野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

反論手法も色々

2016-07-15 06:11:03 | その他
中国、完敗で焦りの反論 南シナ海問題 強硬論に拍車も 」とする14日の日経記事があった。
中国の南シナ海での主権を全面的に否定した12日のオランダ仲裁裁判判決に、習近平指導部は総力を挙げた反論を始めた。領土や主権をめぐる「敗北」を受け入れれば、一党支配を続ける共産党への批判につながりかねないと警戒しているためとして、最高指導部の大幅な人事を控えた来秋の党大会に向け、強硬姿勢に拍車がかかる可能性も高いとしている。12日の仲裁裁判判決が出ると即、翌13日には中国国務院は南シナ海で中国が2000年以上に及ぶ「歴史的権利」を持つと訴えた、50ページ近い白書を発表し、仲裁判決は「管轄権を持たず無効だ」と強調、南シナ海の島々は中国固有の領土だと改めて主張したとある。中国はこの仲裁裁判判決が最悪の結果になることを予想しての50Pの白書を事前準備していたことになる。自分に有利な判決が出れば国際法を錦の御旗とし、不利な判決が出れば紙くず扱いとする、軍事大国中国には困ったものだ。
  「南シナ海問題の「白書」を手に記者会見する中国の劉振民外務次官:日経」
どう考えても無理があると思っていた、歴史的に中国の管轄権があるとした中国の九段線は、素人目にも無理があると思っていたら、その通りの裁定がおりた。しゃにむに無理筋を通そうとする暴走国家・中国、弱腰とも見られたくない中国の言い分は裁判の結果が悪いからと難癖をつけて、今以上に南シナ海への支配を強めると予想されている。「歴史的権利」が否定された中国は、外交的失敗による国内の権威失墜の挽回のためにも、経済の破綻に伴う国内の不満を外に向かって逸らすためにも、その矛先を日本とアメリカに向け始めたと新聞にあった。ネット記事を読んでいたら、中国の従来の国際問題解決の定石として、シドニー大学のJing-Dong Yuan准教授は、中国の多国間主義と地域主義に関する態度を次のように表現している。曰く、”中国は、一国主義的に考え、二国間主義的に問題を追及し、多国間主義的に振る舞う”。最後は軍艦を派遣し戦闘機を飛ばす、戦争への危険性があるだけに恐ろしい。

これら、中国の論法は、戦後行儀よく育った日本人にとってすごく違和感があるが、かの国ではこの論法は最も権威ある手法のようだ。
以前の当ブログでも書いたが、「日本人は中国人・韓国人と根本的に違う」と言う本に、台湾出身の黄文雄や日本に帰化した中国出身石平等が、生まれ育った出身地域と現在住んでいる日本と対比しながら、日本人と中国人との違いを教育、食事、夢、マスコミについて語っているものだが、その中でも気になったのが、”中国の教育”。中国人の主張はたいてい矛盾だらけでしどろもどろなので、相手に「道理」を説くよりも問答無用の「恫喝」しかないと、黄文雄は巻頭言に言う。加えて、テレビに出てくる中国政府の外務報道官の喋り方。事実を挙げて順序よく筋道立てて相手国を非難するのではなく、最初から相手を敵だと決めつけて、威圧的な言葉で圧倒し相手を言い負かす、そうして自己の正当性を強調する、あの喋り方は典型的な毛沢東の文化大革命時の紅衛兵と全く同じで、相手の頭から足の爪さきまで徹底的に非難することで、相手を言語で抹殺する。これは中国共産党の作文の教材で、模範とされた毛沢東の文章(品格や教養がにじみ出たものではないらしい)の流れ、伝統ををそのまま使っているそうだ。その流れは科挙から来ているとあるので、長い歴史がある。そして、この論法は、今回の中国の九段線を徹底的に否定した仲裁裁判判決への反論論法と全く同一。

北朝鮮報道と同じく、最初に聞くとその表現の露骨さにびっくりするが、慣れてしまえば「またやっている」。日本の外務省がよく使う、重みの無い”毅然として対応する”、と何が違うんだろう。書きながら思いだしたのが、オーム真理教の「ああいえば、上祐」。口八丁で巧みに詭弁を弄しながら、問題を指摘されて新聞を後方に投げ捨てる姿が過去テレビにあったが、そっくり。
コメント
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