■冗談かと思っていた「歴史共同研究」が本当に動き出しそうですぞ!
日本政府は昨年5月に京都で開かれた日中外相会談で、歴史共同研究を提案し、中国側も賛同する考えを表明。今年1月に来日したゼーリック米国務副長官は、日米中三カ国の歴史学者による第二次世界大戦中の歴史共同研究を始める構想を提示しており、中川氏の提案にはこうした動きが念頭にあったものとみられる。一方、同じく基調講演に立った公明党の井上義久政調会長は「靖国問題を解決する方策として、首相、官房長官、外相などの閣僚は公式参拝を自粛することが必要だ」と述べた。産経新聞 - 2月21日
■「創刊50周年」記念の『週刊新潮』3月2日特大号、191頁にジャーナリストの船木洋介さんのコメントが掲載されています。記事の題名は『「靖国」「海底ガス」田棚上げ日中友好を賛美する「池田大作」と「王毅大使」』というものです。
1972年に田中角栄、周恩来両首相によって成った日中の国交正常化、その実現の地ならしをしたのが池田名誉会長その人なのだと、過去、創価学会はしきりに喧伝してきた。…「当時、社会党などの野党議員たちがさかんに訪中していた。当時の竹入義勝・公明党委員長もその流れに乗り遅れてはならじと、71年に訪中。そして、3度目の訪中でようやく周恩来との会談に成功する。その際に周恩来は、賠償請求権の放棄など日本側が呑める案を示した。そして、帰国した竹入が角栄にその案を伝えたことが、日中国交正常化に繋がって行った。もともと竹入は角栄と仲が良く、中国はその関係と角栄の親中派思想を見抜いていたからこそ、竹入をパイプ役に選んだのです」
■何ともすっきりした解説です。日本の政界の裏側までお見通しの相手と外交交渉する時は、余ほど注意しませんと、「賠償請求権の放棄」というのが、実は半永久的な経済援助の約束と同義だったりしますから、ご用心、ご用心。日本ではなかなか肉声を拝聴する機会の無い池田名誉会長ですが、北京中央電視台の特別番組では、じっくりと1時間枠のインタヴューを視聴する事も出来ましたなあ。『週刊新潮』の記事によりますと、「井戸を掘った功労者」がいつの間にか角栄さんから池田名誉会長に代わっているのだそうですが、一般の新聞報道では分からない話です。小泉さんとしては自民党内の北京大好き議員団と公明党の皆さんを束にして、天秤ばかりの一方の皿の重石にしているつもりかもしれませんが、このバランスはちょっと危険ですなあ。
自民党の中川秀直政調会長ら与党訪中団は21日、中国共産党と政治、経済、外交など幅広いテーマで意見交換する「日中与党交流協議会」の初会合を北京市内のホテルで開いた。中国側代表の王家瑞対外連絡部長は基調講演で「こう着した局面打開の核心は、政治関係を良くすることだ。靖国神社への参拝を続けることは、決して小異ではない」と述べ、小泉純一郎首相や後継首相の靖国参拝中止が関係改善の前提になると強調した。靖国問題について、中川氏は20日の講演で「小異は棚上げし、共通の利益に注目して日中関係を発展させることが利益になる」と述べていた。王部長の発言はこれを念頭に置いたもので、「参拝を続ければ両国関係の基礎が必ず弱められる」と警告した。
■相手に「警告」されに出掛けたのなら、世話は有りませんが、こういう大ニュースが脇に押しやられて、永田議員とか言う小物をマスコミが大挙して追い掛け回しているのは、事態を知り抜いてやっているのなら恐ろしい事ですが、視聴率と販売部数ばかり追い掛けているのが本心なら、これはエライことになるかも知れません。何事かが起こった時に、国民一堂阿呆面さげて「そんなこと聞いてないよぉ」などと泣きべそをかいても後の祭りという物でしょうなあ。
続いて行われた自由討論では、自民党議員から「中国側が日本の国民感情を理解しなければ、日本側は圧力と感じる」「中国の教育を戦後に重点を移せないか」などの意見が相次いだ。しかし、中国側は「靖国問題は外交カードではない」「この話が片付かなければ、首脳会談も日程に上らない」などと主張、双方の溝は埋まらなかった。時事通信 - 2月22日
■馬鹿正直に「正眼に構えて」まっすぐに面打ちに行って、ピストルで眉間を打ち抜かれたようなものですなあ。相手に聞く耳が有ると信じ込んでいると、こんな間尺に合わない「自由討論」で恥をかかされ続けますぞ!飛んで火に入るのは夏の虫だけですが、春先には北京辺りにも飛んで行くのでしょうか?
中国共産党の王家瑞対外連絡部長は21日、自民党の中川秀直政調会長らが出席して北京で開催された「日中与党交流協議会」で講演し、日中関係の現状について「メディアの感情的な扇動によって国民感情の対立がもたらされることを座視してはいけない」と述べ、日本メディアの対中報道が両国関係に悪影響を与えていると非難した。王部長は、小泉純一郎首相による靖国神社参拝など政治問題以外の関係強化を強調。経済協力や文化・スポーツ・青少年交流に加え、「両国の世論と国民感情を正しく有効に導き、ナショナリズムによる両国の対立を防止する」と提案し、メディアの役割の重要性を指摘した。時事通信 - 2月21日
■こうした発言は、東京に在る中国大使館の同志諸君に向けての工作活動奨励メッセージのようにも聞こえますが、こんな話を大人しく同じ檀の上で聞いていると、「仰せご尤も」と全面的に同意したと思われてしまいますなあ。「国民感情を正しく導く」ようなマスコミ捜査は日本では法律で禁止されている事ぐらいは反論しておくべきでしょうに!こんな「粗忽訪朝団」を正しく導いたのは北京の日本大使館の方々でしょうが、こんな百害有って一利無しの茶番劇をいつまで繰り返すのかなあ?と思っていたら、ちゃんと答えが出されていました。
政府は24日の閣議で、阿南惟茂中国大使の後任大使に宮本雄二沖縄担当大使を充てる人事を決定した。宮本氏は外務省のチャイナスクール(中国語研修組)で、中国要人との関係が深い。靖国問題などで冷却化している日中関係改善が課題となる。宮本氏の後任には、重家俊範・南アフリカ兼スワジランド兼ナミビア兼ボツワナ兼レソト大使を起用する。いずれも3月3日に発令される。
読売新聞 - 2月24日
■重家さんの職名がスゴイ!のに驚きますが、こんなに複雑で広大な地域を任地として大活躍された方なら安心かと思えば、取り立ててアフリカ南部で日本政府が目立った動きを見せたとも聞いておりませんから、大過なく過ごされて、目出度く「古巣」の北京に栄転というわけなのでしょうなあ。きっと、張り切っておられる事でしょう。とかくの批判が多かった阿南さんが退任というので、どんなサプライズ人事を小泉さんが見せるかと思ったら、お役人仲間の双六遊びに付き合っていただけのようです。これで任期いっぱい、外務官僚とも仲良くできるし、民主党は自爆して絶対絶命と見えた「4点セット・5点セット」は何処かに消えてしまったし、歴史に刻まれる暴挙となりそうだった皇室典範問題もうやむやになったし、小泉さんは運が良い、とマスコミは書き立てたいのでしょうが、小泉さんに敵対すべき人達がマヌケなだけです。
■中川さんと別行動を取った二階さんは、中国メディアでは大人気だそうですなあ。実質的に尖閣諸島の地下資源を放棄するのも同然の発言をしている人ですから、北京政府は下にも置かない熱烈歓迎ぶりとか……。それを日本の新聞は書きもしないで、ホリエモン・メールの疑惑解明に夢中です。永田議員が長期入院隠遁生活しようと、辞職しようと、あるいは頭を剃って四国で御遍路さんをしようと、大勢にまったく影響は有りません。それどころか、民主党が分裂して消し飛んだところで、また同じような寄せ集め野党は一夜で作れるのですから、これも大した問題ではないでしょうに!偉そうにしていた野党幹部や、ポスト小泉競争で盛り上がっていた自民党幹部もすっかり大人しくなってしまった「ホリエモン疑惑メール」は、一体、何処から発信されたものやら…
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日本政府は昨年5月に京都で開かれた日中外相会談で、歴史共同研究を提案し、中国側も賛同する考えを表明。今年1月に来日したゼーリック米国務副長官は、日米中三カ国の歴史学者による第二次世界大戦中の歴史共同研究を始める構想を提示しており、中川氏の提案にはこうした動きが念頭にあったものとみられる。一方、同じく基調講演に立った公明党の井上義久政調会長は「靖国問題を解決する方策として、首相、官房長官、外相などの閣僚は公式参拝を自粛することが必要だ」と述べた。産経新聞 - 2月21日
■「創刊50周年」記念の『週刊新潮』3月2日特大号、191頁にジャーナリストの船木洋介さんのコメントが掲載されています。記事の題名は『「靖国」「海底ガス」田棚上げ日中友好を賛美する「池田大作」と「王毅大使」』というものです。
1972年に田中角栄、周恩来両首相によって成った日中の国交正常化、その実現の地ならしをしたのが池田名誉会長その人なのだと、過去、創価学会はしきりに喧伝してきた。…「当時、社会党などの野党議員たちがさかんに訪中していた。当時の竹入義勝・公明党委員長もその流れに乗り遅れてはならじと、71年に訪中。そして、3度目の訪中でようやく周恩来との会談に成功する。その際に周恩来は、賠償請求権の放棄など日本側が呑める案を示した。そして、帰国した竹入が角栄にその案を伝えたことが、日中国交正常化に繋がって行った。もともと竹入は角栄と仲が良く、中国はその関係と角栄の親中派思想を見抜いていたからこそ、竹入をパイプ役に選んだのです」
■何ともすっきりした解説です。日本の政界の裏側までお見通しの相手と外交交渉する時は、余ほど注意しませんと、「賠償請求権の放棄」というのが、実は半永久的な経済援助の約束と同義だったりしますから、ご用心、ご用心。日本ではなかなか肉声を拝聴する機会の無い池田名誉会長ですが、北京中央電視台の特別番組では、じっくりと1時間枠のインタヴューを視聴する事も出来ましたなあ。『週刊新潮』の記事によりますと、「井戸を掘った功労者」がいつの間にか角栄さんから池田名誉会長に代わっているのだそうですが、一般の新聞報道では分からない話です。小泉さんとしては自民党内の北京大好き議員団と公明党の皆さんを束にして、天秤ばかりの一方の皿の重石にしているつもりかもしれませんが、このバランスはちょっと危険ですなあ。
自民党の中川秀直政調会長ら与党訪中団は21日、中国共産党と政治、経済、外交など幅広いテーマで意見交換する「日中与党交流協議会」の初会合を北京市内のホテルで開いた。中国側代表の王家瑞対外連絡部長は基調講演で「こう着した局面打開の核心は、政治関係を良くすることだ。靖国神社への参拝を続けることは、決して小異ではない」と述べ、小泉純一郎首相や後継首相の靖国参拝中止が関係改善の前提になると強調した。靖国問題について、中川氏は20日の講演で「小異は棚上げし、共通の利益に注目して日中関係を発展させることが利益になる」と述べていた。王部長の発言はこれを念頭に置いたもので、「参拝を続ければ両国関係の基礎が必ず弱められる」と警告した。
■相手に「警告」されに出掛けたのなら、世話は有りませんが、こういう大ニュースが脇に押しやられて、永田議員とか言う小物をマスコミが大挙して追い掛け回しているのは、事態を知り抜いてやっているのなら恐ろしい事ですが、視聴率と販売部数ばかり追い掛けているのが本心なら、これはエライことになるかも知れません。何事かが起こった時に、国民一堂阿呆面さげて「そんなこと聞いてないよぉ」などと泣きべそをかいても後の祭りという物でしょうなあ。
続いて行われた自由討論では、自民党議員から「中国側が日本の国民感情を理解しなければ、日本側は圧力と感じる」「中国の教育を戦後に重点を移せないか」などの意見が相次いだ。しかし、中国側は「靖国問題は外交カードではない」「この話が片付かなければ、首脳会談も日程に上らない」などと主張、双方の溝は埋まらなかった。時事通信 - 2月22日
■馬鹿正直に「正眼に構えて」まっすぐに面打ちに行って、ピストルで眉間を打ち抜かれたようなものですなあ。相手に聞く耳が有ると信じ込んでいると、こんな間尺に合わない「自由討論」で恥をかかされ続けますぞ!飛んで火に入るのは夏の虫だけですが、春先には北京辺りにも飛んで行くのでしょうか?
中国共産党の王家瑞対外連絡部長は21日、自民党の中川秀直政調会長らが出席して北京で開催された「日中与党交流協議会」で講演し、日中関係の現状について「メディアの感情的な扇動によって国民感情の対立がもたらされることを座視してはいけない」と述べ、日本メディアの対中報道が両国関係に悪影響を与えていると非難した。王部長は、小泉純一郎首相による靖国神社参拝など政治問題以外の関係強化を強調。経済協力や文化・スポーツ・青少年交流に加え、「両国の世論と国民感情を正しく有効に導き、ナショナリズムによる両国の対立を防止する」と提案し、メディアの役割の重要性を指摘した。時事通信 - 2月21日
■こうした発言は、東京に在る中国大使館の同志諸君に向けての工作活動奨励メッセージのようにも聞こえますが、こんな話を大人しく同じ檀の上で聞いていると、「仰せご尤も」と全面的に同意したと思われてしまいますなあ。「国民感情を正しく導く」ようなマスコミ捜査は日本では法律で禁止されている事ぐらいは反論しておくべきでしょうに!こんな「粗忽訪朝団」を正しく導いたのは北京の日本大使館の方々でしょうが、こんな百害有って一利無しの茶番劇をいつまで繰り返すのかなあ?と思っていたら、ちゃんと答えが出されていました。
政府は24日の閣議で、阿南惟茂中国大使の後任大使に宮本雄二沖縄担当大使を充てる人事を決定した。宮本氏は外務省のチャイナスクール(中国語研修組)で、中国要人との関係が深い。靖国問題などで冷却化している日中関係改善が課題となる。宮本氏の後任には、重家俊範・南アフリカ兼スワジランド兼ナミビア兼ボツワナ兼レソト大使を起用する。いずれも3月3日に発令される。
読売新聞 - 2月24日
■重家さんの職名がスゴイ!のに驚きますが、こんなに複雑で広大な地域を任地として大活躍された方なら安心かと思えば、取り立ててアフリカ南部で日本政府が目立った動きを見せたとも聞いておりませんから、大過なく過ごされて、目出度く「古巣」の北京に栄転というわけなのでしょうなあ。きっと、張り切っておられる事でしょう。とかくの批判が多かった阿南さんが退任というので、どんなサプライズ人事を小泉さんが見せるかと思ったら、お役人仲間の双六遊びに付き合っていただけのようです。これで任期いっぱい、外務官僚とも仲良くできるし、民主党は自爆して絶対絶命と見えた「4点セット・5点セット」は何処かに消えてしまったし、歴史に刻まれる暴挙となりそうだった皇室典範問題もうやむやになったし、小泉さんは運が良い、とマスコミは書き立てたいのでしょうが、小泉さんに敵対すべき人達がマヌケなだけです。
■中川さんと別行動を取った二階さんは、中国メディアでは大人気だそうですなあ。実質的に尖閣諸島の地下資源を放棄するのも同然の発言をしている人ですから、北京政府は下にも置かない熱烈歓迎ぶりとか……。それを日本の新聞は書きもしないで、ホリエモン・メールの疑惑解明に夢中です。永田議員が長期入院隠遁生活しようと、辞職しようと、あるいは頭を剃って四国で御遍路さんをしようと、大勢にまったく影響は有りません。それどころか、民主党が分裂して消し飛んだところで、また同じような寄せ集め野党は一夜で作れるのですから、これも大した問題ではないでしょうに!偉そうにしていた野党幹部や、ポスト小泉競争で盛り上がっていた自民党幹部もすっかり大人しくなってしまった「ホリエモン疑惑メール」は、一体、何処から発信されたものやら…
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