時間をムダにする人の口グセ

2013年09月26日 18時26分04秒 | Weblog
著者
山崎 将志 やまざき・まさしアジルパートナーズ パートナー1971年、愛知県生まれ。94年東京大学経済学部卒業後、アクセンチュア入社。2003年に独立。事業再生コンサルティングや、生活総合支援サービス「カジタク」などの運営に携わる。『残念な人の思考法』は26万部を突破するベストセラーになった。


頭の中にあることは、言葉となって表れます。「口グセとは、その人の頭の中そのものである」というのが私の考えです。では早速ですが、時間に追われがちな人の口ぐせを見ていきましょう。

まず思いつく口グセは、

「時間がない」

ですね。しかし、みんな時間がないのが大前提で、その中でどうするのかが仕事なのです。

逆説的ですが、時間がないというのは、“終わりの時間がない”っていう意味もあると思うんです。終わりの時間を決めず、延々と仕事をするから永遠になる。だから時間がなくなる。「どんなに遅くとも7時に帰る」って決めてしまえば、その中でどうするかをちゃんと考えますからね。「まだ時間がある」と思ってダラダラ仕事をしているとメリハリもないし、締まりもない。だったら「今日からうちの部は全員6時に帰ります」ってしちゃったほうがいいんじゃないでしょうか。給料は変わらなくても労働時間が短くなるから、実質時給も上がります(笑)。

「時間がない」と似ていますが、休むべきときに休まないでいるにもかかわらず、

「俺、寝てないんだよ」

って言う人もいますね。上司がそういうタイプだったら最悪です。僕は寝ないで仕事をして成果が出せるとは思えません。

成果が出る時間って、本当に限られていると思うんです。石川遼選手を例にすると、彼が成果を出す時間としては、週に4日、70回くらいの打っている瞬間だけじゃないでしょうか。1回せいぜい10秒だから1日に700秒、10分ちょっとですよね。本当に大事な時間って実はそれだけなんですよ。そしてそれ以外は、成果を出す瞬間に良いパフォーマンスをするための準備――分析だったりトレーニングだったり――の時間です。

でも、多くの人は自分にとっての700秒/週が何であるかを理解していない。なんとなく平均的に時間を使ってしまって何でも大事になってしまう。石川選手にとっての700秒は、あなたにとっては何ですか? と問いたいですね。

以上の「時間がない」「寝てない」というのは、誰にも聞かれていないのに思わず口から出てしまう言葉ですが、相手とのやりとりの中でつい、口にしてしまう口ぐせもあります。

まず若手が上司に言ってしまいがちな口グセとしては、

「わかりました」

これはやっかいです。期限も聞かず、アウトプットのイメージも確認せず、「わかりました」と言うから安心していたら、結局出てきたものがめちゃくちゃだったり、クライアントに「ポイントがズレている」なんて言われたり……。その場を切り上げたいだけなのかもしれませんが、わかったふりをするのは不毛ですよね。

また、上司や取引先などに対して言いがちな

「すぐに対応します」


「できるだけ早くお返事します」

も要注意だと思います。時間の感覚は人によってバラバラですから、そういう相対的な表現は誤解のもとです。まぁ、あえてそう言ってごまかすときもありますけど(笑)。

具体的に「明日の午前中までに」などとノルマを課して計画を立てないと、物事って進まないと思うんです。上司と部下の間でも、ちゃんと期限を聞いて、無理を言われたら「明後日の午後までならできます」、あるいは「この仕事の締め切りもあるんですけど、どちらを優先したらいいですか?」と尋ねてプライオリティを明確にすることが大切ですね。

逆に、部下の時間を奪う上司の口グセもあります。それは、

「じゃあ、みんなで話すか」

みんなで話すこと自体はいいと思うんですけど、ノーアイデアで臨まれても困ります。10人集めたら、10人×1時間で10時間。10万円くらいの価値があるってことですよ。部下も部下でそれぞれみんな仕事があるし、巻き込んで仕事をしているふりをされるのは迷惑です。

会議に遅れてやってきて、

「今日は、何の話だっけ?」

なんていうのも同様ですね。尊大な態度をとって、威厳を感じさせたいのでしょうが、そういう自己満足の意図のためにみんなの時間を割くのはまったくの無駄としか言いようがありません。

また、最近はメールで時間を取られるというのも結構ありますよね。上司からの

「CCを入れといて」

部下からの

「CCしといたんですけど」

とか。

大きい会社の社員って、見ているメールのほとんどがCCなんですよね、実は。でも重要なことは口頭で話すから、CCに本当に必要なことは書いてない。

「一応知っておいてください」が多すぎるんですよ。


あるかなり大きい会社の部長クラスの方とのやり取りを例に挙げると、彼からのメールには必ず7人くらいのCCが付いていたんです。そこに「1週間後までに資料をお願いします」って送ったのに一向に来ないから「先日のお願いってどうなりましたか?」とメールで聞いたら、部長さんは「おい、どうなってんだ?」ってメールを出しただけという(笑)。誰かがやっているんだろうなと思っていたら、CCに入っていた7人は見ているだけ、誰も何もしないままで時間だけが過ぎていたんです。

これがCCのが実態じゃないですかね。送ったほうはCCに入れているからみんな内容を把握しているのだと勘違いしてしまうし、CCによって責任の所在があいまいになって膨大なロスを生むといういい例です。

また、これは以前、某上場企業の社長室に行ったときの話なんですが、そこの経営企画室にいる40人ほどの社員は、みんなPCに向かって“何か”をやっているんですよ。キーボードをたたいている人はまれで、だいたいがマウスを持っているだけ。

1時間で打ち合わせが終わって、社長室から僕が出てきたときも、光景が全く変わっていなかったんです。1時間ですよ! 実は時間が止まっているんじゃないか、もしかして部屋じゃなくて絵なんじゃないかと思いました(笑)。

40人×1時間ですから、40時間。40時間あれば相当なことができますよ! でもただマウスを持っているだけ。みんな暇ですよ、たぶん。本当に必要な仕事はやってないですよね。だって、CCを見ているだけですもん(笑)。

一方で、

「さっき送ったメール、見た?」

なんて、携帯に電話をかけてくる人もいます。急いでいるなら最初から電話をかけたらいいじゃないですか。「ちょっと急ぎの相談があるんだけど、今、大丈夫?」って電話である程度説明して、詳しいことは後でメールしてくれればいいのに、先にメールを送って5分後に「おい、メール見たか」。おかしいですよ。詳細が先で概要が後って、普通ないでしょう。でもメールと電話は、なぜかそれがありうるんですよね。

職種にもよるでしょうけど、相手がメールに張り付いていることを前提にしないでほしいですね。タイムラグがあるからメールが便利なわけで、即効性を求められても困ります。

そうなるとPCや携帯電話、スマホに張り付くようになって、いつも何か来るんじゃないかとおどおどして仕事が受け身になってしまうし、それでほかのもっと重要でじっくり考えるべき仕事に時間が取れない、という悪循環に陥るんです。メール基点で組織の生産性が落ちるという典型例ですね。

最後に、もっとも壮大なムダをつくりかねない口ぐせをあげておきましょう。それは、

「とりあえずやってみよう」

です。

あるアンケート調査で、コンサルティング会社が30枚ぐらいのリポートを書いてきて、それぞれのマーケットの競合比較をしようとなったんですが、どれを読んでも僕やお客さんの常識と全く違うんです。「これ、どういうふうに解釈しましょうかね?」って30分くらい話し合っていたのですが、よくよく見たらサンプル数が少なすぎて、そもそも統計的に無理があったことに気づきました。いわばリポート自体が無意味ということです。最初の時点で、この先分析を進めても仕方ないということに気づかなかったせいですね。

リポートを作成したスタッフ4人の1週間×約10時間も、それを一生懸命読み解いた僕たち5人の時間もパーです。

これはあくまで一例ですが、時間をムダにしないためには、意図であれ分析方法であれ、最初の方向性や前提条件を間違えないことが何より大切なのではないでしょうか。
http://president.jp/articles/-/9964


部落問題の歴史を簡単に説明してほしい

2013年09月26日 18時25分18秒 | Weblog
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:22:15.18ID:EuyVi3hq0

問題の歴史を簡単に説明してほしい
問題はどうしたら解消される?
また今行われている対策は解消の方向に向かってる?
出身者で差別される人とされない人の差は?



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:26:05.79ID:Vu8PTZDm0

>> 41
じゃ順追って説明する

被差別に深くかかわるのは「ケガレ」と「地域形態の在り方」
・ケガレとは、血や死に関わるのを嫌う思想 
具体的には生き物の死体や血(経穴含む)に触るのを嫌う。
・これは、仏教が入ってきたときに一緒にインドのケガレ思想が入ってきたことで
日本にも生まれたのが始まりだと言われている
・そのため、ケガレ思想は仏教の伝播中心地である畿内発祥とされる。差別も畿内が最大地域
・また、仏教を取り入れたのは貴族であるため貴族文化的な地域で差別は多く残る=西日本で多く残り、
東日本ではあまり残らなかった。
※仏教の信者比率を見ると東日本と西日本でくっきり比率が違い、
東日本は多くの県が仏教信者率2割程度だが西日本では4割超えは珍しくない
・それ加えて、畿内 には都という、特別な意味を持つ土地があったことで 
都は清潔であるべき、洗練されているべきだという考え方があった
・しかし都は人が多く、特に平安時代になってからは平安京でも道端に人や牛の死体がごろごろ転がっていた
・死や血に対する畿内民の嫌悪感は強まる。
・「清潔であるべき」という思想は都だけではなく神社にもあてはまり、
神社の周りは差別が苛烈な地域が多い。
・貴族の頂点である天皇家の皇祖神まつる伊勢神宮は特にそれが顕著で、
神社の周りや神社の持ち領だった地域=御厨が多かった地域は差別が多く残る。
続く



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:27:40.89ID:Vu8PTZDm0

・「清潔に保たなければならない」が、
必ず生き物は死ぬし死ぬ場所を限定することはできない。
・そういう死体を片づけなければいけない人が必要。
それが「穢れ多い」「エタ」の始まり。
・こういったケガレ作業に従事してた人たちだけではなく、
神社を掃除したり呪術を行う人たちも最初は尊敬されるほど、「畏れられていた」けど
次第に差別されるようになった。「畏れ」って恐怖と尊敬が隣り合わせてる感情だからな。
・また、律令制の崩壊によって農村集落の在り方が変わってくる。
それは村ごとの世帯の数が増え、村は村で自治をおこなうようになる
・それによって村の団結力が高まる。=部外者を嫌うようになる
・また、このころより行商民という非定住民族もぽつぽつ出始める。
非定住民はつねに部外者であり、嫌われる。現代でも農民って移住民嫌うだろ?あれのもっと苛烈なもん
・この「俺らとは違うやつら」を嫌う傾向は、「ちょっと変わった生活を送るやつら」も含まれる。
それが神人であったり、乞食であったり、職人であったり、芸能民であったり…
・さらに室町期より商工業が盛んになり、その技を究める「職人」的なものが出てくる。
・それは戦乱が続き皮革業需要が伸びたことによりいっそう必要とされるようになる
・この皮革業=牛や馬の死体から皮をはいで皮製品にする職業はケガレの上に職人であるため、非常に嫌われた。
被差別の前身は皮革産業従事者である割合が非常に高い。
続く



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:41:09.89ID:viLcGXv80

>> 45
これはスッキリと分かりやすい説明だな、興味深くじっくりと読ませてもらうよ
これだけでこのスレ覗いた価値はあるな



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:29:04.57ID:Vu8PTZDm0

・こうした人々が「同じような職業の奴ら」で固まるようになる。なぜならその方が専門知識を情報交換しやすいし、
団結することで差別に立ち向かえるから。
・これが被差別の始まり。
・この「職業民の繋がり」や「地域の繋がり」である横のつながりの勢力は西日本中心で、
東日本では地域のつながりではなく血族の繋がりである縦の繋がりのほうが強かった。
・なぜなら都市の発展段階として、部族集団→血縁集団→地域集団という段階をたどる。
西日本は先進地域で東日本の発展段階の一つ上だったから。
・東日本では村のケガレ的作業は一族の末端=次男三男四男とか傍系のやつらがやることで処理していたから
村で差別的職業を担う奴が生まれなかった。
・そのかわり東日本では本家と分家でほぼ差別と言えるほど権限が違うという問題がある。
また、家父長制からなる血縁集団のため女性の権限が非常に低い。
・東日本的な村社会が今も濃く残る東北は排他的で陰湿とか言われるだろ?
地域集団は村人と何らかの縁があればなじめるけど、血縁集団は血縁になることでしかなじめない。だから排他的になる。
・東日本にも被差別あるやんけというかもしれないが、そういうのはだいたいその土地の偉い人が西日本から連れてきた職人であるとか、
社会的な発生要因で自然発生的な事であることが低い
・江戸で有名だった弾左衛門ももとは西日本から来た人。
続く


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:29:58.78ID:Vu8PTZDm0

・埼玉は人数だけでみると被差別民の人数は多いが、東日本中から集まって昔から住んでる被差別民ではない場合があるのと、
そもそも平野が広く県規模の人口だけ見ると多いように見えるが、村の数が多く、村の人口が少ない。
・エタ村っていうのはほぼ必ずと言っていいほど隷属する村「主村」がある。
普通の人が穢れを嫌ってやらないことをやる人達なんだから、やらない村に隷属するのは当たり前だよな。
・処理する人数は隷属する主村の人口に比例するから、村の人数が少ないほどエタ村の人数も少なくなる。
・被差別村があっても小さいのが点在してて、大きい村になることがなかった。
・こうした理由から巨大な被差別は西日本にあって、東日本は被差別があっても非常に人数が少なかった。
・この室町期に生まれた被差別職業集団や農村は江戸幕府によりそのまま利用されることになる
・違う目的を持つ対立する集団がいた方がお互いを監視させることができて幕府にとって都合がよかったから
・だが、江戸時代を通しているうちに農村の経営がうまくいかなくなって都に農民が逃げたり、
固まってた職業集団が固まらなくなってきたりする。
・それに伴い、差別も薄れていっていた。
このころの埼玉のとある農村では被差別民が参加させてもらえなかった村の祭りに普通に参加してたりする記録も残ってる
・何百年も代々同じ職業を続けるって難しいからな。
続く


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:31:25.59ID:Vu8PTZDm0

・幕府にとってこれは困ること。なぜなら農村をお互い監視させることができなくなるし、
農民が逃げたら米を経済の基礎としてる武士が生きていけなくなるから
・これを阻止するため「幕府の基礎」を固めるため、農民は農民、職人は職人、被差別民は被差別民として暮らすようにしろ というお触れが出る
・幕府のお触れは基本幕領だけだけど、全国の藩は徳川に右ならえなので各藩でも同様の政策を出していく。
・これが被差別民が言うところの「幕府の責任」。
よく「農民や商人に優越感を持たせるため被差別民をつくった」って言われるけど、これは現代の差別研究では間違いとされている。
幕府が被差別民を作ったんじゃなく、もともと自然発生的なもの。
・それが薄れようとしていたときに、「差別を強化することを目的」としたんじゃなく、
「基礎を盤石にするため」に昔の体制に戻す一貫の政策の中の一つとして薄れた差別が強化されることになった。
・だけど「エタ」は被差別民であると同時に職人であって、徳川の職人は職人として生きろというのは正直都合がよかった。
・なぜならエタが担う皮革産業は非常に儲かるから。
・ちなみには落ちぶれた貧乏人だったり、犯罪人だったりでエタとは明確に違う被差別民。
決定的な違いはエタは金を持っていたが、は金がない場合が多い。
・が差別されたのは元犯罪人であったり、貧乏で小汚かったり、乞食だったから
続く


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:32:30.21ID:Vu8PTZDm0

・話を戻す。エタが皮革産業を独占できたため、エタ村=エタばかりが集まった村はすげー金持ち。
エタ村で一番有名な大阪の渡辺村っていう村が昔あって、その村の収支見ると並みの村よりはるかに金持ってる。
・そういう金持ってることに対する妬みも差別につながった。
・時代は変わって明治時代。エタにとって転機が訪れる。明治政府の公的機関による「被差別の撤廃」だ。
・この被差別の撤廃の反対運動があったよな。あれは全部西日本で起こってる。というのも、西日本は被差別の人数も大きく、
通常の村に堂々と敵対する勢力として成り立っていたから、村同士の仲が悪いし、存在感も大きくあれだけ大騒ぎした。
・東日本の被差別村は普通の村に対抗できるほど大きくない。
・この被差別の撤廃は聞こえはいいがエタにとっては大問題だった。差別撤廃はいいが、それによって職業の自由の時代が来たことによって、
皮革産業の独占ができなくなったから。エタが他の職業に就こう としてもエタだから嫌われてつけない。
・これによってエタの貧困が始まる。これが被差別民がいうところの「明治政府の責任」。
・だからエタ自ら「差別の撤廃=職業の自由化はやめてくれ」って言ってるエタ村もあったりする。
続く


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/22(月) 16:33:50.16ID:Vu8PTZDm0

・また、過去の身分を隠しながら生きていけばいいじゃんって思うかもしれないけど、
結局長年の皮革産業の知識と技術を培い、持っていたのは被差別民だったから「差別撤廃」「職業の自由化」といいながら
そこまで産業の自由化が起こらず、被差別民は皮革産業に従事し続ける事も多かった。
・東日本では被差別は小さい。淘汰されたり、移住民が来てすぐなくなったりすることができたが、
西日本では被差別は大きく、農村の横のつながりが強い。いつまでも差別が残ることになった。
・これが現代の東日本と西日本の差別の在り方の違い。
・ちなみに、西日本でも唯一北陸地方では浄土真宗が多く、
浄土真宗は殺しも穢れも否定しなかったから被差別が格別に少ないという特徴がある
・この被差別民がいうところの幕府の責任と明治政府の責任は、
現代の行政が同じ業務を引き継いでいるのだから行政が責任を負うべきだとされているのが被差別民に対する行政の優遇。
・現代はこの優遇策がまた差別の原因になってる部分が否めない

終わり



超訳! ハーバードのポジティブ心理学

2013年09月26日 18時23分55秒 | Weblog
名門ハーバード大学の全学生の2割にあたる約1400人の学生が殺到したという講義がある。

 講義名は、「ポジティブ心理学」。

 これだけ聞くと、お気楽な前向き思考法のお題目だが、超一流講師による魅力的なコンテンツの講義が揃う同大学で2006年度の受講生数ダントツだった。

 「ハーバードに入学する学生は世界各国のいずれ劣らぬ天才・秀才ですが、同大の中では半分以上の学生が格付け上、平均以下になってしまいます。彼らにとっては、それはかなりの屈辱で、恐らくは人生初の挫折。そんな彼らの救いとなったのが、さまざまな実践ワーク付きのこの講義なんです」

 とは、伝説的なその講義を担当したタル・ベン・シャハー氏と親交のある翻訳家の成瀬まゆみ氏だ。

 シャハー氏はハーバード大学で哲学と心理学を学び、組織行動学で博士号を取得。心理学博士(組織行動論)の肩書を持ち、ポジティブ心理学による「幸せ」研究の第一人者ともいわれる。

 今回、翻訳の本業の傍ら、そのポジティブ心理学を応用しつつ多くの人々に研修をしている成瀬氏に、シャハー氏がエリート大学生の心を癒やし、励ました「ハーバード式人生の指南」をプレジデントFamilyのためにアレンジしていただいた。

 中学受験や習い事などで日々多くの課題に取り組む子供を持つ親にとっての最大の関心は、やはり、子供がしばしば直面する「学習意欲の減退」や「塾で落ちこぼれた」といった事態への対処法だろう。今の子は、競争に慣れておらず、ささいな失敗でも自信を失ってしまいがちだ。打たれ強い、タフな子供に育ってほしい、というのは親の共通した願いだろう。

 何かとストレスが多いだろうわが子の感情を理解し、メンター・カウンセラーのような役割を演じるにはどうすればいいだろうか。
.■METHOD 1 子供が学校から帰ってきたら、「今日楽しかったこと」を聞く

 「ほんのちょっとしたことでもいいので、毎日、楽しかったことや、感謝したいことを思い出し、書き出すというワークをすることが、シャハーが最初にハーバードの学生に提案した“宿題”です」(成瀬氏)

 成瀬氏によれば、このワークを小学生がするとき、書く内容はごく身近なものでよいという。「両親」や「学校・塾の先生」「友達」……思い浮かんだ人や出来事を話してもらう。最初のうちは、書かずに話すだけでもよいそうだ。

 重要なのは、思い出しているときにその人や出来事を目の前に思い浮かべたり、話したり書いたりしながら感謝の気持ちを心のなかで再体験することだ。

 シャハー氏がなぜ学生にこのワークを勧めたのか。それは、心理学者のロバート・エモンズとマイケル・ロッカーの実験研究に目をとめたからだった。

 彼らの研究によれば、毎日1~2分、感謝する時間を設けたグループは、何もしなかったグループに比べ、「人生をもっと肯定的に評価できるようになった」という。幸福感が高まり、ポジティブな気分を味わえるようになったというのだ。さらに、人に対しても優しく、手伝いを積極的に申し出るようになっただけでなく、よく眠れるようになり、よく運動をするようになり、身体的な不調も激減したという。

 家庭でするときのポイントは、子供に聞いたあとに子供から自分に対してまったく同じ質問をさせる、ということだ。

 「親子それぞれが、『ありがとう』と言いたいこと、面白いと感じたことを話し合う。こうした習慣を1日のうちほんの数分でも続けられれば、いろいろな人・ことに助けられていることを実感できるんです。このワークは、子供の感情を理解し、安定させるツールにもなります。慣れないうちは、週に1回程度でも効果があるので、ぜひやってみてください」(成瀬氏)

 その日の学校での出来事や友人とのやりとりなど記憶をさかのぼる作業は、最初はうまくいかないかもしれないが、親子で継続していれば、次第にコツがつかめてくる、と成瀬氏は言う。

■METHOD 2 いい所探しをする

 日常生活の中での子供に対する接し方として、心理学の側面から避けるべきなのが、欠点を修正しようと必死になり、ダメ出しばかりしてしまうことだ。

 「ポジティブ心理学は、日常生活の身の回りの出来事に幸せを見つけたり、ポジティブに解釈することで満足を見出していくことを目的にしています」(成瀬氏)

 人はあるものごとに注意を向けると、そこにばかり目が行ってしまうという習性がある。

 「学生たちに“パスの回数を数えてください”と言って、サッカー映像を5分ほど見せる実験があります。実はこの映像では、画面の一番手前を白熊が堂々と横切るのですが、映像が終わった後に“白熊に気づきましたか”と聞いても、ほとんどの学生は気づかなかったと言います。パスにばかり注意が向いているためです」(成瀬氏)

 幸福や長所もこの白熊のようなものだと成瀬氏は言う。

 「シャハー氏はハーバードでの講義のなかで、イギリスの元首相、ウィンストン・チャーチルの言葉を引用しました。『悲観論者はあらゆるチャンスに困難を見いだす。楽観論者はあらゆる困難にチャンスを見いだす』。幸福というものは人生における客観的な出来事で決まるのではなく、出来事をどのように解釈するのかという主観的な心の働きによって決まる、と話しています」(成瀬氏)

 あら探しをしてしまう人は幸せにはなれない。子育てでも一緒だという。

 研究によると、子供の欠点を探す癖が一度ついてしまった親は、脳内に「欠点を探す配線」ができあがって、そこからなかなか抜け出せなくなってしまうという。「まずは、親が認識を再構築することで、単に失敗を指摘するのではなく、どう話したら修正できるかまで考えられるようになることが大事」(成瀬氏)
.■METHOD 3 あえて辛い過去を振り返る

 そのために、まずは親がシャハー氏の提案する次のワークをやってみてほしい。過去を捉えなおすという、自分に向き合うワークだ。「いままでの人生の出来事を、はじめは『あら探しの名人』として、次は『いいこと探しの名人』として書き出してみるというものです。やり方は、例えば、受験の不合格という辛い経験ではむしろ、いかに自分が謙虚になり、一生懸命勉強することの大切さを学んだかを書く、といったものです。わが身を振り返ることによって、子供や他人をより冷静に見られるようになります」(成瀬氏)

 子供に言いたいことがあっても、まずは自分が子供の欠点ばかりに目が行っていないか、振り返ることが大事だそうだ。

■METHOD 4 悩みを聞き出すには、散歩かドライブ中に

 では、もし子供が悩んでいてその理由を教えてくれないときには、どんな対処法があるだろうか。さすがに「どうしたの? 」と質問攻めにするわけにはいかないが、かといって放っておくわけにもいかないだろう。

 「人はお互いに真正面から向き合うと、話しにくくなってしまいます。子供の言いたいことを引き出すには、子供を車の助手席などに座らせ、横並びになって話すこと。公園などを親子でのんびりとウオーキングしながら話してもいいでしょう」(成瀬氏)

 横並びという圧迫感のない状況は心情の吐露しやすさにつながる。また、ウオーキングなど「運動しながら」という点からも、子供の悩み対策のワークとして有効な手段だという。

 「シャハーは、運動には自己評価や思考力・免疫力を高めたり、よりよい睡眠を得られたりといった副次的な効果がある、と講義のなかで述べています。子供が精神的にくたびれているように見えたら、外へ連れ出していい空気を吸いながら一緒に歩く。週3日、各20分間のウオーキングが、シャハー氏が本来すすめるワークですが、たまに親子で散歩するのもれっきとしたワーク。五感を生かし、ただ歩く。子供の気分もリフレッシュするのではないでしょうか」(成瀬氏)

■METHOD 2 いい所探しをする

 日常生活の中での子供に対する接し方として、心理学の側面から避けるべきなのが、欠点を修正しようと必死になり、ダメ出しばかりしてしまうことだ。

 「ポジティブ心理学は、日常生活の身の回りの出来事に幸せを見つけたり、ポジティブに解釈することで満足を見出していくことを目的にしています」(成瀬氏)

 人はあるものごとに注意を向けると、そこにばかり目が行ってしまうという習性がある。

 「学生たちに“パスの回数を数えてください”と言って、サッカー映像を5分ほど見せる実験があります。実はこの映像では、画面の一番手前を白熊が堂々と横切るのですが、映像が終わった後に“白熊に気づきましたか”と聞いても、ほとんどの学生は気づかなかったと言います。パスにばかり注意が向いているためです」(成瀬氏)

 幸福や長所もこの白熊のようなものだと成瀬氏は言う。

 「シャハー氏はハーバードでの講義のなかで、イギリスの元首相、ウィンストン・チャーチルの言葉を引用しました。『悲観論者はあらゆるチャンスに困難を見いだす。楽観論者はあらゆる困難にチャンスを見いだす』。幸福というものは人生における客観的な出来事で決まるのではなく、出来事をどのように解釈するのかという主観的な心の働きによって決まる、と話しています」(成瀬氏)

 あら探しをしてしまう人は幸せにはなれない。子育てでも一緒だという。

 研究によると、子供の欠点を探す癖が一度ついてしまった親は、脳内に「欠点を探す配線」ができあがって、そこからなかなか抜け出せなくなってしまうという。「まずは、親が認識を再構築することで、単に失敗を指摘するのではなく、どう話したら修正できるかまで考えられるようになることが大事」(成瀬氏)
.■METHOD 3 あえて辛い過去を振り返る

 そのために、まずは親がシャハー氏の提案する次のワークをやってみてほしい。過去を捉えなおすという、自分に向き合うワークだ。「いままでの人生の出来事を、はじめは『あら探しの名人』として、次は『いいこと探しの名人』として書き出してみるというものです。やり方は、例えば、受験の不合格という辛い経験ではむしろ、いかに自分が謙虚になり、一生懸命勉強することの大切さを学んだかを書く、といったものです。わが身を振り返ることによって、子供や他人をより冷静に見られるようになります」(成瀬氏)

 子供に言いたいことがあっても、まずは自分が子供の欠点ばかりに目が行っていないか、振り返ることが大事だそうだ。

■METHOD 4 悩みを聞き出すには、散歩かドライブ中に

 では、もし子供が悩んでいてその理由を教えてくれないときには、どんな対処法があるだろうか。さすがに「どうしたの? 」と質問攻めにするわけにはいかないが、かといって放っておくわけにもいかないだろう。

 「人はお互いに真正面から向き合うと、話しにくくなってしまいます。子供の言いたいことを引き出すには、子供を車の助手席などに座らせ、横並びになって話すこと。公園などを親子でのんびりとウオーキングしながら話してもいいでしょう」(成瀬氏)

 横並びという圧迫感のない状況は心情の吐露しやすさにつながる。また、ウオーキングなど「運動しながら」という点からも、子供の悩み対策のワークとして有効な手段だという。

 「シャハーは、運動には自己評価や思考力・免疫力を高めたり、よりよい睡眠を得られたりといった副次的な効果がある、と講義のなかで述べています。子供が精神的にくたびれているように見えたら、外へ連れ出していい空気を吸いながら一緒に歩く。週3日、各20分間のウオーキングが、シャハー氏が本来すすめるワークですが、たまに親子で散歩するのもれっきとしたワーク。五感を生かし、ただ歩く。子供の気分もリフレッシュするのではないでしょうか」(成瀬氏)

■METHOD 7 本気のNOは「ここぞ」という時だけ

 実は成瀬氏も2人の子供を育てた経験がある。

 「私の経験から言えば、いつも子供にNO(叱責)ばかり言っていると、それが子供にとってただ聞き流せばいいBGMになり、親が本当にNOと伝えたいときに、言うことを聞かなくなってしまうケースは少なくありませんよね。だから私は、本当に大切なときにだけ使っていました。」(成瀬氏)

■METHOD 8 結果ではなく努力を褒める

 ただ、それでも子供がすすんで勉強しないなど、勉強に対するモチベーションが上がらないときには、どうしても小言を言いたくなってしまう。

 「私がかつて英語の家庭教師をしていたときに、英語に苦手意識を持っている小学生に対しては児童英検を受けることを目標とすることでモチベーションアップにつなげました。その際、日々、勉強した内容をノートに記録しました」

 何の勉強にどれくらいの時間をかけたかなどの努力の蓄積が、目に見える形で残り、子供にとっての勲章になるそうだ。

 「実は、モチベーションを上げるには結果だけを褒めるのは逆効果です。結果だけでなく、努力も褒めてあげてください。“やればできる子”という表現も避けた方がよいでしょう。いつもそう言われていると、どういう心理が働くか。“やればできる子として褒められているのだから、わざわざ失敗のリスクを負ってまでチャレンジしたくない”と考えてしまうのです。そうすると、プライドが高く、チャレンジを怖がる子に育ってしまいます」(成瀬氏)

■METHOD 9 習慣づけしたいことは親子で一緒に

 親が子供に新しい習慣を身につけさせたいというときは、いかに接していけばいいのだろうか。

 「新しい習慣をつくるには、確固たる価値観に基づいて、決められた行動を、決められた時間に行うことが必要というのがシャハーからハーバードの学生へのメッセージでした。辛抱して21日間継続すれば、習慣として身につくという行動心理学も存在します」(成瀬氏)

朝6時に起きて、漢字・計算プリントを1枚ずつやる。なぜなら、それが合格への一歩となるから。そんな確固たる価値観で、とにかく黙って3週間チャレンジするのだ。三日坊主になる危険性もあるので、軌道に乗るまでは親もサポートするといいそうだ。

 勉強に限らず、「毎朝起きたら、好みの音楽をかけて、体を動かす」「寝る前に、一人の静かな時間を過ごす」「買い物をしたときに、お店の人に『ありがとう』を言う」など、子供にできそうな新たな習慣から、親子で取り入れてもいいかもしれない。

■METHOD 10 レーズンを食べて心を静める

 最後に、成瀬氏に、イライラした状態の子供を平常心に戻したいときや、子供との絆をより強いものにするためのワークを教えてもらおう。それは「レーズンワーク」と呼ばれるものだ。

 干しぶどう1粒を、「これが最後の晩餐(ばんさん)だと思って」よく見て、触って、口に入れる。ゆっくり噛んで、じっくり味わう。ただそれだけのワークだ。簡単なことだが、小さなレーズンのどこにそんなうま味が隠れていたのかと驚くほど、甘くて少し酸っぱい味が口いっぱいに広がる体験は実に新鮮だという。何の変哲もないレーズンだが、五感を使い意識を集中して観察・賞味するだけで、「1粒のレーズンを食べる」というシンプルな行為が、不思議な充足感をもたらしてくれる。

 「これはマインドフルネスというワークのひとつです。このマインドフルネスとは、自分がしていることを十分に理解し、判断や評価なしにいまの瞬間を受け入れる、という状態。『いま、ここ』に焦点を当て、やっていることを体感し、好き嫌いにかかわらず湧き上がる感情を味わうことがマインドフルといえます。シャハーはハーバードの講義で、心と体に健康をもたらすとして、このレーズンワークを学生に紹介しています。親子で実践すると、とてもいい経験になり、さらに強固な親子のパートナーシップを築くことができるようになると思います。イライラしていた子供も、現状を受け入れるということの大切さを学び、心が次第に平静になるのではないでしょうか」

 以上のようなハーバード流ワークを使えば、子育てはもっとシンプルになるのかもしれない。

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成瀬まゆみ
同志社大学英文学科卒。オーストラリア国立モナッシュ大学院修了。外資系企業、大学講師などを経て独立。ポジティブ心理学を学び、翻訳や、セミナー、個人セッションなどを中心に活躍。社団法人ポジティブイノベーションセンター講師。
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http://president.jp/articles/-/9954

林 修先生が教える「東大に入れる方法」“ちびまる子ちゃんの家”が理想でしょ!

2013年09月26日 18時22分48秒 | Weblog
学力は5歳までの親の接し方で決まる
東大に合格できる子とそうでない子の差は何か? 1ついえるのは、「優秀な子の親には共通したものがある」ということ。それは、親の多くが本好きだ、ということです。家庭で楽しそうに本を読んでいる姿を見て育ってきた子は、高い確率で本好きになり、それが東大合格につながるのです。

本を読まない子、あるいは読めない子は、知識や想像力、構成力、読解力などで決定的な差をつけられることになります。子供を東大に入れたいと考えるなら、「孟母三遷(もうぼさんせん)の教え」ではないが、親はそういう環境をつくってやらなければいけない。

極端な言い方に聞こえるかもしれませんが、わが子が東大に入れるかは「5歳までの親の接し方」によるところが大きいということです。

僕個人のことを振り返ってみても、学習能力を高めるうえで1番大きかったのは、3歳から5歳にかけての時期だったといえます。この時期に、文章を読むことがごく自然にできる環境を与えられていたことが大きかったのです。

僕は母方の祖父に猫っかわいがりされて育ち、両親といるより祖父母の家で過ごす時間が多かった。その祖父が最初に僕に買い与えてくれたのが紙芝居の「みにくいアヒルの子」でした。最初は祖父が読んでくれるのを聞いていたのですが、そのうち僕自身が読むようになった。祖父母はなかなかの聞き上手で、子供がたどたどしく話すのをニコニコしながら毎日毎日ずっと聞いてくれた。同じ物語を繰り返しているのだからそのうち暗記し、スラスラ語れるようになる。すると親バカならぬ爺(じじ)バカ・婆(ばば)バカの祖父母は「修はすごい! うちの孫は天才だ」と喜び、褒めてくれる。そして「三匹のこぶた」など次々と紙芝居を買ってくる。それも諳(そら)んじると、祖父母は聞き役だけでなく質問もしてくれる。僕は考え、答える。そうしたらまた「すごいね」と褒められる。この繰り返しで祖父の家では、僕はまるで紙芝居屋さんみたいでしたね。

紙芝居を卒業すると次には「子供百科事典」が登場し、ゾウはこれで、ライオンはこういう生活していると語り合う。これが3歳から5歳にかけてのことです。

この時期にたくさんの物語を言葉に出して抑揚豊かに読むことは、僕の脳にとってすごい刺激だったと思う。おかげで読書が楽しくなり、習性となりました。僕の日本語力の基礎は、この小学校入学前の時期につくられ、脳のスペックが間違いなく大きくなっていたと思います。

同一に扱うのは僭越(せんえつ)ですが、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士も似たようなことをおっしゃっています。

博士は4、5歳ぐらいから祖父に漢籍の素読を習っています。正座させられ厳しく(これは僕と違うところですけどね)。後年、「私はこのころに漢籍を素読したことが決して無駄とは思わない。意味もわからず素読を繰り返すうちに漢字に慣れ、その後の読書を容易にしてくれた」という趣旨のことを語っています。博士の3人の兄弟は全員が京都大学の教授になっていることを思うと、幼少期の読書習慣の大切さがわかります。

僕が小学校に入ってからは、父方の祖父の影響も大きかった。祖父は日本画家・歴史画家で、よく歴史の話をしてくれました。祖父の家にはいろんな歴史の資料があって、僕は祖父の書斎に閉じこもって本を読みあさっていました。僕が小学2年生のときのNHK大河ドラマは高橋英樹さん主演の「国盗り物語」でしたが、学校の図書館から「日本歴史全集」をほぼ借りっぱなしで登場人物のエピソードなどを調べていましたね。両親は「人に迷惑をかけるな」ということ以外、進路や生き方について何も言いませんでした。そして、山ほど本を買ってくれました。おかげで(?)、本の読みすぎでクラスでただ1人メガネをかけていました。

小学3、4年になると「調査熱」は一段と高まりました。例えば戦国大名の大友宗麟(そうりん)が何年に生まれ何をしたと、その経歴を調べてはわら半紙に書き写すのです。本の丸写し。意味のわからない言葉もそのまま丸写しして、それを「歴史新聞」と題して発行していました。わら半紙はたまりにたまって収納していた茶箱が30箱を超えました。

この「歴史新聞」の発行に幸いしたのは、当時、コピー機が身近になかったことです。鉛筆でひたすら書き写すしかないのですから。しかも百科事典によって内容が異なると、全部の事典を書き写す。そのうちに自分なりの大友宗麟像を書き添えるようになる。書き写しているうちに、頭の中で「思考と整理作業」をしていたのです。

勉強って、そういうものではないでしょうか。好きなことをやればいいのです。それが文学でも『ぐりとぐら』でもいいし、僕のように歴史でも、理科好きなら太陽系などの話でもいい。興味を持ったことを一生懸命やればいい、させておけばいいのです。ちなみに僕の場合は授業が終わると「図書館の子」になっていたので、音楽もダメ、スポーツもバツ! ちょっとした肥満で中学1年のときで体重は58キロ、中2で75キロ、中3で87キロでしたから。でも本人はそれを何らコンプレックスと感じていなかった。自分は本が好きなのだからと。

「読み書きソロバン」は近代以前からの日本の教育の原点ですが、今はその「書き」がおろそかになっています。小学生のうちに、書くことをいとわない感覚を持たせる。まず書ける土壌を作るために文章を丸写しする。この、書き写す作業はものすごく尊いことなのだと、今、人を教える立場になってことさら痛感しています。コピペはダメ。時代がどう変わろうが、とにかくこの習慣だけは絶対に絶やしてはいけないと思います。

緊張と弛緩がある豊かな関係が大事
子供が問題を解けないときには、「わからない時間」をどれだけ親子で共有できるかが大切だと思います。書き写しも、最初は親子で一緒にやればいいのです。

算数が苦手な子には、同じドリルを2冊買ってきてお母さんも一緒にやればいい。そのとき注意するのは、量を増やしたりレベルを上げるのではなく、つまずいているところに必ず立ち返って1からやり直すことです。基礎ができていないと絶対に前には進めません。だからわかるレベルまで立ち返ってやり直す。1学年下のレベルでもいいじゃないですか。ここで親の焦りは絶対禁物なのです。

では、どうやれば勉強好きな子供にさせられるか。これは実によく聞かれる質問なのですが、そもそもこの「させる」という考え方がすでに大間違いなのです。心理学者の河合隼雄さんの受け売りですが、教育って、教え育てることではなく、「教え育つ」なんですよ。そして子供は両親だけでは育ちません。おじいちゃん、おばあちゃん、友達、先生、近所の人、サークルの仲間、いろんな人が作る大きなバスケットの中で育つのです。親もそのバスケットの1要素でしかないのです。

僕がいいと思うのは、テレビアニメの「ちびまる子ちゃん」の家庭。まる子ちゃんは、お母さんには厳しく叱られ、お姉ちゃんとは結構厳しいライバル関係だけど、友蔵じいちゃんとはクダラナイことばかり言い合っている。この冗談が言い合える人間関係ってけっこう大切なのです。家庭や生活環境の中に、緊張と弛緩が程よいバランスで存在することになり、それが人格形成にも貢献していくからです。

もしいま、お子さんが小学生や中学生で「土台作りを損ねてしまった」と思うのであればどうすればいいか。焦らず、今できる、正しいことをやればいいのです。1番大事なのは、その子に向いた指導をしてやることです。他の子に当てはまる勉強のやり方でも、それがわが子に適しているかどうかは別です。成長には個人差があり、早めに伸びる子もいれば、後からじわじわ成長してくる子もいます。お母さんは目の前の成績にとらわれないことが重要です。土台を作りなおすくらいの気持ちで、お子さんに正面から向き合うことです。

事を始めるのに遅すぎるということはないのですから。じゃあいつやるか、それこそ「今でしょ!」なのです。

林 修
東進ハイスクール、東進衛星予備校の現代文講師。1965年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業。長銀に入行後、半年で退行、予備校講師となる。現在、東大特進コースなど難関大レベルを中心に授業を担当。全国の優秀な高校生から、現代文のカリスマとして慕われている。

http://president.jp/articles/-/10072

.【メンタルヘルス】 陥りやすい5つの「誤解」/山本晴義(横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長)

2013年09月26日 18時20分50秒 | Weblog
ビジネスマンにとって、ストレスはつきもの。たが無理を重ねた結果、「心の病」の状態まで追い込まれて仕事に支障を来たしたり、休職せざるを得なくなったりする人も増えている。そうした事態に陥らないために必要な取り組みこそ、メンタルヘルス、つまり「心の健康管理」だ。しかし、残念ながら、誤った認識も決して少なくない。そこで、メンタルヘルスの普及に精力的に活動している横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義先生にお話をうかがった。<取材構成:笠原崇寛>



〔誤解〕その1 ――「心の病」になるのは弱い人間だからだ

 いまだに「うつ病になるのは心が弱いからだ」といった考えを持っている人は少なくありません。しかし、それは誤りです。むしろ「心が強い」と思っている人ほど、うつ病になってしまうケースもあります。

 「心の病」にかかってしまう人の多くは、真面目な頑張り屋です。しかし、それが頑張りすぎたり真面目すぎたりすると、過度なストレスとなり、その結果、心と身体が悲鳴を上げてしまうのです。

 生きている以上、ストレスは避けられませんし、心をどんなに鍛えてもストレスを何とも思わない「スーパーマン」にはなれません。何事も「過ぎる」のはよくありません。適度に力を抜いてストレスを軽減・解消しながら、仕事に取り組むことをお勧めします。倒れるまで頑張るのではなく、倒れないように適度に頑張ることが大事です。

 ◇新常識◇頑張りすぎる人のほうが、心のトラブルに陥りやすい



〔誤解〕その2 ――疲れたら「週末」にゆっくり休むといい

 ウイークデーは頑張って働き、週末にゆっくりと休む――。生活のリズムを一週間のサイクルで考えている人がほとんどだと思います。心に元気がない場合も、週末にゆっくりと休めばいいと思っている人は多いのではないでしょうか。

 しかし、「土日はずっと家に籠もって寝ている」といった過ごし方をしてしまうと、生活リズムが狂い、月曜日に仕事に行くのがつらくなってしまいます。私が診ている患者さんも、月曜日、火曜日に調子を崩してしまう人が多いのです。

 大切なのは、その日のストレスはその日に解決することです。趣味の時間を作る、運動する、美味しいものを食べる、早めに寝るなどして、積極的にストレスを解消する時間を持ちましょう。この「ストレス一日決算主義」を心掛けることが、心の健康を保つ秘訣です。これを習慣にすれば、週末も生活のリズムを崩すことなく、より有意義に過ごすことができるようになるはずです。

 ◇新常識◇休日も平日と変わらないリズムで過ごしたほうがいい



〔誤解〕その3 ――身体を休めれば心も元気になる

 体力を使う仕事をしているなら身体を休めるべきですが、現代のビジネスマンの多くが感じる疲れとは、人間関係の悩みや仕事上の問題など、頭や心に関係する疲れが大半です。そんな場合に家でゆっくり休んでしまうと、いろいろと考え込んでしまい、かえって悩みが深刻化してしまうこともあり得ます。

 「頭の疲れ」やストレスを癒すには、実は身体を動かすことが有効です。体操でもジョギングでもスポーツでもいいですから、運動する習慣を持ちましょう。

 「忙しくて、運動をしている暇がない」と言う人もいるかもしれませんが、アメリカのジョージ・ブッシュ元大統領は、大統領の任期中、1日たりともジョギングを欠かさなかったそうです。空いた時間に運動するのではなく、意識して時間を作るといいでしょう。

 ◇新常識◇「心の疲れ」は、身体を動かすことで解消できる



〔誤解〕その4 ――部下の悩みを聞くには「飲みニケーション」がいい

 部下が、何か悩みを抱えているのか、精神的につらそうだ。ここは1つ、飲みにでも誘ってやるか……。そう考える上司の方も多いと思いますが、ちょっと待ってください。部下の状態が深刻な場合は、逆効果になる場合があります。

 「心の病」を抱えた人のつらさは、たとえるなら、38、9度の宿熟を出しているようなもの。会社に来て仕事をするだけでも精一杯なのに、そのあとも拘束されるのは、相当高い負荷になります。ですから、メンタルに問題を抱えた部下の話を聞くなら、勤務時間内を原則とすべきです。

 たしかに、お酒の力を借りれば、部下は悩みを打ち明けてくれるかもしれません。しかし、酒の勢いで話したことは、あとで「言わなければよかった」と後悔しやすいもの。また、酒の席の雰囲気で「言わされた」と感じてしまう人もいるでしょう。

 それに、上司もお酒が入っていますから、部下の悩みを聞くはずが、「俺も苦労しているんだよ」「だからお前は駄目なんだ」と、余計な愚痴や説教をしてしまわないともかぎりません。こうした理由から、私はメンタルの悩みを聞く方法としては「飲みニケーシヨン」をお勧めしないのです。

 親睦を深めるためなら大いに結構ですが、心に問題を抱えていそうな部下の話を聞く場合は、ぜひ心に留めておいてください。

 ◇新常識◇メンタルに関する相談は業務時間内で行なおう



〔誤解〕その5 ――メンタルに問題を抱えた人に「頑張れ」は禁句

 「精神的につらそうな人に『頑張って』と言ってはいけません」という話を聞いたことがあると思います。しかし、必ずしもそうではありません。

 先ほどお話ししたように、問題なのは「頑張る」ことではなく、「頑張りすぎる」こと。ですから私は、患者さんに「頑張りすぎないよう、頑張って」と声をかけることもあります。それに、人によっては「頑張らなくていい」と言われると、自分の存在を否定されたような感じを受けるようです。

 もちろん、ハードルの高いチャレンジをさせるのはやめておいたほうがいいですが、「無理をしないように、頑張って」と声をかけるのは、決して悪いことではないと思います。

 ◇新常識◇「適度に、適当に頑張ろう」とアドバイスをしてもいい

(『THE21』2013年7月号より)


■山本晴義(やまもと・はるよし)
横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンターセンター長、医学博士
1948年、東京都生まれ。1972年、東北大学医学部卒築後、各地の病院勤務を経て、1991年に横浜労災病院心療内科部長、2001年に横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長に就任。医学博士、認定産業医、公認スポーツドクター、産業カウンセラー。診療とともに、年間7,000件近くのメール相談や全国各地での講演など、メンタルヘルスの正しい理解の普及に尽力している。『ストレス一日決算主義』(NHK出版)など、著書多数。
.山本晴義(横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンターセンター長)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130806-00010000-php_t-bus_all

うつ病を予防する3つの方法

2013年09月26日 18時19分38秒 | Weblog
 うつ病は、憂うつな気分が長く続き、体に異様なだるさを感じる、とてもつらい病気です。以前と比べて効果的な治療方法は増えてきましたが、つらい状態を招かないためには、予防するに越したことはありません。

 うつ病を予防する方法としては、次の3つの方法が考えられます。

 1.思考を変える
 2.食生活を整える
 3.太陽光を浴びる

 これらの方法は、認知療法、薬物療法、高照度光療法などの、うつ病の治療法を予防用に普遍化したものです。



1.考え方のパターンを変える
 うつ病の予防のためには、思考パターンの見直しが大切です。本書の「不適応思考のパターンを知る」に示したような12の典型的な不適応思考は、うつ状態を招きます。

 たとえば二分割思考の人は、「100点でなければ零点」という考え方をして、中間的なものを認めようとしません。「80点なら合格点」という考え方ができず、どんなことに対しても完璧を求め、徹底的に高いクオリティのものを追求します。

 それがプラスに働いているうちはいいのですが、行きすぎると、「まだ不十分」「もっといいものができる」と徹底的に仕事を続け、心身に大きな負担となってしまうことがあります。時には徹夜して仕事をするということにもなりがちです。

 20代の体力のあるときには、そうした仕事スタイルで乗り越えることもできますが、40代、50代になってくると体がもたなくなってきます。40代を超えたら、体力の限界もよくわきまえたうえで仕事をしていくことが必要になります。

 残業を重ねて睡眠不足になってしまうと、うつ病のリスクが高まります。また、睡眠不足の状態では、判断力にも影響を与えます。40代、50代のリーダー職、管理職クラスの人は、実務だけではなく判断も求められます。判断力の低下につながりかねませんので、過労、睡眠不足には気をつけなければいけません。

 その過労や睡眠不足を生み出す要因となっているのが 「不適応思考」にあるとしたら、思考方法そのものを変えていくことが必要です。

 多くの場合、20代~30代で身についた仕事スタイルや思考法を変えるのは容易ではありません。40代を超えると固定的な考え方が抜けなくなる場合もあります。少し考え方をリラックスさせて、「こうでなければいけない」「100点でないといけない」という凝り固まった考え方を変えていきましょう。それがうつ病に対する予防となりますし、かりにうつ病になった場合でも、軽症ですませることができます。

 思考パターンが不適応思考のパターンになっていないかどうかをチェックして、少しずつ変化させていくとよいでしょう。

不適応思考チェック
 □問題解決のための十分な知識を持っているか?
 □思考が一面的になっていないか?
 □人の意見に左右されすぎていないか?
 □思考が感情に左右されていないか?
 □自分の立場に不利な思考を遮断していないか?
 □過去の経験によって培われた認知パターンに縛られていないか?
 □権威の言うことに影響されすぎていないか?
 □自分の思考スキーマにとらわれて、思考が固定化していないか?
 □考えずに、知識で解決しようとしていないか?



2.バランス良く食べる
 うつ病のメカニズムとして、今のところ有力な説は、脳内のセロトニン不足が発端になっているというものです。

 うつ病を予防するには、セロトニンのベースラインを高めておくことも役に立つはずです。セロトニンは、トリプトファンという物質からつくられます。トリプトファンを含んだ食品を食べることは、うつ病の予防につながるはずです。トリプトファンは、肉類をはじめとして、納豆、たらこ、チーズ、牛乳などに多く含まれています。

 納豆やたらこを一度にたくさん食べるのは現実的ではありませんが、肉100グラムなら、すぐに食べられるはずです。牛丼並盛りは牛肉が85グラム程度だそうです。大人の場合は、100グラムでは少し物足りないかもしれません。

 食事で摂取した成分がすべて体内に取り込まれるわけではありませんが、摂取しておかなければ、セロトニンをつくる十分な材料を得られません。定期的に肉を食べて、トリプトファンをとっておけば、セロトニンをつくるための準備はある程度できていると思っていいでしょう。

 トリプトファンは、睡眠と関係の深いメラトニンという神経伝達物質の原料でもあります。トリプトファンをとることは、快適な眠りにもつながります。

 中高年以降になると、コレステロールを減らそうとして肉類を控える人もいますが、コレステロールは脳にセロトニンを運ぶ働きがあるのではないかと考えられています。実際、「コレステロール値の低い人のほうが、うつ病になりやすい」という研究データも出ています。とくに高齢者の場合、コレステロール不足は、かえって健康リスクを高める要因となります。

 世の中の高齢者の人たちを見ていただくとわかると思いますが、痩せている高齢者より少し太めの高齢者のほうが、元気で活動的です。肉を食べ、コレステロールをきちんと摂取しておくことが健康には必要なのです。

 コレステロールが悪者扱いされるのは、欧米の医療知識が導入されたことによるものです。欧米では肉をたくさん食べる習慣がありますから、コレステロールが高くなりがちで、肉類を減らすことが心臓病のリスクを減らすことにつながると考えられています。

 一方、日本では肉をたくさん食べる高齢者は多くないため、欧米の人ほどコレステロール値は高くはありません。日本は、心臓疾患で亡くなる人よりも、ガンで亡くなる人のほうが多い国です。欧米の食習慣と日本の食習慣は大きく違いますので、欧米の健康常識を鵜呑みにしないほうがいいのです。

 ただし、肉だけ食べていればいいということではありません。肉も含めて、バランス良く食事をとることです。魚にもトリプトファンは含まれていますから、魚を食べることも大切です。

 肉と魚をバランスよくとるのが、うつ病の予防にも体の健康にも一番良いでしょう。


3.外出して太陽光に当たる
 うつ病の中には、冬季に起こるタイプの冬季うつ病というものがあります。日照時間が減少することが影響していると考えられています。

 冬季に起こる季節性うつ病の治療には、照明装置で強い光を浴びる「高照度光療法」が用いられることがあります。光を浴びることで、体の状態を整えていこうとするものです。睡眠障害の人にも光療法は用いられます。

 欧米でうつ病が多い理由の1つに、部屋が薄暗いことが関係しているのではないかと私は考えています。日本では南向きの家が好まれますが、欧米では南向きの家はどちらかというと敬遠される傾向があります。また、室内は間接照明が多く、薄暗い状態が好まれます。

 光が少なく薄暗いところでずっと過ごしていれば、気分が沈んでしまう人もいるはずです。

 光を浴びる一番簡単な方法は、外出すること。昼間に外に出れば、自然に太陽光を浴びることができます。外に出て散歩をすれば、多少の運動にもつながりますし、気分も爽快になり、うつ病の予防にもつながります。

 うつ病の治療法の1つとして、運動療法というものもあります。確立された治療法ではありませんが、日本うつ病学会治療ガイドラインの中にも載っている治療法であり、今後、研究が進めば運動療法の効果が明確になってくるかもしれません。

 うつ病の治療にどの程度効果があるかどうかはともかく、適度な運動が体の健康に良いことは明らかですから、ときどき外出してウォーキングなどをするといいでしょう。

 室内で仕事をしなければならない人や、家の中にいなければいけない人は、カーテンやブラインドを開けて部屋の中に太陽光をたくさん取り込んでください。



うつ病になってしまったら……
 ただし、どんなに一生懸命に予防をしていても、何らかの要因が重なって、うつ病になってしまうことは少なくありません。むしろ完全な予防ができない生物学的な病気と考えるべきです。

 そういうときには、できるだけ早い段階で、軽いうちに治療することが大切です。

 うつ病は、自力で治そうとしてもうまくはいきません。よほどの心因的なケースを除くと、自然治癒はなく、時間が解決してくれることもまずありません。

 うつ病をそのままにしておくと、不眠や食欲不振に陥り、うつ病を悪化させる「負のスパイラル」に入ってしまうことがあります。うつ病を悪化させる前に、早めに医療機関を受診してください。

 おすすめしたいのは精神科や心療内科ですが、抵抗があるという人は、かかりつけの医者や近所の内科に行って相談してみてください。精神科領域に関しても、医者として一定の知識は持っていると思いますから、参考になる情報を得られるはずです。内科の先生から精神科の専門医を紹介してもらえる場合もあります。

 会社員の人は、まず会社の健康相談室に相談してみるといいでしょう。うつ病になるサラリーマンが多いため、産業医や産業保健師はメンタルヘルスについてかなりの勉強をしています。産業医から精神科を紹介してもらえば、産業医と専門医の連携も期待できますので、働く人にとっては好都合です。

 いずれにしても、悪化させてしまう前に、早めに医療機関に相談することが大切です。

 「うつ病は軽症のうちに治す」というのが、最もリスクが少なく、回復の見込める方法なのです。



和田秀樹
(わだ・ひでき)

精神科医

1960年、大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学附属病院精神神経科助手、米国カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長。日本人として初めて、アメリカで最も人気のある精神分析学派である自己心理学の国際年鑑に論文を掲載するほか、第1回監督作品である『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭でグランプリを受賞するなど海外での評価も高い。
著書に、『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』(大和書房)、『東大の大罪』(朝日新書)、『テレビの大罪』(新潮新書)、『悩み方の作法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『老人性うつ』『「思考の老化」をどう防ぐか』(以上、PHP新書)、『心理学を知らずに仕事と人生を語るな!』(PHP研究所)など多数。
◆和田秀樹公式プログ http://ameblo.jp/wadahideki


http://shuchi.php.co.jp/article/1518?p=1


【ストレス軽減】 よく噛む習慣で脳が若返る!

2013年09月26日 18時18分46秒 | Weblog
《 PHPサイエンス・ワールド新書  『噛めば脳が若返る』(2011年7月刊)より》

噛むとなぜ健康になるのか?
 このところ、健康に対する意識はますます高まる一方です。高齢化社会の到来がそれに拍車をかけているのはいうまでもないでしょう。さまざまな「健康法」が次から次に登場しているのは、そのことを物語っています。

 みなさんのなかにも、いくつもの健康法にトライしたという人が、きっとかなりの数いるはずです。さて、その結果はどうだったでしょう。

 「最初は熱心に取り組んだものの、やっぱりつづけるのが大変。結局、あえなく途中で挫折することになってしまった」

 おそらくそんな人がほとんどではないでしょうか。ウオーキングに代表されるからだを動かす健康法にしても、食事を中心とする健康法にしても、まさしく「継続こそカ」なのに、つづけるのが難しい、というのが実情なのです。

 その最大の理由が「わざわざ、時間をつくって」、あるいは「特定の場所や施設に行って」やらなければいけない、食事に関していえば、「制限や制約が多い」というところにあるのは、いうまでもないでしょう。

 その点を踏まえれば、日常生活のなかで「自然に」できる健康法が、継続という面からも、もっとも有効とはいえないでしょうか。 「でも、そんな健康法があるの?」

 あります! 食事の際に親から「よく噛んで食べなきやだめよ。しっかり噛みなさいね」といわれた経験は、だれにでも何度となくあると思います。もちろん、理由のないことではありません。子供を健康にすくすく育てたい、というのは親にとってもっとも切実な願いです。その願いが籠められているのがこの言葉なのです。

 江戸時代に書かれた健康指南書ともいえる『養生訓』の著者であり、儒学者で医者でもあった貝原益軒は『日本歳時記』という書物のなかで、こう書いています。

 「人は歯をもって命とする故に、歯といふ文字をよわい(齢)ともよむ也」

 その意味は「齢(よわい)」という字に「歯」が使われていることでわかるように、人にとって健康に生きていくためには、歯で食べものをよく噛むことが何より重要である、ということ。江戸時代の健康法の"大家"のこの指摘は傾聴に値します。

 ともすれば、噛むことに無自覚になっているわたしたち現代人は、あらためて噛むことの健康効果を見直してみる必要がありそうです。

 よく噛むことで唾液がたくさん分泌され、なかに含まれる消化酵素が十分はたらいて、体内での消化吸収がよくなる。その結果、胃や腸の負担も軽くなり、栄養分も効率よく吸収されて、健康に大きく与ることになる。この流れはだれにでもわかると思います。

 しかし、よく噛むことによる健康効果はそれだけにとどまりません。さまざまな分野の研究で、そのことがどんどん明らかになってきています。

 食べものを噛むときにはいろいろな筋肉が使われます。咬筋、側頭筋と呼ばれる筋肉がその主役ですが、ほかにも顔の表情筋、首や肩の筋肉などが使われています。それらの筋肉をコントロールしているのは、いうまでもなく脳です。つまり、噛んで筋肉を動かすことは、そのまま脳の神経を刺激すること、別の言い方をすれば、脳に情報を送ること、になるのです。それが脳の活性化につながることは、説明するまでもないでしょう。  また、わたしたちは食べものを味わって食べます。その際、味覚で感じることはもちろん、歯ごたえや喉ごしといった触覚も刺激されます。さらに、香りを楽しんだり、季節感や盛りつけの美しさに感動したりする。このように、噛んで味わうという行為には五感が総動員される、といってもいいでしょう。もちろん、よく噛めば噛むほど、五感から脳の神経細胞に送られる情報の量も増えることになります。

 いま、噛むことでもっとも注目されているのが、こうした脳に対するはたらきかけです。わたしたちは、実験によってそれを科学的に証明することを試みました。結果はどうだったか? 結論をいえば、噛むことと脳との関係はきわめて深く、噛むことで脳の活性化がはかれる、ということがわかったのです。

 噛むことはからだを健康にすると同時に脳を元気にします。日常生活に密着したもっとも自然な健康法、それが「噛む」ことなのです。

ストレス軽減に役立つ"よく噛む習慣"
 シアトル・マリナーズのイチロー選手をはじめ、多くの日本人選手が活躍しているとあって、いまでは米メジャーリーグの野球中継が毎日のように放映されています。見ている人も少なくないと思いますが、何か気づいたことはありませんか?

 バッターボックスに立つ選手、あるいは、守備についている選手たちが、ガムを噛んでいる、というのがそれ。あれは何もメジャーリーガーは"お行儀"が悪いということではないのです。ゲームに真剣に取り組んでいればいるほど、選手は緊張感にさらされます。その緊張感はストレスを生まずにはいません。

 しかし、ストレスがかかっていては存分に持っているカを発揮することができない。ガムを噛んでいるのはストレスを緩和、解消するためなのです。メジャーリーガーばかりではありません。陸上の短距離選手やサッカー選手など、さまざまな分野のアスリートたちにも、同じ姿が見られます。

 なぜ、ガムを噛むとストレスが緩和され、また、解消されるのでしょう。関係しているのは「セロトニン」という神経伝達物質です。このところ注目度抜群ですから、みなさんもこの名前を聞いたことがあるかもしれませんが、脳内にセロトニンが増えると、緊張感がほぐれ、ストレスが緩和、解消されるのです。

 セロトニンを増やす効果があるのがリズミカルな運動。ガムを噛むことはまさにそれにあたります。リズミカルに「クチュクチュ」とやることで、アスリートたちはストレスを取り除き、プレーに全力を注いでいるというわけですね。

 彼らほど集中的に大きなストレスがかかるということはないにしても、わたしたちも日々、ストレスを抱えながら生きています。仕事や人間関係など、周囲にはストレスのタネがいっぱいなのではありませんか?

 とすれば、わたしたちもストレスへの対抗策をもつ必要がある、ということになります。ここはアスリート流を取り入れるのも一法。「ストレスがたまってきたな」と感じたら、ガムを噛むようにするのもいいのではないでしょうか。

 さらに効果的なのは「よく噛む」習慣をつけることです。たとえば、いつでもランチをゆっくりよく噛んで食べる。それで午前中の仕事でかかっていたストレスは大幅に軽減されることになるはずです。

 噛むことによるストレス軽減効果についても、わたしたちは実験で確かめています。



小野塚 實
(おのづか・みのる)

神奈川県歯科大学教授、「咀嚼と脳の研究所」所長

1946年生まれ。東邦大学卒業。米国ワシントン大学へ留学、岐阜大学医学部助教授などを経て、現職。医学博士、理学博士。
噛むことが心身の健康にいかに重要な役割を果たしているかを、脳とのかかわりで解明を試みる。よく噛むことが、生活習慣病の改善、ストレスの緩和、認知症の予防に役立つと説く。
2000年日本組織科学会論文賞、2004年William J.Gies Awardを受賞。NHK文化センター健康講座講師、NHK日曜フォーラム、NHKラジオ深夜便などに出演。著書に『噛むチカラで脳を守る』『噛むチカラで肥満を防ぐ』『噛むチカラでストレスに勝つ』(以上、健康とよい友だち社)などがある。


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成功者に聞いてわかった! 仕事がうまくいく人の「小さなコツ」

2013年09月26日 18時17分43秒 | Weblog
《『仕事がうまくいく人の小さなコツ』より》



効率だけを求めると仕事がまるでできない人になる
 効率よくテキパキ仕事をする人を見て、自分もそうなりたいと思っていました。

 ところが実際、仕事で結果を出している人とお会いするようになり、自分の考え方が浅はかだったことに気づかされました。

 ある美容室のオーナーさんと食事をしたときのことです。その方の美容室はいつも予約でいっぱいで、スタッフのみんなも素晴らしい仕事をします。そのオーナーさんから、仕事で一番大切なことを教えていただきました。

 僕たちが、イタリアンレストランで食事をしていたときのことです。ホールを担当するスタッフの方が、周りを見て素早く動き回っていました。声も出して明るく振る舞い、いかにも仕事ができそうな雰囲気を醸し出していました。

 ところが、素早く効率よく動くのはいいのですが、お皿が空いたと思ったらすぐにお皿を下げに来ます。他のテーブルでも、お客さんの会話のタイミングもあまり気にしない様子で素早く注文を取り、どんどんお皿を下げていきます。僕たちは次第に落ち着かない気持ちになりました。

 そんなとき、一緒にいたオーナーさんが「あれは仕事じゃないよね。仕事は相手を満足させるためにある。効率は大切だけど、効率よくやることが一番大切なことではない。あの人は仕事ができるという意味を履き違えているね。綺麗なお店なのにもったいない」とおっしゃいました。

 仕事で一番大切にしなければいけないことは、人を満足させ、喜ばすことです。僕は仕事が早かったり、プレゼンがうまかったり、テキパキ仕事をこなせたりすることが、仕事ができる第一条件と勘違いしていました。

 効率も大切ですが、それは二次的なものです。本当の意味で仕事ができる人とは、目の前の人、お客さんをどれだけ喜ばせたかで決まるのだと思います。

やってみよう! 仕事ができる人になる「小さなコツ」

・自分が仕事をする上で大切にしていること(信条)を書き出してみよう
・毎日その言葉を見てから、仕事を始めてみよう


豊かになる人が普段していること
 「社会でうまくいく人といかない人の違いは何か?」と友人たちとごはんを食べながら、そんな話をしていました。ある友人は、その違いを学生のころ、3年間していたガソリンスタンドのアルバイト中に気づいたそうです。

 友人が気づいたのは、高級車に乗っている裕福そうな人たちの共通点でした。

 「その人たちの多くは、ガソリンスタンドで働くアルバイトの私に、『お疲れ様、寒い中ありがとね』など、感謝の気持ちを伝え、ねぎらってくれる人が多かった。そして、その人の車の窓を一生懸命喜んで拭いている自分がいた。

 一方、その人たちとは対照的な人たちがいた。お金を払っているんだからしてもらって当然、という態度の人だ。心のこもったお礼を言う人は少なかった。ひどい人になると、窓からいきなりゴミを突きつけたり、アルバイトだからと横柄な応対をしたりした」

 そこで友人は気づいたそうです。それは、「ガソリンスタンドに来るお客さんは、行きたいと思って来店はしていない。ここはごはんを食べに行くような場所ではなく、ガソリンがなくなり、仕方なくやってくる場所。そんな場所だと人の本性が出やすく、その人の素が出る。豊かな人は普段から人を大切にしているが、そうでない人の多くは、自分にメリットがありそうなときだけ人を大切にする」ということでした。

 一回一回の行為は小さなこと、しかしその筋み重ねは次第に大きな違いとなり、豊かになる人とそうでない人を分けているということに気づいたそうです。

 普段から人を思う気持ちがある人が、周りの人から応援され、豊かになっていく。

 やりたくないことをやったり、行きたくないところへ行く、嫌いな人がいるなど、自分が望んでいない状態や、誰も見ていない状況でも人を大切に、目の前のことを丁寧にできる人が豊かになっていくのだと思います。

やってみよう! 豊かな人になる「小さなコツ」

・買い物や食事に行ったとき、店員さんを喜ばせてみよう
・やりたくないことほど、心を込めて丁寧にやってみよう
・嫌いな人にほど、大切な人のように接してみよう


本物になる人は自分への問いかけを忘れない
  同じ仕事をしていでも、一流と呼ばれて輝いている人とそうでない人がいますの この違いはなんだろうと、ずっと疑問に思っていました。

 あるとき、不器用だったにもかかわらず、素晴らしい美容室を経営するようになった友人と食事に行ったとき、友人の言葉の中に本物になる人のヒントを見つけました。

 「普段、どんなことに気をつけて仕事をしているの?」

 「そうね、いつも“私は本気を出しているのか?”って自分に問いかけてるよ。誰かに言われる言葉は表面的。自分で自分に問いかけると、自分の本音が出てくる。目の前のお客さんのことを真剣に考えて仕事をしているか? 仕事をしながら瞬間瞬間、何度もそう自分に問いかけながら、今まで仕事をしてきたよ」 と話してくれました。

 さらに僕は、「なぜそんなにも自分に厳しくするの?」 と聞きました。

 「目の前のことに手を抜けば、後でその苦しさが別の形で返ってくる。目の前のことを120%でも80%でもなく、ただ100%やるだけ。100%が一番楽しいから。それから、一日の反省を毎日必ずしているわ。ああなったらいいなとか、自分本意な反省ではなくて、目の前のお客さんのことを本気で考えたかに集中して反省するの。目の前の人のことをどれだけ真剣に考えられたか? それを突き詰めることが大切だと思ってる」と話してくれました。

 目の前にいる人のことを真剣に考え続けて、結果が出ないわけがない。同時に普段、軽口やオーバーなことを口にしない友人なので、余計に彼女の本気度が伝わってきました。

 この瞬間この瞬間、目の前のことを一生懸命やらなければ、学んだことは意味を成さない。何より大切なことは、目の前のことに意識を集中し、真剣になることなのだと思います。

やってみよう! さらに上を行く人になる「小さなコツ」

<ステップ1> 一日の終わりに、「自分は目の前の人に本気だったか」と、自分に問いかけてみよう
<ステップ2> 会社で12時、15時、18時に自分は本気だったか、振り返ってみよう

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<書籍紹介>
10年間、1000人の成功者に聞いてわかった
仕事がうまくいく人の小さなコツ

野澤卓央 著
本体価格 1,200円


「仕事がうまくいくか、いかないか」に才能は関係ない。できている人の「小さなコツ」を実践するだけで、すべてはうまくいくのです!


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<著者紹介>
野澤卓央

(のざわ・たくお)

〔株〕ラボ代表取締役、小さなコツ専門家

1977年、愛知県生まれ。名古屋学院大学商学部卒業。小さなコツの専門家。株式会社ラボ代表取締役。大学在学中は「自分探しの旅」と称し海外放浪を続ける。帰国後、青果市場での仕事などを経て美容室運営の会社に勤務し、企業内起業で美容商材を扱う事業部を立ち上げる。車で寝泊まりしながらの全国営業行脚が実を結び、部署は年商1億円にまで成長。2006年に独立し、株式会社ラボを設立する。同じころ、ベストセラー作家のひすいこたろう氏に出会う。氏の一言がきっかけで、社会に出たころからノートに書きためていた自らの失敗体験と尊敬する人々からの教えをメールマガジンとして配信しはじめる。のちに事業に失敗し、多額の借金を背負い、自殺を考えた時期もあったが、現在まで配信を2000日以上、一日も休まず続けている。貴重な実体験とやさしい文体が口コミで評判を呼び、「前向きになれる」「生きるためのヒントをくれる」など多数の声が届く。現在、株式会社ラボは全国15万件の美容室と取引するまでに成長。著者自身も大学での講義、多数の企業や学校で精力的な研修や講演活動を行う。2011年には人生を迷わず生きる方法を伝える「コツ塾」を開講。10代の学生から70代の経営者まで全国から受講生が集まっている。

著書に、『一生を変えるほんの小さなコツ』『人間関係の「困った」をすーっと消してくれるほんの小さなコツ』(以上、かんき出版)、『あなたを変えるたった1つの「小さなコツ」』(祥伝社)、『目立たなくても本当に必要とされる人になる小さなコツ』(大和出版)がある。


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「脳の疲れ」がスーッととれる!“癒しホルモン”オキシトシンの増やし方

2013年09月26日 18時14分00秒 | Weblog
Share on Tumblr 有田秀穂(東邦大学医学部教授)

《PHP文庫『「脳の疲れ」がとれる生活術』より》

心と体の疲れがスーッと消える10の習慣
 現代人は疲れやすくなっているのかもしれません。周囲には、さまざまな便利なものがあふれ、生活はどんどん暮らしやすくなっているはずなのに、何かイライラしたり、欲求不満が多く、いつもストレスを抱え、疲れがとれない状態なのではないでしょうか。

 それは肉体的に疲れているというよりも、むしろ心の疲れ、すなわち「脳の疲れ」といえるものをつねに抱えているからなのです。

 日本人の幸福度は、いろいろな調査(ちなみに、イギリスのレスター大学、178カ国の調査[世界幸福地図 国別幸福度ランキング2006]では90位〈第1位はデンマーク〉、ミシガン大学社会調査研究所による2008年発表の世界97カ国の調査では43位〈第1位はデンマーク〉、2009年度「地球幸福度指数ランキング」では143カ国中75位〈第1位はコスタリカ〉)でかなり低いようです。

 いま、経済的な問題や政治的な問題など、いろいろな問題を抱えているとはいえ、日本はまだまだ豊かな社会でしょう。そうであっても、日本人自身があまり幸福だとは思っていないようです。

 しかし、昨年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災とそれに続く福島原発事故以来、少し変わってきたのではないかと思っています。不幸な出来事でしたが、それをきっかけにして、日本中からボランティアなど支援の輪が広がり、また家族の絆、人と人の絆の大切さが見直されてきたからです。

 危機の中で、家族を含めた人間関係こそが、私たちの心を癒してくれることに、多くの人が気づきはじめたのではないでしょうか。

 実は、人と人の結びつき、信頼こそが、脳の疲れを癒してくれるということが、脳科学の立場からも検証されはじめたのです。

 私は以前から脳のセロトニン神経の活性化によって、ストレスを受け流すことができるようになり、安定した心になるということを書いてきました。さらに最近注目されているのは、オキシトシンというホルモンです。オキシトシンが十分に分泌されていると、脳の疲れを癒し、気分を安定させ、人に対する信頼感が増し、心地よい幸福感をもたらしてくれるのです。

 オキシトシンとセロトニンは関係していて、オキシトシンが分泌されるとセロトニン神経に影響を与え、セロトニン神経も活性化されます。オキシトシンとセロトニンが十分に分泌される生活は、心の疲れを癒し、心に充足を与えてくれるのです。

 なぜそれがよいのかということについては、拙著『「脳の疲れ」がとれる生活術』の中で、詳しく説明していますが、ここでは脳内にセロトニンとオキシトシンを十分に分泌する、誰でも簡単にできる方法をあげておきましょう。

1、夜は12時までに眠る。
2、夕食後はパソコンを操作しない。
3、夜は携帯電話で長話をしない。ベッドの近くに携帯電話を置かない。

 1~3については、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌をよくして、よい睡眠をとる条件です。

4、朝日を浴びる(朝型生活に)。
5、朝と夕方に30分程度歩く(あるいはジョギング、サイクリング、スイミングなどのリズム運動を30分程度)。
6、呼吸法をする(これもリズム運動の一種です)。
 一日の中で何回か5分程度、腹式呼吸をする(ヨガ、気功、坐禅などは呼吸法になります)。

 4~6はセロトニン神経を活性化します。

7、家族団らん。
8、夫婦、恋人とのふれあい。
9、感情を素直にあらわす。
10、親切を心がける。

 7~10はオキシトシン分泌を促し、セロトニン神経も活性化させます。

 この7~10の行動から人間関係がうまくいき、気分よく生活することでオキシトシンが分泌されることがわかると思います。オキシトシンが十分に分泌されると、脳の疲れがとれるだけでなく、体をも健康にするのです。

「幸福ホルモン」として注目されはじめたオキシトシン
 では、近年「幸福ホルモン」として注目されている「オキシトシン」について、少しお話ししていきましょう。オキシトシンは哺乳類だけが持っているホルモンで、心が癒される、幸せな気分になるという効果があります。

 オキシトシンは40年以上前から、女性が分泌するホルモンで、2つの役割があるということは、わかっていました。

 第一は出産するときに子宮を収縮させて、出産を促すことです。よく陣痛を促進させるために点滴に使われているのがオキシトシンです。

 もう1つは、出産したあとに、母乳を分泌させます。つまり、母乳を出すように促すのです。赤ちゃんがお母さんの乳首を吸うと、それが誘因になり、母親の脳からオキシトシンが分泌され、母乳の合成と分泌を促進させるのです。

 母親が出産し、赤ん坊を育てることに直結したホルモンとして、オキシトシンは昔からよく知られていました。

 しかし、このオキシトシンの研究がこの10年くらいで進んで、オキシトシンは母親だけが出すものではなく、母親になっていない女性も、また男性も、年齢も関係なく、分泌されることがわかってきました。

 とくに最近になってオキシトシンが母乳を出すように促すだけでなく、母性愛と関係することがわかってきました。さらに信頼や男女の愛情と関係して分泌されるということもわかってきたのです。母性愛という心の状態だけでなく、信頼という心の状態、男女の愛情という心の状態をつくり出すということで、急激にこのオキシトシンというホルモンの役割が注目されはじめたのです。

 近年注目されている、オキシトシンの効果をまとめると、次のようなものです。

1、人への親近感、信頼感が増す。
2、ストレスが消えて幸福感を得られる。
3、血圧の上昇を抑える。
4、心臓の機能をよくする。
5、長寿になる。

 オキシトシンが分泌されると、脳内では「脳内物質」として働いて心を変え、さらに血液中のホルモンとなって体にも効くのです。


オキシトシンとセロトニンの深いかかわり
 オキシトシン受容体は、前頭前野と扁桃体にありますが、まさにそれは心に関係した脳の場所にあるわけです。ですから、心の状態に影響を及ぼす脳内物質ともいえます。

 セロトニン神経の神経細胞にオキシトシンの受容体があります。ですから、オキシトシンがたくさん分泌されてオキシトシン受容体に届くと、同時にセロトニン神経が活性化されることになるのです。

 よって、オキシトシン分泌を盛んにするような行動を行なうと、セロトニン神経の活性も起こるわけです。つまり、オキシトシンの分泌 → セロトニン神経の活性化 → セロトニンの分泌というような流れになります。

 セロトニン神経が活性化されると、脳の状態を安定させ、心の平安、平常心をつくりだします。また、自律神経に働きかけて、痛みをやわらげる効果もあります。そのように、脳全体の状態を変えてくれます。

 何度もお話ししているように、セロトニン神経を活性化するには、リズム運動と太陽の光、そしてグルーミングの3つが大切です。

 この第三の方法であるグルーミングは、セロトニン神経を活性化するとともに、オキシトシン分泌にかかわっています。グルーミングによって、セロトニン神経が活性化するのは、まずオキシトシンが分泌されることによると考えられます。

オキシトシンを分泌させるつき合いとは?
 母子の愛情や男女間の愛情の交流だけでなく、仲間と飲んだり食べたりしながら話すこともグルーミングになります。とくに、高級レストランなどよりも、狭くてカウンターで肩を寄せ合うように飲み食いするような赤提灯や居酒屋のほうが、グルーミング効果があるのです。

 こうしたグルーミング行為で、最初にオキシトシンが分泌されますが、それによって信頼感や幸福感が高まるのです。そしてセロトニン神経も活性化されるので、気分が安定することにもなるわけです。

 日本人は昔から脳科学の知識などなくても、そうした狭い空間で癒しを求めてきたということもできます。

 また、日本には伝統的に「茶の湯」があります。四畳半という触れ合わんばかりの狭い空間に3~4人も入って、ただお茶を飲むだけですが、グルーミングになっていて癒し効果があるだけでなく、人と人との信頼を生み、絆を育む効果があるのでしょう。

 「茶の湯」の文化は、千利休が直感的にたどり着いたのでしょうが、結果的に、オキシトシン効果を生みだすものだったのです。

オキシトシンが分泌されない社会環境
 ところが、現代生活では、オキシトシンの分泌が少なくなる環境になっています。それはパソコンが普及して、ネット社会が進展してきたことと軌を一にしています。パソコン社会になる前は、仕事を進めていく上でも、人と直接会ってコミュニケーションをとらなければならないことが多かったものです。よかれ悪しかれ、人間関係が伴っていました。

 ところが、いまでは直接会話するよりも、パソコンや携帯を通してということが多くなっています。メールだけでやりとりして、一度も相手と会わずに仕事ができるようになっています。

 あなたの職場を振り返っていただいても、ほとんど一日中パソコン相手に仕事をしていて、隣の同僚とも直接話すよりも、パソコンのメールでやりとりをしたりすることが多くなっているのではないでしょうか。そんな状況が日常化しています。

 仕事だけでなく、恋愛もお互い会わずにネットでできるわけです。つまり、フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションが失われつつあるのです。

 ことにメールだけを介してのコミュニケーションでは、言葉だけ、論理だけのコミュニケーションになりがちで、そこに感情のニュアンスが入りにくいのです。それではオキシトシンはほとんど分泌されず、癒しは得られません。人を愛する、人を信頼する、人のために何かしてあげるなどという気持ちが起こらないのです。残念ですが、そういう社会が実際に進行しているのです。

 オキシトシンが関与しない人間関係が多くなり、会社も同様の環境です。家でも家族がいても孤立していたり、あるいは一人暮らしが多くなってもいます。

 いま、いろいろな問題が起こっているのは、オキシトシンが分泌されないような社会環境になっているからといえるのではないでしょうか。



有田秀穂
(ありた・ひでほ)

東邦大学医学部統合生理学教授

1948年、東京生まれ。東京大学医学部卒業。現在、東邦大学医学部統合生理学教授。東海大学医学部にて呼吸の臨床にたずさわり、筑波大学基礎医学系にて呼吸の脳生理学の研究を行なう。その間ニューヨーク州立大学に留学。
著書に『セロトニン欠乏脳』(NHK出版)『共感する脳』(PHP研究所)『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)『歩けば脳が活性化する』(ワック)などがある。


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「糖質中毒」糖が脳をバカにする! 糖に変わる脳の栄養源「ケトン体」で脳力アップ

2013年09月26日 18時12分31秒 | Weblog
《『THE21』2013年8月号より》

多くの人が「頭の回転を速くする」と思っているが、実は脳を麻痺させる食べ物がある。それは、糖質だ。甘い食ペ物だけではなく、炭水化物にも含まれている。なぜ、糖質を摂ると脳が麻痺するのか。糖質を摂らなくても脳や身体は大丈夫なのか。白澤卓二氏にお聞きした。<取材・構成:塚田有香>



昼食後に眠くなるのは炭水化物と砂糖が原因
 仕事で疲れたときに、「甘いものを食べて脳にエネルギーを補給しよう」と考える人は多いと思います。しかし、甘いものが脳に良いというのは、大きな間違いです。

 確かに、ブドウ糖は脳のエネルギー源になります。しかし、一方で、糖質を過剰に摂取すると“糖質依存”に陥り、脳が徐々にむしばまれていくのです。

 糖質を摂ると、体内で何が起こるのでしょうか。

 まず、血糖値が急激に上昇し、膵臓から大量のインスリンが分泌されます。インスリンは血液中のブドウ糖を除去しようとするので、今度は血糖値が下がりすぎ、正常値よりも低い状態になります。すると、脳のエネルギー源となるブドウ糖が足りなくなり、脳がガス欠を起こして機能しなくなるのです。また、血糖値が急激に下がると、脳の働きに必要なアミノ酸が枯渇し、神経伝達物質が作れなくなって、脳が麻痺状態になります。

 つまり、「脳の働きを良くしたいから甘いものを食べる」というのは、完全な逆効果だということです。白いご飯やパン、麺類などの炭水化物も同様。炭水化物は糖類で合成される化合物であり、砂糖と同じ、糖質であることに変わりはありません。

 昼食後の会議は眠くてしかたないという人もいると思います。それは、昼食で砂糖や炭水化物を摂った結果、脳が機能不全に陥るからです。

 何より恐ろしいのは、糖質には中毒性があるということです。砂糖や炭水化物を日常的に摂取していると、より多くの量を食べないと我慢できなくなり、その欲求が満たされないと、イライラしたり、怒りっぽくなったりします。こんな状態では、とても仕事に集中することはできないでしょう。

 これは、糖質が脳へダイレクトに影響を与える物質だからです。白砂糖や炭水化物を摂ると脳のA10神経系というところが刺激されます。すると、ドーパミンという物質が分泌されて、強い快感をもたらします。このメカニズムは、コカインなどのドラッグを服用したときとまったく同じです。糖質の摂取時とコカイン摂取時で脳の同じ回路が使われていると考えれば、その中毒性の恐ろしさがわかっていただけるのではないでしょうか。

 マウスを使った実験でも、糖度10%の砂糖水を与えると、摂取量がどんどん増えることが確認されています。摂取量を増やさないと気が済まなくなるのです。糖度10%といえば、炭酸飲料やスポーツドリンクとほぼ同じ。これらの飲料を日常的に飲まないと気が済まない人は、すでに立派な中毒症状だと自覚すべきです。

 甘い食品によく使われるコーンシロップには果糖が多く含まれており、これも同様の作用をおよぼすことが明らかになっています。

 また、最近の研究では、現在、米国で栽培されている品種改良種の小麦に含まれるエクソルフィンという成分も中毒性を持ち、脳の働きを鈍化させることがわかっています。この点からも、小麦は避けるべきです。


ブドウ糖なしでも脳は活動できる
 糖質中毒に陥らないためには、「少しだけなら大丈夫だろう」と考えず、糖質を断つことが必要です。そう言うと、「脳のエネルギー源であるブドウ糖を断ったら、それこそ脳が働かなくなってしまうのでは?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。でも、心配はいりません。近年の研究で、“ケトン体”という物質が、脳のエネルギー源になることが明らかになっているからです。

 ケトン体とは、炭水化物などの糖質の摂取を制限したときに、体内で発生する物質です。

 マウスを使った実験では、ケトン体を誘導するエサを与えることで、脳の認知能力が20%伸びたという結果が得られています。

 また、ココナッツオイルを摂取すると、ケトン体の血中濃度が上昇することがわかっています。アルツハイマー病患者にココナッツオイルを毎日摂取させたところ、脳の認知機能が著しく回復したという研究報告もあります。

 米国の医学会は、すでに、「ブドウ糖よりもケトン体のほうが脳にとって優れたエネルギー源である」という見解で統一されつつあります。日本の医学会は米国の医学会の後追いをしますから、日本でも、あと1年か2年もすれば、この考え方が主流になるでしょう。



ケトン体の効果はすぐに実感できる
 ケトン体の効果を実感するのは簡単です。まずは今日の夕食で、炭水化物を抜いてみてください。明日の朝は普段より一時間ほど早く、すっきりと目が覚めますし、顔のむくみもないはずです。ケトン体は、糖質を断って5時間ほどで発生するので、少なくとも24時間以内には、普段との違いを実感できるはずです。

 私が勧める“ケトン食”は、精製された白砂糖と炭水化物を摂取しなければ、あとは基本的には何を食べてもかまわない、というものです。白いご飯やパン、麺類、甘いお菓子や飲料はもちろん、小麦粉を使ったお好み焼きや餃子、デンプンを多く含むいも類、糖質が多めの果物(バナナ、パイナップルなど)も避けてください。

 これまでに、30人はどの方たちにケトン食を体験していただきました。その中の多くの人が「仕事に集中できるようになり、効率が上がった」と話しています。

 大きなプレゼンや商談など、「どうしても脳を活性化させたい」という機会があれば、ぜひ、その前にケトン食を実践してください。きっと、パフォーマンスが上がるのが感じられるはずです。

「朝ジュース」でケトン体質に!
「旬の野菜+旬の果物・柑橘類」を基本としたジュースを朝食にすると、血糖値とインスリンの分泌が安定し、ケトン体回路を働かせることができる

★朝ジュースの例(1人分)
 1)ニンジン1/3本+リンゴ1/2個+レモン1/2個+ミネラルウオーター100ml
 2)トマト(中)1/2個+グレープフルーツ1/2個+ニンジン1/3本+無糖炭酸水(ミネラルウオーター)100ml
 3)アボカド1/2個+レモン1/2個+クルミ10g+蜂蜜大きじ1(好みで)+ミネラルウオーター100ml

ポイント
●ジューサーでは繊維が捨てられてしまうので、ミキサーでジュースにすること
●無農薬のものを使うと、抗酸化成分のフィトケミカルを含む皮も摂れるので、なお良い
●昼食・夕食でも、炭水化物は避けること

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「おいあくま」(怒るな・威張るな・焦るな・腐るな・負けるなの頭文字)

2013年09月26日 18時10分36秒 | Weblog
石川のニュース 【8月8日02時21分更新】 松井さん「野球に人生学んだ」 トークイベント
 元ヤンキースの松井秀喜さんが7日、大阪市のABCホールで甲子園大会をテーマにしたトークイベントに出席し、故郷石川で野球にささげた日々を語った。星稜高時代に4度出場した甲子園のハイライト映像を見て「『夢の舞台』に行きたいという純粋な気持ちを思い出した。精神の成長を重視した3年間だった」と野球を通じて学んだ人生観を熱く語った。
 1992年夏の甲子園で、社会問題にもなった明徳義塾戦での5連続敬遠。3年生の松井さんは怒りも不満も見せず、その冷静な態度が注目を浴びた。松井さんは「今思えば、よかったなと思う。打って有名になったわけではないから、どこかで証明したいというエネルギーになった」と語った。初めての甲子園で打席に立った時は「緊張で足が震えていました。四球になってラッキーと思ったのを覚えてます」と振り返った。

 高校時代は、当時の山下智茂監督からグラウンド内外で規律正しさに礼儀作法など多くを教わったとして、「練習はもちろん厳しかったが、とても心に訴えてくる言葉をたくさん頂いた」と話した。呪文のように聞かされたのは「おいあくま」(怒るな・威張るな・焦るな・腐るな・負けるなの頭文字)のフレーズ。白球を追いながら気付いたのは、野球がうまくなることだけでなく、「人間的に成長することの大切さだった」と強調した。

 壇上に並んだ星稜高野球部同級生で一塁手だった福角元伸さん=金沢市出身=は「(松井さんは)背中でみんなを引っ張る主将だった」と語った。卯辰山を回るランニングは手を抜かず、雪でグラウンドが使えない冬期も「誰よりも目的意識を高く持って練習していた」と述べた。

 1時間半のイベントを終えた松井さんは「野球を愛する気持ち、野球が好きという気持ちが一番大きな原動力です。僕も、その気持ちは引退するまで変わらなかった」と明かした。全国の球児には「卒業してから、どう生きていくか。それを考える3年間にしてほしい」とメッセージを送った。

 松井さんは7日夜、神戸市内で星稜高同級生との食事会に出席した。8日は甲子園で行われる全国選手権初日を観戦する。

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20130808104.htm

101歳、きみに語る命 日野原さん「授業」10年 父の原爆被害や空襲、胸に紙面で読む

2013年09月26日 18時09分49秒 | Weblog
 101歳の医師、日野原重明(ひのはらしげあき)さんには、子どもたちに伝えたいことがある。全国の小学校を訪(たず)ねて話す「いのちの授業(じゅぎょう)」が10年を迎(むか)えた。未来の日本を背負(せお)うきみたちへ。戦争(せんそう)の時代を生きてきた身にしみていることを、話し続けている。


 《命(いのち)とは、きみたちが使える時間のことなんだよ。》


 6月、日野原さんは、福島県川俣町(かわまたまち)にある仮設(かせつ)小学校の体育館にいた。向かい合うのは、東京電力福島第一原発事故のために同県飯舘村(いいたてむら)から避難(ひなん)してきた小学生約120人。少ししゃがれた、しかしはっきりとした声で、45分間立ちっぱなしで語りかけた。

 

 《命は見ることも、さわることもできない。》


 そう言って聴診器(ちょうしんき)をわたす。子どもたちはそれを互(たが)いの胸(むね)にあてながら、心臓(しんぞう)の音に耳を澄(す)ませた。

 

 《これが生きている証拠(しょうこ)だよ。》


 「授業」は、2003年に始まった。相手はいつも10歳ぐらいの子どもたち。「10歳になると、僕(ぼく)の言葉がわかるの。大人になってから教育するのでは遅(おそ)いから」。海外の日本人学校も含(ふく)めて、これまでの授業は200回を超(こ)えた。

 二つの経験が、原点(げんてん)になっている。

    *

 一つは、1945年3月10日の東京大空襲(だいくうしゅう)。33歳の日野原さんは、聖路加国際病院(せいるかこくさいびょういん)(東京)の内科医長(ないかいちょう)だった。その日、病院には続々と、大やけどを負った人たちが逃げてきた。

 ベッドは足りなかった。院内のチャペルやロビーにもマットレスを敷(し)いて患者(かんじゃ)を手当てした。といっても、できることは新聞紙を燃やした炭をただれた肌(はだ)につけるくらい。「みんな死んでいくの。薬がないもの。なんにもない」

 名前や年齢(ねんれい)を尋(たず)ねても、患者たちは「苦しい、苦しい」と言うだけだった。「その日だけで100人くらい運ばれて、ほとんどが亡くなったと思う。見殺(みごろ)しにするような状態だった」。不思議(ふしぎ)と子どもをみとった記憶(きおく)はない。病院にたどり着く前に道ばたで力尽(つ)きてしまったのだろうか。

 「戦争は兵隊が死ぬだけでなくて、一般の人が死ぬ方が多いんです」

 もう一つは、父・善輔(ぜんすけ)さんのことだ。広島に原子爆弾(げんしばくだん)が落とされた8月6日の数日後、かつて広島女学院の院長だった善輔さんは、教え子たちが気になると言って東京から広島に入った。1週間くらいたって帰ってきた善輔さんは、教え子はみな死んでしまった、とうなだれていた。

 13年後、善輔さんは滞在先(たいざいさき)のアメリカで急死した。診断(しんだん)は劇症肝炎(げきしょうかんえん)。日野原さんは、原爆投下直後の広島を覆(おお)っていた放射能(ほうしゃのう)が、父の体をむしばんだのだ、と思っている。

    *

 戦後68年。戦争を語り継(つ)ぐ人が少なくなっている。真珠湾攻撃(しんじゅわんこうげき)さえ知らない若者が多くなったとなげく。「主な国はみんな核兵器(かくへいき)を持っている。世界は平和ではない。もう壊(こわ)れている」

 戦争で焼(や)け野原(のはら)となり、武器(ぶき)を捨(す)てて平和な国になるために、今の日本の憲法(けんぽう)はできた。だから、いのちの授業の「教え子」たちには平和を守れる人になってほしい。平和を守るための憲法を変えることには「NO(ノー)」と言う大人になってほしい。

 「戦争の歴史(れきし)をずーっと知っているの。第1次世界大戦(1914~18年)も知っているのよ」。子どもたちに伝えなくてはならない。人の命を傷(きず)つけることは絶対にいけないんだよ、と。それさえわかってもらえたら、大きくなってから戦争に走ることはないはずだ、と信じているからだ。

    *

 授業では「朝起きたら何をする?」「学校に来たら?」と一日のできごとをきく。「歯をみがく」「勉強する」と返ってくると、ニコニコして、今はすべての時間を自分のために使っていいんだよ、と語りかける。

 でもね、と続けた。

 

 《自分の命と同じように、人の命も大切にできるような、自分の時間を誰(だれ)かのために使えるような、そんな大人になって下さい。僕の言葉がだいたいわかった人は、手を挙(あ)げて下さい。》


 小さな手が、いっせいに挙がった。

 (今村優莉)

    ◇

 ひのはら・しげあき 1911(明治44)年、山口県生まれ。聖路加国際メディカルセンター理事長。2005年に文化勲章受章。朝日新聞別刷り「be」で「101歳・私の証 あるがまゝ行く」を連載中。著書多数。



結果を出すためには「質」よりも「量」をこなして学習することが重要

2013年09月26日 18時08分53秒 | Weblog
http://gigazine.net/news/20130813-prioritize-quantity-than-quality/


「量より質」という言葉がありますが、実際に成功した人物は「質を上げるために大量の練習をこなしてきた」とインタビューなどで話す人が多いそうです。「質」を上げるための1番の近道は「量」である、と主張するHerbert Luiさんが実在する成功者の経験談などを自身のブログで公開しています。

芸術家のDavid Bayles氏とTed Orland氏は、共同著書であるArt & Fearの中で、「量」と「質」のどちらを優先すればいい結果を導けるかを測る実験について記しています。

実験はある学校の陶器を作成する授業で、生徒を「量」と「質」2つのグループに分け、一定期間つぼを作成する練習をしてもらうというもの。実験前に、「量」グループには作成したつぼの量で評価をくだし、「質」グループには作成したつぼの質で採点するということだけが伝えられました。実験の結果、「量」グループが最もクオリティーの高いつぼを作り出すことに成功。著者によれば、「量」のグループは多くのつぼを作成している間に犯したミスから学習し、いい結果を生み出せたとのこと。一方「質」グループは、完璧に作成する方法を考える事に時間を費やしましたが、実際の作品に反映させられませんでした。

アメリカの歌手であり音楽プロデューサーのカニエ・ウェスト氏は、自身の楽曲「Spaceship」の中で、有名なミュージシャンになることを目指していた時には毎日5曲作成していた、と歌っています。この言葉からは、グラミー賞に何度もノミネートしたウエスト氏が、毎日繰り返していた膨大な量の作曲活動から、多くを学んでいたことがわかります。

また、YouTubeで公開されている「Girl learns to dance in a year」というムービーでは、ダンス未経験の女性Karen Chengさんが1年でダンスをマスターする様子が撮影されています。1年間毎日ダンスの練習を続けたChengさんの練習初日と、最終日のダンスを見比べると、その上達っぷりにはただ驚くばかりです。

Karen Chengさんが1年かけてダンスを学習する様子は以下のムービーから確認できます。

Chengさんが、練習量から自身のスキルを上達させたことはダンスが初めてではありませんでした。以前ChengさんがMicrosoftのプロジェクト・マネージャーを務めていたころ、本当はデザイナーになりたかったことに気づいたそうです。いざデザイナーになると決めたChengさんは、仕事が終わるとすぐに帰宅し、毎日デザイナーになるための勉強を独学で敢行。その結果、見事Chengさんはデザイナーになるという夢をかなえたとのことです。

Jennifer Dewaltさんはホームページなど作成する際に必要なコードを学ぶために、180日で180個のウェブサイトを作成することに挑戦しています。Dewaltさんは、驚くべきことに仕事もせずにこのチャレンジに挑んでいます。

アメリカの著名なラジオパーソナリティであるIra Glass氏は、「This American Life」という番組の中で、最高の結果を導くためには作業を何度も何度も繰り返すことが重要である、という旨の発言をしています。ただ、作業を繰り返すだけではなく、1つ1つにデッドラインを決めて順守することも大事です。

つまり、一度で完璧なものを作ろうとせずに、完璧でなくても毎日何かを作り続けることでいい結果を導き出せるとのことです。


子どもを怒鳴りつけて叱ることは素行不良やうつ病を引き起こす原因になる

2013年09月26日 18時06分29秒 | Weblog
子どものしつけとして体罰が間違った方法であることは異論のないところですが、たとえ暴力をふるわないとしても「言葉による暴力」は子どもの成長に悪影響を与えるという研究結果が出されています。

Parents' Harsh Words Might Make Teen Behaviors Worse : Shots - Health News : NPR
http://www.npr.org/blogs/health/2013/09/04/218972701/parents-harsh-words-might-make-teen-behaviors-worse

Parents: Yelling and swearing at teens can backfire
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2013/09/04/teen-behavior-parents-discipline/2724361/

ピッツバーグ大学教育・心理学部のワン・ミンテ准教授と研究チームは、976世帯の13歳、14歳の子どもを持つ両親のそろった家庭を2年間聞き取り調査することで、怒鳴りつけるしつけ法と子どもの問題行動との相関関係を調べました。なお経済力や民族性に結果が左右されないよう白人、黒人がほぼ同数含まれた一般的な中流階級の家庭が調査の対象に選ばれたということです。

調査の結果明らかになったことは、13歳の子どもが母親や父親から怒鳴りつけるしつけを継続的に1年間受けた場合、問題行動を起こす確率が増加し、また子どもがうつ病の症状を示す確率も増加していたという事実でした。驚くべきことに、母親と父親が深い愛情をそそいでいたかどうかは、子どもの問題行動と抑鬱症状との強い関連性に影響を与えなかったということです。

さらに研究では、問題行動の多い子どもたちは日常的によく怒鳴られる傾向にあることも明らかになりました。もっとも、怒鳴りつけるしつけは子どもとのコミュニケーションのごく一部であり、怒鳴りつけることの影響だけを切り離すことは極めて難しいため、親の金切り声が子どもの問題行動を引き起こすのか、それとも気むずかしい子どもを持つ親はよく金切り声を上げるのかをはっきり確定することはできませんでした。

ワン博士は「たとえどんなに親が叫ぼうとも子どもはまったく聞いていないものです。ですから叫んで叱ることには効果はなく、むしろ子どもがより攻撃的になり素行不良になる危険性を考えれば、怒鳴りつけるしつけは避けるべきです」と話します。


ワン博士は、研究結果をWiley Online Libraryで発表しましたが、この研究結果の意味を十代の子どもをもつ親はよく考えるべきであると、子どもと家族の関係を研究する多くの心理学者は口をそろえて言います。

ワシントンD.C.の心理学者のニール・バーンスタイン博士は、怒鳴りつけたり批判したりする方法のしつけを続けることは、子どもを気むずかしくし反抗的にするだけで、子どもをこき下ろす親は、子どもに関心がない怠慢な親と同様、効果的な教育ができないと話します。そして、「もちろん人間ですから誰でも感情的になり叫び声をあげることはあるもので、これは決して非難されるものではありません。例えば、子どもが飲酒運転や無謀な運転をして危険な状況に身をさらしているのを見れば、『死にたいの!』と大声を上げても構わないのです」と話した上で、親が子どもを長期間怒鳴りつけたり罵ったりすることには問題が多く避けるべきだとします。

バーンスタイン博士は子育てにおける三大要素は「良いコミュニケーション、愛情、規律」であるとし、この3つを実行することで子どもは幸福で健全に育つと言います。そして子どもが悪いことをした場合、例えば娘が門限を破ったとき、もう二度としないと心から反省するまで外出を許さないという罰を与えることで規律は保つことができるとします。最近のデジタル世代の子どもにはハイテクなおもちゃを取り上げるのは良い罰になるとしつつも、罰は短期間に終わらせるべきであり、子どもが良い行動をとればすぐにおもちゃを返すべきであると語ります。

また、エール大学で心理学・児童精神医学を教えるアラン・カズディン教授は、怒鳴りつける教育法は子どもの精神的・肉体的な健康を損ねる有害なものであるとし、親として大切なのは「(子どもを)受け入れること、愛すること、抱きしめること」だと言います。そして、「しつけのゴールは、どのように振る舞って欲しいかを子どもに伝えることです。怒鳴りつければその時は子どもは行動を止めるでしょうが、望む振る舞いを身につけることはできません。必要なのは、子どもの行動を正しく認識し、良い振る舞い見つけてはそれをきちんと褒めることです。これができれば、子どもは親に敬意を払い、悪い行動を減らすでしょう」とカズディン博士は語ります。

少なくとも心理学者の中では、怒鳴りつけるしつけ法が有害であるという一致した見解があり、子どもは親を見て育つことから、親自身が襟を正して良いお手本となるべきだと言えそうです。

http://gigazine.net/news/20130910-harsh-word-make-teen-behavior-worse/


嘘つくな・人に親切・ルール守る・勉強する 4つのしつけで高所得!? 神戸大など調査

2013年09月26日 18時04分01秒 | Weblog
 「嘘をつかない」「人に親切にする」など4つのしつけを子供の時に受けた人は、所得や学歴が高くなる傾向があるとの調査結果を、神戸大や同志社大、立命館アジア太平洋大(大分県)のチームが約1万6千人を対象とした調査でまとめた。

 あとの2つは、「ルールを守る」と「勉強をする」。4つ全てをしつけとして受けた人は、4つとも受けていない人より、1年間の平均所得が約86万円高かった。

 チームは、幼児教育が労働現場での評価にどう影響するかを検証するため、しつけと所得や学歴との関係を調査。インターネット上で9万人にアンケートし、約1万6千人から回答を得た。

 すると、4つ全てのしつけを受けた人の平均所得は479・6万円。4つとも受けていない人は393・4万円。大学や大学院を修了した人の割合は、全て受けた人で55%、受けていない人は46・5%だった。

 飲酒運転や脱税、年老いた親の面倒は子が見るべきだ、などの論点についてどう考えるか、4段階で評価してもらった結果、4つ全てを受けた人はより強い倫理観を持っていることも分かった。

 しつけは、あいさつをする、親の言うことを聞くなどを含め計8つから選んでもらったが、うち4つが特に重要なことが示された、としている。

 神戸大の西村和雄特命教授は「この4つのしつけは、昔なら誰かに言われていたこと。今は言われることが少ないので、意識して子供に繰り返し言い聞かせる必要がある」と話している。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130914/wlf13091416300015-n1.htm