■「政府高官」とだけしか報道されないオフレコ懇談が発火点となった民主党の小沢クラッシャー代表の政治規制法違反疑惑、米国では映画化もされたウォーターゲート事件の重要証言を繰り返した「ディープスロート」が有名ですが、情報源の秘匿はジャーナリストの生命線です。今回は国民の目にはほとんど触れない内閣官房副長官の口から出た言葉が独り歩きしたのが騒ぎの発端で、オフレコの仁義を破って実名をバラしたのは河村建夫官房長官という身内中の身内で、それも3月8日の日曜日の朝という人騒がせな時間帯、伝播力と衝撃度を高める目的とするかのようにフジテレビの報道番組という場所でのことでした。
■公共の電波で顔を晒して発言したのですから、河村官房長官は今更、「言ってない」とは言えません。一説には「捜査は自民党議員には波及しない」という重大な発言が政界中を揺るがしている様子に怯えた河村さんが、「オレじゃあねえよ」と保身の保険を掛けての公言だったとも言われているようです。しかし、総理大臣のスポークスマン役なのですから、個人的な保身と考えるより麻生コロコロ首相からの指示に従ったと考えた方が筋が通るような気もしますなあ。
■発言の主とされる漆間巌官房副長官は、実に堂々とした態度で国会やマスコミの前に姿を見せたのにはちょっと驚きました。不祥事を起こした会社の責任者が会見場に引っ張り出されると、大概は「この程度の人物か?」と呆れるような小人物だったという場合が多いものですが、さすがはエリート官僚の総元締め、そして警察一家のサラブレッドで警察機構の頂点に君臨していた人物らしく、野党議員だろうがオフレコ懇談の相手だった新聞記者本人だろうが、眉毛一つも動かさず、冷静に淡々と官僚答弁の見本みたいな応答ぶりを見せてくれました。
■「私と私の秘書官の記憶を突き合わせた結果、そういう発言はしたことはない」という卒の無い言い回しには感心してしまいました。自分の思い込みでなく複数の記憶を「突き合わせる」ことで客観性を静かに醸し出し、現場で取材していた20人の記者を徹底的に見下すエリート官僚ならではの迫力が出ていますなあ。漆間さんは歴代の社保庁長官などとは桁違いのエリートらしく、この程度の「暴言」を取り上げられても逃げも隠れもしません。テレビ局を馬鹿にしているのか?新聞や雑誌の取材には余裕シャクシャクで小まめに応じている様子なのに、今のところはテレビ局には出掛けていないようです。
■9日の首相官邸で行われた記者会見は大きな見せ場となったようです。何せオフレコ懇談に参加していた記者が前列にぞろりと並んでいたそうですからなあ。どうやら、最初にオフレコの仁義を破ったのが朝日新聞だったという話が広がっているらしく、同紙の記者が鉄壁の漆間証言に喰って掛かったとか……。「自民党って言ったでしょう?」と詰め寄ったものの、「『検察の捜査についてコメントする立場にない』と終わらせればよかったが、昔、捜査にかかわった経験もあり、一般論としていろんな説明をした。特定の政党の話が出た記憶はない」と釈明して見事な肩透かし!
■官房長官に実名をバラされた直後の会見でも、決して慌てず騒がず、「非常に微妙な時期なので一般論でも捜査に関する話をしたのは適切でなかった。みなさんの認識に誤りを生じさせ、大変申し訳ない。反省している」と謝罪したことにして、「飽くまでも一般論」だったの一点張りで押し通す様子です。検察のやり様と言い、警察官僚の親玉の話しぶりと言い、この国は大変な官僚専制国家になってしまっているのですなあ。そもそも、子供達に「勉強しろ!」と、明治時代から怒鳴り続けた日本の親たちは、我が子に高学歴を授けたい、出来れば高級官僚の採用試験に合格するくらいの「試験名人」になって貰いたい!という下心丸出しで、或る時は物や甘言で釣り、また或る時は鉄拳制裁も辞さない脅迫手段も駆使してお役人への道を進めようと頑張っていたのかも知れません。
■高級官僚とべったり関係を築いている大企業・一流企業への就職も似たような動機で我が子を受験戦争に投げ込んでいたのかも知れませんが、教育制度を弄繰り回し過ぎた結果、何が立身出世なのかが誰も分からなくなってしまった昨今の混乱振りは、喜ぶべきなのか、悲しむべきことなのか?答えに窮してしまいます。複雑怪奇な法令集や日本語とも思えない法律条文を正確に記憶し、陰謀渦巻く官僚の密林で生き延び、食われる側ではなく常に食う側に立ち続けた数十年の「キャリア」 があって、一滴の冷や汗も浮かべることなく。都合の悪い「記憶」は綺麗に消去して開き直れる神経と体質を手に入れることが出来るのでしょう。こういう人は長生きしそうですなあ。
■心臓に爆弾を抱えていると、もっぱらの噂になっている小沢クラッシャー代表が乱闘めいた喧嘩に勝てるのか?日本中が多少は白けつつも注目しているのであります。
■公共の電波で顔を晒して発言したのですから、河村官房長官は今更、「言ってない」とは言えません。一説には「捜査は自民党議員には波及しない」という重大な発言が政界中を揺るがしている様子に怯えた河村さんが、「オレじゃあねえよ」と保身の保険を掛けての公言だったとも言われているようです。しかし、総理大臣のスポークスマン役なのですから、個人的な保身と考えるより麻生コロコロ首相からの指示に従ったと考えた方が筋が通るような気もしますなあ。
■発言の主とされる漆間巌官房副長官は、実に堂々とした態度で国会やマスコミの前に姿を見せたのにはちょっと驚きました。不祥事を起こした会社の責任者が会見場に引っ張り出されると、大概は「この程度の人物か?」と呆れるような小人物だったという場合が多いものですが、さすがはエリート官僚の総元締め、そして警察一家のサラブレッドで警察機構の頂点に君臨していた人物らしく、野党議員だろうがオフレコ懇談の相手だった新聞記者本人だろうが、眉毛一つも動かさず、冷静に淡々と官僚答弁の見本みたいな応答ぶりを見せてくれました。
■「私と私の秘書官の記憶を突き合わせた結果、そういう発言はしたことはない」という卒の無い言い回しには感心してしまいました。自分の思い込みでなく複数の記憶を「突き合わせる」ことで客観性を静かに醸し出し、現場で取材していた20人の記者を徹底的に見下すエリート官僚ならではの迫力が出ていますなあ。漆間さんは歴代の社保庁長官などとは桁違いのエリートらしく、この程度の「暴言」を取り上げられても逃げも隠れもしません。テレビ局を馬鹿にしているのか?新聞や雑誌の取材には余裕シャクシャクで小まめに応じている様子なのに、今のところはテレビ局には出掛けていないようです。
■9日の首相官邸で行われた記者会見は大きな見せ場となったようです。何せオフレコ懇談に参加していた記者が前列にぞろりと並んでいたそうですからなあ。どうやら、最初にオフレコの仁義を破ったのが朝日新聞だったという話が広がっているらしく、同紙の記者が鉄壁の漆間証言に喰って掛かったとか……。「自民党って言ったでしょう?」と詰め寄ったものの、「『検察の捜査についてコメントする立場にない』と終わらせればよかったが、昔、捜査にかかわった経験もあり、一般論としていろんな説明をした。特定の政党の話が出た記憶はない」と釈明して見事な肩透かし!
■官房長官に実名をバラされた直後の会見でも、決して慌てず騒がず、「非常に微妙な時期なので一般論でも捜査に関する話をしたのは適切でなかった。みなさんの認識に誤りを生じさせ、大変申し訳ない。反省している」と謝罪したことにして、「飽くまでも一般論」だったの一点張りで押し通す様子です。検察のやり様と言い、警察官僚の親玉の話しぶりと言い、この国は大変な官僚専制国家になってしまっているのですなあ。そもそも、子供達に「勉強しろ!」と、明治時代から怒鳴り続けた日本の親たちは、我が子に高学歴を授けたい、出来れば高級官僚の採用試験に合格するくらいの「試験名人」になって貰いたい!という下心丸出しで、或る時は物や甘言で釣り、また或る時は鉄拳制裁も辞さない脅迫手段も駆使してお役人への道を進めようと頑張っていたのかも知れません。
■高級官僚とべったり関係を築いている大企業・一流企業への就職も似たような動機で我が子を受験戦争に投げ込んでいたのかも知れませんが、教育制度を弄繰り回し過ぎた結果、何が立身出世なのかが誰も分からなくなってしまった昨今の混乱振りは、喜ぶべきなのか、悲しむべきことなのか?答えに窮してしまいます。複雑怪奇な法令集や日本語とも思えない法律条文を正確に記憶し、陰謀渦巻く官僚の密林で生き延び、食われる側ではなく常に食う側に立ち続けた数十年の「キャリア」 があって、一滴の冷や汗も浮かべることなく。都合の悪い「記憶」は綺麗に消去して開き直れる神経と体質を手に入れることが出来るのでしょう。こういう人は長生きしそうですなあ。
■心臓に爆弾を抱えていると、もっぱらの噂になっている小沢クラッシャー代表が乱闘めいた喧嘩に勝てるのか?日本中が多少は白けつつも注目しているのであります。