いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

目覚めよ。小市民的国民。 awake, the nations of the petite bourgeoisie

2014-06-25 19:49:16 | 日記
 (1)連立与党協議が長々と続いていた集団的自衛権(collective self defense)の行使容認問題は、当初から抵抗の姿勢をみせていた公明党に配慮して中身を次々と書き換えて、最後は自民党が公明党の主張を取り入れた行使3要件を持ち出して、さらにその文言を具体的に修正までして何とか与党合意に持ち込んだようだ。

 安倍首相にとっては『憲法「解釈」変更による集団的自衛権の行使容認』を閣議決定することが目的であり、「中身」の細部についてはどうでもよかったのだ。
 集団的自衛権の行使容認そのもの、そのことが問題であり、そのために「中身」などは「解釈」(国家の存立、国民の安全という大命題)でどうにでもなる、できるとの自負があるからだ。
 
 (2)当初は集団的自衛権の行使が同盟国の戦闘に巻き込まれる危険性が指摘されると、自衛隊は戦闘には参加しない後方支援に徹すると明言してみせたり、具体的な事例研究を通して「限定容認」と言ってみたり、それでも拡大解釈の可能性が指摘されると自衛権発動の3要件を示して、それでも文言でどうにでも解釈できると指摘されるとたとえば「おそれ」を「明白な危険」に修正して、「他国」を「密接な関係にある他国」と書き換えて公明党に配慮してみせた。「中身」などどうにでもよかったのだ。

 (3)集団的自衛権の行使容認を論議しているのに、自民党からはあからさまに閣議決定文には「自衛権」とだけあいまに表記しようという子どもだましのような提案もなされて(さすがに集団的自衛権の文言にこだわる安倍首相から却下されたが)、つまりははじめから中身などどうにでも「解釈」すればいいとの安倍首相、政府の思惑、意図がありありのものだった。

 事実「おそれ」が「明白な危険」と変わっても急変事態での政府の裁量、対応には何の変わりもなく同意語で、首相の裁量、判断、解釈が「一人歩き」するのは間違いないことだ。
 「他国」を「密接な関係にある他国」に修正しても、首相の裁量、意図によっていくらでも他国が密接な関係となりうるものだ。
 自衛隊幹部からもどちらでも同じことだ(報道)という意見がある。

 (4)こんな茶番劇(low comedy)を長々とこれ見よがしに与党協議として見せつけられてきた社会、国民はたまったものではない。
 国政をチェックすべき野党が軒並みヒト桁台の低支持率の虚弱政党で政府、与党に相手にもされない中での、政府というより安倍首相、官邸のやりたい放題である。

 安倍首相としては集団的自衛権の行使容認を閣議決定して実効に移すだろう。本質は集団的自衛権の「拡大解釈」なので、与党協議の中身などにしばられることなどしないはずだ。

 (5)大義名分を打ち出して、米国の要請にもとづいて覇権主義の一翼を担うつもりだ。実績を積み重ねて、自衛隊の国防軍化、憲法改正への政治環境整備を進めるだろう。

 小市民的国民意識は経済優先の中で安倍内閣、自民党一強時代を支持して、今のところ国政選挙でも余程の見込み違いでも起こらないかぎり自民党が敗れることなど考えていないのではないのか。

 (6)識者の中には選挙の投票行動で反対意思を示せと言うが、時はこれでも安倍内閣、自民党一強時代だ。
 危険が現実のものとならない限り、目覚めないのか、小市民的国民は(awake, the nations of the petite bourgeoisie)。

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