水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

みみずのたはごと(13)夕立雲

2008-08-06 09:56:18 | 三鷹・文学
 三鷹では大雨にならないのだが、このところ雷雨による、いたましい人身事故が続く。特に、昨日の東京での下水管補修工事現場での被災は、プロ中のプロが携わっていたはずなのに、衝撃的だ。

 今朝の新聞によると、気象庁は「十分な監視をしていた。技術的にはこれが限界だ」そうだ。前線に伴う広域な界雷なのであるから、熱雷とは異なる注意喚起ができたでしょうに。及び腰、って印象。

 工事元請幹部は、「安全管理には問題なかったと思う」ときた。本当に、このように発言したのだろうか。はらわたが煮えくり返る。

 新聞に示された断面図をもとに計算してみると、水深が0.2mから0.6mに増えると流速は二倍以上になるはず。仮に、元が2m/sの流速だとすると、少なくとも5m/sぐらいにはなる。とすると、0.6mの流水の水圧は限りなく1トン/m2に近いと推定される。流されることは自明の理。
朝の時点で、現場サイドが工事を強行した、本当の理由はなんだったのでしょうか。

 蘆花の書く、次のような情景を過去のものとしないよう、我々個人も観天望気をおろそかにしてはならない。自然は思っても見ないことを仕掛けてくる。

「畑のものも、田のものも、林のものも、園のものも、虫も、牛馬も、犬猫も、人も、あらゆる生き物は皆雨を待ち焦がれた。「おしめりがなければ、街道は塵埃で歩けないようでございます」と甲州街道から毎日仕事に来るおかみが云った。「これでおしめりさえあれば、本当に好いお盆ですがね」と内のオンナもこぼしていた」(みみずのたはごと、上p158)

 水災犠牲者のご冥福を心より祈る。合掌。