しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「マーガレット姫の恋」  昭和30年10月16日 

2022年02月23日 | 昭和26年~30年
日本では、
皇位継承権も持たない皇室の人が、婚約を発表したら、
週刊誌とTVの昼のワイドショーが、婚約相手を人権・人格を完全無視・否定して徹底的にお暴き立てて非難した。
犯罪でも、なんでもない人を、これほど激しく、言いたい放題の悪口・非難は今まで見たことも,聞いたこともなかった。
(その人は2020年結婚し、外国に居住した)

英国では、
王位継承権を持つ人が婚約をしたら、その相手は
外国人であり、
バツイチであり、
異教徒であり、
アフリカ系であった、
が、それでも結婚した。
(その後に、外国に移住し、2020年に王室から去った)


いったい日本は、世界標準から何周遅れているのだろう。


これは↓、今から66年前の英王室のこと。
王位継承権を持つ人が、バツイチの民間人と恋仲になった。

・・・・・・・



「マーガレット姫の恋」  昭和30年10月16日 ~天声人語~ 荒垣秀雄


英国では、マーガレット姫の結婚問題が、ここ数日のうちにどちらかにきまるのではないかと興奮状態にあるようだ。
うわさの人、タウンゼント空軍大佐と約3年ぶりに13日、14日と2日続けて会われたからだ。
労働党の大会では、
「プロレタリアートが王室と結婚する権利がある」という決議まで飛び出した。

ウインザー公の場合は相手のシンプソン夫人が離婚の経験者だったが、
今度は相手の男が離婚者である。
英国教会では離婚者の再婚を認めぬ掟で、女王は国教の首長である。
エリザベス女王も苦しい立場なのだろう。

チャーチル前首相はこの結婚ばなしには反対だったと伝えられる。
イーデン現首相は自身が離婚の苦い経験者だけに、マーガレット姫のロマンスには理解がありそうだといわれる。

マーガレット姫はこの夏で満25歳になったので、女王のお許しがなくても自由に配偶者を選べるが、
離婚者のタウンゼント大佐(40歳)とはイングランドで結婚式をあげることはできず、王位継承も放棄せねばならぬ。
英国本土に二人で住むこともできないらしいとのこと。

姫は英政府から年金6千ポンド(6百万円)を受けておられ、正規の結婚されれば1万5千ポンドに増額される。
ウインザー公が王位を退かれた時、英議会はその後の公に年金をさしあげる案を全会一致で否決した。
国礎を危うくした王様だという理由からだ。

マーガレット姫の場合はそれほど深刻な空気はもちろんない。
多くの国民も姫の自由な恋愛を支持しているようだし、
エリザベス女王も妹君にはやさしい同情を寄せておられるらしい。
古い伝統を尊ぶ英国がこの恋をどう扱うか、
ひとごとながら、やはり気になる。



・・・・・・

マーガレット王女の、この恋は破れた。
別の人と結婚し、離婚した。
ミックジャガーと浮名を流したりしたが、再婚はせずに2002年、71歳で亡くなった。


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