野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

2016 Le Touquet (ル・トゥケ) サンドレース

2016-02-05 06:10:04 | モータースポーツ
   1月30日から3日間、 伝説的なビーチレース、フランス北部で行われる恒例の Le Touquet ビーチレースが開催された。
28万の観客動員にマシンエントリー数2200台にビックリで、今年は41回目だそうだ。
    
ドーバー海峡沿いにあるフランスの広大な砂浜で繰り広げられる、モトクロスマシンが後輪に目一杯のトラクションを掛けて第一コーナー目掛けて疾走する。なんとも迫力満点のビーチレースを動画でみると迫力満点。

ずっと昔、このビーチレースを一度だけ見物しに現地に行ったことがある。
その時の印象をこのブログでも紹介したことがあるが、動画で見る今年のレースも左程変わっていないようなので、ブログに書いたLe Touquetの印象を再稿しておこう。

「Le Touquet (ル・トゥケ)の町は、またの名を「パリ・プラージュ」と言って、その名の通り、ここはパリから車で2時間半の距離にある海辺の町で、多くのパリジャンが週末やバカンスを過ごしにやってくる避暑地。町の家々は多くが別荘だそうだ。Le Touquet は所謂観光地なので、週末にはいつも何かしらのイベントが催されているとのこと。地図で見ると、左すぐ上がイギリスとのドーバー海峡、フランス側 Le Touquet 近くに有名なCalais(カレー)やDunkerque(ダンケルク)がある。

現役の頃、契約していた欧州チームやライダーから、トゥケのビーチレースに参戦したいとの要望が何度かあり、都度必要部品を発送していた。砂浜でモトクロスレースとは何ぞやと思いながら、多くの参加者があると聞いていたものの、野山やデザートを競争する場面しか経験がなく全くの砂浜を競争するなど想像も付かず、一応気には留めていた。

その後、もう古い話しになるが、世界モトクロス選手権の打合せで欧州現地に行った際、オランダに駐在していた旧知の野村君を訪問した。当時、欧州の品証サービス担当でオランダに駐在していたので寄せてもらったのだが、野村君から、Le Touquet のビーチレースがあるから行ってみないかと誘われ、是非行こうとなった。駐在事務所があるアムステルダムから半日以上掛けてパリの近くを通りLe Touquet に出掛けた。

アムステルダムからアウトバーンを南下しフランスに入り、そこから農道を通った。それまで、世界選手権で欧州にいく機会も数度あったが、殆どが現地のレース場近くまで飛行機で飛ぶので、大方半日以上、往復一日も高速とフランスの地道を通った経験等はなく、通過した農道から見る風景は実に新鮮にうつった。延々と続く農道は上下にうねり、しかもカーブしていて、よく見る映画の風景と同じだったような記憶がある。

Le Touquet近傍の街までは何とか到着したが、街に入ってから予約したホテルに辿り着くのに相当な時間がかかった。確か川沿いに道があるが、そこから宿までの道が分からない。野村君も心配して電話をかけながら道を確認するも、その頃になるともうとっくに陽は落ち暗くなっていた。寒さと心細さに、私はただ車のシートに沈み込んでおれば良いのだが、運転の野村君の心境は如何ばかりだったろう。
何とか田舎の小さなホテルに着きチェックインするにも受付のおばさんは英語が全くダメ。

野村君が辞書を紐解きながら、すると英語を少しだけ理解する若い女性が来てくれて何とか部屋をとった。晩い夕食を取ろうとホテルの食堂に行くにも、全てフランス語で辞書のお世話になる。この時、始めてエスカルゴを食べたが、強いガーリックが先に立ち、旨み等の印象はすこぶる弱い。

朝、ホテルからレース場のビーチに行ったが、道中は整った森林の中にあり、既に多くのマシンがそこいら中に走っていた。既に、レース前の登録も終了したようで、レースが開催されている砂浜にいってみると、ヘリが飛んでいる。確か軍服を着た兵士も多く見られたが、それにしても、ただただ広く長い砂浜。砂浜には降りれず、大きな堤防の上からレースを眺めていると、スタートが切られた。
すると、上の動画と全く同じ風景が展開されるのだが、レースそのものは遠目でしか見れないので、何が何だか分からず、
マシンの音とヘリの音が大きく聞こえるものの、レースの流れなど全くと言ってよいほどに分からない。

途中にスタックするマシンもあって、盛んに砂を蒔き挙げている。正直、このレース、観客を楽しませるレースには設定されていないという印象だった。多分、別荘地の部屋の中からワインを飲みながら眺めるものかもしれない。競争しているライダーやチームは一生懸命なんだろうけど、見ている当方にはハラハラドキドキ感の昂奮が全く伝わってこない。ただただ多くのマシンが砂浜をのたうち回って走行しているだけ。この風景が3時間以上も繰り返される。

一通りみて、アムステルダムに帰った。野村君には世話を掛けっ放しで申し訳なかった。

その後、ロードレースのボルドー24時間耐久レースを観戦する機会があったが、底にあるマインドは一緒だ。ライダーはただただひたすら走る。観客はレースを楽しむより仲間内でワイン飲みながらワイワイと会話を楽しみながら時にはレースを見る。その雰囲気はボルドー24時間耐久もル・トゥケのビーチレースも一緒。一回見れば、十分だと思った」

コメント
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