民党寄り偏向(bias)と批判を受けてこれで衆院開会が1時間以上遅れた。

 予算委員会でも自民党議員から改憲問題が取り上げられて、質問に立った岸田政調会長も「国会が国民投票の手続きすら議論しないことは、国民の意思表示の機会を損なう」(同)と安倍首相を擁護した。

 (2)当の安倍首相はこれまで主張してきた20年改憲施行方針については「一定のスケジュール感について希望を述べた。私が述べた通りになることは毛頭思っていない。」(報道)として具体的方針については憲法審査会、国会での議論にゆだねる柔軟な姿勢を示した。

 参院で改憲勢力が3分の2を割って発議には野党の協力が必要なことから、これまでの強気の姿勢を一転させた。安倍首相が目指す憲法第9条に自衛隊を明記する改憲案は連立の公明党からは賛成、理解を得ているわけではなくて、20年改憲、任期中の改憲はむずかしい情勢にある。

 (3)国民民主党には改憲に前向きな議員も多いといわれているが憲法第9条に自衛隊と明記することに賛同を得られるのか、国民民主党は立憲民主党などと院内統一会派を結成して国会対策として安倍政権対立で同一歩調を確認しており、改憲反対に先手は打たれた感がある。

 改憲論議は安倍首相が主導するものではなく国会が議論するものであり、安倍首相の今回の柔軟な姿勢表明は当然のことであるが、それにしても衆院議長(自民党出身)の発言から予算委員会での改憲問題を取り上げる自民党議員質問者が続いて、改憲国会という印象が強い。

 (4)憲法はもちろん時代とともに社会にそぐわないものとなれば見直し議論は必要であることは憲法も求めており、もっとわかりやすく政権の判断、都合に左右されることのない普遍的な条文内容にする必要もあるが、終戦後米軍占領下での憲法制定施行だから自主憲法制定にこだわる保守思想の強い意向だけで見直されるものではなくて、戦後74年国の基本法として守ってきた歴史、時代、社会、国民の背景もあり、特に憲法第9条の戦力を保持せずに戦争放棄の理念は唯一の戦争被爆国日本として核保有国による戦争対立脅威が増す中で重要な平和継続理念を示すもので、ここへの自衛隊の明記は戦力保持として相容れない理論構成となるものだ。

 (5)自衛隊は個別的自衛権(separative defence)、主権、独立、国民の安全、生活、権利を守る手段、組織として考えられているものであり、憲法の趣旨を考えて第9条とは別(憲法にこだわらず)に規定すればいいものだ。

 国会は改憲問題を取り上げるならその必要性、重要性、意図、目的について国民にわかりやすく説明、議論する必要がある。国民が判断することだ。

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