http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2215
頭が良くなる!? 3分間パパ遊び
遊びには、紙とクレヨン、それに知恵があればいい!
「忙しくて子どもと遊ぶ時間なんてない」と嘆くパパ。まじめすぎるんじゃないですか?何も、海や山や遊園地までいって1日中一緒に遊ぶ必要はないんです。公園に行く時間がなくたって、おうちの中で、しかも3分程度で、できる遊びはいっぱいあります。
拙著『忙しいビジネスマンのための3分間育児』の中でも紹介している、「3分間でも楽しい!パパ遊びアイディア」を紹介しましょう。
○紙とクレヨンがあれば創造力は無限に広がる
男性の場合、「お絵かきは苦手……」という人も多いでしょう。でも、大丈夫。何かを見たままに上手に描くばかりがお絵かきの楽しみ方ではありませんから。
子どもはお絵かきが大好きですよね。でも、よくありがちなのが、「これ何描いたの?え? ゾウなの? ゾウならもっと鼻が長いでしょ、カラダが太ってるでしょ、こんな色していないでしょ」と、大人の常識にあてはめてダメ出しをしてしまうことです。そうすると子どもはとたんに描くことをやめてしまいます。もしくは大人が描くような、枠にはまった絵ばかりを描くようになってしまいます。
子どもにとっては、下手でもいいから描いてみる、表現してみるということが大事です。子どもが何かを描いたときには、うまい下手ではなくて、表現しようとする意欲を存分に褒めてあげましょう。そうすれば臆せず自分を表現できる子に育つでしょう。
絵だけでなく、作文で表現したり、ダンスなどの身体表現をしたりということも得意になるはずです。
○お絵かきクイズ
動物なり、アニメのキャラクターなり、なんでもいいので、パパが絵を描きます。そして、「これな~んだ?」と言って、子どもに当てさせるのです。ジェスチャーゲームみたいな要領ですね。
絵が上手なパパがやったらなんにも面白くないですけど、絵が下手なパパがやってこそ、盛り上がる遊びです。
○絵本づくり
子どもに自由に絵を描かせて、何を描いたのかヒアリングします。
公園でお友だちと遊んだという事実に基づいた話しかもしれませんし、お菓子の国みたいなファンタジーかもしれません。ヒアリングした話の内容を絵の脇に、文字で書いておきます。
1日1枚の絵を描いてもらい、3分間でヒアリング。ある程度の枚数が貯まったら、ホチキスで製本します。これでオリジナル絵本のできあがりです!ホチキスで留めずに、そのまま紙芝居にしてもいいですね。
物語を作るのが大好きな子どもになるでしょう。
○抽象画
例えば飛行機。上手に描こうと思うと、大人でも難しいものです。機体に対して、翼の位置、角度など、意外と描けないものです。
子どもならなおのこと。およそ飛行機には見えない代物を描くことになります。写実的とはいえません。
一般にはより写実的に見えるように、飛行機の写真を見せてそれに似せるように描くことを指導しがちだと思いますが、子どもは必ずしも写実的に描きたいわけではありません。自分のイメージで、飛行機を表現したいだけです。
「ネコを描いた」といいながら、どこが頭でどこがしっぽかもわからない絵を描くこともあるでしょう。それでもOK。それがその子のアタマの中にあるネコのイメージなのです。そう、抽象画だと思えばいいのです。
パパも一緒になって抽象画を描いてみましょう。本能の赴くままに色を塗りたくって、「これはママ!」とか「これはスカイツリー!」とか、はちゃめちゃにやっちゃえばいいのです。
そんなパパの姿を見て、「自由に表現していいんだ」とか「答えはひとつじゃないんだ」みたいなことを、子どもは学びます。
○言葉遊びで語彙を増やす
紙も鉛筆もなくても、知恵さえあれば言葉遊びは可能です。場所も時間も選びません。それが言葉遊びの醍醐味です。
言葉遊びなら電話でもできますよね。子どもが起きている間に帰宅することができなくても、電話でほんの数分間、言葉遊びをするだけで、子どもはパパの存在を近くに感じることができるはずです。それだけでもほんの少し、子どもを伸ばすことにつながります。
言葉遊びは、手軽な反面、どうしてもワンパターン化してしまうことがあります。それでは子どもの語彙は増やせませんし、すぐに飽きてしまいます。いかに使う語彙を豊富にし、子どもを喜ばすことができるか、ネタを仕込むパパの努力が求められる遊びでもあります。
○早口言葉
インターネットを調べればネタはいくらでも出てきます。楽しいだけでなく、滑舌がよくなる効果もあるとのこと。
また、ある程度の文字数の文章を暗記しなければならないので、脳のメモリー機能を鍛えることにもなります。
○しりとり
延々と終わらないのが、忙しいパパにとってはつらいところなのですが、動物縛りとか、アニメのキャラクター縛りとかにすると、格段に難しくなります。
また、キッチンタイマーなどを使って、3分間で警報が鳴るように設定し、警報が鳴った時点でタイマーをもっていたほうが負けなどというルールを設定するのも盛り上がります。
しりとりという定番の言葉遊びを、どうアレンジするか。そこにもパパのセンスが問われます。
○ダジャレ合戦
パパと子どもでダジャレを言い合って、どちらが面白いか、ママに判定してもらうというのもいいでしょう。
ダジャレのネタが尽きるまで、ダジャレを言い合う「ダジャレ・サドン・デス」もいいでしょう。
子ども向けのダジャレ本をただ与えてもなかなか読んでもらえなかったりしますが、パパを打ち負かすというモチベーションを与えれば、ネタを仕入れたい一心で、熱心に読んでくれるはずです。そういうところから自分で本を読む習慣を身につけさせるのも一手でしょう。
いつでもどこでも楽しい遊びを考えられるパパは、子どもからソンケーされるだけでなく、子どもの創造力や好奇心を伸ばしてあげることができます。
「遊びのセンス自信ないなぁ」というパパにはいいお手本がいます。お子さんです。子どもがどうやって遊びを考えるのか、よく観察して、まねしてみてください。
おおた としまさ
育児・教育ジャーナリスト。「子どもが“パパ~!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。男性の育児・教育、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、中学受験をいい経験にする方法などについて、執筆・講演を行う。心理カウンセラーの資格、中学・高校の教員免許、小学校教員の経験もある。著書は『パパのトリセツ』、『忙しいビジネスマンのための3分間育児』、『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』、『中学受験という選択』など。著作一覧はこちら
【運営サイト】パパの悩み相談横丁
頭が良くなる!? 3分間パパ遊び
遊びには、紙とクレヨン、それに知恵があればいい!
「忙しくて子どもと遊ぶ時間なんてない」と嘆くパパ。まじめすぎるんじゃないですか?何も、海や山や遊園地までいって1日中一緒に遊ぶ必要はないんです。公園に行く時間がなくたって、おうちの中で、しかも3分程度で、できる遊びはいっぱいあります。
拙著『忙しいビジネスマンのための3分間育児』の中でも紹介している、「3分間でも楽しい!パパ遊びアイディア」を紹介しましょう。
○紙とクレヨンがあれば創造力は無限に広がる
男性の場合、「お絵かきは苦手……」という人も多いでしょう。でも、大丈夫。何かを見たままに上手に描くばかりがお絵かきの楽しみ方ではありませんから。
子どもはお絵かきが大好きですよね。でも、よくありがちなのが、「これ何描いたの?え? ゾウなの? ゾウならもっと鼻が長いでしょ、カラダが太ってるでしょ、こんな色していないでしょ」と、大人の常識にあてはめてダメ出しをしてしまうことです。そうすると子どもはとたんに描くことをやめてしまいます。もしくは大人が描くような、枠にはまった絵ばかりを描くようになってしまいます。
子どもにとっては、下手でもいいから描いてみる、表現してみるということが大事です。子どもが何かを描いたときには、うまい下手ではなくて、表現しようとする意欲を存分に褒めてあげましょう。そうすれば臆せず自分を表現できる子に育つでしょう。
絵だけでなく、作文で表現したり、ダンスなどの身体表現をしたりということも得意になるはずです。
○お絵かきクイズ
動物なり、アニメのキャラクターなり、なんでもいいので、パパが絵を描きます。そして、「これな~んだ?」と言って、子どもに当てさせるのです。ジェスチャーゲームみたいな要領ですね。
絵が上手なパパがやったらなんにも面白くないですけど、絵が下手なパパがやってこそ、盛り上がる遊びです。
○絵本づくり
子どもに自由に絵を描かせて、何を描いたのかヒアリングします。
公園でお友だちと遊んだという事実に基づいた話しかもしれませんし、お菓子の国みたいなファンタジーかもしれません。ヒアリングした話の内容を絵の脇に、文字で書いておきます。
1日1枚の絵を描いてもらい、3分間でヒアリング。ある程度の枚数が貯まったら、ホチキスで製本します。これでオリジナル絵本のできあがりです!ホチキスで留めずに、そのまま紙芝居にしてもいいですね。
物語を作るのが大好きな子どもになるでしょう。
○抽象画
例えば飛行機。上手に描こうと思うと、大人でも難しいものです。機体に対して、翼の位置、角度など、意外と描けないものです。
子どもならなおのこと。およそ飛行機には見えない代物を描くことになります。写実的とはいえません。
一般にはより写実的に見えるように、飛行機の写真を見せてそれに似せるように描くことを指導しがちだと思いますが、子どもは必ずしも写実的に描きたいわけではありません。自分のイメージで、飛行機を表現したいだけです。
「ネコを描いた」といいながら、どこが頭でどこがしっぽかもわからない絵を描くこともあるでしょう。それでもOK。それがその子のアタマの中にあるネコのイメージなのです。そう、抽象画だと思えばいいのです。
パパも一緒になって抽象画を描いてみましょう。本能の赴くままに色を塗りたくって、「これはママ!」とか「これはスカイツリー!」とか、はちゃめちゃにやっちゃえばいいのです。
そんなパパの姿を見て、「自由に表現していいんだ」とか「答えはひとつじゃないんだ」みたいなことを、子どもは学びます。
○言葉遊びで語彙を増やす
紙も鉛筆もなくても、知恵さえあれば言葉遊びは可能です。場所も時間も選びません。それが言葉遊びの醍醐味です。
言葉遊びなら電話でもできますよね。子どもが起きている間に帰宅することができなくても、電話でほんの数分間、言葉遊びをするだけで、子どもはパパの存在を近くに感じることができるはずです。それだけでもほんの少し、子どもを伸ばすことにつながります。
言葉遊びは、手軽な反面、どうしてもワンパターン化してしまうことがあります。それでは子どもの語彙は増やせませんし、すぐに飽きてしまいます。いかに使う語彙を豊富にし、子どもを喜ばすことができるか、ネタを仕込むパパの努力が求められる遊びでもあります。
○早口言葉
インターネットを調べればネタはいくらでも出てきます。楽しいだけでなく、滑舌がよくなる効果もあるとのこと。
また、ある程度の文字数の文章を暗記しなければならないので、脳のメモリー機能を鍛えることにもなります。
○しりとり
延々と終わらないのが、忙しいパパにとってはつらいところなのですが、動物縛りとか、アニメのキャラクター縛りとかにすると、格段に難しくなります。
また、キッチンタイマーなどを使って、3分間で警報が鳴るように設定し、警報が鳴った時点でタイマーをもっていたほうが負けなどというルールを設定するのも盛り上がります。
しりとりという定番の言葉遊びを、どうアレンジするか。そこにもパパのセンスが問われます。
○ダジャレ合戦
パパと子どもでダジャレを言い合って、どちらが面白いか、ママに判定してもらうというのもいいでしょう。
ダジャレのネタが尽きるまで、ダジャレを言い合う「ダジャレ・サドン・デス」もいいでしょう。
子ども向けのダジャレ本をただ与えてもなかなか読んでもらえなかったりしますが、パパを打ち負かすというモチベーションを与えれば、ネタを仕入れたい一心で、熱心に読んでくれるはずです。そういうところから自分で本を読む習慣を身につけさせるのも一手でしょう。
いつでもどこでも楽しい遊びを考えられるパパは、子どもからソンケーされるだけでなく、子どもの創造力や好奇心を伸ばしてあげることができます。
「遊びのセンス自信ないなぁ」というパパにはいいお手本がいます。お子さんです。子どもがどうやって遊びを考えるのか、よく観察して、まねしてみてください。
おおた としまさ
育児・教育ジャーナリスト。「子どもが“パパ~!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。男性の育児・教育、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、中学受験をいい経験にする方法などについて、執筆・講演を行う。心理カウンセラーの資格、中学・高校の教員免許、小学校教員の経験もある。著書は『パパのトリセツ』、『忙しいビジネスマンのための3分間育児』、『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』、『中学受験という選択』など。著作一覧はこちら
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