いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

コートジボワールの作戦勝ち。 tactics win

2014-06-15 14:32:55 | 日記
 試合会場のレシフェは朝には雨があがっていたと聞いていたが、試合が始まった午後10時(現地時間)には画面にもはっきりとわかる大粒の雨が降り続いていた。
 パスサッカーを目指す比較小柄な選手の多い日本代表にとっては、大粒の雨で芝が濡れてボール、体が動きにくく蒸し暑さも増すコンディショニング(conditioning)はあきらかに日本に不利な状態であった。

 開始早々、日本の左コーナーからのスローイングを2タッチで受けた本田選手が左足で相手ゴール左上にキーパーも反応出来ない強烈なシュートを蹴り込んで先制点をあげた。コートジボワールの選手の虚をついたような見事なワンツー攻撃であった。
 その後、前半は日本が果敢に相手ゴールに攻撃を仕掛けるがなかなか組織プレーで決定機をつくれないまま、一進一退の攻防で終了した。

 前半でもう1点が遠かった。後半に入って日本選手の動き、運動量がはっきりと落ちてきて、チェスの駒のように突っ立っているだけの構図が目立ち、イエローのコートジボワールの選手が2人、3人、4人とスピードに乗って連動して日本ゴールに迫る場面が増えてきて、ここで日本はケガの影響も考えられるキャプテンの長谷部選手を下げ遠藤選手を投入した。

 一方コートジボワールは、後半途中満を持して36才ながらチームの大黒柱のドロクバ選手を投入する。
 あきらかにスピード感で差の出てきた後半の両チームの中で、勝負の「あや」、決定的な「選手交代」となった。

 日本ゴールに迫るコートジボワールの選手が動きの止まった日本ディフェンダーを右サイドから抜いて強烈なパス、クロスを日本ゴール前の自チーム選手に蹴り込んでくる。
 ドロクバ選手がピッチに入って攻撃の起点となってわずか「2分」の間に立て続けに2ゴールを決められて逆転を許すと、日本には組織的な攻撃力はもう残っていないのか、見られずにロングボールを上げるばかりで、次々とピッチに倒れ込むコートジボワールの選手に気勢をそがれて(discourage)、時間稼ぎのパスワークの中でタイムアウトを迎えて初戦に敗れた。

 大粒の雨とコートジボワールのドロクバ選手後半投入に懸けた周到な作戦(tactics win)に日本は敗れた。
 36歳のドロクバ選手が前半からフル出場していれば、リーダーシップ力があり守備も攻撃もできる長谷部選手がフル出場できればまた違った展開になったのではないのか。

 それと大きく目についたのは、日本のもうひとつの切り札岡崎選手が相手ゴールに果敢に飛び込んで相手ゴール前でボールに絡む印象的な場面がほとんど見られなかったことが、日本にとっては本田選手のゴールという最高の結果で先制しながら不本意な敗戦結果となった。

 負けるときはこんなものというゲームだ。日本は現在C組3位で、上位がいづれも勝利しておりいきなり厳しい1次リーグ(2位以上が突破)となった。
 日本の選手がやけに「善人」に見えたのはそれはそれでけっこうなことだが、それだけでいいのか、がむしゃらにゴールに向かっていく姿勢が見られなかった。そうしないと思わぬ展開は切り開けない。

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