「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

日の重さのせうすらひのまはりけり 石母田星人

2019-03-11 05:18:22 | 日記
「八年」と題した八句の中の句一であり、東日本大震災から八年なることを思えば、この「日の重さ」は「陽」でなく「日数」であり、そこに「重さ」を感じているのだろうか。「薄氷」は、うすごおり、うすらい、はくひょう、どんな読み方をしても、儚さと危うさを伴う。平仮名ばかりの中七・下五は心象で、それはぐるぐるとまわって、怖れに包囲されている作者だろうか。震災体験の壮絶だったことを思わせられる句だと思った。
今日、平成31年3月11日が8年にあたる日である。震度7。マグニチュード9.0。巨大津波、原発事故を伴う日本の観測史上最大規模の地震の犠牲になったたくさんの命に黙祷。(博子)