旅限無(りょげむ)

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改めて知る日本の大穴 其の参

2006-02-28 22:01:15 | 外交・情勢(アジア)
■国会が訳の分からない馬鹿騒ぎをしていても、国土の安全を守っている皆さんには、笑いながら見物している暇は無いようです。

自衛隊と在日米軍が23日から3月3日までの日程で実施している図上演習「キーン・エッジ」(日米共同統合指揮所演習)で、北朝鮮と中国を事実上の「仮想敵」としていることが27日、明らかになった。防衛庁、自衛隊は公式見解で「中国脅威論」を否定しているが、演習では両国の軍事行動を想定し、ミサイル防衛や海上警備行動などの円滑化に主眼を置いている。今回の演習は、3月末からの陸海空自の統合運用に向け、統合任務部隊の命令・情報伝達や在日米軍との連絡調整の円滑化を図るのが主目的。部隊の動きや命令、情報の流れをコンピューター画面上で演習している。

■図上演習ならば大した費用は掛からないのですから、平壌に出向く前準備の段階で、米国に頼み込んで対北朝鮮の日本海の海岸部を守る図上演習くらいやっておけば良かったのです。列島越えの「人工衛星」打ち上げ用ロケットが飛来した時に、「もしも、あれが核弾頭を持った弾道弾だったら」という仮説を立てて計画を練って見せるくらいのデモンストレーションは必要でした。本物を用意していても、「今度も人工衛星だぜ」と言われたら、米軍に言い付ける事しか打つ手が無いのではないでしょうか。米国が前衛で、日本は後衛に回るのは分かり切っている事ですから、単独で外交交渉をすれば舐められるのは当たり前ですなあ。


関係者によると、演習シナリオ上では、日本を「青国」、米国を「緑国」などと国名を色で表している。まず「紫国」(北朝鮮)の弾道ミサイルへの燃料注入の動きを米国が探知した事態を想定。日米が警戒態勢に移行し、日本海で在日米海空軍や海自イージス艦などが監視体制を強化。「茶国」(韓国)でも緊張が高まる中、空自輸送機による韓国からの邦人輸送のため命令、連絡などを演習している。

■やっぱり、「米国が探知」なのですね?これでは、米国が意地悪をして教えてくれないような恐ろしい事は願い下げですから、米国が買え!と言ったら危ない食べ物も我慢して買わないと行けないようですなあ。偵察衛星を贅沢なロケットもろとも海の藻屑にしてしまう日本ですから、情報は米国頼みが続きそうです。

 
さらに、朝鮮半島の動きに合わせ、東シナ海で「橙(だいだい)国」(中国)の海軍艦艇や潜水艦、空軍偵察機などの活動が活発化、日中が領有権を主張している無人島に中国の民間人とみられる一群が不法上陸、周囲に不審船が出現する事態を想定。官邸や海上保安庁、警察への連絡調整を演習する。

■尖閣諸島の奪還作戦も織り込まれているとは、なかなか勇壮な図上演習ですぞ!南の海で猛特訓中の特殊部隊が投入されるのでしょうか?でも、日本の民間人が対抗して上陸するような想定は無いのですなあ。

 
次の段階では、同島周辺で中国の海軍艦艇、潜水艦の活動が報告され、領海侵犯が確認されたと想定。海自は海上警備行動に移行、周辺で警戒中の艦艇や航空機などの部隊が一斉に対処行動に移る。陸自も島の侵攻に対処するため西部方面隊の部隊投入を準備、空自も中国の航空侵攻に対し、本土からF15数個飛行隊を那覇基地と宮古島市の下地島空港に移動展開する作戦準備命令を出すことを訓練する。

■やっぱり特殊部隊が投入されるのですなあ。島国のくせに、明治以来、海兵隊を本気で装備しなかった変な国でしたが、島の奪還を命じられても対応出来る部隊が、着々と整備されているとの話を聞くと心強くなります。でも「準備」ですね。「準備」。敵を欺くにはまず味方からというわけですね。


陸海空自がそれぞれ有事への対処要領を定めた「平成17年度防衛警備計画」では、中国、北朝鮮を「脅威対象国」とし、日本への侵攻の可能性について中国は「小さい」、北朝鮮は「ある」と認定している。しかし、防衛庁、自衛隊は外交上の影響に配慮し、「中国を脅威とみなしているわけではない」(2月16日、守屋武昌事務次官)との立場を堅持しており、今月15日に「中国は沖縄の自衛隊にとって脅威」と発言した空自幹部が口頭注意されている。

■この空自幹部は、民主党の前原代表の代わりに叱られたのでしょうなあ。京都大学で高坂先生の教えを受けたわりには、外交と国内の人気取りを混同する程度の「お坊っちゃん」ですから、自衛官が身体を張って誤魔化さないと行けません。本当に手の掛かる野党第1党の党首さんですなあ。憲法9条の改正が先なのに、それを飛ばして「現実的な脅威」などと、何処の国を相手にしても政治家が言っては行けません。余りに当たり前過ぎる話なので、生前の高坂先生も京都大学のゼミでは仰らなかったのでしょうなあ。でも、受験秀才というのは、言われた事はどんどん覚えますが、試験に出ない「常識」を知らないという弱点が有りますからなあ。政治は「常識」の積み重ねですから、受験秀才には向かない職場と言えそうです。


今回の演習で北方有事(赤国=ロシアによる侵攻)は想定外とされ、ロシアの脅威が相対的に低下、中国や北朝鮮の脅威が増しているとの認識を改めて裏付けている。今回の演習シナリオについて自衛隊幹部は「一切明らかにできない」としている。
産経新聞 - 2月28日

■これだけ詳しく記事にしているのに、「明らかにしない」というのは面白いですなあ。ロシアはチェチェン問題に手を焼きつつ、イランを何とか利用しようと必死ですし、西から迫る「民主化」の大波を止めるので精一杯ですから、中国や北朝鮮が短気を起こしても、他人事として国連あたりに、「困ったもんだ」と訴えて済ますでしょう。沿海州の領土が少しでも現在の北朝鮮に食い込めるような気配が見えたら、いそいそと暗躍し始めるでしょうが、天然ガスを使った「恐喝商売」の方が面白いので、日本海の隣国が何をしようと、関係ないでしょう。

■それでも、北方領土に開いた大きな穴は塞がりそうもないのですから、対ロシア外交の建て直しが急がれます。佐藤優さんを追い出してしまった外務省は、もう耳も腕ももがれたも同然でしょうから、とても心配です。イランに夢中になっている間に、ロシアに対する次の手を用意していて欲しいものです。ルーブルの闇両替で「裏金」のかさ上げなどしている場合ではありませんぞ!というわけで、日本の大穴は、やっぱり外務省の中に開いているという事のようです。自衛隊が埋めようにも、米国をダシに使わないと何も出来ないのですから、この穴を通って様々なポンコツが出て行き、有り難くない物や人がどんどん入って来るのでしょうなあ。

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改めて知る日本の大穴 其の弐

2006-02-28 22:00:20 | 外交・情勢(アジア)
■世界のヤマハが無人ヘリコプターを人民解放軍御用達で輸出していましたが、ヤマハと言えば世界一の船外機が有名なのですから、北朝鮮の軍隊用に密輸されているなどと言う事はないでしょうなあ。

調べなどによると、社長は2005年6月末、津居山(ついやま)港漁協(兵庫県豊岡市)に所属していた底引き網漁船「第2大和丸」(75トン)を約350万円で購入。同年07月に同船を韓国に輸出する際、船体価格を90万円と偽って税関に申告し、外為法で100万円を超える漁船を輸出する際に義務づけられた経済産業相の承認を得なかった疑い。関係者によると、「第2大和丸」を所有していた同漁協の組合員は同年6月末、兵庫県香美町の漁具販売会社役員(74)に同船を350万円で売却。この会社役員は、同じ値段で社長に転売したという。組合員は売却にあたり、同船の登録を抹消した。昨年7月上旬、門司海上保安部の海上保安官が北九州市の門司港から、韓国へ向かっていた第2大和丸を見つけ、立ち入り検査を実施。関係書類を調べた結果、同船の不正輸出の疑いが浮上し、同保安部は社長の会社などを捜索し、社長から任意で事情聴取していた。

■国民の怒りを結集して…!と拉致被害者の家族会が声を嗄らして訴えて回っているというのに、こういうオヤジが暗躍しているのですなあ。相手に足元を見たれて舐められても仕方がないかも知れませんぞ。


この社長は00年8月、イカ釣り漁船(130トン)をインドネシアに輸出すると偽り、通産相(当時)の承認を受けず、福島県・小名浜港から韓国経由で北朝鮮に輸出したとして、外為法違反(無承認輸出)などの容疑で01年6月に逮捕・起訴され、東京地裁で懲役2年6月、執行猶予4年、罰金100万円の判決を言い渡された。99年3月の能登半島沖領海侵犯事件では、「第2大和丸」「第1大西丸」と書かれた2隻の北朝鮮の工作船が、海保の威嚇射撃や海上自衛隊の警告射撃にもかかわらず、高速で逃走した。
読売新聞 - 2月28日

■懲りずに違法の商売をしているオヤジも情けないけれど、オンボロの中古船を取り逃がす海上自衛隊も、ちょっと情けないですなあ。


地村保志さん夫妻や蓮池薫さん夫妻の拉致事件で逮捕状が出た辛光洙(シングァンス)容疑者(76)と通称「チェ・スンチョル」容疑者の拉致支援グループの一部が、同一の飲食店に出入りしていたことが警察当局の調べで分かった。警察当局は、朝鮮労働党の「対外情報調査部」(当時)の指示を受けた両容疑者ら限られたグループが、田口八重子さんをはじめ複数の日本人拉致に関与していた可能性があるとみて解明を急いでいる。

■少し前まで通称「朴」と呼ばれていた謎の工作員の本名?が、突然明らかになり。ちょっと驚きましたが、『正論』3月号にウラジミールさんが書いている「スクープ!辛光洙は「拉致実行犯」ではない」という文章に指摘されているように、工作員としては相当にマヌケなこの人物を余り大物扱いしない方が良いのかも知れません。ウラジミールさんの主張は、過去の細かい行動がほぼ解明されてしまうようなヘマをしている上に、日本中の人々が顔と名前を知ってしまうような工作員に、巨大な謀略の全てを押し付けてしまうと、事件の真相が見えなくなる、というものです。確かに、あんなヘマな工作員一人に、日本の警察や公安が手玉に取られたとしたら、これはエライことですぞ!テレビ局のカメラに追い回されて、肉声の悪口雑言を放送されるスパイなど、どこの世界にいるのでしょう?まして、謀略を仕掛けていた日本の野党の政治家に助命運動してもらう工作員とは何なのでしょう?

 
飲食店は、東京・池袋にあり、78年6月ごろ失跡した田口八重子さんが勤務していた。チェ容疑者の配下で客として出入りしていたのは「宮本明」を名乗る男。大韓航空機爆破事件(87年)の実行犯が不正使用した日本人名義の旅券の取得に関与するなど、複数のスパイ事件で名前が取りざたされている。また、店の客だった辛容疑者の協力者は「(辛容疑者が北朝鮮で教育を受けていたため日本にいなかったとされる)78年に都内で(辛容疑者に)会った」と証言している。

■大韓航空機の爆破テロも、いまだに認めていない北朝鮮政府を相手に、どうやら本気で国交正常化交渉をしようとしていたのが日本の外務省でしたからなあ。こんな昔の話を今頃になって穿り出しても、相手がどんな返答をするのか、分かり切っているような気もします。苦しい者同士の誼(よしみ)で、ミャンマーと北朝鮮が仲直りしたという笑えるニュースが有りましたが、アウンサン廟の爆破テロは韓国の大統領を爆殺するのが目的でしたから、どちらも一人ぼっちになるよりは、過去は水に流して仲良くなるというわけですなあ。日本も同じように…などと考えるアホが外務省に居ない事を願うばかりです。

蓮池さんと地村さんが一時同じ招待所にいた時に、監視役を務めていたのが、蓮池さんを拉致したとされるチェ容疑者だ。帰国した拉致被害者らの証言では、拉致の実行から招待所での教育や監視まで一貫して同一人物が行っていた実態が浮かんでおり、チェ容疑者が地村さん拉致に絡んでいた疑いも出てくる。チェ容疑者は「(拉致は)命令で仕方がなかった」などと話していたという。地村さんらの拉致前の77年に起きた久米裕さん拉致で国際手配されている金世鎬(キムセホ)容疑者(77)の協力者の一部は、辛容疑者らの支援者と重なることも判明。こうしたことから、ある警察幹部は「従来の見方と違い、田口さん拉致を含め拉致事件のほとんどは、金、辛、チェの各容疑者ら極めて少ないグループによって行われた可能性もある」とみる。毎日新聞 - 2月28日

■どんどん話が生々しくなって行きますなあ。「命令」が何処から出ていたのか、折角、平壌まで2回も出向きながら、「一部のハネッカエリ」が拉致をやっちまったんだぜ!と言われて、「ああ、そうですか」と承って小泉さんが帰って来たのは残念でした。金総書記が言った台詞は、父親の時代に韓国ソウルを襲った、恐るべきテロ事件の後で使ったものとまったく同じだったのに、「どこかで聞いた台詞ですなあ」ぐらいの事は言わねばなりませんでした。平壌会談の準備不足は、今回の民主党のスットコドッコイを笑えないほど酷いものでしたからなあ。

改めて知る日本の大穴 其の壱

2006-02-28 21:59:28 | 外交・情勢(アメリカ)
■拉致被害者が帰国してから過ごして時間がゆっくりと、しかし沈鬱に流れていましたが、意を決して思い出したくもない記憶を手繰って貴重な証言をし始めたのはオリンピックの喧騒が始まる頃だったと思います。その後は、実に馬鹿馬鹿しい民主党のホリエモン・メール自爆茶番劇に日本中の目と耳が奪われて、実に勿体無い時間を浪費してしまいました。拉致問題に関しても大きな動きが出始めている時に、西村議員を失った民主党は一人のオッチョコチョイのために、ますます出る幕を失ってしまいました。自民党の幹事長を追い詰めるより、拉致問題を進展させて見せる方が、遥かに次の選挙に勢いを付けられたでしょうし、次の政権の期待も高まったでしょうに!

政府は27日、北朝鮮に向けた郵便物の監視を強化する方針を固めた。先の日朝政府間の並行協議で拉致事件などに進展がみられず、現行法の厳格な適用による北朝鮮への「圧力」の具体策の一つ。政府は、北朝鮮にかかわる不法電波の監視も強化する構えで、総務省、警察庁などの関係省庁で検討を進める。日本から北朝鮮にあてた小包や手紙などの郵便物は約12万5000件(平成16年度)にのぼる。最高約48万円の現金送金が可能な保険付き郵便物も503件が北朝鮮に送られている。単純計算すれば、2億4000万円以上が送金された可能性がある。

■戦後の熱狂的な帰国事業以来、地上の楽園の建設というのは真っ赤なウソで、単なる卑劣な人質戦略だった事がバレてしまったのですから、日本からの支援物資や送金が親族の命を繋ぐ唯一の頼りとなっている事実も分かっていました。しかし、なるほど、北朝鮮への送金の実態は明らかにされておらず、万景峰号に怪しげなダンボール箱が運び込まれているという噂や親族の北朝鮮訪問に際しては、あれこれと大量の荷物を持って行くという話は聞きますが、合法的な送金がこれほど大規模に行なわれているとは知りませんでした。郵便局を通して送られるのは個人のお金でしょうから、莫大な寄付金を集めていたとされる在日組織や、それに連動していたとされる民族系金融機関からの送金額などは闇の中なのでしょうなあ。


このため、政府は日本郵政公社などと連携し、北朝鮮への郵便送金の実態把握を急ぐ方針。通常の郵便物でも中身に疑問があるものについては、厳しく目を光らせていく構えだ。また、日本国内に潜伏する北朝鮮の工作員や協力者が不法な無線電波を使って連絡をとりあっている可能性もあるため、免許を受けない不法無線などの監視も強化する方針だ。

■拉致事件が放置されていた四半世紀の間も、羅列した番号をひたすら読み上げる奇怪な放送が夜な夜な続いていたのは有名な話で、日本側ではその解読に努力していたという話はまったく聞きません。外国がどんなに奇妙なラジオ番組を放送していようと文句は言えないのでしょうが、国内の工作員に向って謀略指令を流していたのですから、日本は実に呑気な国だったのでした。

 
ただ、総務省が16年度中に摘発、警察当局に告発した400件の不法電波の大半はトラックの無線で、「北朝鮮との交信など特異な摘発例は報告されていない」(幹部)という。政府は、2月上旬の日朝並行協議で北朝鮮側に「誠意ある対応」が見られず、北朝鮮側の譲歩を促すためにも現行法の厳格な適用で圧力を強めるべきだとの判断に傾いている。すでに(1)麻薬や偽札の取り締まり強化(2)在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関連施設への固定資産税減免措置の見直し-などを検討しており、引き続き効果的な圧力の具体策を模索する。産経新聞 - 2月28日

■麻薬犯罪の摘発数も押収量も相手国が腰を抜かすような増加を見せてはいないので、「取り締まりの強化」と言っても、人員を増やすとか麻薬の本場に調査員を出したり捜査官の海外研修などは考えているのかどうか…。まさか、ポスターを印刷して警察署に配る等のトボケた予算の使い方はやらないとは思いますが、呆れるほど後手に回っているのですから、担当部署の皆さんには国民の正常な精神維持のためにも、大いに頑張って欲しいものです。


北朝鮮の人権改善に取り組む韓国の活動家らが運営するインターネットサイト「デーリーNK」は27日までに、北朝鮮には「偽たばこ」の生産拠点が複数存在し、同国北部・咸鏡北道では台湾の犯罪組織が出資・運営して「マイルドセブン」「ダンヒル」などの外国たばこが偽造されていると報じた。韓国野党議員が公開した資料を基に伝えた。同サイトによると、製造されたたばこは台湾やロシアを経由して韓国の釜山に持ち込まれ、韓国内で流通している。日本への浸透に関する言及はない。時事通信 - 2月27日

■日本のセブンスターは世界的に売れているのは有名な話でしたが、今はマイルド・セブンに世界の嗜好が変わっているのでしょうか?まさか、JTがセブンスター・シリーズのパッケージを全面的に変更したり種類を多くしているのは、北朝鮮の偽物に対する営業戦略だったのはないでしょうな?韓国の愛煙家は日本の悪口を言いながら、マイルド・セブンを愛好しているのでしょうか?偽物の味は日本製と同じとは思えませんが、葉っぱは何処から調達しているのか興味は涌きますなあ。JTには有能なテイスターが居て、毎日欠かさずブレンド状態を確認しているわけですが、まさか、そんな人の中から拉致被害者が居るなどという事はないでしょうな?!


宮城県多賀城市の海運会社社長(64)が、中古漁船を不正に韓国に輸出していた疑いが強まり、第7管区海上保安本部(北九州市)などは27日、外為法違反(無承認輸出)などの疑いで逮捕状を取り、行方を捜している。この漁船の船名は、1999年に能登半島沖で発見され、護衛艦の警告射撃などを振り切って北朝鮮に入港した工作船に使われていた。社長は以前にも、韓国経由で北朝鮮に中古漁船を不正輸出して摘発されており、7管は今回も北朝鮮へ輸出する目的がなかったかどうか、調べている。

■廃棄処分の家電製品やら、放置されていたのか盗まれたのか分からない自転車などを、錆だらけの貨物船に山積みして出港する北朝鮮の船は有名ですが、それらは修理して中国に「本物の」メイド・イン・ジャパンとして売り捌くのだそうですが、廃船寸前のボロ船を買い込んでどうするのかと思ったら、耐久性の高いエンジンを中心にして部品をばらして再利用するのだそうですなあ。ロシアやパキスタンの商売人の真似をしているのでしょうが、日本製のエンジンを付けてパワーアップした北朝鮮の船を日本の海上保安庁の船が追い回すというのは、何とも奇妙な話です。

マヌケと頭の良さとの関係 其の四

2006-02-28 17:49:57 | 政治
■発言集の大トリは鳩山さんです。

※鳩山由紀夫幹事長
▽100パーセントの信憑性を立証することは残念ながらまだできていない。ここ数日が勝負だ=23日
▽私たちも永田氏が質問したこと、信憑性に理解を示してきたことに責任を感じる必要があるが、その前に事実関係を詳しく調査したい=24日
▽国会を混乱させている状況は謝罪し、世論なども斟酌して、それぞれの身分については判断する=26日 以上産経新聞 - 2月28日

■誰が言い出しのか、「100%…ではない」という目も当てられない苦しい言い回しを、本来理系の鳩山さんまでが使っていますなあ。「では、何%の信憑性が有るんだ?」と質問されたらどうするのでしょう?既に、『週刊新潮』が怪しい元記者の実名以外の素性と過去を詳しく記事にしてしまっている段階で、こんな虚しい質問をする記者は居ないのでしょうなあ。26日の段階でも「世論なども斟酌」する神経が分かりませんなあ。斟酌も精査も必要は有りません。民主党本部でも、週末に選挙区に帰った議員達も、世論が民主党を相手にしていない事を骨身に沁みて知ったでしょう。日本中の世論は、マヌケな民主党ではなく、トリノで日本が取った唯一の金メダルに集まっているのです。民主党も「金星」を取りに言ったのでしょうが、土俵に上がる前にコケて泥だらけになってしまいましたなあ。「勝負はこれからだ」などと、全身複雑骨折して泥だらけの顔で言われても、悲惨ですなあ。/font>

民主党は27日、ライブドア事件をめぐる「送金指示メール」問題で、一時は辞職の意向を示した永田寿康衆院議員の進退を鳩山由紀夫幹事長が預かり、辞職回避で収拾を図る方針を固めた。永田氏は28日午後、記者会見し、「メールの信ぴょう性を立証できなかった」と国民に陳謝するとともに、自民党の武部勤幹事長と二男にも謝罪する予定。前原誠司代表も監督責任を認める党見解を発表する方向で調整しているが、与党の反発が予想され、決着に向かうかは不透明だ。

■武部さんにも謝るとは、何とも痛々しい話になってしまいましたなあ。


民主党の野田佳彦国対委員長は27日夜、メールの入手後に黒く塗りつぶして公開したと説明してきた差出人と受取人の欄が、入手当初から塗りつぶされていたことを記者団に明かした。メールの真偽が疑わしかったにもかかわらず、信ぴょう性を高めるために隠していたとの批判を浴びるのは必至。野田氏は「不正確な表現をして誤解を招いた」と釈明した。

■「不正確な表現」ではなく、「間違った表現」「ウソ」でしょう?「誤解を招いた」のではなく「騙した」のです。最も悪質なウソは、前原代表の「明日の党首討論をお楽しみに」発言ですが…。奇怪な言い回しで逃げ回るのは与党側であるはずなのですが、野党が逃げ回ってどうするのでしょう?


同党は28日の会見で発表する党内調査の中間報告ではメールの真偽を特定しない方針。永田氏に対しては党内処分を検討しているほか、与党提出の懲罰動議を受け入れる案も浮上しており、野田氏ら執行部の責任論も強まりそうだ。鳩山氏は27日、記者団に「必ずしも正確でない情報で追及したことに対して素直に謝るべきところはある」と対応の誤りを認める一方、執行部や永田氏の処分については「一任を受けている」と述べるにとどめた。毎日新聞 - 2月28日

■民主党の内輪で傷を舐め合って、マヌケの連鎖辞任が起きないようにして収めようと思っているのでしょうが、それでは民主党全部がマヌケ色に染め上げられてしまいますぞ!演説会でも報告会でも、過去の事を話せば「また偽造だろ!」と野次られるでしょうし、将来の展望を語れば、「おお、楽しみにしてるぞ!」と合いの手が入りますぞ!そうなったら会場は苦笑と爆笑の渦になりますなあ。騒動の大元には、「ヤング・エリート集団」の自分達は人並み外れて頭が良い、という困った思い込みが有るようです。受験勉強に熱心に取り組み、厳しい競争を勝ち抜いた事は認められて良いでしょうが、それだけで人格の高さや賢さが保証されるわけではないという単純な真理を、受験シーズンに日本中が再確認したというわけですなあ。

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マヌケと頭の良さとの関係 其の参

2006-02-28 17:47:07 | 政治
■「世代交代」を声高に誇っていた前原体制ですが、やっぱり困ったときには年長者だけが頼りのようです。

「堀江メール」問題で、民主党の鳩山由紀夫幹事長は27日午後、都内の病院に入院中の永田寿康衆院議員に電話し、「進退を預けてほしい」と要請した。永田氏は「分かりました」と応じ、いったん示した辞意を撤回する方向となった。民主党は28日、永田氏の謝罪会見に続き、執行部が会見でメールの信憑(しんぴょう)性に関する調査結果を報告。執行部の責任については厳重注意処分などが浮上しているが、進退には触れない方針だ。
 鳩山氏は永田氏から進退の一任を受け、羽田孜元首相や小沢一郎前副代表、菅直人元代表らと相次いで会談し、執行部の方針を説明した。小沢氏とは「苦しい時を乗り越え、政権交代を目指す」として、9月の代表選まで前原誠司代表を支えていく考えで一致した。ただ、菅氏は永田氏の議員辞職の必要はないとする一方で、執行部の責任は免れないとの見方を表明。執行部は28日、常任幹事会や両院議員総会を開いて党内に理解と協力を求め、一連の騒動にけじめをつけたい考えだが、最終的な責任問題は世論の動向を見極めながら判断する。
 
■壊し屋の小沢さんが民主党の中でいつまで大人しくしているのか?と政治記者は動乱を心待ちにしていますから、ここで大暴れが始まれば面白い記事が書けると張り切ったかも知れませんが、先の選挙での大敗は、政権交代の芽をすっかり摘んでしまったので、やはり「政権交代」のためにはマヌケな前原体制を壊さずに隠忍自重するのでしょうなあ。菅さんは、四国の御遍路地図と杖などの「反省キット」を既に三人分用意しているのかも知れません。


…永田氏は23日、いったんは議員辞職の意向を漏らし、同日夜に都内の病院に入院した。永田氏はかつて、出身校の東大生のサークルが運営するAkamon.net」のインタビューに、「ぼくとか民主党が目指している社会というのは、失敗した人が責任をとるという社会なんですよ」と発言。党幹部に慰留されたとはいえ、謝罪だけで済むのか。自民党提出の懲罰動議の行方とあわせ、党内外で批判が渦巻くのは必至だ。… 野田佳彦国対委員長は同日夜、「もともと黒塗りだった。送受信者を知っていて質問したわけではない」と、“自作自演”との見方を否定した。しかし、野田氏は17日夜、永田氏は送受信者欄を見ていると明言しており、矛盾が露呈した。… 「(メール問題の先には)巨大な闇がある」と言い続けてきた前原誠司代表は27日、終日無言を貫き、午後4時過ぎには早々と都内の議員宿舎にこもってしまった。「ボロボロになっても9月までの任期をまっとうする」と周囲に語る前原代表。28日の記者会見では「断定的に質問したこと」を陳謝するものの、「政治とカネの関係を追及していく」との姿勢を崩さない方針だ。

■同じく9月までの任期の小泉さんは、民主党が瓦解したりマヌケな前原代表が交代などしないように、皮肉で優しいまなざして盛んに庇っているようですが、それに助けられて任期を全うすると意気込んでいる前原議員は、喧嘩の素人なのでしょうなあ。ゴミのように捨てられた前任者の岡田さんの姿を間近で見ていますから、ああはなりたくない!の一念なのでしょうか?


逆に積極的に動いているのは、永田氏の質問を事前に知らされていなかった鳩山由紀夫幹事長。「ここで混乱を収拾すれば、党代表選に向けて主導権を握ることができる」(中堅)との思惑も働いているようだ。ただ、羽田孜元首相からはこの日、「国民の信頼を取り戻すため」として鳩山氏の辞任が必要との考えを伝えられた。与党内には「表面的な謝罪をして済む問題ではない」(武部勤自民党幹事長)との強硬論が再燃しつつある。小泉純一郎首相は27日夜、衆院議長公邸で行われた河野洋平議長らとの懇親会の席上、民主党の混乱について「親分(前原代表)が腹を切る方法もあれば子分(永田氏)が腹を切る方法もある」と言及した。

■鳩山さんのハト派根性も大したものですなあ。この混乱が収まった後、春風でも吹いて来ると思っているのでしょうか?次の選挙で民主党が提出するマニュフェストも「偽造だろ?」と笑われるでしょうし、選挙演説の端々で「証拠が有るのか?証人を出せ!」とヤジり倒されますぞ!それに加えて、ヤクザな元記者と同じに扱われては困ると思って情報提供者も激減するでしょうし、民主党側でも玉石混交の情報の中で疑心暗鬼に陥って碌な質問も出来なくなるでしょう。そんな恥ずかしい政党の代表になって、何が面白いのでしょう?


【民主党幹部の主な発言】
※前原誠司代表
▽確度の高い情報だ。党を挙げて追及をしていく=16日
▽民主党はたくさんの情報を精査…メールは信憑性の高いものだ=17日
▽確証を得ている。国政調査権の発動に応じるのであれば、銀行口座名、口座番号を含めてしっかり提示する=22日
▽今の段階で(永田氏辞職の)必要は全くないと思っている=24日
▽断定的に永田氏が国会で質問したことは、おわびを申し上げなければいけない。背後にある政治と金の関係を検証し、野党第一党としての責任を果たしていきたい=26日

■京都大学や松下政経塾では日本語の授業は無かったようです。「確度」「精査」「信憑性」「確証」「しっかり」「責任」こうした政治家に欠かせない単語の意味と使用法を、誰かが教えてあげないと、可哀想です。


※野田佳彦国対委員長
▽永田氏から情報源とのやり取りを聞き、確度の高い情報だと認識した=17日
▽ライブドアと武部氏周辺の資金的な流れの解明に全力を尽くすのがわれわれの責務=23日
▽国会の中の責任は一番私にある。やり方の問題、確かな証明ができていないところは、少なくとも反省しなくてはいけない=26日

■早稲田政経はジャーナリスト志望の学生が多い伝統が有りますから、野田さんの日本語は比較的まともなようです。しかし、永田議員に乗せられたのですから、マヌケさは変わりないとも言えます。(其の四も有ります)

マヌケと頭の良さとの関係 其の弐

2006-02-28 17:46:00 | 政治
■軽量級なのに、地位と肩書きだけでエリート意識に凝り固まって大物ぶってしまう傾向は、海部さん辺りから始まったような気もしますなあ。

■永田・野田・前原トリオを支えているのが鳩山由紀夫さんで、絵に描いたような二代目政治家で、本当は理工系の大学教授になるはずの人だったそうです。戦後政治の中心にい続けた鳩山家の長男というだけの人ですが、豊富な政治資金が有るのであちこちで重宝されているとの話も有りますなあ。穏やかな口調で「させていただく」を連発しながら、時々トンデモない事を言うことも有りますが、その影の薄さで大した問題にもされない得な体質を持っている人です。「ヤング・エリート集団」を自負するヤンチャな三人組は自民党の何倍も複雑な構造を持っている民主党の中ではすっかり干されているそうですが、鳩山さんがクッション役を引き受けてくれた御蔭で辛うじて半年持っています。

■悲願の政権交代をするには、2つの方法しか有りません。1つは、与党の失政に対するビジョンと法律案をセットで掲げて衆参両院の選挙で堂々と勝って政権を奪う事。もう1つは、各種のスキャンダルを暴いて与党を追い詰め、与党内の内紛を利用して清潔なイメージで政治を刷新するだけの交代劇で政権を掠め取る方法です。極最近までは、第1の方法で政権交代が起きる可能性が有ったのですが、4点セットの中に国土交通省に関するスキャンダルの臭いが強まった辺りから、「ヤング・エリート」集団が拙速に走り始めたようですなあ。小泉劇場選挙ですっかり地味な脇役を演じさせられた岡田代表が、持ち前の演説下手を露呈した上に、寄り合い所帯の悲しさで、玉虫色のマニュフェスト作文を書いて自滅してしまった民主党は、前原体制になってからも自民党と対等に論争する主義主張を見つけられないままでしたなあ。

■長妻・馬淵コンビを先頭にして、党が一本の巨大な槍となって突き進んでいれば、建設業界との癒着構造をじわじわと抉り出して自民党を追い詰められたでしょうし、トドメに牛肉輸入問題で対米外交の御粗末さを突き回して見せれば、次の参議院選挙で勢いをつけ、国民の中から世間交代待望論を引き出して盛り上げる筋書きが有ったのです。


民主党は27日、「送金メール」を取り上げた同党の永田寿康衆院議員に対し自民、公明両党が共同提出していた懲罰動議について、衆院懲罰委員会への付託を受け入れる方針を固めた。動議の付託は2004年6月以来。永田氏が28日に記者会見し、根拠のないメールを示して国会内で自民党を追及したことを謝罪するのを踏まえ、与党側の要求に応じる。民主党としては、国会質疑での発言の「誤り」を理由に、最も重い除名処分になることはないと判断。永田氏の責任問題に決着を付ける狙いがあるとみられる。
時事通信) - 2月28日

■まったく政治と言うのは面白いもので、あっと言う間に自民党が民主党を追求する立場を楽しめる構図になってしまいました。前原代表の「党首討論」ほどは「楽しみに」していなかった病み上がりの永田議員の記者会見は、NHKと日本テレビで生中継されたようですが、それは随分と奇妙に静かなお詫び会見だった模様です。質問する報道陣も勢いづくこともなく、前原代表を抜いた鳩山・野田両議員に挟まれた永田議員は、前傾90度の最敬礼を繰り返し、「御迷惑」と「ご心配」を掛けたと平謝りのようでしたが、迷惑は分かるにしても、一体、何人の有権者が「心配」などしているのでしょう?それ以上に奇妙なのは、「国会を混乱させた」と何度も謝ったことです。報道を見ていても、国会はまったく混乱などしていませんぞ!混乱しているのは「民主党」です!

■自民党はポスト小泉で、世代交代論議が花盛りなのに、民主党は大混乱の中で「ヤング・エリート集団」のマヌケさが目立ち過ぎ、逆・世代交代に進んで行きそうな気配が濃厚です。永田議員の生殺与奪は完全に自民党に握られ、もっと露骨に言えば次男坊が名指しされた武部幹事長の胸三寸で決する段階になっています。本当に疑惑メールに書かれていたような黒いカネの流れが事実無根ならば、鬼の形相で永田議員の政治生命を完全に絶つ懲罰を断固として主張するはずなのに、不思議に穏便に済まそうとしているようですなあ。民主党の長老軍団と自民党の実力者が、裏で手打ちを済ましてのではないでしょうか?

■民主党側でも、ここで永田議員を追放して辞職させてしまう訳には行かない事情が有ると思えますなあ。辞めさせる理由を考えるに、「国会を混乱させたから」というのはウソですし、「ガセネタ」に踊らされたマヌケだから、という分かり易い理由ならば、同じようなマヌケの首をぞろぞろと並べて晒さねばならなくなって、民主党は再起不能の大混乱に発展するでしょうなあ。立派な学歴と経歴を鼻にかけて間違ったエリート意識で跳ね上がった勢いで政権交代など起こしたら、今のフィリピンのような恥ずかしい混乱状態に陥るでしょうから、永田議員の大チョンボは日本の国政に対して大きな貢献をした事になるかも知れません。前原首相、鳩山幹事長、野田官房長官、永田大臣…なんとおぞましく不安な布陣でしょう!そうならなかっただけでも良かったような気がしますなあ。でも、ちょっとだけ、瓢箪から駒が出て民主党の有象無象が猟官運動に奔走して、トンデモ人事が繰り広げられるドタバタ劇は見てみたかったような気もしますが、政治はもっと真面目なものでしょうなあ。(其の参に続きます)

マヌケと頭の良さとの関係 其の壱

2006-02-28 17:45:17 | 政治
■受験シーズン真っ盛りですが、昔の人が良く言った「勉強すると馬鹿になる」という世俗の格言が思い出される騒動が起こっております。これは青少年に対しても、受験生を支える御家族の皆さんに対しても、実に嫌な感じのする事件ですなあ。その事件の中心にいるのが民主党という困った政党です。渦中の人々の「学歴」を再確認してから、迷走の極に達している現状を考えて見ます。

永田寿康衆院議員
1988年 慶應義塾志木高等学校卒業
1993年 東京大学工学部卒業、大蔵省入省
1995年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校MBA課程へ留学
1999年 大蔵省退職・国会議員秘書となる
2000年 衆議院議員選挙に立候補し初当選。
2003年 は小選挙区で再選
2005年 第44回衆議院議員総選挙において、小選挙区で落選するも    比例代表で復活当選、現在3期目

■東大と大蔵省が並べば単純に「エリート」と呼ぶのが日本のマスコミの規則になっているようです。大学受験ゲームの最難関となっている東大は特別視されるのでしょうが、大蔵省は「ノーパンしゃぶしゃぶ」などの卑しく恥ずかしいタカリ体質が暴露されて以来、とてもエリート集団などと言えないでしょうなあ。永田議員が入省した年次は大蔵省の権威が地に堕ち始めた頃だと思われます。国費で米国に留学してマスコミの目を逃れたのではないか、と疑われる動きとの印象も有りますし、同じように入省後に給与を貰いながら国費で留学し、そのまま外資系の企業に就職して大蔵省には戻らないちゃっかり者が結構居るという問題も指摘されて事も思い出します。いつから国会議員を志望したのか、それによって議員になった目的も明らかになりそうですが、ここまでマヌケぶりを国中に知られてしまってからは、どうでも良い事でしょうが……。

■慶応系列の高校から東大に進んでいるのですから、小中学校の頃から熱心に受験勉強に励んだのでしょうし、東大時代にも公務員試験に向けて勉強に励んだのでしょう。大蔵省に入ってからも国のお金で米国に留学しているのですから、勉強が好きな人のようですが、工学部からMBA過程に進むというのは珍しいのではないでしょうか?時期的に米国のMBAが持て囃されていた頃に当たるようですから、目立つ事が好きだったのかも知れません。とにかく、勉強に向ける努力は立派なものです。MBAは取得していないようですが、合格直前に政界へ進む事にしたのでしょうか?どうも最終的に何をしようとしていたのか、良く分からない人物のように思えますなあ。


野田佳彦
1980年 早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業する。
1985年 松下政経塾を卒業。
1987年 千葉県議会議員選挙に29歳で当選する。
1992年 日本新党結成に参加する。
1993年 第40回衆議院議員総選挙に日本新党公認で当選する。
1994年 新進党に参加する。
2000年 第42回衆議院議員総選挙に民主党公認で当選。
2002年 12月民主党国会対策委員長に就任する。

■野田さんの場合は、早稲田の政経から松下政経塾へとまっすぐ進んでいるので、随分と早い時期から政治家志望だったようです。細川内閣の出現と消滅にその渦中で立ち会って、新進党から民主党への合流という経歴は、自民党の分裂騒ぎによって引き起こされた野党の離合集散のど真ん中に居たというわけですなあ。大真面目に「二大政党制」を主張する立場をずっと守っている本流に立っているという事でしょうが、自民党に入っていても不思議ではない人のようにも思えます。


前原誠司
1978年 京都教育大学教育学部附属京都中学校卒業。
1981年 京都教育大学教育学部附属高等学校卒業。
1982年 京都大学法学部入学。高坂正堯ゼミで国際政治学を専攻。1987年 4月松下政経塾に入塾(第8期塾員)。
1991年 京都府議会議員当選(左京区)無所属。
1993年 第40回衆議院議員総選挙(旧京都1区)当選。日本新党公認。1996年 第41回衆議院議員総選挙当選(比例近畿)民主党公認。

■京都大学で高坂さんについて国際政治学を学んだとは、今更ながら驚くような経歴ですなあ。吉田茂さんの本を代筆したほどの高坂さんの教えを受けたにしては、外交感覚が稚拙な印象が強く、軽率な言動も目立って間違っても外務大臣にはなって欲しくない政治家のように思えます。この人も松下政経塾出身で、野田さんの後輩に当たるそうです。野田さんと同じように自民党に入らなかったのは「二大政党制」を目指していたからなのでしょうか?そうなると、形だけ2つの大きな政党が出現すれば目的は達成される事になります。確かに官僚主導の政治を改めるには、政権交代が必要でしょうが、それには明確な政策上の違いが前提されていなければなりません。同じような政策を採るのならば、官僚達は大喜びで「ご説明」に日参するでしょうからなあ。

■こうして並べると、三者三様で強烈なエリート意識を持っている共通性が有ります。一説には、松下政経塾出身の総理大臣は永久に現われないとの見方も有るようですが、海部総理大臣出現以来、誰でも総理大臣になれる事になっているので、必ずしも不可能ではないでしょう。海部総理大臣は、芸者さんにスケベ爺呼ばわりされて宇野総理が世間の物笑いになり、自民党が選挙に惨敗した後始末をするだけの理由で金丸さんから指名を受けた変な総理大臣でした。三木元総理の弟子でしたから、金丸・竹下ラインに乗れるはずのない政治家でしたから、自民党が分裂すると居場所が無くなって右往左往していましたなあ。(其の弐に続きます)