(1)民進党議員も言っていたけれど最近の政治疑惑にかかわる関係者がこぞって使うのが「そういうことを言った記憶がない」、「聞いた記憶がない」という言い方、記憶(memory)だ。
かってなら疑惑をかけられた関係者は疑惑を否定するために決まって「言っていない」、「聞いていない」と断言(assertion)したものだ。
「記憶がない」は完全否定するわけでもなく、言ったかもしれないが言わなかったかもしれない、聞いたかもしれないが聞いていないかもしれない、記憶にないと煙に巻く逃げの弁論だ。
(2)ひんぱんに聞いたのが森友学園問題での安倍首相夫人の昭恵さんの口から出た記憶発言だった。断定、「断言」すれば都合のいいことだけ確認、確約できるがほかはわからないというわけにもいかずに、すべてにわたって確認、確約をとられることになり、「記憶」に頼れば都合のいいことだけ確認、確約できるがほかはわからないと言い逃れる言葉になるからだ。
答弁のマニュアル、指南でもあるのか、聞いた疑惑関係者にとってはそれはうまい言い方だとして広まったのかはわからないがすっかり流行り言葉、定番になった感だ。
(3)加計学園問題の文科省内の「総理のご意向」文書は安倍首相が否定し、菅官房長官が怪文書として問題にせずに、そこへきて文科省前事務次官が記者会見を開いて「確実に存在した文書」と述べて意見の違いが表面化している。
官邸が官房長官の記者会見で天下りで引責辞任した文科省前事務次官の個人攻撃までして、自民党が同本人の国会証人喚問を拒否して、かえって疑惑を深める事態になっている。
(4)安倍首相と無二の親友といわれる加計学園長の学部新設問題で早期設立を含めて「総理のご意向」があったのかで、安倍首相、菅官房長官と文科省事務方トップの前事務次官が相反する意見を述べて対立している。
すでに文科省を天下り問題で引責辞任している前事務次官の証言をどう判断するのか、自民党は同本人国会喚問拒否の理由について「理由は必要ないから。政治の本質に何の関係もない」(報道)と述べている。
(5)「政治の本質に何の関係もない」は、すでに文科省事務次官を引責辞任した人物の証言だから門外漢と言っているのか、学部新設に「総理のご意向」があったのかどうかは「政治の本質」にかかわる権力構造変形の重要問題であるだけに「何の関係もない」ことはない。
「政治の本質」にかかわることであるなら、国会が疑惑解明を果たす必要があり、該当者の証人喚問をして事実究明に役割を果たすべきだ。
(6)今回の文科省前事務次官の発言は「記憶」ではなく、同文書は「確実に存在した」と「断言」しているのだから、冒頭例のような記憶による言い逃れ集とは趣が違う。
事実かどうかは別にして、そうだからこそこのままではすまないだろう。
かってなら疑惑をかけられた関係者は疑惑を否定するために決まって「言っていない」、「聞いていない」と断言(assertion)したものだ。
「記憶がない」は完全否定するわけでもなく、言ったかもしれないが言わなかったかもしれない、聞いたかもしれないが聞いていないかもしれない、記憶にないと煙に巻く逃げの弁論だ。
(2)ひんぱんに聞いたのが森友学園問題での安倍首相夫人の昭恵さんの口から出た記憶発言だった。断定、「断言」すれば都合のいいことだけ確認、確約できるがほかはわからないというわけにもいかずに、すべてにわたって確認、確約をとられることになり、「記憶」に頼れば都合のいいことだけ確認、確約できるがほかはわからないと言い逃れる言葉になるからだ。
答弁のマニュアル、指南でもあるのか、聞いた疑惑関係者にとってはそれはうまい言い方だとして広まったのかはわからないがすっかり流行り言葉、定番になった感だ。
(3)加計学園問題の文科省内の「総理のご意向」文書は安倍首相が否定し、菅官房長官が怪文書として問題にせずに、そこへきて文科省前事務次官が記者会見を開いて「確実に存在した文書」と述べて意見の違いが表面化している。
官邸が官房長官の記者会見で天下りで引責辞任した文科省前事務次官の個人攻撃までして、自民党が同本人の国会証人喚問を拒否して、かえって疑惑を深める事態になっている。
(4)安倍首相と無二の親友といわれる加計学園長の学部新設問題で早期設立を含めて「総理のご意向」があったのかで、安倍首相、菅官房長官と文科省事務方トップの前事務次官が相反する意見を述べて対立している。
すでに文科省を天下り問題で引責辞任している前事務次官の証言をどう判断するのか、自民党は同本人国会喚問拒否の理由について「理由は必要ないから。政治の本質に何の関係もない」(報道)と述べている。
(5)「政治の本質に何の関係もない」は、すでに文科省事務次官を引責辞任した人物の証言だから門外漢と言っているのか、学部新設に「総理のご意向」があったのかどうかは「政治の本質」にかかわる権力構造変形の重要問題であるだけに「何の関係もない」ことはない。
「政治の本質」にかかわることであるなら、国会が疑惑解明を果たす必要があり、該当者の証人喚問をして事実究明に役割を果たすべきだ。
(6)今回の文科省前事務次官の発言は「記憶」ではなく、同文書は「確実に存在した」と「断言」しているのだから、冒頭例のような記憶による言い逃れ集とは趣が違う。
事実かどうかは別にして、そうだからこそこのままではすまないだろう。