いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

子ども手当の廃止。 repeal of child allowance

2011-08-05 19:58:11 | 日記
 (1)受給者から財源不足で同情論があった個人給付の「子ども手当(child allowance)」が3党合意で廃止することが決まった。国民の要請は、個人給付よりも施設(保育所増)、社会資本への投資であった。

 高校無償化と合わせて将来の国を背負う人材(子ども)への分け隔てのない支援、投資は、基本政策のひとつだが、理念優先で財源保障のない「絵に描いた餅」で終わった。

 子ども手当の「理念」の準備不足も明らかになって、当初は来日外国人の海外居住者にまで支給対象にするなどさすがに無軌道バラマキサービス政策は非常識、正当性を疑われてようやく改善する有り様だった。
 民主党の本格的政権交代の核心のマニフェスト、公約の「ぜい弱さ」、裏付けのなさが露呈したプロセスだった。

 財源不足によるマニフェスト、公約の準備不足、政策の誤りを「認めさせられた」民主党政権は、分け隔てのない「子ども手当」に整合性、正当性のない所得制限まで付けさせられて、すっかり骨抜きになっての廃止(repeal of child allowance)だ。

 (2)ダム工事の中止による公共事業の見直し、高速道路の無料化、ガソリン暫定税率の廃止、政治主導(国家戦略室・行政刷新会議)に子ども手当とよくもまあ、マニフェスト、公約の次から次と中止、見直し、後退、廃止を繰り返して、しかし政権運営には異常な執着心の権力欲偏重集団と言わざるを得ない。
 年金不実記録の解明問題はどうなったのか、不明のままの税と社会保障の一体改革論議だ。

 本来なら解散総選挙で国民の信を問い直さなければならない、あきれたばかりの政治不信状況にありながら、大震災、1票の格差是正放置の影響で総選挙が現実的でないことをいいことに、圧倒的な支持を受けた国民に「政策変節の説明責任(accountability)」もないままの国会内だけの方針転換、合意、政権維持の独善的行動だ。

 民主主義、議院内閣制の政治では、到底許される政治行動ではない。国民の意思は、軒並み内閣支持率10%台、国会は機能していない80%で政治不信、不信任状態、総選挙が現実的でないなら民主党政権は政策変節のその責任を認めて政権を降りて、直ちに全国会挙げての復興改革内閣(選挙管理内閣)を構成すべきだ。

 (3)この政治低迷の責任を国民(判断能力)だけに負わせることはできない。自民党と民主党政権を経験して、既得権政治、密室政治と指導力不足、見せかけ、見かけ倒し政治をさんざん見てきた。
 政治の理念、形態では制御できない「政治家」の資質そのものに問題があることがはっきりした。政治の本格的な立て直しには、今の政治家はすべての「取替え」というような非現実性も必要なところの深刻な政治不信だ。

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