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しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

DDT

2023年09月17日 | 失われた仕事

頭の髪にはシラミがいて、着物にはノミが何匹もいた時代。
小学生女子にはシラミ退治のため、まっ白い粉を頭からふりかけられていた。

男子は坊主頭で対象外、女子がやられる(?)のを見ていた。

 

 


強力な合成殺虫剤DDTのブーム

「食糧と人類」 ルース・ドフリース  日本経済新聞社 2016年発行

オーストリアの大学生ツァイドラーは1874年にDDTという化学物質を合成したが、
20世紀後半、農業分野で大きな変化を引き起こすことになろうとは夢にも思っていなかった。

DDTはイエバエ、シラミ、コロラドハムシに対してすばらしい効果を発揮した。
1942年には商品化され、人類と病害虫との闘いに終わりを告げるという華々しい謳い文句とともに市販された。

DDTの威力が証明されたのは第二次大戦中のことだ。菊を原料とする除虫菊剤が使われていたが、それが品不足になるなか、
シラミを媒介する発疹チフス、蚊が媒介するマラリアから、DDTの白い粉を振りかけると、歴史上初めて発疹チフスの流行に歯止めがかかった。
マラリアの抑制にも効果を発揮した。

戦後、DDTは公衆衛生上のマラリア対策として導入された。
DDTは疾病対策に使われたあと、農業分野の市場に進出した。
人類を苦しめる病害虫を駆除できるという宣伝文句で、
家庭の庭の雑草から大草原地帯の牧場のハエまで守備範囲が広がった。
これが飛ぶように売れた。


人気の絶頂期は1960年代前半。
新しい害虫が出たり、副作用の被害が深刻化した。
蚊やハエを退治しようとDDTを噴射すれば、鳥や動物が巻き添えになった。
病害虫は進化し効果が薄れていった。
殺虫剤メーカーは絶えず新しい化合物をつくって耐性と闘わなくてはならない。

・・・


「神島史誌」

神島内国民学校

昭和20年2月4~5日 松根油製造つくり奉仕
    4月18日 高等科生、東村の山林開墾に着手
    6月22日 米機空襲。機関銃弾、付近に数発落とす

昭和21年10月 教育勅語の廃止

昭和23年4月 6.3.3の新学制実施
    5月21日 女児に対しDDT散布
    7月15日 BCG接種

 

・・・

(姉の話)

イヤダネェ!!!
運動場で。
一列に並んでね。
かけてもらったんよ。気持ちわるぃ。
くしゃみは出るし。真っ白にはなるし。
粉をかけまくるんよ。
おじさんはどうしてこんな事を。と、憎らしゅうてね。
きゃーきゃー言いながら。
パタパタ粉を叩いて(服の粉を落としていた)

・・

 

 

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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DDT散布 (oko)
2023-09-17 12:00:49
シラミと言う言葉にぞっとしましたが、DDT散布を受けた年代です。

授業中に前の友人にシラミがはっていたことも多々ありました。

自宅では衣類を5升釜で良く煮ていましたね。
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