いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮ツアーの禁止。 a ban against tour of north korea

2017-06-21 19:50:23 | 日記
 (1)北朝鮮旅行中の米国人大学生が観光中に市内掲示の横断幕を持ち去ろうとして北朝鮮当局に不正分子として逮捕(報道要旨)されて1年以上拘束されていた。
 報道によるとトランプ大統領は昨年1月就任早々に北朝鮮側と同大学生解放に向けて政府高官接触を続けてきたといわれて、今回無事解放されて帰国するという朗報が伝えられたが、実際米国に帰国する段になって同大学生の脳に重大な障害があると書かれて、実際に帰国した時には意識不明の昏睡状態でその後死亡したと伝えられた。

 (2)朗報が一転、ふ報に変わるという米国と北朝鮮の非公式な外交関係、交渉だった。事の経緯は北朝鮮国内でのことなので詳細は不明で一体何が同大学生に起きたのかわからない事情だ。

 横断幕を持ち去ろうとした罪により北朝鮮法廷で外国人を不正分子として取り締まる重い刑事罰を科せられていたことはわかっている。同ツアーを企画した旅行社は米国人向けの北朝鮮ツアーを中止すると発表した。

 (3)日本、米国、中国などは核実験、ミサイル発射をくり返す北朝鮮に対しては国連安保理決議で経済制裁(economic sanction)を打ち出しているが、抜け道による実効性が問題となっていた。

 観光ツアーも北朝鮮国内に経済利益を与えるものだけに経済制裁として断絶制裁外交を印象づけるには禁止するのが普通だ。北朝鮮側にとっても外国から北朝鮮を訪れる一般観光客となれば、観光よりは政治的、市民生活への興味、関心の高さを警戒するのが当然で、何かにつけて監視強化、制限して事があれば拘束して当該政府と開放に向けての有利な外交交渉に結びつけようという目算が働くのが普通だ。

 (4)多分に北朝鮮内での外国人旅行者への監視は厳しくて、おちおち観光気分でもなくて何かにつけて北朝鮮内の政治的興味、関心、市民生活の方に強く興味、関心が働くと見るのは十分に考えられる。

 国際政治と民間外交、交流は別ものと言われるが、国際社会が本気で北朝鮮の無分別、無軌道な横暴を抑え込もうというなら当分は民間外交、観光、交流も経済貢献、効果のともなうものはもちろんのこと原則として禁止してでも制裁を強化すべきだ。

 (5)冒頭例の米国人大学生の意識不明による米国帰国に対しては、北朝鮮側としても即死亡まで想定していたのか、少なくとも北朝鮮国内で死亡するよりは疑いの目が避けられると判断したのかは今のところはわからないが、当然のように「米国内では反発が噴出している」といわれて、トランプ政権にとっても北朝鮮側にとっても米国人大学生解放の外交カードはその目論みに反して少なくとも米国では国民感情をさらに悪化させるだけになった。

 それにしても日本人拉致被害者の帰国に向けた日本政府の対応はどうなっているのか。早口八丁の安倍首相は自分の内閣で解決すると公言している。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする