おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

高原でちょっとプチフカ(2)~高原列車はランランランランラン~

2015-08-11 03:00:00 | 鉄道

今回のプチフカのもう一つの目的、それは・・・ 念願の「ナローゲージ」鉄道の全線走破!! 足りてなかった「鉄」分の大補給!!

ドブリニシュテはこのナローゲージ鉄道の終点。始発のセプテンブリからここまでたった125kmなのに何と5時間かかる!! ほぼ自転車並みのスピード!! 何せSLが走っていたころからの線路なのでくねくね、時にはくるりとカーブを切りながらえっちらおっちら走っていきます。だから地元の人たちは全線なんて乗りません。全線乗るのは(ワタシを含め)明らかに「鉄」!! ドブリニシュテやバンスコの人たちはどうやらラズログという街まで列車に乗ってそれからバスで、あとは途中にある小さな街々の間を利用する人や途中のリゾート地からヴェリングラッド、またヴェリングラッドから終点まで乗る人、という感じです。

ドブリニシュテに列車が到着しました。 子供列車のような機関車に「坊ちゃん」で漱石先生が書いておられるような「マッチ箱のような」列車・・・ 反対側に機関車を付け替えるのを見て子供たちは大興奮!! お母さんたちやおばあちゃんたちも子供たちに「ほらっ、こうやって元来た方に戻っていくのよ!」と言いつつケータイで子供たちと撮影。日本製のデジ一を持ったお母さんも車内で子供の写真を撮るのに夢中・・・ 

バンスコ駅では端っこのほうに打ち捨ててあるSLを指差して、「昔はアレが「プフパフ」走ってたのよ!よく覚えときなさい」

と軽い「鉄」教育・・・ (ちなみに、ですが、日本ではSLの走る音って「シュッシュッポッポ」、英語では「チューチュー・トレイン(byエグジャイルのほうじゃなくてワタシの時代はZoo!!)」ですよね。ブルガリア語ではこう言うんだって!!) 駅では列車に乗って来た子供たちが
降りた後も列車が出発するまで待っています。列車が出るときは手を振ってお見送り・・・


出発してしばらくすると列車が急ブレーキっ!! どうした?事故?と思ったら、どうやら線路沿いの野原に放牧されてる牛が線路を渡ったみたい・・・ 無事に渡り切ったようです。高原のサワヤカな空気の中をのんびりと走る小さな列車。多分こんなことはしょっちゅうあるのでしょう、乗客の誰も気にしません。「グリナ・バーニャ」という駅を過ぎると急に列車は森の中へ。右へ左へ、小さな客車が4両しかつながってないのにカーブを切ると編成全部が一目で見れるほど急なカーブを切っていきます。だけど、「何段もスイッチバックする」ってことがないから「山岳鉄道」という雰囲気はまるでナシ。のんびり走る「高原鉄道」!! まさにこの歌がピッタリ!

岡本敦郎 「高原列車は行く」


 小さな客車は意外とキレイ。ブルガリア的レモント(修理)で、窓は普通の家に使うようなサッシ!それにどこから持ってきたのか1等車の座席をおごられた車両もあり、座り心地がよいと結構人気のようです。それにしてもキツいカーブの繰り返し、それなのに列車のドアや連結部分は走ってる途中でも簡単に手で開きます!! スリル満点、だけど、気をつけないと振り落とされちゃいますよ!!


車内は満員になることはなく、地元民と観光客が半々くらい。ソフィアでは最近トンと見なくなった、スカーフを巻いてスモックドレスのような服や青い作業着のような服を着たブルガリアの典型的な「バビチキ」(おばあちゃんたち)がここの主流・・・ 

子供連れの若い家族のお母さんもスカーフを巻いて・・・ 町々にモスクがあるのを見るとポマック(昔のオスマントルコ時代、ブルガリア人でイスラム教に改宗した人たち)やトルコ系ロマの人が多いのでしょうか? 夏のバカンスに来ていたのでしょうフランス人の小さな子供連れの家族に、この若いお母さんが話しかけ、自家製のさくらんぼのジュースをおすそ分けしたりして交流が生まれます。

ある程度の大きさの町の駅に着く度に、列車は10~15分停車。セプテンブリ発の対向の列車が登ってきました。待っている間、係の人が列車のすべての車輪をハンマーで叩いて音で検査、お客はホームに出てタバコをふかし・・・ 

ブルガリア国鉄の車掌さんは、ソフィア市営交通の検札(インスペクトール)同様女性の割合が多く、ワタシと同じ年代か少し若いくらいの女性が多いです。青いブラウスに赤いスカーフが制服・・・ 揺れる車内で手書きできっぷを発券したり、駅に着くと駅事務所と連絡をして出発の合図を確認して列車を発車させたり・・・ 時にはしょーもない客もいるのでしょう。ストレスも多くて大変な仕事のせいか、けっこうなポッチャリな方が多いような・・・

列車はブルガリア随一の温泉保養地「ヴェリングラッド」に到着します。避暑と療養が一度に楽しめる人気のリゾート地です。お客さんはほとんど入れ替わり、ヴェリングラッドの温泉でバカンツィアを楽しんだお客さんたちが乗り込んできました。これから列車は川沿いを道路と寄り添いながらトラキア平原に向かって進んでいきます。

川と国道から離れるともうそこはじっとりと暑い・・・ 高原の涼しさがもうなつかしく感じます。

終点のセプテンブリ駅でソフィアやプロヴディフに向かう列車に乗り換え・・・ 面白いことにブルガリアの普通の列車で「鉄」活動をしている人をほぼ全く見ることはありません。撮り鉄も乗り鉄も・・・ ましてや音鉄や駅弁鉄などはありえない・・・ でも、この小さな高原列車だけはブルガリア人にとってもちょっと違う、ここだけは「鉄」の対象・・・ 

小さな客車から降りてきたお客たちは、「あー、楽しかったね。この小さい列車に乗ってよかったネ!」と言わんばかりに行き先表示板や機関車と記念撮影をしていきます。

そして広い幅の線路を渡って普通の列車のホームへ。高原リゾートでの温泉バケーションからいつもの日常へ、いつもの列車で連れ戻される・・・ という感じでしょうか・・・
 


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2 コメント

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Unknown (macha)
2015-09-03 11:27:36
プフパフ・プフパフ!好きな言葉の一つです。日本では車輪が動く様子を手で表しますが、ブルガリアでは両手で煙が出る様子をジェスチャーで表しますよね。
崖を進む電車すごいですね!感動しました。ブルガリアの北は平坦な線路なのでソフィアに向かうときでさえ絶景だと思います。
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車窓 (むうちえ)
2015-09-14 23:46:03
machaさん、こんにちは。
動物の鳴き声や物事の動作の様子の擬音、言語によっていろいろ違って面白いですよね。
プレヴェンに行く時、ソフィアを出てメズドラまでの渓谷沿いの車窓、ワタシも大好きです!! 地層も見えるし・・・
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