今注目の恋愛作家アルテイシアさんと対談。大手広告代理店につとめる元キャリアOLであり、モテ女だった彼女は、人生で59番目に口説かれたモテない病をこじらせオタク男子(通称=59番)とまさかの純愛に落ちて恋愛観が変化していく。その実体験をつづった『59番目のプロポーズ』『続・59番目のプロポーズ』が大ヒット。著書同様、本対談でもさまざまな恋愛経験から、血も涙も流して学んだ彼女の恋愛の極意が炸裂しました。最終回となる第三弾は、いよいよ「いい男との出会い方、恋の育み方」についてディープに語り倒します。
芳麗:
最初に「今は恋愛戦国時代だ」ってアルテイシアさんはいってましたけど、ホント、その通りだなと思うんです。恋愛にマメな男はいるけど、マメなだけでいまいち面白みや深みにかけたりするし……。確固たる自分の世界を持っている男は魅力的だけど、恋愛においてはダメ男だったりする。個人としての魅力をちゃんともっていて、なおかつ愛情深くて、生身の女とちゃんと向き合ってくれる気概のある男って本当にいるのかな? 出会えるのかな?って思っちゃいますね(笑)。
アルテイシア(以下、アル):
いなくはないけど、少ないですよね。深い愛情も魅力も揃ってる男の人っていうのは……。だから、奪い合いになる(笑)。
芳麗:
どうすればいんでしょう(笑)。
アル:
私が思うに、狙い目は一見、ダサい男! デブとかハゲとか!外見的なコダワリは捨てたら、いい男の数っていきなり増えると思うんです。何か、表面的なところで「食べ方が汚い」とか、「服装がダサい」っていうのも別にどうでもいいじゃないですか! 彼の人間そのものが悪いわけじゃない。年収とか職歴とかのスペックも必要ないと思う。ダサいけど女を深く愛せる男と、スペックがよくても女をゴミみたいに捨てる男と、どっちが人間として高級やねん!っていう話ですよね。
芳麗:
たしかに……。スペックのいい男には傲慢な人が多いし、外見的なコンプレックスがあったり、モテない男って、心に傷を負ってる分、人の痛みも分かる愛情深い人も多いっていう傾向はありますよね。
“自分マニア”になってくれる男は希少価値
アル:
そうなんですよ。外見に難があっても、内面のある男のほうが絶対高級ですよ。それと、いわゆるマメな男じゃなくてもいいから、“自分マニア”になってくれる男がいいと思う。
芳麗:
どういう意味での“自分マニア”ですか?
アル:
たとえば、59番は私にはめっちゃ優しいけど、他の女の子には全然ウケようとしないんですよ。そもそも彼の中には、「女にモテようとするのはカッコ悪い」っていう確固たる美学があるから。「女の尻を追いかけるなら死んだほうがマシ」、「私以外の女は敵だ!」くらいの勢いなんです(笑)。だから他の誰にもマメじゃないけど、私にだけはすごくマメ。すべての女に対する労力が私ひとりに注がれるからマメなんです。“女好き”ではないからこそ、“私好き”になってくれる。こういう“自分マニア”と恋愛したらすごく幸せですよ。
芳麗:
うらやましい(笑)
アル:
それとね、ブサイクくん以外には、年下も狙い目だと思います。
次のページでは、30代女性にとって、新オススメ男の基準について、熱く語ります。
新オススメ男のキーワードは“年下”と“自営業”?!
画像の代替テキスト
プレデターマニアの59番さん。
ある映画会社のえらい方から送っていただいた、世界に数対しかないプレデターフィギュアとアルテイシアさんとの2ショット!
アル:
最近、仲よくしている24歳の男友だちがいるんですけど、いいですよ~。彼はバーテンやってるんだけど、女に対する変な固定観念がないから話してて楽しいし、年上だからといって敬ってもくれるし。年下だけど、社会人経験は長いから成熟もしている。彼自身もそうだけど、こういうシッカリ者の若者に限って年上の女が好きみたい。「僕、年上で仕事頑張ってる女の人を見ると、フォローしたくなるんです」なんて泣かせることを言うんです(笑)。以前の私だったら、「24歳でバーテンはちょっと……」とか、「やっぱり企業でバリバリ仕事してる男じゃないと」とか思ってたけど、今は、もし、59番がいなかったら、こういう子がいいなぁって思いますよ。安定した立場や年収があるサラリーマンとは仕事の話ができたとしても、人として根本の話ができなかったりする。
芳麗:
本当にそう。人として根本の価値観がマッチしてないと、伴侶としては考えられないですよね。
アル:
そうなんです。OL時代に一部上場のサラリーマンとさんざんコンパしてきて気づいたのは、私には会社員より独立して仕事をしている男の人のほうが価値観が合うってこと。ダンナだけじゃなく、さっき話したバーテンの子とか、フリーでデザイナーをやっている人とか。一部上場企業のエリートくんって、人の言うことに流される才能がある人たちなんですよ。勉強していい大学入って、いい会社に入るって……世間の価値観に合わせて生きてきた人だから。でもね、私は逆なんです。「女はこうあれ!」っていう世間の常識にずっと反発して生きてきたところがあるから、彼らとは根本的に合わないんだなぁって。その事実に最近になってハッキリ気づいた。
芳麗:
なるほど。アルテイシアさんに限らず、一生懸命働いている女子って、少なからず、「とりあえず嫁に行くべき」とか、「女とはこうあるもの」みたいな世間の古い枠組みに反発して生きているところがあるから……。いわゆる、世間的な価値観に縛られている男とは合わないのかもしれないですね。会社員の男と合わないというよりも、世間の枠組にとらわれてる人とは相性悪いのかも。
アル:
そう。その点、うちのダンナは私と根本が近い。周りに「何でそんなバカみたいに格闘技ばっかりしてるの?」って言われながらも、自分のやりたいことを貫いてきた人だから、根っこの価値観が合ってるんだと思う。
出会うための努力はいらない
芳麗:
そうですね。ただ、現実問題としてアルテイシアさんと彼みたいな出会いって少ないと思う。普通に会社でバリバリ働いている女子が、自分マニアになってくれるような純情で愛情深い男子や、世間の価値観に縛られない感性の柔らかい年下と出会う機会ってなかなかない気がするんですけど。
アル:
たしかに、そういう人はコンパにはいないし(笑)。59番は柔術の道場に通っていて、そこに通ってる男の人たちは、みんな一本気でステキなんですよ。でも、彼らはコンパやキャバクラには決していかないですからね。会社帰りに道場に直行して、夜11時とか12時まで練習しているから(笑)
芳麗:
それは出会えないですねぇ(笑)
アル:
そう。でも、我々の場合、近所のバーで出会いましたけどね。社会的な鎧を脱いでいる時に、偶然出会えたというか……。何かね、出会いとか恋愛って、努力したら報われるとは思わないほうがいいと思うんです。「モテればいいってわけじゃない」って最初の話題ででましたけど……。私は59番と出会う前、彼氏のいない16ヶ月の間に、16人の男子とデートしてるんですよ。後で思いなおすと、月に1人ペースで新しい人が登場してるから、出会いがないわけじゃないのに、どの人ともダメで……。もう世の中にはいい男がいないか、私に問題があるんだって絶望していた。
芳麗:
そんな時に59番さんと出会えた。
アル:
うん。「この人だ!」って思える人と、出会えるどうかは偶然なんだなぁって思ったんです。私みたいにコンパとか友だちの紹介とかパーティーにマメに通っても、出会えない時は出会えない。何かそれよりも大切なのは普段の“生きる姿勢”のような気がするんです。
芳麗:
“生きる姿勢”……。
アル:
普通に生きている中で、出会った男の人の本質をちゃんと見られるかとか、いかに偶然の出会いから化学反応を起こせるかとか。自分なりの魅力……女としてモテるだけでなく、人間としてのオモシロさとかも大事だろうし。出会う確率を高めるには、そういう普段の“生きる姿勢”のほうが、コンパに100回行くよりも大切やと思います。自分の表面を取り繕いながら、条件とか見た目とかで男の人を選んでたら、いつまで経っても素の自分とピッタリな彼なんて見つからないから。
でも、どうすれば、そんなイイ男と出会えるんだろう。その対策は、次のページで語っています。
最初はセックス対象だとは思えなかった
画像の代替テキスト
噂のドラマ化は7月11日、日本テレビ系列で放映決定!アルテイシアさん役は藤原紀香さん、59番さん役はナント陣内智則さん! 原作とは異なるエピソードなどが加わり、まったく新しい魅力が味わえそう。
芳麗:
うーん……グッときますねぇ(笑)。でも、条件とか見た目とか、男の人に対する外見的なコダワリってどうしたら取り払えるのかな。みんな固定観念として根強く持ってるでしょう。私の場合、お金とか地位とか、スペックは別に気にならないけど、外見とか、生理的な部分って拭いきれない(笑)。30過ぎて、そんなとこに捕らわれ過ぎちゃいか~ん!と思いつつ。でも、女ってどうしても、出会い頭に「この人とキスできるのかなぁ」って考えて恋愛対象かどうか決めちゃうところあるから。
アル:
そもそも、みんな第一印象で決めすぎなんですよ。みんな、今まで付き合ってきた彼氏って初対面でグッときた人ばかりじゃなかったでしょ? 職場とかで出会って。最初は何とも思わなかったけど、人柄に惹かれて付き合うってこともあったはず。
芳麗:
それはその通りです(苦笑)
アル:
私の場合、そもそも59番は恋愛対象じゃなかったから、恋愛の査定をする目で付き合ってなかったのが良かったんだと思う。素の自分で接して、マンガとかアニメの話とか、単純に会話するのが楽しかった。まずは彼との会話を楽しんで、人として好きになってから、男女として付き合うことになったから、いい流れに乗れた気がします。低いテンションから始まったからこそ、今もテンションも上がっていくいっぽうだし……。いきなり恋愛から始まると、恋は盲目になって、恋愛感情が醒めてからダメ出しが始まっちゃう。恋愛って時間が経つごとに減点法になりがちだけど、私と59番の場合、最初は全然恋愛対象じゃなかったからこそ、加点法の恋愛になってるんだと思う。
芳麗:
性急な男女関係より、まずは人間付き合いが大切って。年々私もそう思いますね(笑)。でも、最初に性的な魅力を感じなかった男子に対して、後から性欲ってわいてくるものなのかな? 素朴かつ、ストレートな質問ですけど(笑)
アル:
友だちにも聞かれました。「彼と69できるの?」って。正直、最初はイメージできなかったです。「セックスしたいとは思えない」って答えてたんだけど(笑)。男とか女とか関係なく、一緒にいたらどんどんいいところが見えてきて、そしたら自然にしたくなりましたね。
続いて、本当に幸せな恋愛に出会う極意!
熱いディープキスよりも幸せな恋に必要なこと
芳麗:
キッカケは何かあったんですか?
アル:
59 番と出会った年のクリスマスの夜、私は過去の男に再会して情緒不安定になっていたんです……。それで59番に「私なんか好きになるもんじゃないよ」みたいなネガティヴなメールをしたんです。そしたら彼が家に飛んできて、私のベッドの横で三角座りして、「寝るまでココにいるから」って……。普通、弱ってる女にはまず手を出すじゃないですか、男って!(笑) 何でこんなにいい奴なんだろうって思ったし、すごく頼りになるし、四の五の言わないし、男を感じたんですよね。ああ、彼とセックスしたいなぁって思えた。
芳麗:
ものすごく自然な気持ちの盛り上がりですね。
アル:
そうなんです。私の周囲って未婚と離婚がすごく多い。早く結婚してる女子は離婚しているし、結婚して上手くいってるカップルって2組しかいないの。その2組の共通項は「最初はあんまり盛り上がっていなかった」こと。そのうち1人は、ある会社の役員までしているキャリアな子なんだけど、今のダンナとは初デートでいきなり雑居ビルの餃子屋に連れて行かれたりしてムードがまったくなかったんです。押尾学が好みなのに、彼の顔は小川直也みたいだし(笑)。最初はありえないって思ってたけど、会うたびに少しづつ好きになって結婚して。今、彼女は34歳、結婚4年目にしてなお「どんどん好きになっていく」っていうんです。
芳麗:
理想的ですよね。いきなり燃えあがる恋愛感情って、消えるのも早いですもんね。それよりもトロ火で育んだ愛情のほうが長持ちするのかな。
アル:
恋愛の最初なんてね、ぶっちゃけ手が触れるだけで濡れるわけでしょ?(笑)。「いきなりディープキス!」みたいな恋愛も時間が経てば、絶対に乾いていく。あの濡れる感覚って、恋愛初期ならではのファンタジーだから。それだけにしがみつくと、恋愛の後期が面白くなくなると思う。
芳麗:
いきなり酔いしれる恋愛には要注意。第一印象から、恋愛を意識しすぎないで男の人を見るって大切なんですね。
アル:
ホント、恋愛相手を探す目だけで周囲を見ないほうがいい。恋愛っていうフィルターをかけて男の人を見ると、しょうもない外的な要因を過大評価しちゃったり、内面の長所を過少評価しちゃうから。まぁ、「伴侶が欲しい、愛が欲しい!」っていう想いはみんなの本能だし、抑えようがないのは、私自身よーく分かるけど(笑)。人と出会った時は、恋愛フィルターをなるべくハズして見られるといい。社会的な鎧を脱いで素の自分が一緒にいて心地いい相手が見つかると思う。
芳麗:
それこそが、「普段の生きる姿勢」なんですよね。なんかね、いち女子として元気出ました(笑)
アル:
もうちょっと恋愛しやすい時代になってほしいなと思いますね。
*さて、アルテイシアさんとの対談シリーズはいかがでしたか?
ガイド的には思い入れのあるシリーズであり、また、感想のメールを数多くいただいたコラムでした。アルテイシアさんとの爆笑しながらも実感のこもったトークの連発に考えさせられることしきり。やっぱり恋愛とは奥深いものですね。次回からもまた、心新たに、実感のこもった30女の恋愛コラムをかいていきたいと思います!
■本日の恋の栄養素
『続 59番目のプロポーズ』
たったひとつの愛を捜し当て、健気に育もうとする。リアルで純なラブストーリーとしても面白いけれど、アルテイシアさんと59番さんのテンポのいい会話を楽しむにもナイス。好きな人とたくさん会話したくなります!
http://allabout.co.jp/relationship/womenlove/closeup/CU20060705A/index.htm
芳麗:
最初に「今は恋愛戦国時代だ」ってアルテイシアさんはいってましたけど、ホント、その通りだなと思うんです。恋愛にマメな男はいるけど、マメなだけでいまいち面白みや深みにかけたりするし……。確固たる自分の世界を持っている男は魅力的だけど、恋愛においてはダメ男だったりする。個人としての魅力をちゃんともっていて、なおかつ愛情深くて、生身の女とちゃんと向き合ってくれる気概のある男って本当にいるのかな? 出会えるのかな?って思っちゃいますね(笑)。
アルテイシア(以下、アル):
いなくはないけど、少ないですよね。深い愛情も魅力も揃ってる男の人っていうのは……。だから、奪い合いになる(笑)。
芳麗:
どうすればいんでしょう(笑)。
アル:
私が思うに、狙い目は一見、ダサい男! デブとかハゲとか!外見的なコダワリは捨てたら、いい男の数っていきなり増えると思うんです。何か、表面的なところで「食べ方が汚い」とか、「服装がダサい」っていうのも別にどうでもいいじゃないですか! 彼の人間そのものが悪いわけじゃない。年収とか職歴とかのスペックも必要ないと思う。ダサいけど女を深く愛せる男と、スペックがよくても女をゴミみたいに捨てる男と、どっちが人間として高級やねん!っていう話ですよね。
芳麗:
たしかに……。スペックのいい男には傲慢な人が多いし、外見的なコンプレックスがあったり、モテない男って、心に傷を負ってる分、人の痛みも分かる愛情深い人も多いっていう傾向はありますよね。
“自分マニア”になってくれる男は希少価値
アル:
そうなんですよ。外見に難があっても、内面のある男のほうが絶対高級ですよ。それと、いわゆるマメな男じゃなくてもいいから、“自分マニア”になってくれる男がいいと思う。
芳麗:
どういう意味での“自分マニア”ですか?
アル:
たとえば、59番は私にはめっちゃ優しいけど、他の女の子には全然ウケようとしないんですよ。そもそも彼の中には、「女にモテようとするのはカッコ悪い」っていう確固たる美学があるから。「女の尻を追いかけるなら死んだほうがマシ」、「私以外の女は敵だ!」くらいの勢いなんです(笑)。だから他の誰にもマメじゃないけど、私にだけはすごくマメ。すべての女に対する労力が私ひとりに注がれるからマメなんです。“女好き”ではないからこそ、“私好き”になってくれる。こういう“自分マニア”と恋愛したらすごく幸せですよ。
芳麗:
うらやましい(笑)
アル:
それとね、ブサイクくん以外には、年下も狙い目だと思います。
次のページでは、30代女性にとって、新オススメ男の基準について、熱く語ります。
新オススメ男のキーワードは“年下”と“自営業”?!
画像の代替テキスト
プレデターマニアの59番さん。
ある映画会社のえらい方から送っていただいた、世界に数対しかないプレデターフィギュアとアルテイシアさんとの2ショット!
アル:
最近、仲よくしている24歳の男友だちがいるんですけど、いいですよ~。彼はバーテンやってるんだけど、女に対する変な固定観念がないから話してて楽しいし、年上だからといって敬ってもくれるし。年下だけど、社会人経験は長いから成熟もしている。彼自身もそうだけど、こういうシッカリ者の若者に限って年上の女が好きみたい。「僕、年上で仕事頑張ってる女の人を見ると、フォローしたくなるんです」なんて泣かせることを言うんです(笑)。以前の私だったら、「24歳でバーテンはちょっと……」とか、「やっぱり企業でバリバリ仕事してる男じゃないと」とか思ってたけど、今は、もし、59番がいなかったら、こういう子がいいなぁって思いますよ。安定した立場や年収があるサラリーマンとは仕事の話ができたとしても、人として根本の話ができなかったりする。
芳麗:
本当にそう。人として根本の価値観がマッチしてないと、伴侶としては考えられないですよね。
アル:
そうなんです。OL時代に一部上場のサラリーマンとさんざんコンパしてきて気づいたのは、私には会社員より独立して仕事をしている男の人のほうが価値観が合うってこと。ダンナだけじゃなく、さっき話したバーテンの子とか、フリーでデザイナーをやっている人とか。一部上場企業のエリートくんって、人の言うことに流される才能がある人たちなんですよ。勉強していい大学入って、いい会社に入るって……世間の価値観に合わせて生きてきた人だから。でもね、私は逆なんです。「女はこうあれ!」っていう世間の常識にずっと反発して生きてきたところがあるから、彼らとは根本的に合わないんだなぁって。その事実に最近になってハッキリ気づいた。
芳麗:
なるほど。アルテイシアさんに限らず、一生懸命働いている女子って、少なからず、「とりあえず嫁に行くべき」とか、「女とはこうあるもの」みたいな世間の古い枠組みに反発して生きているところがあるから……。いわゆる、世間的な価値観に縛られている男とは合わないのかもしれないですね。会社員の男と合わないというよりも、世間の枠組にとらわれてる人とは相性悪いのかも。
アル:
そう。その点、うちのダンナは私と根本が近い。周りに「何でそんなバカみたいに格闘技ばっかりしてるの?」って言われながらも、自分のやりたいことを貫いてきた人だから、根っこの価値観が合ってるんだと思う。
出会うための努力はいらない
芳麗:
そうですね。ただ、現実問題としてアルテイシアさんと彼みたいな出会いって少ないと思う。普通に会社でバリバリ働いている女子が、自分マニアになってくれるような純情で愛情深い男子や、世間の価値観に縛られない感性の柔らかい年下と出会う機会ってなかなかない気がするんですけど。
アル:
たしかに、そういう人はコンパにはいないし(笑)。59番は柔術の道場に通っていて、そこに通ってる男の人たちは、みんな一本気でステキなんですよ。でも、彼らはコンパやキャバクラには決していかないですからね。会社帰りに道場に直行して、夜11時とか12時まで練習しているから(笑)
芳麗:
それは出会えないですねぇ(笑)
アル:
そう。でも、我々の場合、近所のバーで出会いましたけどね。社会的な鎧を脱いでいる時に、偶然出会えたというか……。何かね、出会いとか恋愛って、努力したら報われるとは思わないほうがいいと思うんです。「モテればいいってわけじゃない」って最初の話題ででましたけど……。私は59番と出会う前、彼氏のいない16ヶ月の間に、16人の男子とデートしてるんですよ。後で思いなおすと、月に1人ペースで新しい人が登場してるから、出会いがないわけじゃないのに、どの人ともダメで……。もう世の中にはいい男がいないか、私に問題があるんだって絶望していた。
芳麗:
そんな時に59番さんと出会えた。
アル:
うん。「この人だ!」って思える人と、出会えるどうかは偶然なんだなぁって思ったんです。私みたいにコンパとか友だちの紹介とかパーティーにマメに通っても、出会えない時は出会えない。何かそれよりも大切なのは普段の“生きる姿勢”のような気がするんです。
芳麗:
“生きる姿勢”……。
アル:
普通に生きている中で、出会った男の人の本質をちゃんと見られるかとか、いかに偶然の出会いから化学反応を起こせるかとか。自分なりの魅力……女としてモテるだけでなく、人間としてのオモシロさとかも大事だろうし。出会う確率を高めるには、そういう普段の“生きる姿勢”のほうが、コンパに100回行くよりも大切やと思います。自分の表面を取り繕いながら、条件とか見た目とかで男の人を選んでたら、いつまで経っても素の自分とピッタリな彼なんて見つからないから。
でも、どうすれば、そんなイイ男と出会えるんだろう。その対策は、次のページで語っています。
最初はセックス対象だとは思えなかった
画像の代替テキスト
噂のドラマ化は7月11日、日本テレビ系列で放映決定!アルテイシアさん役は藤原紀香さん、59番さん役はナント陣内智則さん! 原作とは異なるエピソードなどが加わり、まったく新しい魅力が味わえそう。
芳麗:
うーん……グッときますねぇ(笑)。でも、条件とか見た目とか、男の人に対する外見的なコダワリってどうしたら取り払えるのかな。みんな固定観念として根強く持ってるでしょう。私の場合、お金とか地位とか、スペックは別に気にならないけど、外見とか、生理的な部分って拭いきれない(笑)。30過ぎて、そんなとこに捕らわれ過ぎちゃいか~ん!と思いつつ。でも、女ってどうしても、出会い頭に「この人とキスできるのかなぁ」って考えて恋愛対象かどうか決めちゃうところあるから。
アル:
そもそも、みんな第一印象で決めすぎなんですよ。みんな、今まで付き合ってきた彼氏って初対面でグッときた人ばかりじゃなかったでしょ? 職場とかで出会って。最初は何とも思わなかったけど、人柄に惹かれて付き合うってこともあったはず。
芳麗:
それはその通りです(苦笑)
アル:
私の場合、そもそも59番は恋愛対象じゃなかったから、恋愛の査定をする目で付き合ってなかったのが良かったんだと思う。素の自分で接して、マンガとかアニメの話とか、単純に会話するのが楽しかった。まずは彼との会話を楽しんで、人として好きになってから、男女として付き合うことになったから、いい流れに乗れた気がします。低いテンションから始まったからこそ、今もテンションも上がっていくいっぽうだし……。いきなり恋愛から始まると、恋は盲目になって、恋愛感情が醒めてからダメ出しが始まっちゃう。恋愛って時間が経つごとに減点法になりがちだけど、私と59番の場合、最初は全然恋愛対象じゃなかったからこそ、加点法の恋愛になってるんだと思う。
芳麗:
性急な男女関係より、まずは人間付き合いが大切って。年々私もそう思いますね(笑)。でも、最初に性的な魅力を感じなかった男子に対して、後から性欲ってわいてくるものなのかな? 素朴かつ、ストレートな質問ですけど(笑)
アル:
友だちにも聞かれました。「彼と69できるの?」って。正直、最初はイメージできなかったです。「セックスしたいとは思えない」って答えてたんだけど(笑)。男とか女とか関係なく、一緒にいたらどんどんいいところが見えてきて、そしたら自然にしたくなりましたね。
続いて、本当に幸せな恋愛に出会う極意!
熱いディープキスよりも幸せな恋に必要なこと
芳麗:
キッカケは何かあったんですか?
アル:
59 番と出会った年のクリスマスの夜、私は過去の男に再会して情緒不安定になっていたんです……。それで59番に「私なんか好きになるもんじゃないよ」みたいなネガティヴなメールをしたんです。そしたら彼が家に飛んできて、私のベッドの横で三角座りして、「寝るまでココにいるから」って……。普通、弱ってる女にはまず手を出すじゃないですか、男って!(笑) 何でこんなにいい奴なんだろうって思ったし、すごく頼りになるし、四の五の言わないし、男を感じたんですよね。ああ、彼とセックスしたいなぁって思えた。
芳麗:
ものすごく自然な気持ちの盛り上がりですね。
アル:
そうなんです。私の周囲って未婚と離婚がすごく多い。早く結婚してる女子は離婚しているし、結婚して上手くいってるカップルって2組しかいないの。その2組の共通項は「最初はあんまり盛り上がっていなかった」こと。そのうち1人は、ある会社の役員までしているキャリアな子なんだけど、今のダンナとは初デートでいきなり雑居ビルの餃子屋に連れて行かれたりしてムードがまったくなかったんです。押尾学が好みなのに、彼の顔は小川直也みたいだし(笑)。最初はありえないって思ってたけど、会うたびに少しづつ好きになって結婚して。今、彼女は34歳、結婚4年目にしてなお「どんどん好きになっていく」っていうんです。
芳麗:
理想的ですよね。いきなり燃えあがる恋愛感情って、消えるのも早いですもんね。それよりもトロ火で育んだ愛情のほうが長持ちするのかな。
アル:
恋愛の最初なんてね、ぶっちゃけ手が触れるだけで濡れるわけでしょ?(笑)。「いきなりディープキス!」みたいな恋愛も時間が経てば、絶対に乾いていく。あの濡れる感覚って、恋愛初期ならではのファンタジーだから。それだけにしがみつくと、恋愛の後期が面白くなくなると思う。
芳麗:
いきなり酔いしれる恋愛には要注意。第一印象から、恋愛を意識しすぎないで男の人を見るって大切なんですね。
アル:
ホント、恋愛相手を探す目だけで周囲を見ないほうがいい。恋愛っていうフィルターをかけて男の人を見ると、しょうもない外的な要因を過大評価しちゃったり、内面の長所を過少評価しちゃうから。まぁ、「伴侶が欲しい、愛が欲しい!」っていう想いはみんなの本能だし、抑えようがないのは、私自身よーく分かるけど(笑)。人と出会った時は、恋愛フィルターをなるべくハズして見られるといい。社会的な鎧を脱いで素の自分が一緒にいて心地いい相手が見つかると思う。
芳麗:
それこそが、「普段の生きる姿勢」なんですよね。なんかね、いち女子として元気出ました(笑)
アル:
もうちょっと恋愛しやすい時代になってほしいなと思いますね。
*さて、アルテイシアさんとの対談シリーズはいかがでしたか?
ガイド的には思い入れのあるシリーズであり、また、感想のメールを数多くいただいたコラムでした。アルテイシアさんとの爆笑しながらも実感のこもったトークの連発に考えさせられることしきり。やっぱり恋愛とは奥深いものですね。次回からもまた、心新たに、実感のこもった30女の恋愛コラムをかいていきたいと思います!
■本日の恋の栄養素
『続 59番目のプロポーズ』
たったひとつの愛を捜し当て、健気に育もうとする。リアルで純なラブストーリーとしても面白いけれど、アルテイシアさんと59番さんのテンポのいい会話を楽しむにもナイス。好きな人とたくさん会話したくなります!
http://allabout.co.jp/relationship/womenlove/closeup/CU20060705A/index.htm