いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

これまでの人生にふさわしい見事な幸運を。 give you chance

2017-06-03 19:50:54 | 日記
 「がん」の告知、発表はどうあるべきか、医学的対処法が確立していない中で人類にとって究極の(ultimate)命題である。
 それなら早期発見、早期治療が一番ということで、早めの告知、発表が必要であるとの社会認識が一般化しつつあるが、いまだ究極の病として生き方にかかわる重要影響判断はなかなかむずかしい問題だ。

 財津和夫さんは5月も終わろうかという下旬に体調不良を訴えて腸閉塞と診断され、入院検査の結果大腸がんが発見され、これを公表して現在進行中のチューリップコンサートの残り4公演を中止した。

 財津和夫さんは5月下旬に体調不良を訴え検査の結果腸閉塞、大腸がんと診断され、6月早々には病状を発表するという極めて早い判断対応だった。6月、7月と大都市コンサートが控えていたとはいえ、腸閉塞発症でも中止は可能だった。
 似たような腸捻転発症のポール・マッカートニーさんは来日コンサートのすべてを中止した例もある。

 大腸がん発症の極めて早い段階での発表は、財津和夫さんの日頃の高い問題意識、社会(共有)性、責任力、決断力を示すもので、ミュージシャンとして芸術文化人として高い人間性、社会人であることがよくわかるものだった。

 財津和夫さんはこれからあるいは終わりのない「がん」との長い闘いに挑むことになるかもしれないが、望むところでないが逃げることなく現実と向き合うことだろう。

 財津和夫さんは45年前にはじめて日本語を見事に洋楽旋律に乗せた革新的なメロディの「魔法の黄色い靴」を作詞、作曲、自主制作して、福岡から東京(当時はニューヨークに行くようなものと本人談)のレコード会社に直接売り込み自らの音楽と時代を切り開き先導してきた今の若者にこそ必要なフロンティアな(frontier)生き方をすでに実践してきた人だ。

 その後バンド・チューリップとして、二度の鈴蘭高原コンサート、名古屋城深井丸コンサート、箱根芦ノ湖パゴダコンサート、よみうりランド1日貸し切りコンサートと先端的な音楽と時代を主導する音楽活動を現在まで続けている。

 今回の極めて早い段階での大腸がん発症発表の姿勢にも、財津和夫さんの高いフロンティア性があらわれている。

 財津和夫さんはこれからあるいは長い「がん」との闘いに臨むことになるかもしれないが、望むことではないけれど、これまでのようにひるむことなく、くじけることもなく、果敢に「命題」に挑み続けることだろう。

 心は45年前のいつかの「あの日」に戻って燃えているのではないのか。財津和夫さんにこれまでの人生にふさわしい見事な幸運を(give you chance)。
 静かに見守りたい。

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