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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

天安門事件から25年。 twentieth five years goes from tennanmon affairs

2014-06-02 19:37:52 | 日記
 (1)シンガポールで開催されたアジア安保会議で日本の安倍首相と米国のヘーゲル国防長官が南シナ海での中国の「力による現状変更」(他国の主張する領域に侵入して石油掘削)を厳しく非難したが、これに対して中国人民解放軍の幹部が同会議で「中国は先駆けてトラブルを起こしたことはない」として日米ともに非常に「率直」で「挑発的」な発言行動で一致して中国を攻撃した(報道)とこれを意図的な中国批判と反発した。

 もちろん真実は現場当事国にしかわからないことではあるが、東シナ海の尖閣諸島領有権問題を含めて中国側による一方的な防空識別圏の設定による関係国との対立、船舶衝突事件は後をたたずにくり返されて、その都度相手国の責任ばかりを主張して行動を非難する中国の独善的な(dogmatic)やり方に中国を除くアジア諸国(一部国は除く)からの批判は強まっている。

 (2)とにかく「ああ言えば」それに面と向かって反発して相手国の責任ばかり主張して「こう言う」中国政府だ。中国政府の発信、発言は、国外向けの一方より国内向けの強いメッセージ性が含まれているので、けっして自国の正当性を曲げるようなことはしない。

 その中国人口13億人を抱えて一国としての統治能力の限界を示すものではあるが、一方でその高い人口力がGDPを高め世界的な市場経済力の原動力ともなっている経済成長の著しい新興国の代表だ。

 (3)人民、市民の声が聞こえない、伝わってこない中国だが、社会、政治体制の矛盾が近年は噴出してきており、民族テロ事件も相次いでいる。その中国で民主化を求める学生、市民の運動が起きた天安門事件から25年がたつ(twentieth five years goes from tennanmon affairs)。

 結局は民主化を求める学生、市民のデモは軍による介入で鎮圧されたが、印象的な象徴的な映像がある。
 デモを鎮圧するために出動する戦車の前にひとりの若者が立ちふさがったのだ。白いシャーツ姿で左手に上着を持ち、右手にバッグを持ったデモ参加者というよりは通りがかりというような長身の若者がひとりでデモ鎮圧に出動する戦車の前に立ちふさがり、戦車が左に右に若者を避けようとするたびにその方向に立ちふさがってついに戦車に引き倒されてしまった(ニュース映像)。

 (4)ひとりで戦車の前に立ちふさがった白いシャーツ姿の長身の若者の抵抗(resistance)は、まだ中国の学生、市民の持つ「良識」を示す象徴として強烈に印象を与えた。

 決して対峙する戦車ほどに威圧的でもなく、暴力的でもない。むしろ無抵抗主義(principle of nonresistance)ともいえるその若者の静かな抵抗存在は、中国の若者の時代と社会と生活を変えたい切実で熱い願いが対比として象徴されていて胸に迫るものがあった。

 (5)その願いは圧倒的な軍隊出動で鎮圧されたが、その数年前の学生、市民の民主化要求デモが改革開放政策を進める時の最高指導者の胡耀邦総書記の心を動かして、しかし「(民主化運動デモに)同情的な態度を取った」ことで失脚させられることにつながり、同氏が89年に亡くなったことがまた天安門事件へと発展するきっかけになったといわれている。

 天安門事件で戦車の前にひとり立ちふさがった若者を見ていると、中国の若者の時代と社会と生活を変えたいという良識が残っていることを強く象徴的に感じ、こういう若者、市民の気持ち、理性、良識こそが政治、社会に発信できて、伝わって同じアジアの国として現在対立関係にある日本ほかの国々との話し合い解決、良好関係に向けて良識ある行動を選択できる中国へと変化することを期待せずにいられない。

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