水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

蟋蟀在戸(51/72)

2009-10-18 05:30:48 | 72候
 今日は、72候の「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)だ。

家の戸口の前にまで、きりぎりすがやってきて、盛んに音を立てる季節になった、との意だ。

 大字典をひくと、「蟋蟀」は音読みで「シツシュツ」、訓読みで「こおろぎ」と読ませる。つくりの悉や率は、それらの字の持つ意味に関係ないようだ。
 
 大辞林で「キリギリス」をひくと、漢字は確かに「蟋蟀」もあるが、第一番目に「螽斯」と書かれている。

 今度は、大字典で「螽」をひくと、訓読みで「いなご」とよませていた。音読みは「シュウ」だ。

 迷路に入りそう。

「蟋蟀」を、国語辞典は「コオロギ」と、古語辞典は「キリギリス」と読ませていた。

 今日の結論。「蟋蟀」を「きりぎりす」と読もうが「こおろぎ」と読もうが、どっちでもかまわない。ただ、昔は「きりぎりす」と読んでいた。中国で、秋に鳴く虫全体「シツシュツ」といっていた言葉を輸入し、日本の言い方を当てはめた。時代とともに、このあて読みが「きりぎりす」から「こおろぎ」に変化した。

だから、標記を(こおろぎとにあり)と読んでも笑われることはない。

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