水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

みみずのたはごと(14)立秋

2008-08-08 10:59:33 | 三鷹・文学
 暦は、昨日立秋だった。「残暑」なんて云うのもおこがましいほどの暑さだ。明日の予報気温も35度だから、まだしばらくこの暑さは続くのだろう。

 
 蘆花は明治45年における立秋の頃の様子を書いている。(みみずのたはごと下p85)明治天皇の崩御が七月三十日だった、そうだ。
・東の方を見ると、空も喪装をしたのかと思われて、墨色の雲が東京の空をうち覆うて居る。(p83、7/30)
・欝陶しく、物悲しい日。(p83、7/31)
・今日から五日間お経をたてると、云いつぎが来た。先帝の御冥福の為。(p84、8/1)


そして、8/8、立秋の日の書き出しが次。

「八月に入って四五日、フランネルを着るような日が続いた。小雨が降る。雲がかぶさる。北から冷たい風が吹く。例年九月に鳴く百舌鳥が無暗に鳴いたりした。薄い掻巻一つでは足らず、毛布を出す夜もあった。ーーーーー、寒暖計は八十二三度を越えず、涼しい南風が朝から晩まで水の流るるように小止なく吹いた」

 八十二三度、ということは、摂氏で27度ぐらいか。旧暦ではないかといぶかしんだが、新暦だった。

同じ立秋でも、このような年もあるのだ。この年の陽気は少々平年値からずれていたのだろうか。