「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

初明りシルクロードの末に居る 赤間 学

2019-03-28 04:24:34 | 日記
元日のほのぼのと明るくさし始めた曙光に「シルクロード」というエキゾチックな響きが大景を広げ「末に居る」と景を絞って作者の立ち位置に絞り込む。あたかもシルクロードを辿る旅の終着点に初明かりを見たような詠まれ方に練達を思った。改めて俳句の自由さを思った。国と国、都市と都市を結ぶため、必然的に道は展開していったシルクロードの終点は、西安からローマまでだとか、シルクロードの東端である日本まで含めるだとか、シリアまでとか色々な考え方があり定義が曖昧であることを逆手に取り、自分の今いるところを「末」とした大胆さに脱帽する。(博子)