いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

地方は黙っていない。 local assembly can't keep silence

2014-06-28 20:08:32 | 日記
 (1)結局は「連立与党」から抜け切れずに公明党が政府、自民党に強引に押し切られて、安倍首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認を論理整合性のある憲法改正ではなく、為政者の自己都合による拡大解釈の憲法解釈変更による閣議決定で実現することになった。

 当初の平和の党としての公明党の論理牽制、是々非々は完全に腰砕けに終わって、党代表は党是との整合性を質されて行使容認の歯止めは二重、三重にかかり、時代が変わった、日本を取り巻く政治、軍事環境が変わった結果だと苦し紛れに訳のわからない弁明をするしかなかった。

 (2)「中身」などどうにでもよかった安倍首相にとっては与党合意が決まると、用意した政府答弁書であえて公明党に配慮して閣議決定から外した集団安保体制での武力行使を公然と容認する姿勢までみせて、もはや公明党など眼中にない独断先行(arbitrariness)、我が道を行く有様だ。

 コケにされたのは公明党だ。中身などどうにでもよくて(時の政権がどうにでも解釈できる)、集団的自衛権の行使容認の閣議決定だけが目的であった安倍首相に長々と与党協議に突き合わせられて、最後は安倍首相の脅しのような強引な時間切れ宣告に歩調を合わせるしか術がなかった体たらくだ。

 (3)公明党にどのような成算があったのか、働いたのかは信じられないくらいの不明だが、結局は平和の党の自己イメージは大きく傷つき、支持母体以外の失望を大きく買う結果となった。
 今回の与党協議の結果を苦し紛れの言い訳でつくろっても、国民の失望を解消することなどできない深い党ダメージを被(こうむ)った。

 (4)変わって今日の新聞の大見出しを飾ったのは「地方は黙っていない(local assembly can't keep silence)」だ。
 全国の地方議会で今日現在で139議会で今回の集団的自衛権の行使容認での政府の対応に批判的な意見書を可決し、政府に提出(報道)した。

 同意見書には地方議会の自民系議員や公明党議員も同調して賛成に回るケース(報道)もあるといわれる。
 小市民的国民からは危険で無謀な憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認に対して国民的反対、運動も起き上がらない中で、地方議会からの良識、政治責任、自覚、意識が多く発信、示されたことはせめてもの救いだ。

 (5)もはや連立与党の公明党は、政権の「重し」になるとか言っていたことは「虚説」になり、存在感を失っていくしかないだろう。
 与党協議の座長を務めた自民党の高村副総裁は「地方議会も日本人であれば慎重に勉強してほしい。私の経験ではかって一つの閣議決定でこれだけ慎重にしたことはない」(報道)と胸をはった。
 
 高村さんも憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認の根拠探しに四苦八苦して、最高裁判決を引用したり(公明党から否定意見される)結局は内容、語彙(ごい)の変更を重ねて限りなく個別的自衛権に近い「限定容認」などという妥協の産物でまとめようとしただけのことだ。

 (6)「一つの閣議決定をこれだけ慎重にしたことはない」のは、中身などどうでもいい安倍首相の意向を配慮しての公明党にも配慮した「とりつくろい」であって、仮に「これだけ慎重にしたことはない」としてもそもそも方法論が間違っていれば(本来は憲法改正が主旨)意味もないことだ。

 厚顔無恥もはなはだしい強弁だ。「地方は黙っていない」(地方議会の反対意見書)動きが今後どう進展するのか、地方分権、主権(decentralization)の力の見せ所だ。

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