いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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ノーベル平和賞のてん末。 nominative process of nobel peace prize

2019-10-12 19:38:17 | 日記
 (1)今年のノーベル平和賞にアビー・アハメドエチオペア首相(43)が選ばれて授賞した。若い指導者で就任1年半でエリトリアの20年来の国境紛争終結に尽力(報道)した功績が評価された。

 アフリカが安定すれば世界平和の実現に大きく前進すると書いたが、アビー・エチオピア首相は言論の自由、経済の自由化などの改革を断行してアフリカの「ケネディ」(本ブログ注)を思わせる理想主義で、今回のノーベル平和賞授賞で期待の大きさもうかがえる。

 (2)今回のノーベル平和賞は香港雨傘運動推進者や国連演説のスウエーディンの環境活動家の名前があがっていたが、アフリカの若き政治指導者に注目してアフリカの未来のダイナミズム(dynamism)への期待が大きい。

 エチオピア国内ではこれまでの強権支配政治から言論の自由、経済の自由化推進による政治的自由の変化の中で反動として民族、部族間争いが拡大して多くの難民(報道)が出ている。

 (3)アビー首相は若く就任1年半という経験の浅さもあり改革がどこまで支持され成功するのかは、エチオピアだけでなくアフリカの安定、世界情勢にも影響力が考えられて今回のノーベル平和賞授賞が追い風になることを期待したい。

 スウエーディン人ノーベルが発明したダイナマイトが兵器に利用されて多くの人民が亡くなることを悔やみ、遺言から多額の財産を活用してノーベル賞が創設されて当初から平和賞は存続した。

(4)医学生理、物理、化学の自然科学系業績のノーベル賞に比較して平和賞のカテゴリー(category)はインパクトは少ないが、遺言によるノーベル賞創設の意義からは重要な平和賞だ。

 74年に当時佐藤栄作首相が米軍占領支配から沖縄返還実現で同賞を授賞したが、その後日本の非核三原則テーゼの中で核持ち込み容認の密約が米国公文書公開であきらかとなり(日本政府は否定)、地位協定で沖縄県民への過重負担も大きく実質治外法権化している。
 辺野古移設工事問題で政府と沖縄の対立が続く。

 (5)09年には当時オバマ米大統領がプラハ演説での「核(兵器)のない世界」宣言で同賞を授賞したが、その後ロシアとの核兵器削減交渉は進展せずにその後を受け継いだトランプ大統領はロシアとの戦略核兵器削減協定からの離脱を表明して世界は核戦力競争時代に逆戻りしている。

 (6)近年は人権、環境問題が注目されてノーベル平和賞を授賞しているが、政治的意味合い、意図が反映されてノーベル平和賞が他の同賞と比較して世界に貢献するインパクトは感じられない。

 スウエーディン人ノーベルが遺したものは世界の平和への寄与でもあり重いものであるが、平和賞はなかなか功績の影響力発揮というわけには結びつかない。
 今回の若いアビー・エチオピア首相「アフリカのケネディ」がエチオピアの自由、理想実現で存在感を示せれるのか、政治、平和にも注目だ。

 

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