■しかし、法律を上手に悪用すれば、もっと上品に稼げるようです。
割賦販売法では2カ月3回以上のローンを組む場合、クーリングオフなど消費者を保護するしくみがあるが、翌月一括払いが多いカード決済は、多くのケースが対象外。また、加盟店の不法行為については、カード会社や決済代行業者に責任を負わせる制度もないため、悪質な決済代行業者の存在はトラブルにつながりやすいという。
■カード決済が便利だと、誰が言い出したのかは分かりませんが、70年代の米国はベトナム戦争の影響も有ってか、窃盗や強盗が頻発して現金を持ち歩くのは自殺行為だと言われていました。そこで本人がサインしなければ使えない銀行振り出しの小切手帳が必需品になって、当時の映画やテレビ・ドラマにも良く出て来たものです。そこにカード社会が出現したのですから、国民全員がこぞってカード決済をするようになるのは当然です。しかし、日本もそれに同調する必要が有ったのかどうか、誰も疑問に思わず、便利だから、の上に米国文化を崇拝する気分も加わって急速にカードが普及して行ったのでしたなあ。まさか、それがいとも簡単に偽造されたり、データを読み取れるようなヤワな代物とは思いもしなかったのでした。
土井弁護士は「薬物や銃器、アングラ情報の売買なども、決済代行会社を介すことで、信用あるクレジットカードの支払いが可能になり、さまざまな詐欺商法の支払いもできてしまう」と警鐘を鳴らしている。毎日新聞 - 2月25日
■カード自体にも多くの弱点が有ったのに、法律がまったくカード社会に対応できていないとなれば、こんなに危険な物は無いように思えるのですが、売られている財布には、「便利なカード用スリット」が沢山付いていますなあ。携帯電話も必需品になりましたし、インターネットの利用方法は小中学校でも熱心に教えるように文科省が推奨して予算も付けているのですから、ネット版の「美人局」は増え続けることでしょう。その内、色気づいた暇な高校生や中学生が被害者になったというニュースが続出する可能性も高そうです。否、既に親が泣く泣くカネを払って黙っている事件が多発しているのかも知れませんなあ。美人局を「ツツモタセ」と読ませるのは、日本のヤクザさん達の隠語で「筒持たせ」という専門用語が有ったからだとか、辞書類は巷間囁かれる語源の噂を付記しています。
■「筒」を持たせる、という表現を即物的に解釈すると、まぐわう途中で行為が中断されるイメージが涌きますが、行為が終わろうと途中であろうと、美人局と言うのでしょうなあ。ちょっと声を掛けたとか、物欲しそうな視線を送ったとかいう些細な理由でも脅迫は出来るでしょうし、詳しく考えると頭が混乱してしまいます。しかし、美人局が成立する時には間違いなく被害者は金品を巻き上げられているのは確かでしょう。金品でなくとも、何か有利な取り引きを強要されるとか、犯罪行為を代行させられるという事も有りそうですなあ。手を切りたくなった女性を脅迫する相手に押し付けてしまうような場合も美人局と呼べるのかどうか、難しいところです。
■世の中は男と女で構成されているのですから、あちこちで美人局もどきの騒動が起こっていることでしょう。しかし、これも詐欺の一種だと考えれば、その歴史的な起源は随分と古いのかも知れませんなあ。詐欺と泥棒は、石川五右衛門さんが言う通り、「浜の真砂が尽きるとも、…尽きぬ」ものでしょうから、ご用心、ご用心。さて、言葉の上で美人局の本家本元?とされる話では、本妻でもない女性を本妻だと言って相手を騙すのでした。これはライブドアがやった事とまったく同じ事ではないでしょうか?
■株式の交換や怪しげな資金で「M&A」という名の会社乗っ取りを繰り返して、本体のライブドア株を大きく見せて株価を吊り上げる。プロ野球、地方競馬、宇宙旅行…と、マスコミが集まりそうな話題を目ざとく見つけると、その中心に飛び込んで新聞紙面やテレビ画面を賑わして企業の名前を売って株価を吊り上げる。その繰り返しですから、最後には株式の最高値を見極めたプロが売り浴びせて大儲けした後、素人が大慌てで売り抜けようとして失敗するのは目に見えていたでしょう。国の許認可事業であるテレビ局を手中にすれば、政治家や役人とも仲間になれると思ったのか、ネットとテレビ・ラジオ放送を融合させる!と、本家の米国でも成功していない大事業を打ち出したりもしましたが、一番熱心にやっていた事は職種に区別を付けずに弱みを見せる企業の強引で怪しげな買収だけだったようです。
■本体のライブドアを本妻さんとすれば、経営ノウハウも分からない業種の企業を子会社化した時点で、娼妓を本妻に見せかける偽装をしていた事になるのではないでしょうか?法律に抵触すると問題になっている粉飾決算も、トルコのスルタンがハーレムを営んだように子会社を侍らせておいて、株式市場に向っては全部が本妻のように見せかけたのでしょう。本やDVDなどのメディアを総動員して宣伝していただけでなく、公共電波も利用して美人局を仕掛けていたようなものです。但し、この奇妙で大規模な美人局には、最後に凄んで出てくる怖い男は登場しません。先の悪質サイトで稼ぐ「愛人契約」詐欺と同様で、愛人の代わりに「株主」をマスコミを挙げて募集していたようなものです。愛人(株主)になったら高額の報酬が約束されているかのように囃し立てた者が大勢いたわけですから、実体の無い契約に資金を投げ込んだ人は、何処にも居ない愛人を求める大金持ちにも会えず、株主としての利益も得られないまま、世間の冷笑を浴びる事になったというお話です。
■石川や、浜の真砂は尽きるとも、世に美人局の種は尽きまじ……。
ご用心、ご用心。
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割賦販売法では2カ月3回以上のローンを組む場合、クーリングオフなど消費者を保護するしくみがあるが、翌月一括払いが多いカード決済は、多くのケースが対象外。また、加盟店の不法行為については、カード会社や決済代行業者に責任を負わせる制度もないため、悪質な決済代行業者の存在はトラブルにつながりやすいという。
■カード決済が便利だと、誰が言い出したのかは分かりませんが、70年代の米国はベトナム戦争の影響も有ってか、窃盗や強盗が頻発して現金を持ち歩くのは自殺行為だと言われていました。そこで本人がサインしなければ使えない銀行振り出しの小切手帳が必需品になって、当時の映画やテレビ・ドラマにも良く出て来たものです。そこにカード社会が出現したのですから、国民全員がこぞってカード決済をするようになるのは当然です。しかし、日本もそれに同調する必要が有ったのかどうか、誰も疑問に思わず、便利だから、の上に米国文化を崇拝する気分も加わって急速にカードが普及して行ったのでしたなあ。まさか、それがいとも簡単に偽造されたり、データを読み取れるようなヤワな代物とは思いもしなかったのでした。
土井弁護士は「薬物や銃器、アングラ情報の売買なども、決済代行会社を介すことで、信用あるクレジットカードの支払いが可能になり、さまざまな詐欺商法の支払いもできてしまう」と警鐘を鳴らしている。毎日新聞 - 2月25日
■カード自体にも多くの弱点が有ったのに、法律がまったくカード社会に対応できていないとなれば、こんなに危険な物は無いように思えるのですが、売られている財布には、「便利なカード用スリット」が沢山付いていますなあ。携帯電話も必需品になりましたし、インターネットの利用方法は小中学校でも熱心に教えるように文科省が推奨して予算も付けているのですから、ネット版の「美人局」は増え続けることでしょう。その内、色気づいた暇な高校生や中学生が被害者になったというニュースが続出する可能性も高そうです。否、既に親が泣く泣くカネを払って黙っている事件が多発しているのかも知れませんなあ。美人局を「ツツモタセ」と読ませるのは、日本のヤクザさん達の隠語で「筒持たせ」という専門用語が有ったからだとか、辞書類は巷間囁かれる語源の噂を付記しています。
■「筒」を持たせる、という表現を即物的に解釈すると、まぐわう途中で行為が中断されるイメージが涌きますが、行為が終わろうと途中であろうと、美人局と言うのでしょうなあ。ちょっと声を掛けたとか、物欲しそうな視線を送ったとかいう些細な理由でも脅迫は出来るでしょうし、詳しく考えると頭が混乱してしまいます。しかし、美人局が成立する時には間違いなく被害者は金品を巻き上げられているのは確かでしょう。金品でなくとも、何か有利な取り引きを強要されるとか、犯罪行為を代行させられるという事も有りそうですなあ。手を切りたくなった女性を脅迫する相手に押し付けてしまうような場合も美人局と呼べるのかどうか、難しいところです。
■世の中は男と女で構成されているのですから、あちこちで美人局もどきの騒動が起こっていることでしょう。しかし、これも詐欺の一種だと考えれば、その歴史的な起源は随分と古いのかも知れませんなあ。詐欺と泥棒は、石川五右衛門さんが言う通り、「浜の真砂が尽きるとも、…尽きぬ」ものでしょうから、ご用心、ご用心。さて、言葉の上で美人局の本家本元?とされる話では、本妻でもない女性を本妻だと言って相手を騙すのでした。これはライブドアがやった事とまったく同じ事ではないでしょうか?
■株式の交換や怪しげな資金で「M&A」という名の会社乗っ取りを繰り返して、本体のライブドア株を大きく見せて株価を吊り上げる。プロ野球、地方競馬、宇宙旅行…と、マスコミが集まりそうな話題を目ざとく見つけると、その中心に飛び込んで新聞紙面やテレビ画面を賑わして企業の名前を売って株価を吊り上げる。その繰り返しですから、最後には株式の最高値を見極めたプロが売り浴びせて大儲けした後、素人が大慌てで売り抜けようとして失敗するのは目に見えていたでしょう。国の許認可事業であるテレビ局を手中にすれば、政治家や役人とも仲間になれると思ったのか、ネットとテレビ・ラジオ放送を融合させる!と、本家の米国でも成功していない大事業を打ち出したりもしましたが、一番熱心にやっていた事は職種に区別を付けずに弱みを見せる企業の強引で怪しげな買収だけだったようです。
■本体のライブドアを本妻さんとすれば、経営ノウハウも分からない業種の企業を子会社化した時点で、娼妓を本妻に見せかける偽装をしていた事になるのではないでしょうか?法律に抵触すると問題になっている粉飾決算も、トルコのスルタンがハーレムを営んだように子会社を侍らせておいて、株式市場に向っては全部が本妻のように見せかけたのでしょう。本やDVDなどのメディアを総動員して宣伝していただけでなく、公共電波も利用して美人局を仕掛けていたようなものです。但し、この奇妙で大規模な美人局には、最後に凄んで出てくる怖い男は登場しません。先の悪質サイトで稼ぐ「愛人契約」詐欺と同様で、愛人の代わりに「株主」をマスコミを挙げて募集していたようなものです。愛人(株主)になったら高額の報酬が約束されているかのように囃し立てた者が大勢いたわけですから、実体の無い契約に資金を投げ込んだ人は、何処にも居ない愛人を求める大金持ちにも会えず、株主としての利益も得られないまま、世間の冷笑を浴びる事になったというお話です。
■石川や、浜の真砂は尽きるとも、世に美人局の種は尽きまじ……。
ご用心、ご用心。
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