テキサスなのね。しらんかった

2005年02月28日 11時01分16秒 | Weblog
 最後のテキサス・ロングホーンを決めるハンセン


 最後のテキサス・ロングホーンが響きわたった。スーツにトレードマークのテンガロンハット姿。偉大なるテキサン・ハンセンが引退式のリング上で右手を掲げる。ドームを埋め尽くした観衆が「ウイーッ」と絶叫。リングを囲んだ全日本の選手たちは涙を浮かべて見守った。「日本よ、ありがとう。みなさんの熱い声援は身に余る光栄です。“プロレス人生は楽しいパーティーだったゼ”全日本が自分を必要とするならば必ず日本に戻ってきます」

 27年のレスラー生活中25年を日本のマットで過ごし、来日は最多記録の131回。最も愛された隣人はテンカウントを静かに聞いて、ロングホーンがこだまするドームを後にした。

 ◆スタン・ハンセン  1949年8月29日、米テキサス州ナックシティ生まれの51歳。西テキサス州立大卒業後はNHL選手。ひざの故障で引退し、教師を経て73月1月1日にプロレスデビュー。75年に初来日で全日本に初参戦。77年に新日本に参戦し、82年以降は全日本に復帰した。1メートル95、140キロ。

俺って

2005年02月27日 19時48分39秒 | Weblog
何だろう!

いつも思うこの疑問!?

おっさんのつもりが気持ちだけ若いし、
若いつもりが体がついていかない。

だけど、しかし、いや、

というか、なんでも、みんな幸せに!
アフガンの子どもも、エティオピアのあの子も、嫌われたKさんも
みんな、みんな、幸せに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

Henry VIII

2005年02月27日 19時24分06秒 | Weblog
Henry VIII
主な登場人物
ヘンリー八世
枢機卿ウルジー
クランマー  カンタベリーの大司教
バッキンガム公
キャサリン王妃 ヘンリー八世の妃、のちに離婚
アン・ブリン  王妃に仕える女官、のちに王妃
あらすじ

 イギリス国王ヘンリー八世の宮殿では、ウルジー枢機卿が勢力を強めている。王の寵愛をよいことに汚い政治的策略をめぐらして出世をする強欲な彼を、民衆や公爵達は好んでいない。学識があり恵まれた才能をもつバッキンガム公も、ウルジーの陰謀によって裁判にかけられ、死刑となってしまった。ある晩、私服を肥やすウルジーの屋敷では宴が開かれ、そこで女官アン・ブリンに出会った国王は、彼女の美しさに魅了される。

 アンに心奪われた国王は、長年連れ添った現王妃キャサリンとの結婚を、彼女が元は兄の妻であったことを理由に無効にしようとしていた。国の博学な高僧達を集めて行われた裁判において、キャサリンは悲痛な訴えで離婚の承諾を拒み、一切の裁決をローマ法王にゆだねると言い残して法廷を去る。ウルジーもまた、アンが王妃となることを自分の出世の邪魔になると考え、王の離婚の裁決を引き延ばすよう法王のところへ請願書を送った。だがその手紙は、間違って王の手に渡ってしまう。さらに国の財産を着服していたことの証拠となる目録まで王に見つかって、ついにウルジーは失墜する。

 裁判は出頭を拒否するキャサリン不在のまま、カンタベリー大司教を中心に執り行われ、結婚そのものを無効とする裁決が下された。新たに王の花嫁となったアンの戴冠式は、民衆の祝福を受けて華やかに行われる。裁決の後キンボートン城に身柄を移されたキャサリンは、数名の侍女らに世話されて病に伏していた。臨終の時が迫る病床で、彼女は愛する娘の幸福と、忠実に尽くしてくれた侍女や召使い達の世話とを、国王の使者に託して息を引き取る。

 離婚問題以来国王の信頼を得ているクランマーは、異端な邪説を流布したとの中傷を受け、一時は囚人として捕らえられそうになった。だが国王の力によって無事その潔白を証明される。アン王妃には待望の王女が誕生し、宮廷のまわりは祝福にわきかえる民衆であふれている。洗礼を受けた王女に、クランマーはエリザベスという名前を与え、彼女がイギリスにもたらすであろう平和と豊饒と威厳とに満ちた未来を予言して、この劇は幕は閉じる。

The Tempest

2005年02月27日 19時23分47秒 | Weblog
 ナポリの王アロンゾーは、娘の結婚式から帰ってくる途中に、海上で大嵐に襲われる。船にはアロンゾーの他に、王子のファーディナンド、アロンゾーの弟セバスチャン、ミラノの君主アントーニオー、顧問官の老人ゴンザーローなどが乗っていた。この大嵐は、実は孤島に住むプロスペローが魔術を使って起こしたものだった。プロスペローは、かつてはミラノの君主であったが、アロンゾーと手を組んだ腹黒い弟アントーニオーによってミラノを追い出されたのである。今、アロンゾーたちが孤島のそばを通ったのを機に、プロスペローは彼らを島に引き止めようとして嵐を起こしたのだった。

 島にはプロスペローの他に、彼の娘ミランダ、空気の精エアリエルを始めとする様々な精霊たち、そして魔女から産まれた醜い姿のキャリバンが住んでいた。エアリエルはかつて魔女の召使いだったが、魔女の酷い命令に従わなかったため、12年間松の幹の中に閉じ込められていた。だが、この島にやって来たプロスペローに助けられ、今は彼のために忠実に働いている。キャリバンは生来邪悪な心の持ち主で、かつてミランダを襲おうとしたことがあった。その時以来、プロスペローの厳しい監視下に置かれ、常に精霊たちに見張られている。どんなに遠くにいる時でさえも、キャリバンに邪悪な心が起きると、プロスペローは精霊たちに命じてキャリバンを戒めていた。その戒めの苦しさに、キャリバンの心は常にプロスペローへの憎しみでいっぱいであった。

 プロスペローはエアリエルに命じて、ファーディナンドを自分の岩屋に連れてこさせる。物心ついた時からこの島の世界しか知らないミランダにとって、父親以外の人間を見るのは初めてだった。ミランダとファーディナンドは一目で互いを好きになる。それはプロスペローの狙いでもあったが、彼はファーディナンドの愛情を試すためにわざと彼に冷たくし、試練を与える。

 島の別の場所には、アロンゾーたちが流れ着いていた。アロンゾーは、ファーディナンドが死んでしまったものと思いこんで嘆き悲しむ。この機会にセバスチャンは、アントーニオーと相談して兄から王位の座を奪うことにする。そこで、アロンゾーとゴンザーローが寝ているところを襲って、二人を殺そうとするが、エアリアルが見えない姿でやって来てゴンザーローを起こしたために計画は失敗に終わる。剣を持っているのを見られたセバスチャンは「獣の声がした」と言ってその場を取り繕う。その言葉を信じたアロンゾーは、そこを離れファーディナンドを探すことにする。

 プロスペローの言いつけで薪を拾いに来たキャリバンが、プロスペローの悪口を言いながら歩いていると、あの船で難破したアロンゾーの道化師トリンキュローが向こうからやって来る。トリンキュローを精霊だと思い込み、また苦しめられるのを恐れたキャリバンは、地面にうつ伏せになり上着をかぶって身を隠す。キャリバンに躓いたトリンキュローは、この魚のような人間のような奇妙な姿に驚くが、再び嵐の訪れを感じ、キャリバンの上着に潜り込む。そこへアロンゾーの執事ステファノーが徳利を持ってやって来る。恐れおののくキャリバンを発見したステファノーは、キャリバンが発作にかかっているのだと思い込み、酒を飲ませてやる。酒によってすっかり元気になったキャリバンは、二人が精霊ではないことを確信し、彼らを味方につけてプロスペローを倒すことにする。

 ファーディナンドを探し求めて歩き疲れたアロンゾーたちが眠ろうとした時、突然不思議な音楽が聞えてくる。そして、精霊たちが宴会の食卓を彼らの前に運び、食べるようにすすめて消える。一同が食卓につこうとした瞬間、ハーピー(女の顔と身体をし、鳥の翼と爪を持つ怪物)の姿をしたエアリアルが現われる。エアリエルは一瞬にして食卓の物を消し去り、アロンゾー、セバスチャン、アントーニオーの三人に向かって彼らの罪の深さを思い知らせる。三人は半狂乱となり、その場から駆け出して行く。

 プロスペローは、試練を耐え抜いたファーディナンドにミランダとの結婚を許す。二人を祝福して、プロスペローは精霊たちに美しい劇を演じさせるが、それが終わりにさしかかった頃、彼はキャリバンたちが自分を殺しにやってくることを思い出す。三人が岩屋にやって来ると、プロスペローは猟犬に姿を変えた精霊たちを使って彼らをこらしめる。

 一方アロンゾーたちは狂ったまま、森に留まっていた。心優しいゴンザーローは、この事態に涙を流し、途方に暮れていた。そのひどい有様をエアリエルから聞いて心打たれたプロスペローは、彼らにかけた術を解いて正気に戻すことにする。そして、今後一切魔術を使わないことを決意する。魔術を解かれたアロンゾーたちは、プロスペローが目の前に立っているのを見て、非常に驚く。プロスペローは、彼らを許し快く迎える。アロンゾーも心からプロスペローに昔の非を詫び、ナポリの隷属国となっていたミラノを返す。そして、もう会えないと思っていた息子が生きてミランダと結ばれたことを知り、非常に喜ぶのである。

 プロスペローは、自分の命令に忠実に従ってくれたエアリエルを解放する。そして、これまでのことを語るために一同を岩屋へと招き入れるのである。

作成:松村優子
みどころ

 言うまでもなく、この作品の最大の奇跡は、自分を不幸に陥れた悪者たちを許すという、プロスペローの寛大な行為である。アロンゾーはともかく、王子がいなくなったのを機に、兄を殺して王座を奪おうとしたセバスチャン、それに輪をかけて極悪非道なアントーニオーは、当然許されるべき人間ではないように思われるが、それだけにプロスペローの「許し」は、非常に気高いものに感じられる。

 常に憎しみを抱いているキャリバンは醜い姿をしているが、そのことは「憎しみ」という感情がいかに醜く、おぞましいものであるかということを表わしている。つまり、憎しみを抱きつづける人間は、キャリバンのような化け物同然であり、憎しみを捨て去らない限り、いつまでたっても救われないと言える。プロスペローは、相手を許すことで自らも憎しみから解放したのである。

 またプロスペローの寛大さは、心優しい老人ゴンザーローの影響もあるように思われる。プロスペローとミランダが追放される時、親切に生活必需品や大事な書物を渡してくれたのは、ゴンザーローだった。この高潔な人物であるゴンザーローの存在は、人を陥れ、踏みにじるような冷たい人間社会が、まだ完全に絶望的なものではないことをプロスペローに教えている。どん底に落ちた人間の、唯一の心の支えとなったゴンザーローの優しさは非常に重要で尊いものだと言える。

 この作品は、魔術、姿を自由自在に変える精霊、不思議な音楽など超自然的なものが多く登場するが、それだけに非常に幻想的で美しい場面を思わせる。また、清らかな心の持ち主であるミランダと、愛のために試練を貫き通したファーディナンドの結婚は、非常に清々しく爽やかである。だがこの作品で何よりも美しいのは、やはりプロスペローの「許し」であり、そのことは私たちの心を洗い清めるのである。

The Winter's Tale

2005年02月27日 19時23分10秒 | Weblog
The Winter's Tale
主な登場人物

レオンティーズ シシリア王 Leontes, King of Sicilia マミリアス シシリアの幼い王子 Mamillius
カミロ シシリアの貴族 Camillo アンティゴナス シシリアの貴族 Antigonus
ポリクシニーズ ボヘミア王 Polixenes フロリゼル ボヘミア王子 Florizel
オートリカス ならず者 Autolycus ハーマイオニー レオンティーズの妃 Hermione
パーディタ レオンティーズの娘 Perdita ポーリーナ アンティゴナスの妻 Paulina
時 時間を司るコロス Time


あらすじ

 シシリアの王レオンティーズとボヘミアの王ポリクシニーズは、幼い頃から非常に仲が良く、兄弟と言っていいほどの間柄であった。また、両者は共に立派な王として部下たちから慕われている。だが最近レオンティーズはポリクシニーズに対し、ある疑いを抱いていた。レオンティーズは、現在シシリアに滞在中のポリクシニーズが、自分の妻ハーマイオニーと不貞を働いているのではないかと思い込んでいるのである。嫉妬にかられた彼は、忠実な部下カミロにポリクシニーズを毒殺するように命じる。だがカミロは、自分の王と同様に尊敬するポリクシニーズに真実を打ち明け、ボヘミアへ一緒に逃げる。このことを知ったレオンティーズは、怒りの矛先をハーマイオニーに向け、彼女を牢屋に閉じ込めてしまう。二人目の子供を妊娠中だったハーマイオニーは、牢屋で女の子を出産する。だが、その子をポリクシニーズの娘であると信じるレオンティーズは、部下のアンティゴナスに命じて子供を遠くに捨てに行かせる。

 ハーマイオニーの裁判では、アポロの神託が読み上げられ、ハーマイオニーとポリクシニーズの潔白が証明される。だが、それでもレオンティーズは二人を信じることができない。そんな中、母親の身を案じるあまり病気になった王子のマミリアスが急死する。息子の死によって、ようやくレオンティーズは自分の愚かさに気付かされる。だが悔いる間もなく、今度はマミリアスを失ったショックでハーマイオニーまで亡くなったと知らされる。二人の死により、レオンティーズは自分の罪深さを十分に思い知ることになる。

 子供を捨てに行ったアンティゴナスは、ボヘミアの荒地にたどり着く。夢の中に現れたハーマイオニーの望み通り、赤ん坊にパーディタという名前を付ける。パーディタを置き、船に帰る途中熊に襲われて、アンティゴナスは死ぬ。置き去りにされたパーディタは羊飼いの親子に拾われる。

 「時」が登場し、物語が16年経ったことを告げる。美しい娘に成長したパーディタは、ポリクリシーズの息子フロリゼルと恋仲になっていた。ポリクシニーズは、最近城にもろくに帰ってこない息子が、ある羊飼いの家に入りびたっているという噂を聞き、変装してカミロと共に様子を見に行くことにする。二人は毛刈り祭りの日に羊飼いの家を訪れ、客として村人達の中にうまく潜り込む。そこで、息子本人からパーディタと結婚するつもりであることを聞く。だが、父親に承諾を得ないで結婚を決めてしまったフロリゼルに腹を立てたポリクシニーズは、その場で変装をとき、息子とパーディタを罵って出て行く。カミロは助け船をだして、フロリゼルにシシリアへ行くように勧める。

 シシリアでは、レオンティーズが二人の力になってくれる。また二人に同行した羊飼いが、パーディタを拾った時に身につけていた物を見せたためにパーディタがレオンティーズの娘であることが判明する。二人の後を追ってきたポリクシニーズとカミロは、ようやくレオンティーズと和解できる。その再会の喜びの中で、アンティゴナスの妻ポーライナがハーマイオニーの石像を皆に披露する。石像はハーマイオニーに全く生き写しで、人々を驚かせる。実は、それは石像ではなく本人で、王妃を慕うポーライナの計らいによって今まで密かに生き続けてきたのだった。レオンティーズは、ハーマイオニ―に許しを請い、ようやく心の平穏を得るのである。

作成 松村優子
みどころ

 ハーマイオニーのように、死んだと思われていた人物が生き返るという設定は、シェイクスピアの他の作品では、ジュリエットや『空騒ぎ』のヒーローを思い起こさせる。だがこれらのニ作品と違って、『冬物語』の場合、ハーマイオニーが実は生きているということを私たちは最後まで知らない。それだけに、このクライマックスのシーンは、まさにどんでん返しである、私たちの心を強く打つ。

 物語の前半は、幼いマミリアスの急死、アンティゴナスの惨たらしい死にざまなど、生命のはかなさを感じさせるが、逆に生を望まれていないにも関わらず、生き延びて、最後には自分を捨てた父親と再会まで果たすパーディタには、生命の力強さを感じる。また、荒筋では触れなかったが、いつも陽気に唄をうたい、どんなことをしても生活の手段を得ようとする詐欺師で盗人のオートリカスは、作中人物の中では一番生き生きしており、単なる悪人とは言えないものがある。

 パーディタとフロリゼルの結婚であるが、フロリゼルは亡くなったマミリアスを思い起こさせ、最後のハーマイオニーの復活と共に、レオンティーズ一家の再生を感じさせる。最後にはカミロとポーライナも結婚することになり、これはあまりに唐突で一瞬面食らうが、この素晴らしい人間同士の結びつきは、素晴らしい家族の誕生を思わせ、非常に喜ばしい。この『冬物語』は、言うまでもなく再会の劇であると同時に再生の劇であり、まさに人間の生命の尊さを感じさせる作品であると言える。

Cymbeline

2005年02月27日 19時22分44秒 | Weblog
Cymbeline
あらすじ

 ブリテン王、シンベリンには先妻との間に三人の子がいた。しかしあらぬ疑いをかけられ、それを信じたシンベリンによってブリテンから追放された貴族、ベレーリアスはグィディーリアス、アーヴィラガスという二人の王子を誘拐した。残されたのは王女、イモージェンだけであった。

 それから月日が流れ、シンベリンは再婚をし、王妃の連れ子であるクロートンと娘イモージェンを結婚させようとしていた。しかし、イモージェンは紳士、ポステュマスと結婚してしまう。それを知って激怒したシンベリンはポステュマスをブリテンから追放する。ポステュマスは召使いのピザーニオをイモージェンのもとへ残し、ローマにいる友人、フィラーリオのところへ身を寄せる。そこでポステュマスは、フィラーリオの友人ヤーキモーと口論の末、ある賭けをすることになる。その賭けとはイモージェンの貞節であった。ヤーキモーはブリテンへと向かう。またブリテンでは、王妃がピザーニオに妙薬と偽って毒薬を渡し、ポステューマスの暗殺を目論んでいた。(実際には、王妃の悪巧みをうすうす感じていた医者が、毒薬ではなく、仮死状態にさせる薬を王妃に渡していた。王妃は毒薬と信じている。)

 そのうちヤーキモーはイモージェンのところを訪れる。ヤーキモーは彼女の美しさに心奪われながらも、彼女にトランクを預かってもらうように依頼する。だが実はその中にはヤーキモーが潜んでおり、彼女の寝室に潜り込むことに成功する。ローマに帰ったヤーキモーはポステュマスに彼女の寝姿を事細かに伝え、そしてポステュマスが彼女に送った腕輪を見せ、体の関係をもったと嘘をつく。嫉妬に狂ったポステュマスはピザーニオにイモージェンを殺すように命じる。

 ブリテンとローマが戦を始めようとしている情勢で、ピザーニオはイモージェンをブリテンから脱出させ、ポステュマスが彼女を殺すように命じたことも話す。その上で彼女に男の扮装をさせ、ローマの将軍リューシャスの奉公人になり、ことの真相を探ることを提案する。彼女もまたこれに同意する。そして旅の途中、ある洞窟に入り込む。そこはベレーリアス、グィディーリアス、アーヴィラガス達が住んでいるところであった。彼らはすぐに意気投合する。しかし翌日、体調を崩したイモージェンはピザーニオからもらった薬を飲み、死んでしまった(ようにみえた)。彼らは一時的に花畑に彼女の体を置き、彼女の隣には先程グィディーリアスに殺され、首を落とされたクロートンも並べられた。そこで息を吹き返したイモージェンはポステュマスの上着を着ているクロートンの死体をみて、ポステュマスの死体だと思い嘆き悲しむ。そこにリューシャスが通り、気の毒に思った彼はイモージェンを奉公させることにしたのだった。

 ブリテンとローマの戦が始まった。そこでベレーニアス達は大活躍し、ポステュマスもまた貢献する。戦はブリテンが勝利し、シンベリンはベレーニアス達を褒めたたえ、恩賞を与える。そこに王妃が亡くなったという報せが入り、そしてシンベリンは王妃が自分を騙していたことをしる。また捕らえられたリューシャスは一緒にいたイモージェンを助けるように嘆願し、シンベリンも男装している自分の娘に気付くことなくその願いを受け入れる。そして、イモージェンがその場にいたヤーキモーに真相を語らせる。それを陰で聞いていたポステュマスは真相を知り、自分の犯した罪を嘆くが、ピザーニオがことの次第を説明する。そしてグィディーリアスがクロートンを殺害したことを告白し、シンベリンは彼を罰するように命じる。しかし、そこでベレーニアスはグィディーリアスとアーヴィラガスがシンベリンの息子であることを告白したのだった。

 シンベリンはポステュマスとイモージェンの仲を認め、ブリテンはローマと和解して、この戦争は平和に終結したのだった。 

Pericles

2005年02月27日 19時22分24秒 | Weblog
Pericles
主な登場人物

詩人ガワー 語り手 Gower, Chorus アンタイオカス アンチオックの王 Antiochus
ペリクリーズ タイアの大公 Pericles, Prince of Tyre ヘリケイナス タイアの貴族 Helicanus
サイモニディーズ ペンタポリスの王 Simonides, King of Pentapolis クリーオン サーサスの領主 Cleon
ライシマカス ミティリーニの領主 Lysimachus セリモン エフェサスの貴族、医術に通じている Cerimon
ダイオナイザ クリーオンの妻 Dionyza サイザ サイモニディーズの娘、後にペリクリーズの妻 Thaisa
マリーナ ペリクリーズの娘 Marina リコリダ マリーナの乳母 Lychorida

あらすじ

 アンティオックの王アンタイオカスと彼の娘は、実の親子であるにも関わらず、道ならぬ関係にあった。この美しい王女には、求婚者がひっきりなしに訪れ、王女に未練を残すアンタイオカスは、求婚者たちに対して「娘が欲しければ自分のだす謎を解き、それが解けなかったら死刑にする」という掟を定める。求婚者たちが次々と命を絶たれていく中で、タイアの領主ぺリクリーズだけは、その謎が父子相姦であることを見抜く。ぺリクリーズは遠回しにそのことを告げるが、アンタイオカスはわざと否定し、もう一度謎の意味を考え直すように、彼に40日間の猶予を与える。だが、身の危険を感じたぺリクリーズは、早々とタイアに帰って行く。秘密を悟られてしまったアンタイオカスは、部下のサリアードにぺリクリーズを殺すように命じる。

 自国に帰ったぺリクリーズだが、追っ手がやって来ること考えて、サーサスという国へ逃れていく。かつて栄えていたサーサスは、今や落ちぶれて貧困に喘いでいた。だがぺリクリーズの登場によって、サーサスは再び活気を取り戻すようになる。そんな中、ぺリクリーズのもとに、留守を任せてきた部下のヘリケイナスから手紙が届き、サリアードが追って来ることを知る。そこでぺリクリーズはサーサスを去るが、船が難破し、ペンタポリスという国の海岸に打ち上げられる。助けてくれた漁師から、明日宮廷で槍の試合があることを聞き、ぺリクリーズは自分も参加することにする。

 ぺリクリーズは試合で見事に優勝し、王や王女のセイザに気に入られて、彼女と結婚することになる。再びヘリケイナスから手紙が届き、アンタイオカスとその王女が亡くなってもはや身の危険が無くなったこと、タイアの国民たちが王の復帰を望んでいることなどを知る。そこでぺリクリーズは帰国することに決め、身重のセイザを連れて航海にでる。

 航海中に嵐に襲われ、荒れ狂う船上でセイザは女の子を産み、そのまま息を引き取る。ぺリクリーズはセイザを柩におさめ、不本意ながらも柩を海に葬る。この柩はエフィサスの海岸に流れ着き、貴族のセリモンに拾われる。セリモンが柩を開けてみると、中のセイザはまだ仮死状態で介抱によって命を吹き返す。妻を失った悲しみにくれるぺリクリーズは、タイアまでの長い道のりを考えて、娘のマリーナをサーサスに預けることにする。

 サーサスのクリーオン、ダイオナイザ夫妻に育てられたマリーナは、美しく立派に成長する。だが、マリーナばかりが注目され、自分の娘がその陰に隠れてしまうことを妬んだダイオナイザは、召使いの男にマリーナを殺すように命じる。人目につかない海岸でその男が、マリーナを殺そうとしたその時、海賊たちが現れて彼女をさらってしまう。ダイオナイザとクリーオンはマリーナが病死したことにして、娘を連れ帰りに来たぺリクリーズにマリーナの墓を見せる。ぺリクリーズは愕然とし、深い悲しみに沈んでいく。

 マリーナはミティリーニという国の娼館に売られる。ところがマリーナは、来る客みんなに説教するため、客は逃げていく一方である。客の一人でミティリーニの太守ライシマカスだけは、マリーナの真価を認めてくれる。マリーナは客引きのボウルトに金貨をやってうまく説得し、別の仕事を世話してもらう。

 ぺリクリーズは今、娘がミティリーニにいることも知らずにこの国へ来ていた。ライシマカスは彼を訪ねていくが、家族を亡くした悲しみで心を閉ざしたぺリクリーズは会おうとしない。そこでライシマカスはマリーナを呼び寄せて、ぺリクリーズを元気付けてもらうことにする。マリーナを見たぺリクリーズは、彼女が自分の妻とそっくりなのに驚き、彼女に身の上話を語らせる。その結果、ぺリクリーズはマリーナが自分の娘であることを確信する。娘との再会に喜びながらも急に眠気を催したぺリクリーズは、ダイアナ神が彼にエフィサスへ行くことを命じる夢を見る。早速エフィサスに向かったところ、ダイアナ神の社で巫女をしているセイザと再会する。ようやく一家全員が揃い、そこにマリーナとライシマカスの結婚が加わり、さらなる喜びの中で幕は閉じるのである。

作成 松村優子
別の学生によるあらすじ
みどころ

 この作品は、妻の復活、遠くに残してきた娘との再会など、いくつかの点で『冬物語』によく似ている。だが、『ペリクリーズ』の一番の特徴は、この作品の元となった『恋人の告白』の作者ジョン・ガウァーが解説役として全幕に登場し、ところどころに黙劇が取り入れられている点である。この作品は、ガウァーの語りで始まり、同じく彼の語りで終わっており、そのために劇そのものは彼の語りの中におさめられている物語であると言えるかもしれない。この作品では、アンタイオカス親子の近親相姦、セイザの仮死状態からの蘇生、ダイオナイザの残酷な人間への変化、客を改心させるというマリーナの奇跡など、異様な出来事が立て続けに起こるが、そうした出来事は半分語りを通して私たちに伝えられているせいか、何となく淡々としていて、悲劇のような激しさや生々しさはあまり感じられない。また、マリーナの死を告げられる場面でのペリクリーズの様子は、ガウァーの語りと黙劇によって伝えられているだけであり、ただ本を読んでいる限りでは娘を失ったペリクリーズの悲しみが中々伝わってこないように感じられる。だがやはり、荒波にもまれながら何年も経て、ついに一家全員が揃う再会場面は、シェイクスピアの他の再会劇に負けず非常に感動的であり、家族の大切さを感じさせる。

Timon of Athens

2005年02月27日 19時22分00秒 | Weblog
Timon of Athens
あらすじ

アテネ(アセンズ)の貴族であるタイモンは、莫大な財産をその慈悲深い気性にまかせて様々な人々に恵んでいる。友人が借金のために投獄させられたと聞くと身代金を払って保釈してやったり、自分の娘が召使いと結婚したいと言っているが、その召使いには娘と結婚するに見合う身分がないとなげく老人がいると、その召使いにお金を与え娘と結婚させるに足る男にしてやったりする。毎日のように人々が訪れ、贈り物をするとタイモンはそれを倍にして返す。そんなタイモンの態度につけ込んで、元老院議員らはお金を次々にふんだくる。

アペマンタス、フレーヴィアスらの忠告を聞かずに浪費しつづけた結果、タイモンは破産する。タイモンは友人の貴族たちを信じて使いを送りお金を借りようとするが、タイモンが一文なしになったと知ると、貴族らは使いに出されてきたタイモンの召使いに小銭を与え自分と会えなかったことにしろと言ったり、自分も困っている、お金がないなどいろいろと理由をつけてタイモンの頼みを断る。だがタイモンの邸の前には貴族から使わされた召使いが以前タイモンがくれると約束したお金を取り立てに来る。裏切られたと激怒したタイモンは「おれの心臓を金額の数に切り刻むがいい」「俺の血を五千滴やろう」「おれを八つ裂きにして持っていけ」などという言葉をふりまいて召使いらを追い払う。

貴族たちの本意を知ったタイモンは、貴族たちを食事に招待する。タイモンの本当のねらいなどつゆ知らずやってきた貴族らのテーブルの上にのっているのは石とお湯が入っている皿のみだった。タイモンは皿の湯を一同の顔に浴びせ、石を投げつけ呪いの言葉をはいて彼らを追い出す。

タイモンはアテネを憎み、海にちかい森のなかの洞窟へと引きこもる。すると、アテネに進軍していた将軍アルシバイアディーズと出会う。タイモンの実情を知り、何かできることはないかと同情するアルシバイアディーズだが、タイモンはお金を渡し冷たくあしらう。召使いにお金をやって解雇し、それでもなおそばに仕えさせてくださいとタイモンのもとにやってきた執事フレーヴィアスに対してはその忠誠心に心を打たれるが、結局タイモンはお金をやってフレーヴィアスを追い払う。財産をねらってやってきた山賊にタイモンはお金を渡し説教をすると、彼らは改心して盗賊から足を洗うことを決意する。

アルシバイアディーズのアテネ進撃を防ぐため、2人の議員がアテネに戻ってくるようタイモンに頼みにやってくる。だが彼は全く意に介さない。あきらめたアテネ側は結局アルシバイアディーズに和解を申し入れ、アルシバイアディーズは自分の敵とタイモンの敵のみを処刑することを条件としてその和解を受け入れる。タイモンのもとへ行っていた兵士が戻り、タイモンはすでに死に、海辺の波打ち際に墓があったこと、またその墓石に彫られていた墓碑銘に呪いの文章があったことをアルシバイアディーズに報告する。アルシバイアディーズはその墓碑銘を読み上げ、高潔なタイモンを讃え、劇は幕を閉じる。

Coriolanus

2005年02月27日 19時21分42秒 | Weblog
Coriolanus
あらすじ

 食料不足のために暴動を起こしたローマ人たちの最大の敵はケイヤス・マーシャスである。戦場での彼のはたらきは市民たちも認めているものの、その尊大で傲慢な態度に我慢ならなかったのだ。いきり立っている市民たちをなだめようとしたのが、マーシャスの事を本当の息子のようにかわいがっていた親友のメニーニアス・アグリッパである。メニーニアスは、その人柄から市民の支持も受けていた。だが、彼が市民たちを説き伏せているところへ、当のマーシャスが現れ、その相変わらずの毒舌をふるうと、彼の努力も水の泡となってしまう。

 そこへ、ヴォルサイ人がローマに反乱を起こしたとの知らせが入る。ヴォルサイ人の中にはタラス・オフィーディアスという優れた指揮官がいた。彼はマーシャスの宿敵である。今度こそ、宿敵オフィーディアスを撃つべくマーシャスは戦場へと赴く。

 ローマに残された彼の家族は3人、彼の母親ヴォラームニャと妻のヴィルジーリア、そして息子の小マーシャスである。この母親は非常に興味深い女性である。マーシャスに対して誰よりも大きな影響力を持つ。夫の身をあんじて心を痛めているヴィルジーリアを叱咤激励し、自分は彼の出陣に心を痛めるどころか、彼の名誉と喜んでいる。

 戦場でのマーシャスのはたらきはすばらしいものであった。彼は敵地コリオライの城内にたった一人で乗り込んで暴れまわった後、宿敵オフィーディアスと戦い、勝利する。

 名誉の帰還をしたマーシャスにはコリオレイナスという名が与えられ、執政官にと任命される。彼が正式に執政官になるためには市民の承諾が必要である。謙虚な気持ちを表すために粗末な外衣を着て、市民に許しを得るのだ。人にこびを売る、しかも自分よりも身分の低い、何の役にもたたない市民にこびを売ることは彼の意に反していた。しかしながら、親友のメニーニアスに説き伏せられ、彼はいやいやながら市民の前に立つことになる。だが、見てくれは謙遜を装っても、彼の尊大な態度は変わらない。そんな彼に少し疑問を感じている市民たちをけしかけたのが選挙によって市民に選ばれた護民官のジューニアス・ブルータスとシシーニアス・ヴェリュータスである。彼らは市民たちのコリオレイナスに対する疑問を憎しみへと変えたのである。市民たちは彼を弾劾し、その処罰を求める。それに対しコリオレイナスはいつものように反抗的な態度をとるが、母親のヴォラームニャやメニーニアスに説き伏せられ、市民に謝ることを約束する。

 だが、彼の気性と誇りが許さなかった。結局、再び護民官や市民たちともめることになり、彼は追放の身となる。たった一人でローマの町を出たコリオレイナスは、宿敵オフィーディアスの町、アンシャムに身を寄せる。そして、自分を追放したローマに復讐するために、かつてあれほど憎み合っていたオフィーディアスと手を組むことになるのだ。表面上は和解をしたように見える二人であるが、コリオレイナスがヴォルサイ人の仲間に入ったことによって、オフィーディアスの影が薄くなり、そのことで彼の心にはしこりが残った。

 一方、コリオレイナスを説き伏せようと友人のコミーニアスやメニーニアスが彼のもとへと赴くが、復讐に燃えた彼の心を抑えることはできなかった。だが、そんな彼の心を動かした人物がいた。母親のヴォラームニャである。彼女は、妻のヴィルジーリアと子供の小マーシャスを連れて喪服姿で彼の前に現れる。最初は全く聞く耳を持たぬという態度をとっていた彼も、とうとう母の言葉に負け、ローマと和解することを決意する。オフィーディアスはそんな彼に賛成する。

 家族に別れを告げてヴォルサイ側に戻ったコリオレイナスを待っていたのは破滅であった。オフィーディアスがこのときとばかりに自らの復権を試みたのである。裏切りものよと罵り、彼を刺す。コリオレイナスの死体の上に立つオフィーディアスを貴族たちがなだめ、彼の中の怒りがおさまると、そこには悲しみが広がっていった。

Antony and Cleopatra

2005年02月27日 19時21分22秒 | Weblog
Antony and Cleopatra
あらすじ

一幕

 アントニーはローマ帝国の武将、クレオパトラはエジプトの女王である。アントニーには妻があったが、二人はエジプトの地で恋に落ちる。彼らはそのままエジプトで暮らしをともにする。しかし、そんなところへアントニーの妻ファルビアが戦死したと知らせが届く。ローマに戻ったアントニーは妻の戦いを引き継ぐべく、同じくローマの武将であるシーザーと手を組んだ。その友好の証としてアントニーはシーザーの姉、オクタビアを妻にしてしまう。

二幕

アントニーの結婚を知ったクレオパトラは烈火のごとくに怒る。クレオパトラの元に戻ったアントニーはなんとか許してもらい、事なきを得た。そして二人で今回の戦いに成功させようとする。そんな二人をよそにシーザー陣営では、反アントニー派の動きが活発になり、海戦においてアントニーを破れるところまで迫っていた。

三幕

それを見たアントニーはシーザーに和平の使いを送った。しかし、シーザーの返事はクレオパトラの身柄引き渡しと政権をローマに譲ることが条件だった。アントニーとクレオパトラは悲嘆にくれる。

四幕

決死の覚悟で戦場にでたアントニーだったが、一度は戦局がアントニー側に傾いたものの、やはり若さに勝るシーザーにはかなわなかった。それをクレオパトラのせいだとわめき散らすアントニーにクレオパトラは自らのために立ててある墓に身を隠して、死んだと誤報を流し、二人の愛を試そうとする。それを聞いたアントニーはクレオパトラが死んだと信じ、自殺する。アントニーの最後の一瞬だけ二人はあうことができたがアントニーはまもなく死んでしまった。

五幕

そこへシーザーが勝利者としてやってきた。クレオパトラは彼に対し、女王として立派に振舞う。そして、何もかも引き渡しが終わると、自らの胸に毒蛇を当て、自殺する。

Macbeth

2005年02月27日 19時21分04秒 | Weblog
Macbeth
主な登場人物

ダンカン王 スコットランド国王 Duncan, King of Scotland マルカム ダンカン王の息子 Son of King Duncan
ドナルベイン ダンカン王の息子 Son of King Duncan マクベス 国軍の将軍 Macbeth
バンクォー 国軍の将軍 Banquo マクダフ スコットランド貴族 Macduff
フリーアンス バンクォーの息子 Fleance シートン マクベスに使える士官 Seyton
門番   Porter マクベス夫人 マクベス夫人 Lady Macbeth
マクダフ夫人 マクダフの妻 Lady Macduff 三人の魔女   Three Witches
ヘカット 魔女の女神 Hecat 亡霊   Apparitions

あらすじ

スコットランド国王ダンカンは、ノルウェイとの戦いで活躍した将軍マクベスに、恩賞として領地コーダァを与える。同時に、ダンカンは自分の息子マルカムを王位継承者と定める。マクベスと将軍バンクォウは荒野で三人魔女に出会い、マクベスは「いずれは王となられるお方」という予言を、バンクォウは「王様を生むだろうよ、自分じゃなれないが」という予言をそれぞれ聞く。そこでマクベスは国王の座も手に入れようと、妻と共に国王暗殺の計画を立てる。

インヴァネスにあるマクベスの城では、国王を迎えるための宴会が催されている。そこから一人抜け出したマクベスは、怯え、暗殺計画を中止にしようとするが、マクベス夫人に後押しされ、深夜、ダンカンを殺害する。

翌朝、ダンカンの死体が発見される。マクベスは前日門番をしていた二人が暗殺者であると言い、二人を殺害する。その場にいた国王の二人の息子は身の危険を感じ、スコットランドを離れる。しかしスコットランドの貴族であるマクダフは、真犯人はマクベスであると気付き、同じく貴族であるロスにそのことを告げるのである。

フォレスでは、国王となったマクベスを祝うために宴会の準備が進んでいた。そこでマクベスは、自分の息子を国王にしようとしているバンクォウが邪魔になり、殺害をに依頼する。宴会が始まり、マクベスが席に着こうとすると、自分の席にバンクォウの亡霊が座っているのが見える。他の貴族たちには見えるはずもなく、マクベスは一人で恐れおののき、叫ぶ。

マクベスは三人の魔女に会い、再び彼女たちからの忠告を耳にする。その予言は、「マクダフに気をつけろ」、「思いきってやるのだ。女から生まれた者にマクベスは負けるはずはない」、「マクベスは滅びることはないぞ、バーナムの森がダンシネインに近づいてくるまでは」という三つであった。そこで彼はファイフに使いをやり、マクダフを暗殺させようとするが、そこには妻とその息子がいて、暗殺者は彼らを殺してしまう。

一方、マルカムに会うためにイングランドに来ていたマクダフは、国王の暗殺者はマクベスであることを告げる。そこへロスがやって来て、マクダフは自分の妻子が殺されたことを知る。そしてマルカムとマクダフは共にマクベスへの復讐心を燃やすのだった。

スコットランドの貴族たちはマクベスを倒すため団結し、マルカム、マクダフが指揮をとり、マクベスの城のあるダンシネインに軍を進めていた。その知らせを聞いたマクベスは魔女たちの予言を思い出し、臆することなく城で待機している。しかしそこで、今や夢遊病者となってしまったマクベス夫人の自殺を聞いて、彼は愕然とするのである。

とうとう軍隊が城に到着し、戦いがくり広げられる。やがてマルカム軍の勝利を知らせるトランペットが城内に鳴り響き、マクダフがマクベスの首を持ってマルカムの前に現れる。マルカムはスコットランド王となり、再びトランペットが吹かれて、この劇の終わりを告げる。

作成 深津美帆
みどころ

この劇はスコットランドを舞台にし、暗く、緊迫した雰囲気の中、最後の悲劇的結末に進んでゆく。マクベスは冒頭で、ノルウェイとの戦いに勝利を治め、領主にもなり華々しく登場するが、ダンカン王を殺害し、スコットランドの秩序を破壊してからの彼は、ただ転落の一路をたどるのみである。

マクベス夫人はこの作品でとても重要な役割を果たしている。国王暗殺の際には、劇中何回か登場する三人の魔女たちよりも、悪女ぶりを発揮していて、気の小さいマクベスに対して、度胸のある女性であることが分かる。しかし国王の死後、彼女は良心の呵責にさいなまれ、夢遊病になってしまう。妻の死を知ったマクベスは、愕然となり、生の無意味を痛感する。この時がまさに、彼にとっての絶望の淵であり、それは彼の破滅を意味しているのである。

確かに、謀反を起こしたマクベスが殺害され、元からの王位継承者が国王となる筋書きは道徳的である。しかし私たちは、奈落の底に落ちた彼が人生の空しさ、人生への絶望感を説くとき、その言葉に同感してしまう。それはマクベスをただ悪党として見ているのではなく、儚い夢を抱いた野心家に同情の念を持たずにはいられないからである。

King Lear

2005年02月27日 19時20分44秒 | Weblog
King Lear
主な登場人物
リア王:ブリテン王
ゴネリル:リアの長女
オルバニー公爵:ゴネリルの夫
リーガン:リアの次女
コンウォール公爵:リーガンの夫
コーデリア:リアの末娘
フランス王:コーデリアの求婚者
ケント伯爵:のちに変装してリアに仕える
グロスター伯爵
エドガー:グロスターの長男、のちに変装してトムと名乗る
エドマンド:グロスターの私生児、エドガーの弟
リアの道化
あらすじ

Ⅰ. ブリテンの王リアは、王位を退き3人の王女に領地を分配するが、その際娘たちに最も自分を愛しているのは誰か聴かせてくれという。長女のゴナリルと次女のリーガンは父に対する愛は何よりも深いものであると伝える。しかし、姉たちのように父の機嫌を取ろうと心にもないことを口にすることを拒んだ三女のコーディリアは、自分の正直な気持ちだけを伝えようとする。そのコーディリアの言葉に腹を立てたリアは、彼女に与えるはずだった領地を姉たちに分け、彼女を勘当してしまう。

 伯爵グロスターの庶子エドマンドは父に一通の手紙を持っていく。その手紙には、息子エドガーの父から財産や権威を奪おうという企みが書かれていた。その手紙がエドマンドの陰謀だとは知らないグロスターは、エドガーを追放しようとする。

 父への愛、忠誠を誓ったゴナリルは、財産を手に入れると一変してリアに冷淡な態度をとるようになる。娘の態度に腹を立てたリアは、ゴナリルの屋敷を出る。

Ⅱ.  エドマンドはエドガーをうまく言いくるめ、グロスターにエドガーが父親の命を奪おうとしたが、失敗して逃げたのだと信じこませる。

   ゴナリルの家を飛び出したリアは、リーガンの家へ向かうが、リーガンからも冷たくあしらわれる。彼女とそこへやってきたゴナリルのやり取りから、リアは二人の本性に気づき、怒り泣き叫ぶ。

Ⅲ. 怒り狂ったリアは道化一人を連れてリーガンの家を飛び出し、嵐の中「風よ吹け!」と叫ぶ。

 グロスターの屋敷では、エドマンドが父親を裏切り、グロスターのところに来た一通の密書をリーガンの夫コーンウォルに渡してしまう。それを読んで、グロスターがリアを元の地位に戻そうと企んでいると知ったリーガンは、彼の両目をくりぬき追放してしまう。

Ⅳ. こじきに変装し、身を隠していたエドガーは荒野で両目をつぶされたグロスターに出会う。父の変わり果てた姿に思わず自分の正体を明かしてしまいそうになるが、ドーバーの絶壁まで連れて行ってくれという父の願いを聴き入れる。

 視力を奪われたグロスターの手を取ったエドガーは、崖の上についたと嘘をつく。グロスターはそこから飛び降りたつもりになる。しかし、前に倒れただけのグロスターのもとにリアがやってきて、彼らは互いを気の毒に思い泣く。そこへコーディーリアの兵士がリアを迎えにやってくる。

 リアたちが去ったあと、こじきに変装していたエドガーは父に正体を明かす。*

 父に勘当され、フランス国王の妃となっていたコーディリアは父を救うためフランス軍を率いてブリテンへやってくる。そのコーディリアのもとでリアは目を覚まし、自分のしたことを詫びる。

Ⅴ. グロスター伯となっていたエドマンドは自分の計画を実行するために、ゴナリルとリーガンに結婚をほのめかして言い寄り、味方につけていた。しかし、その二人がエドマンドをめぐって口論を始める。三人が去ったあと、一人残ったゴナリルの夫オルバニーのもとに、エドガーが一通の手紙を持ってやってくる。

 ブリテン軍の陣営ではリアとコーディリアが捕虜となっていた。エドガーの手紙を読み、エドマンドの陰謀を知ったオルバニーは、ゴナリルとリーガンの前で彼の正体を暴く。しかし、エドマンドに心酔している二人はかまわずエドマンドを奪い合い、ゴナリルはリーガンを毒殺し、自分も自殺してしまう。そこへやってきたエドガーはエドマンドを斬ろうとするが、彼がリアとコーディリアを殺害するよう命令したことを知ると、二人のもとへ急ぐ。そのとき、死んだコーディリアを抱きかかえたリアが入って来る。彼は娘の死を嘆き、悲しみのあまり息絶える。

Othello

2005年02月27日 19時20分06秒 | Weblog
Othello
あらすじ

 オセローは、ヴェニス政府に仕えるムーア人である。彼は数々の戦で手柄を立て、周囲から尊敬されていた。その彼が議官の娘デズデモーナに恋をし、彼女も彼を愛するようになった。彼女は父ブラバンショーの反対を恐れ、屋敷を抜け出して密かに二人は結婚式を挙げたのだった。

 オセローの旗手であるイアーゴーは愛想のよい外見の下に、卑しい本性を隠している人物である。彼は副官になれなかったことでオセローを憎み、常に彼を陥れることを考えていた。そこで彼はヴェニスの紳士であり、デズデモーナに恋をしているロダリーゴをそそのかし、彼と共にブラバンショーの屋敷へ行く。オセローとデズデモーナが結婚したと言う知らせに逆上したブラバンショーは、一隊を集めて、自分の娘を盗んだオセローを探しに通りに飛び出す。まもなく彼はオセローが元老院に向かって行くところに出会う。剣を抜くブラバンショーにオセローは、剣をしまわせて大公が来ている事を告げる。

 会議室では大公や議官などが集まり戦術が練られていた。トルコの艦隊がキプロス島へ進撃しつつあるという。そこでキプロス島の要塞に詳しいオセローが派遣されることになる。大公たちにオセローは犯罪者であると訴えるブラバンショーに対して、オセローは、自分の罪は父親から娘を連れ去り、結婚したことだけであり、いかなる魔術も魔薬も使っていないと言う。そしてどのようにして二人が恋に落ちたかを語る。最初はオセローの話を信じないブラバンショーだったが、その場にデズデモーナもやって来て、自分の娘がオセローを愛していることを知り、二人を許す。

 デズデモーナに遅れてキプロス島に到着したオセローは、トルコ艦隊を退治し、戦勝と結婚の祝いの宴会を開く。その席でオセローの副官であるキャシオーは泥酔し、オセローの前任者を傷つけてしまう。しかしこれは全て善人の顔をしたイアーゴーの陰謀だったのである。そうとは知らないオセローは、イアーゴーの話を鵜呑みにし、キャシオーを副官の座から解いてしまう。

悲嘆にくれているキャシオーの元にイアーゴーは現れ、デズデモーナに復職させてもらうよう頼むように言う。彼女の願いなら、オセローも断ることはできないだろうというイアーゴーの意見に賛成したキャシオーは、早速実行する。その現場をオセローに目撃させて、イアーゴーはオセローにデズデモーナがキャシオーと密会していると告げる。そんな話など信じないオセローに、イアーゴーは更に、デズデモーナのハンカチをキャシオーが使っているのを見たと話す。そのハンカチとは、オセローが初めてデズデモーナに贈った物だった。だんだんとその話が真実であると感じ始めたオセローは怒り、イアーゴーにキャシオー暗殺を命ずる。

 不義の噂が立てられていることなど知りもしないデズデモーナは、キャシオーの願いをかなえてやろうと、オセローを説得しようとする。彼女がしつこく頼めば頼むほど、オセローは妻を疑っていく。そして例のハンカチを見せろと迫るのである。

 オセローに更なる追い討ちをかけるため、イアーゴーは、オセローにキャシオーと彼の情婦ビアンカの話を立ち聞きさせる。イアーゴーがキャシオーの家にわざと落としたデズデモーナのハンカチを、今ではビアンカが持っていてその場面を見せるためであった。オセローはそのハンカチを目にした瞬間、妻の不貞を確信し、殺害を決心する。

 キプロスにヴェニスから大公の使者がやって来る。その手紙にはオセローの後任として、キャシオーの名が書かれている。同席していたデズデモーナはヴェニスに戻れることを喜ぶのだが、キャシオーが復職したことを喜んでいると解釈したオセローは、使者たちを前にして妻を殴り、周囲のものたちを驚かせる。寝室に戻ったオセローは、もはや妻のことを全く信じられず、彼女のことを淫売と呼ぶ。それでもデズデモーナはオセローのことを愛していると言い、侍女のエミリアに、結婚式の日のシーツをベッドに敷くように頼む。その夜、デズデモーナは床に入る準備をしながら「柳の歌」を歌う。

 イアーゴーは邪魔になったロダリーゴを再びそそのかし、今度はキャシオーを殺すよう嗾ける。デズデモーナにキプロスに留まって欲しいロダリーゴは、キャシオーを殺そうとして失敗し、反対にキャシオーに刺されてしまう。その隙を突いて、イアーゴーは後ろからキャシオーの脚を傷つける。結局、ロダリーゴは息を引き取り、キャシオーは一命を取り留める。

 デズデモーナが眠っている寝室にオセローが入ってくる。彼は目を覚ましたデズデモーナに、お祈りをして神様からのお赦しを請うように言い、罪を告白させようとする。オセローは、最後まで身の潔白を訴え続けるデズデモーナをベッドの上で圧し殺してしまう。そこへエミリアがやって来て、虫の息のデズデモーナを発見する。誰が殺したのかと問い詰めるエミリアに、死の淵のデズデモーナは、無実の罪で死ぬこと、自分が全て悪く、そして最後には優しいオセローによろしくと遺して死んでいく。彼女の死後、エミリアは、デズデモーナの不貞の噂を流したのは自分の夫イアーゴーであったことを知る。そしてエミリアがデズデモーナのハンカチを拾い、夫に渡したことなど真実を話し始める。身の危険を感じたイアーゴーは妻を刺して逃げ去る。

 オセローは自分の親友イアーゴーの裏切りを知り、絶望感を抱く。かつての栄光を懐かしみ、デズデモーナを殺してしまったことを今さらながらに嘆くのである。彼はヴェニスへ帰る使者たちに、この不幸な出来事を伝える際、ありのままの自分を伝えるよう依頼する。そして隠し持っていた刀で自らを刺し、デズデモーナの眠るベッドで息を引き取る。

作成:深津美帆
みどころ

 オセローとイアーゴーは対照的である。心の純粋なオセローに対して、悪事を働いて人が悲しむのを喜んで見ている悪人イアーゴー。しかし、一体何がイアーゴーを悪事に駆り立てているのだろうか。冒頭で、副官の座をキャシオーに奪われ、彼を憎んでいるのは理解できるが、なぜオセローに対してひどい憎しみを抱いているのだろうか。それは自分の卑劣さに比べて、オセローの人望の厚さと、彼の高潔さを妬む気持ちがあったのではないだろうか。一人の野心家が野望を抱き、人を蹴落とし、上を目指す。そのためにイアーゴーは言葉によって、オセローを罠に陥れようとする。しかし最終的にはオセローの高潔さも、デズデモーナの忠実さも滅ぼすことはできない。結局、陰謀は達成されることなく終わるのである。

 一方、オセローはというと、軍人として周囲から尊敬の眼差しで見られている反面、とても粗野なところが見られる。なぜ、彼は自分の妻ではなく、自分の部下の言うことを信じたのだろうか。妻の不貞は耳からによるものだけだったが、『空騒ぎ』のクローディオと同様に、オセローにとってハンカチという決定的な証拠を目で確かめることによって、オセローはその虚偽の報告を信じてしまう。男性は妻や恋人よりも、部下もしくは仲間の意見を聞き入れるようである。

 また、この劇で最も印象的なシーンは5幕3場である。それはデズデモーナが、無実の罪を着せられ、どんなに身の潔白を訴えても夫に聞き入れてもらえず、就寝前に「柳の歌」を歌う場面である。「柳」は西洋では、報われぬ恋、実らぬ恋を表す。『ハムレット』のオフィーリアが死ぬ場面でも、柳の木が茂っている。つまりなぜデズデモーナはこの歌を歌うかと言うと、ただ少女が歌っていたから思い出したと言う理由だけではなく、夫への忠実な愛、そして自分自身を信じてもらえず、悲嘆にくれる彼女の心情を表しているのである。そして歌が頭から離れないと言っているのは、自分も死期が近いことを悟っていたのだと思われる。

Measure for Measure

2005年02月27日 19時19分52秒 | Weblog
Measure for Measure
主な登場人物

ヴィンセンショー ヴィエナ公爵 Vincentio アンジェロ 公爵代理 Angelo
クローディオ 若い紳士、アンジェロに死刑を宣告される Claudio ルシオー 痴れ者 Lucio
イザベラ クローディオの妹、尼僧見習い Isabella マリアナ アンジェロの婚約者 Mariana
ジュリエット クローディオの恋人、身籠もっている Juliet オーヴァーダン 淫売屋の女主人 Mistress Overdone

あらすじ

ウィーン公爵ヴィンセンシオは旅行をするといって、その間のすべての権限をアンジェロに託しポーランドへ発つ。

しかし旅行の本当の目的は、19年間放置されてきた厳しい法律を、秩序維持のために復活させることにあった。そしてそれが圧政として国民から避難されることを恐れ、その非難を自分ではなくアンジェロに向けさせようとしたのだ。公爵はウィーンに残って修道士になりすまし、アンジェロの様子をこっそり観察する。公爵はアンジェロのことを冷徹、謹厳でよこしまな考えが入り込む隙のない人物だと思っており、それが、権力によってどう変化するか見てみたかった、というのも理由の一つである。

アンジェロは非常に実直で堅い人間で、風俗を厳しく取り締まり、ウィーン郊外の売春宿をすべて取り壊す。ある日、クローディオという男が彼の婚約者ジュリエットを結婚前に妊娠させてしまう。アンジェロはその古い法律の適用によって、クローディオに三日以内の死刑を宣告する。しかし、アンジェロの補佐役エスカラスや典獄をはじめ市民たちは今までそのような罪を犯したものは数多くいるのに、クローディオだけが死刑になるのは不公平だとクローディオに同情する。だがアンジェロはまったく耳を貸さない。

クローディオは友人のルーシオを通じて、修道院にいる妹のイザベラに助けを求める。死刑の前日、アンジェロのもとを訪れたイザベラは、彼に死刑をとりやめてくれるよう懇願する。アンジェロはイザベラの貞淑さにすっかり心をうばわれてしまう。

次の日、アンジェロはイザベラに、処女を捧げれば兄の命をたすけてやろう、と告げる。だが、イザベラは兄よりも操の方が大事だと断る。兄に死へ向かう用意をさせようと、イザベラは兄のもとへ向かう。

牢獄では修道士に扮した公爵が、クローディオに死の前の悔い改めについて説いている。そこへイザベラがあらわれ、アンジェロに処女を捧げれば兄を助けると言われたことを告白する。しかしクローディオは、処女を捧げてでも自分を生かしてくれと妹に頼む。イザベラは意外な兄の言葉を聞き、狂ったように兄を罵る。

その後イザベラと二人きりになった公爵は、マリアナのことを話す。マリアナは以前アンジェロとの結婚を控えていた。しかし、マリアナの兄が婚礼の前、船が難破し妹の持参金と共に海の底へ沈んでしまうと、アンジェロは彼女を見捨て、なんの慰めの言葉もかけず言いがかりをつけて婚約を解消してしまった。しかしマリアナは以前にもましてアンジェロのことを愛し続けている。公爵はイザベラに、アンジェロのもとへ行き、要求を承諾したふりをみせなさいと言う。そしてイザベラの代わりにマリアナがアンジェロと同衾することにしようと諭すのである。

計画は成功し、アンジェロはマリアナと一夜を共にする。アンジェロは妹が恥辱を受けたことによるクローディオの復讐を恐れ、典獄に朝の五時までにクローディオの首を持ってこいと言う。しかし典獄は今朝熱病で死んだ男の首をかわりに持っていく。

イザベラが公爵のもとにやってくる。しかし公爵は兄が放免になったことを隠し、兄は死んだと彼女に告げる。

もとの姿に戻ってエスカラスやアンジェロに迎えられた公爵の前に、ヴェールをつけたイザベラが進み出て、アンジェロが姦通を犯したと叫ぶ。しかし役人たちにとらえられてしまう。そこへマリアナが進み出て、アンジェロに抱かれたのはイザベラでなく自分であることを訴える。審判をアンジェロに任せて公爵は一時退場し、修道士の格好をして再びあらわれる。そして修道士に扮した公爵は、公爵を、またウィーンの街を批判したかと思えば突然愛していると言ったり訳の分からない言動をとる。エスカラスらにこいつを投獄しろと言われると、公爵は修道士の頭巾を外し公爵の姿をあらわす。

彼はイザベラとマリアナ、神父ピーターを解放し、アンジェロにマリアナとの結婚を言い渡す。すぐに式が執り行われる。そして再び連れ戻されたアンジェロに、公爵は唐突に「尺には尺をもってする。それが古今の常法である。」と死刑を宣告する。マリアナとイザベラは必死になってアンジェロの放免を願う。そこに覆面をされたクローディオがあらわれる。クローディオは死んだことになっており、皆はここにあらわれたのはクローディオと同じ時刻に死刑になるはずだった囚人だと思っている。公爵はこの囚人に免じてアンジェロの罪は赦されたと言う。するとクローディオが覆面をとり姿を現す。公爵はイザベラに求婚し、この物語は幕を閉じる。

Vincentio, the Duke of Vienna, delivers his power to Lord Angelo, "a man of stricture and firm abstinence" (1.3.12) and strews in the common ear that he is going to Poland. Lord Escalus is pointed as Angelo' assistant while the Duke's absent. Actually, this is a trick of the Duke. He has no intention to leave Vienna, but to make use of Angelo's stricture to enforce the lax laws and more reasons for this action is---

Lord Angelo is precise,
Stands at a guard with envy, scarce confesses
That his blood flows, or that his appetite
Is more to bread than stone. Hence shall we see
If power change purpose, what our seemers be.(1.3.50)

So, the Duke disguises himself as Friar Lodowick to behold Angelo's sway in Vienna.

The young Claudio who impregnates his fiancee Juliet before marriage is chosen as an example of Angelo's first implementation. He is arrested and has to die for it according to the law in Vienna. His sister-Isabella, a novice to a sisterhood of nuns comes to Angelo to ask for his forgiveness on her brother's life. Angelo gets enamored with Isabella's virtue. In order to fulfil his desire, he violates the law knowingly, putting a condition to Isabella that her brother's life can be saved only if she yields her body to him. "More than our brother is our chastity" (2.4.185), she says and refuses Angelo's blackmail. From Juliet's repentance, the Duke in disguise gets to know that their case has happened by mutual commitment.

In the jail, he is instructing Claudio to repent before his death sentence when Isabella comes with a confirmation of his death. Overhearing her news of Angelo's corruption, he decides to intervene in this case. He suggests a plan to Isabella to answer Angelo's requirement plausibly upon the condition that her stay with him may not be long and the time may have all shadow and silence in it as well as that the place has to be convenient. (cf. 3.1.246-259)

When everything is arranged, Mariana, who has the engagement with Angelo but forsaken by the same well-seeming Angelo, replaces Isabella to the appointment. After sleeping with the woman that he thinks is Isabella, Angelo has guilty conscience. He is so afraid of Claudio's revenge by receiving a dishonored life with ransom of his sister's shame, (cf. 4.4.27-31) that he does not release Claudio as he has promised but to deliver an order to Provost to let Claudio be executed earlier and let his head be seen by five in the morning. With the help of the Provost, the Duke in Friar's disguising manages to save Claudio's life. Of course all these are done secretly.

When opportune moment is coming, Isabella and Mariana accuse Angelo publicly in front of the Duke (returning back to his real identity at the time) as it is planned by the Duke. Angelo tries to cover his wrongdoing at the first, but evil deeds can never win moral conducts. He has to bow his head, begging for forgiveness. For keeping Mariana's honor, the Duke orders Angelo a immediate marriage with her and then declares that what Claudio died for, what he has to die for. "Haste still pays haste, ... like doth quite like, and Measure still for Measure". (5.1.407-408) Although Mariana and Isabella show their mercy for Angelo's life, the Duke does not remit his sentence until Claudio is shown to be alive. So, Angelo is saved. Up to here, the play is about to close in all members'satisfaction, but the Duke's speech to Isabella "What's mine is yours, and what is yours is mine." (5.1.536) is seemingly showing us that perhaps the next story is something between the Duke and Isabella.

There are also some other spices in the play that have to be mentioned. For example, Elbow, a constable, arrests the bawd Pompey and the foolish gentleman Forth and brings them to Angelo for judgment; and how does Lucio, a friend of Claudio, rave about the Duke to the Duke in Friar Lodowick, Mistress Overdone's story and so on. These have enriched the play with more comic factors.