年が改まる。気持ちの改まる印象深い曙光です。そして、身の引き締まる寒さの中で、厳粛にして心にしみる光です。厄除けとして設置される鬼瓦は、寺院は勿論、一般家屋など比較的古い和式建築に多く見られ、「被災屋敷」は歴史的な建築物だと思われる。東日本大震災から八年。それに限らず幾多の自然災害に見舞われた平成期最後の初明かりでもあることを鬼瓦が防ぎ切れなかった災難と共に思われる。そして、この鬼瓦は被災当時のままになっているとも、再建されたとも読めるのではないだろうか。その余白は読み手の心のありようによって描く景が違って、それでいい。まだ辛く思い出されるあの日・・・。(博子)