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『世界共和国へ』 (その22)

2016年11月18日 | O60→70(オーバー70歳)
【133~134ページ】
世界市場の成立とそこでの競争は、必ずしも産業資本を生み出すものではありません。実際、ヨーロッパ東部では、それが逆に「再版農奴制」と呼ばれるものを生み出したし、アメリカ合衆国の南部では奴隷制が、また、ラテン・アメリカでも農奴制が出現しました。このような奴隷制や農奴制は近代以前のものではなく、ある意味で「近代世界システム」の一環です。(中略)
それは、商人資本主義が、基本的に諸国家の間の価値体系の差異に利潤を見いだすものであり、それぞれがどのような生産様式をとるかに無関心だからです。より安くより多く生産できるのであれば、何でもよかったのです。その点では、西ヨーロッパに発達したマニュファクチュアも同じです。17世紀にオランダは、世界商業、マニュファクチュア、そして、海外植民地においても頂点に立ちました。しかし、ここから「産業資本主義」は生じなかった。それは先ずイギリスに生じたのです。

【135ページ】
資本は、流通から生まれることはできないのであり、しかも流通を離れて生まれることもできないのである。資本は、流通のなかで生まれざるをえないと同時に、流通のなかで生まれてはならないのだ。それから、17世紀に隆盛を誇ったオランダが、またたく間にイギリスに取って代わられた理由もわかります。

(ken) 資本制を理解する上で、基本中の基本となる記述です。これらを理解した上で、直近の中国における動き(政府主導の「開発型資本主義」現代版)をみると、かつての世界的なメーカーはもとより、最先端のメーカーさえにも買収攻勢を仕かけるとともに、自国内での研究開発投資を加速化しています。たくみな外交、強大な軍事力も合わせ備え、中国経済への不安や懸念を吹き飛ばすような様相になってきました。まさに、見たこともない「大帝国」が出現するのでしょうか。別に民族意識をあおるつもりはないけれど、「日本危し」の感は否定できませんね。(つづく)
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金字塔「伊勢佐木町ブルース」

2016年11月18日 | O60→70(オーバー70歳)
▶︎今度の転居先は、伊勢佐木町まで徒歩10分ほどくらいの静かな街です。関内、赤煉瓦倉庫、元町、中華街までも徒歩で行けますから、散歩コースには事欠かないと実感しました。
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