(1)トランプ大統領が北朝鮮金正恩労働党委員長と5月までに首脳会談を行うと発表した。米朝首脳会談(summit conference between usa and north korea)といえば今世紀最大の関心事のひとつになるのは間違いないが、その中身が米国トランプ大統領と北朝鮮金委員長という取り合わせということになれば、一体何が話し合われるのか、まともな道筋、論理、結論が導き出されるのか首をかしげたくもなる予想もつかない破天荒な会談しか思い浮かばない。
(2)かたやトランプ大統領は就任早々に大統領令で①イスラム移民、難民の入国禁止を決定し連邦裁判所から取り消し命令を受け、②メキシコ国境沿いに壁を築くと宣言、③前政権が時間をかけて協議し合意したTPP交渉からは離脱し、④国際的な温室効果ガス削減目標合意からも一方的に離脱して、⑤イスラエルのエルサレム首都容認では日本も含めた国連の圧倒的な反対決議を受け、⑥今度は中国を念頭に各国に鉄鋼、アルミ製品の禁輸措置を一方的に発表した。
トランプ政権の主要閣僚、メンバーが次々と辞任して政権は弱体化している。
(3)一方、金正恩委員長は第一書記時代から独裁体制維持のために身内を含めた政敵関係者を次々と処刑して恐怖政治を続け、核、ミサイル実験をくり返して米国本土も射程に入れた性能を誇示して日米韓への挑発、威かくをくり返している。
トランプ大統領は北朝鮮の挑発、威かくに対しては核攻撃、軍事作戦も示唆して日本海に米空母群を派遣して威かく対抗している。
国連安保理の北朝鮮への済制裁強化が続き、一転して平昌五輪の南北合同参加を契機にして南北対話路線に打って出ている。南北対話では北朝鮮の現体制維持、安全を条件に非核化に言及しているが、北朝鮮が経済制裁解除に向けて日米韓同盟にくさびを打つ意図がみられる。
(4)こういういわくつきの両者が世界注目の米朝首脳会談を実現するのは、それぞれに追い詰められた政権、権力者としての国内事情がある。トランプ大統領は歴代米国大統領で最も支持率の低い評価を受けており、政権内部から辞任が相次いで政権体制が弱体化して現政権の評価に直結する11月の中間選挙に向けて厳しい展開が予想されている。
トランプ大統領が対米貿易輸入超過に対抗した鉄鋼、アルミ製品の禁輸発動による貿易戦争で保護主義色をさらに鮮明にしているのは、強い米国を願望、支持する米国ナショナリズムに訴えてトランプ政権の支持をはかるものだ。
(5)今回の米朝首脳会談実現が米国社会、国民にどう評価され、受け止められるのかは、五分五分のところだろう。トランプ大統領としては米朝首脳会談実現を通して北朝鮮の核開発放棄を実現して成果を国内外に示したいというところだろうが、簡単には北朝鮮も核開発放棄は認めるはずもない。
トランプ大統領が核、ミサイル実験による挑発、威かくを続ける北朝鮮金委員長と米朝首脳会談を実現することが、米国社会、国民にとっては北朝鮮ペースと映る、受け止められる懸念はある。
(6)南北対話による北朝鮮の非核化言及、米韓軍事演習に理解まで示すのはこれまでの国連安保理の経済制裁強化の効果が出たとの見方も考えられて、一方でトランプ大統領が対話よりは制裁強化と主張していながら一転米朝首脳会談を実現する背景にはトランプ政権の歴代支持率、評価の低下、弱体化を何とかしたい強い思惑があるように思える。
米朝首脳会談実現の発表という大きな関心事とは裏腹に、いわくつきの米朝首脳の会談の中身、推移、思惑はそれぞれの国内事情を抱えてまったく予断を許さない。
(2)かたやトランプ大統領は就任早々に大統領令で①イスラム移民、難民の入国禁止を決定し連邦裁判所から取り消し命令を受け、②メキシコ国境沿いに壁を築くと宣言、③前政権が時間をかけて協議し合意したTPP交渉からは離脱し、④国際的な温室効果ガス削減目標合意からも一方的に離脱して、⑤イスラエルのエルサレム首都容認では日本も含めた国連の圧倒的な反対決議を受け、⑥今度は中国を念頭に各国に鉄鋼、アルミ製品の禁輸措置を一方的に発表した。
トランプ政権の主要閣僚、メンバーが次々と辞任して政権は弱体化している。
(3)一方、金正恩委員長は第一書記時代から独裁体制維持のために身内を含めた政敵関係者を次々と処刑して恐怖政治を続け、核、ミサイル実験をくり返して米国本土も射程に入れた性能を誇示して日米韓への挑発、威かくをくり返している。
トランプ大統領は北朝鮮の挑発、威かくに対しては核攻撃、軍事作戦も示唆して日本海に米空母群を派遣して威かく対抗している。
国連安保理の北朝鮮への済制裁強化が続き、一転して平昌五輪の南北合同参加を契機にして南北対話路線に打って出ている。南北対話では北朝鮮の現体制維持、安全を条件に非核化に言及しているが、北朝鮮が経済制裁解除に向けて日米韓同盟にくさびを打つ意図がみられる。
(4)こういういわくつきの両者が世界注目の米朝首脳会談を実現するのは、それぞれに追い詰められた政権、権力者としての国内事情がある。トランプ大統領は歴代米国大統領で最も支持率の低い評価を受けており、政権内部から辞任が相次いで政権体制が弱体化して現政権の評価に直結する11月の中間選挙に向けて厳しい展開が予想されている。
トランプ大統領が対米貿易輸入超過に対抗した鉄鋼、アルミ製品の禁輸発動による貿易戦争で保護主義色をさらに鮮明にしているのは、強い米国を願望、支持する米国ナショナリズムに訴えてトランプ政権の支持をはかるものだ。
(5)今回の米朝首脳会談実現が米国社会、国民にどう評価され、受け止められるのかは、五分五分のところだろう。トランプ大統領としては米朝首脳会談実現を通して北朝鮮の核開発放棄を実現して成果を国内外に示したいというところだろうが、簡単には北朝鮮も核開発放棄は認めるはずもない。
トランプ大統領が核、ミサイル実験による挑発、威かくを続ける北朝鮮金委員長と米朝首脳会談を実現することが、米国社会、国民にとっては北朝鮮ペースと映る、受け止められる懸念はある。
(6)南北対話による北朝鮮の非核化言及、米韓軍事演習に理解まで示すのはこれまでの国連安保理の経済制裁強化の効果が出たとの見方も考えられて、一方でトランプ大統領が対話よりは制裁強化と主張していながら一転米朝首脳会談を実現する背景にはトランプ政権の歴代支持率、評価の低下、弱体化を何とかしたい強い思惑があるように思える。
米朝首脳会談実現の発表という大きな関心事とは裏腹に、いわくつきの米朝首脳の会談の中身、推移、思惑はそれぞれの国内事情を抱えてまったく予断を許さない。