いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

自由人権対独裁。 freedom , people's rights vs. autocracy

2018-03-18 15:12:07 | 日記
 (1)核実験、ミサイル発射強行で日米韓を挑発、威かくしていた北朝鮮金委員長が平昌五輪を契機に韓国との南北会談、対話路線に転じて核開発中止にまで言及したことを受けて、これまで対話より制裁で北朝鮮を軍事圧力、経済制裁で攻撃していた米国トランプ大統領が急転5月までに米朝首脳会談を実現すると表明した。

 国際政治、外交交渉というものはそういうものだが、これまで国内で身内まで処刑して政敵を排除して絶対独裁権力、恐怖政治を実行してきた金委員長が国連の経済制裁強化に考えをあらためたのか、韓国、米国との対話、融和路線に切り替えたからといってこれまでの独裁恐怖政治が許されるものではない。

 (2)それがいつまでも続くというよりは対話、融和路線に転換することは歓迎すべきことではあるが、こうも手のひらを返すように米朝首脳が方針、方向を変えるのを見せつけられては考え込んでしまう。

 中国では憲法上の国家主席の任期制限を撤廃して習体制が可能な限り続けられる、こちらも習主席の絶対権力体制が確立された。憲法に習主席の思想、理念が名前とともに記載されたといわれて中国革命の毛沢東以来の独裁崇拝主義の復活だ。

 (3)ロシアの大統領選では政敵を立候補させないプーチン大統領の圧倒的な勝利が確実で、こちらもこれまでにないプーチン長期政権が続くことになる。
 かっての米ソ冷戦時代のように資本主義、自由主義対社会主義、共産主義の思想主義対決の政治状況は、ベルリンの壁崩壊によるソ連邦の解体で世界は経済主義に移行してかっての社会主義、共産主義の統制計画経済にも資本主義経済理論が取り入れられて、経済協調主義のグローバル化の中で市場開放政策が進んで資本主義、自由主義と社会主義、共産主義との違いは鮮明ではない。

 (4)本来、国民共有財産という共産主義国でも経済格差は大きくなって一部特権階級、富裕層を生んでいる。政治支配体制での違いが大きいのは自由、人権、表現であり、思想、理念はあまり大きな意味を持たなくなっている。

 そのためかっての資本主義、自由主義対社会主義、共産主義の対立は、自由人権主義対独裁崇拝主義の対立構図の時代に変化した。

 (5)自由、人権主義の政治世界でも極右政治勢力の台頭が著しく、そういう意味でもこちらは独裁崇拝主義に近づきつつある。
 冒頭のように米朝首脳会談が急転5月までに実現されるという表明は、それぞれの国内事情が影響しているのが見て取れるが、資本主義、自由主義米国としてもトランプ大統領の米国第一主義、保護主義政策は独裁(独断)制を思わせるもので、世界的な政治の流れをつくってもいる。

 (6)G20は中国、ロシア、南米の新興国が影響力を持つものでありG7に代わって世界の主流になりつつあるが、G7の資本主義、自由主義国としても独裁主義、政治に対抗する自由、人権、表現を守る思想、理念を鮮明にしなければ存在意義(identity)がない。

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