いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ラマダンとテロ。 ramadan and terror

2017-06-05 19:59:46 | 日記
 (1)イスラム教は大きな宗教行事のラマダン(断食月)を迎えて、なぜかイスラム過激組織を名乗るテロが相次いでいる。
 英国が狙われて5月22日に大勢の観客であふれるマンチェスターのコンサート会場前での自爆テロで22人が犠牲になったばかりで、今度は6月3日にロンドン中心部で「アラーのために」(報道)と叫ぶテロリストにより7人が犠牲になり多数の負傷者を出した。

 (2)メディアもイスラム教ラマダン(ramadan)を迎えてテロ活動が盛んになるとの報道もあり、英国でも特別警戒中でありながらテロはなかなか完全には防ぎようもない。

 メディアが報道するように、どうしてイスラム教ラマダンになると過激テロ組織がテロ活動を活発化するのかわからないが、知り得る限りでは理由はどうでもよくて、理由なんかなくて関心にかこつけては印象的なテロを活発化させているのだろう。

 (3)テロは完全には防ぎようもないことを逆手にとって、厳重警戒中の警備を狙って意図的に恐怖心、勢力を誇示するように挑発的に一般市民を狙った自爆テロを仕掛ける構図がみえてくる。

 本来は仮に敵対する国家、政府があるならば、そこを政権中枢を狙ったというテロ攻撃がせめて考えられるところであるが手を出せずに、敵対行為とは直接因果関係はない完全には防ぎようもない不特定多数の日常市民を狙うという不条理性(unreasonableness)、非道性だ。

 (4)テロ組織も追い詰められたあげくの無差別恐怖テロの様相で、打つ手はないのか考えさせられる深刻な問題だ。トランプ大統領もさっそくツイッターで「裁判所は我々に(入国管理の)権利を取り戻させ、入国禁止によって最高水準の安全性を確保すべきだ」(報道)とイスラム圏からの入国禁止大統領令を一時効力停止した連邦裁の判断を批判している。

 (5)しかし最近のテロはホーム・グロウン・テロ(homegrown terror)といわれてその国で育ってイスラム過激思想に染まったテロリストによるテロ行動が目に付き、ますますテロ警戒対策をむずかしくしている。

 もちろんテロ防止は一国だけでの対応では限界があり、国際社会が連携して相互に情報共有してテロ防止にあたるしかない。

 (6)英国マンチェスターテロ事件では実行犯は直前にISが活動を活発化させているシリア渡航歴があきらかになっており、警戒対象者であり相互の綿密な情報共有が働いていたのかどうか、国際的なテロ警戒情報ネットワークが必要だ。

 そういうものが現存するのかもしれないが、もっと緊密で高度な多様性(diversity)のあるものに仕上げていかなければ効果は働かない。

 (7)それでも自国民が日常生活に混ざって一般市民を狙うテロは完全には防ぎようもない。イスラム教主義者はイスラム過激テロは本宗教の教えとは相容れないものだと批判、非難しているが、とても本腰を入れたものにはみえない。

 イスラム教とキリスト教の対立、石油資源を巡るアラブ諸国と米国の対立という本質的問題、構図はあるが、テロ組織がイスラム過激主義、思想を名乗る以上、イスラム教主義者が責任を持つしかない。

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