いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

首相退陣。(追想) premier resignation

2011-08-27 19:55:26 | 日記
 (1)民主党第二次内閣首相が退陣した。1年も持たなかった第一次内閣首相に比べて、1年3か月と在任期間にこだわったかのような退陣表明後の3か月の迷走ぶりだった。

 中身はともに「空手形」の虚構政治の連続であった。実績を見るまでもなく、党内権力抗争に明け暮れて、問題の先送り、マニフェストは財源不足と政策準備不足が明らかとなって与野党国会運営のかけ引きに利用されて、党執行部に丸投げしてついには党自らマニフェストの否定、誤りを認めると言う、「おきて破り」の党執行部の判断を追認させられた。

 リーダーシップ不足は、当初の党内抗争からあきらかとなって、唯一主導した「脱原発」は党内外からも現実的でないと理解を得られずに、閣議決定もない拘束力のない独自論に終始した。
 幹事長と同調して、「政治とカネ」の元幹事長を党員資格停止処分にしたのがせめてもの貢献だが、これも想定を大きく後退させた処分となった。

 (2)実績効果、結果は明白であるが、数字で見ると、今国会法案成立率は80%と高い。震災復興関連法案中心に与野党共通の政治課題が多かったことと、最後は自らマニフェストを否定してみせての野党への大幅譲歩による自虐的な国会運営によるものだ。

 そのため震災復興では対策の遅れ、不備、不足が指摘されて、被災地とのズレいまだに見通しは不透明のままだ。
 パラドックス(paradox)として、民主党マニフェスト達成率は56%と約半分と低い水準にとどまった。

 ガソリン暫定税率の廃止、公共事業の見直し、高速道路無料化と立て続けに基本政策の中止、見直しが相次いで、政治主導、子ども手当も実質上形がい化し、廃止されることになった。

 (3)マニフェスト実行のための財源としていたムダの削減捻出、埋蔵金活用では、当初の目算17兆円が6兆円余りと40%程度にとどまって、あまりの政策計画立案のずさんさ、精度の低さがあきらかとなった。

 「空手形」発行の欺瞞(ぎまん)政治、政権担当能力皆無の実態を示すものだ。国民の圧倒的な支持を受けて本格的政権交代を果たした、「空手形」・「政権能力皆無」の民主党政権の負う責任は重大だ。

 (4)市民運動出身者の首相として生命線のはずの国民との約束、信頼を自ら損なって国益を損なってきた実績は、市民運動に泥を塗る反市民的行動理論である。
 退陣会見での「市民運動からスタートし、重責を担えたのも国民のお陰だ。」(報道)の言葉がしらじらしく、空虚に聞こえる。

 経済(円高)は、雇用(空洞化)は、外交(米軍基地・中国問題)はどうなんだのやめる首相の内閣支持率が15%であったことをどう理解していいのかの答えの問題外、フレームワーク(frame work)外の首相の想いだ。

 (5)今、国際政治は覇権国家米国、EUのヨーロッパと国家財政の危機、失業率の高さの社会不安を抱え、中東、北アフリカでは長期独裁政権の崩壊のスパイラル(spiral)で、激動、混迷の中にある。

 一方のアジア、中南米新興国の経済発展の中で、日本の針路は選択肢が広がって日米同盟とアジア経済圏の間でむづかしい環境にある。
 次期政権構想にあたっては、政治構成の理念、基本(本ブログ「首相選ポリシー」)を踏まえた主張を明確して、統治能力(governance)のある政治責任(responsibility)と説明責任(accountability)を履行するものであるべきだ。

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