秋に入り小雨の続く、庶民行き交う街リューリン・・・ 友人のトニカは50代。最近夫のエフゲニはドイツのフランクフルトに単身出稼ぎに行ってしまいました。いずれ向こうに足場が整ったら彼女も子供たちと引っ越す計画のようです。ワタシが「11月初めに友人の結婚式に出席するためフランクフルトに行くけど、何かことづけるものはない?」と尋ねると、「彼、”ドイツにはトゥリ・ヴフ・エドノがない”って嘆いていたワ!! 軽いものだから持って行ってくれないかしら?」
ええ~っ!?ドイツにはない? スイスに本社を置くネスレ。そこの商品で、ブルガリアにしかない?・・・もしくはほかの場所ではブルガリアほど超出回ってはいない、ということがあるのだろうか? 「トゥリ・ヴフ・エドノ」つまりは3in1。インスタントコーヒーと砂糖と「ブライト」(つまりネスレ製品のコーヒークリーマー。「ニド」なんてのもありましたねぇ。「クリープを入れないコーヒーなんて」は森永でした。笑)を1パックにした、カップに入れてお湯を注ぐだけのお手軽さで大人気!! 「ブルガリア人は「スヴェタ・トロイツァ」(=三位一体)が好きなのよ」という難しいジョーク(?)を言う人もいますが、ともあれ味もレギュラーコーヒーほど苦くもない、でもちょこっとだけカフェインの入ったものを飲みたい、なんて時にピッタリ!! お湯じゃなくて水でもよく溶けるヤツもあります。こちらでも日本と同じく、小袋入りのカプチーノ、モカチーノらしきものもあるのですが、ダントツで3in1が人気です。もちろんネスレだけの専売特許ではなく「ジェイコブス」など他の外資系会社のやブルガリアの会社のものもあります。
この3in1、そのへんの売店でどこでも飲めます。お湯を入れてもらって・・・ 必ず店員さんはお湯をエスプレッソマシンから注ぐところを見せて、「お湯はこのくらいか?」とききます。各人、自分好みの濃さというものがありまして・・・
先日、友人のディミトリンカのところへ行ったとき発見した、さらに別の3in1の利用法!! 御年75歳の彼女、計量スプーンも計量カップも、計りさえもなしでテキトーにパウンドケーキを焼き始めました。日本人のワタシの感覚なら、「ケーキの材料はしっかり計らないと」と思ったのですが、薄力粉(ケーキ用)と砂糖、卵、ヨーグルト、そしてバニラエッセンスの代わりにバニラシュガーを。「よく、滑らかになるまで混ぜてっ!!」 で、カシャカシャとお手伝い・・・ そこへ取り出した、3in1を2袋!!
コーヒーカップに3in1を空け、ケーキのタネを少しそこに投入!! コーヒーの粉をとばさないように気をつけながらスプーンでかき混ぜてコーヒー色のタネを作ります。これをケーキ用の型に、まずは白いタネ、そしてコーヒータネを上から乗せ、スプーンでちょっと混ぜ・・・
そしてオーブンで30~40分。ワタシはホントにいつも感心するのですが、ブルガリア人女性は、日本人女性がお米を研いでご飯を炊くようにひょいひょいっと小麦粉を使ってパンやケーキを焼くんですよねぇ・・・
ワタシが「いつもより多くまわしておりま~す」(笑・お染ブラザーズか?)とかき回したもので、「いつもよりよくふくらんだワ!!」とディミトリンカ。マーブル模様の入ったケーキの出来上がり!! 3in1入りのコーヒーの部分は食べてみるとコーヒーというよりココア味っぽいっ!!
ブルガリア人の必須アイテム3in1!! でも、これってコーヒーなの?