こうした実態が暴かれて訴追寸前まで追いつめられたUBSは2月、米国における脱税が明らかな250~300人分の顧客情報を提供し、不正利益分として7億8000万ドル(約774億5000万円)を当局に支払うと約束した。これを受けてスイスのメルツ大統領は「わが国の銀行守秘義務は納税不正者の秘密を守るものではない」と宣言したが、米司法省はUBSに5万2000人分の秘密口座の情報を開示するよう米連邦地裁に訴えた。
■要求されているリストの100分の1だけ提供して、何とか生き残ろうとしているUBSも強かですが、メルツ大統領のトボケた宣言も大したものです。そう言えば、地上の楽園王国の王子様達は、皆そろってスイスの学校に留学していたのではないでしょうか?スイスは怪しい資金だけでなく、怪しい人物も(カネさえ払えば)喜んで受け入れる国だという事になりそうです。『アルプスの少女』などに幻惑されては行けませんぞ。リストの100分の1にも満たないのに800億円近い脱税額になるのなら、単純計算しても米司法省の要求する全額となれば、数十兆円の規模になりますかな?
米司法省は「いま数百万人の米国民が仕事や家を失っている。富裕層が納税義務を逃れようとしていたことに驚きを禁じ得ない」との声明を発表。これに対してスイス銀行協会の広報担当者は本紙に対し、「米国に強力な政治ロビーを持たないスイスが狙い撃ちにされた」と憤る。
■追い詰められた人間が、口を滑らせてつい重大な真実をバラしてしまう事があります。別の話題ですが、酒乱の先代・時津風親方が巡業中に弟子を殴り殺した事件が世間を騒がせ始めた頃、殺害された若者に関して「マリファナを吸っていた」という重大な証言をテレビ取材の中で行っていたのに、マスコミが相撲界の麻薬汚染を取り上げたのはオセチア人力士が逮捕された後だったのは、今でも不思議なのであります。
■スイス銀行協会の広報担当者の発言を裏返せば、強力な「ロビー活動」を行って脱税資金を掻き集めている国が存在することになります。印象としては複数のようですが、何処の国なのでしょう?
スイスでは、個人も法人も確定申告することになっており、申告忘れや過少申告は「単純脱税」として追徴課税されるが、違法ではない。書類を改竄する悪質な「租税詐欺」だけが刑事責任を問われるが、米国や欧州連合(EU)では一律に脱税として罰せられる。このため、スイスは国際的な非難を浴びてきた。とくに今回の金融危機で租税回避地への批判は強まっている。
■「単純脱税」という言葉は面白いですなあ。バレても罪に問われないのなら、ダメもとで預ける大金持ちも出て来るでしょう。さてさて、米国の司法省が突き止めた5万人余りの名前の中に、一体、どんな人の名があるのでしょう?
スイスの日刊紙は「スイスの銀行守秘義務は今や神話になろうとしている」と嘆くが、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのカーチマイアー博士は「守秘義務を貫くスイスの銀行への信頼性はこの50年で低下しており、UBSの問題がスイスの銀行全体に波及するのは必至だ」と指摘している。
2009年3月6日 産経ニュース
■数多くの罪を犯して来た米国製のグローバリゼーション時代でしたが、スイスの金融機関にメスが入るのなら、数少ない功績の一つとして記録されることになるかも知れません。でも、近代史の下半分とも言われる過去の帳簿が公開されることは無いのでしょうなあ。
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■要求されているリストの100分の1だけ提供して、何とか生き残ろうとしているUBSも強かですが、メルツ大統領のトボケた宣言も大したものです。そう言えば、地上の楽園王国の王子様達は、皆そろってスイスの学校に留学していたのではないでしょうか?スイスは怪しい資金だけでなく、怪しい人物も(カネさえ払えば)喜んで受け入れる国だという事になりそうです。『アルプスの少女』などに幻惑されては行けませんぞ。リストの100分の1にも満たないのに800億円近い脱税額になるのなら、単純計算しても米司法省の要求する全額となれば、数十兆円の規模になりますかな?
米司法省は「いま数百万人の米国民が仕事や家を失っている。富裕層が納税義務を逃れようとしていたことに驚きを禁じ得ない」との声明を発表。これに対してスイス銀行協会の広報担当者は本紙に対し、「米国に強力な政治ロビーを持たないスイスが狙い撃ちにされた」と憤る。
■追い詰められた人間が、口を滑らせてつい重大な真実をバラしてしまう事があります。別の話題ですが、酒乱の先代・時津風親方が巡業中に弟子を殴り殺した事件が世間を騒がせ始めた頃、殺害された若者に関して「マリファナを吸っていた」という重大な証言をテレビ取材の中で行っていたのに、マスコミが相撲界の麻薬汚染を取り上げたのはオセチア人力士が逮捕された後だったのは、今でも不思議なのであります。
■スイス銀行協会の広報担当者の発言を裏返せば、強力な「ロビー活動」を行って脱税資金を掻き集めている国が存在することになります。印象としては複数のようですが、何処の国なのでしょう?
スイスでは、個人も法人も確定申告することになっており、申告忘れや過少申告は「単純脱税」として追徴課税されるが、違法ではない。書類を改竄する悪質な「租税詐欺」だけが刑事責任を問われるが、米国や欧州連合(EU)では一律に脱税として罰せられる。このため、スイスは国際的な非難を浴びてきた。とくに今回の金融危機で租税回避地への批判は強まっている。
■「単純脱税」という言葉は面白いですなあ。バレても罪に問われないのなら、ダメもとで預ける大金持ちも出て来るでしょう。さてさて、米国の司法省が突き止めた5万人余りの名前の中に、一体、どんな人の名があるのでしょう?
スイスの日刊紙は「スイスの銀行守秘義務は今や神話になろうとしている」と嘆くが、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのカーチマイアー博士は「守秘義務を貫くスイスの銀行への信頼性はこの50年で低下しており、UBSの問題がスイスの銀行全体に波及するのは必至だ」と指摘している。
2009年3月6日 産経ニュース
■数多くの罪を犯して来た米国製のグローバリゼーション時代でしたが、スイスの金融機関にメスが入るのなら、数少ない功績の一つとして記録されることになるかも知れません。でも、近代史の下半分とも言われる過去の帳簿が公開されることは無いのでしょうなあ。
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