【91ページ】世界帝国と普遍宗教
ニーチェは、「世界帝国への進行はつねにまた世界神への進行である」といっています(『道徳の系譜』)。フロイトも、一神教の出現を、世界帝国が、多数の部族や民族の神々を超える神(唯一神)をもたねばならない、という理由から説明しています(『モーゼと一神教』)。
【92ページ】
預言者は、呪術師や占い師とは違って、民族にとって、あるいは彼個人にとっても望ましくない敗北や苦難を神の言葉として告げたわけです。このことは、宗教から呪術が廃棄されるためには、神と人との互酬的な関係、つまり、対照的な関係が否定されなければならないということを意味します。この結果、ユダヤ教徒は、数え切れないほどの敗北と苦難を与えられにもかかわらず、神を捨てなかった。もちろん、棄教した人々も多かったことはいうまでもありませんが。
(ken) 高校生のとき、私はニーチェが大好きでした。田舎の本屋さんから取り寄せた文庫本に、大事だと思った文章には青のボールペンで線を引き、日記帳代わりにしていたノートに抜き書きしました。フロイトは苦手でしたから、まともに著作を読み通せなかった気がします。92ページにあるユダヤ教徒の記述は、とても分かりやすく参考になりました。
ニーチェは、「世界帝国への進行はつねにまた世界神への進行である」といっています(『道徳の系譜』)。フロイトも、一神教の出現を、世界帝国が、多数の部族や民族の神々を超える神(唯一神)をもたねばならない、という理由から説明しています(『モーゼと一神教』)。
【92ページ】
預言者は、呪術師や占い師とは違って、民族にとって、あるいは彼個人にとっても望ましくない敗北や苦難を神の言葉として告げたわけです。このことは、宗教から呪術が廃棄されるためには、神と人との互酬的な関係、つまり、対照的な関係が否定されなければならないということを意味します。この結果、ユダヤ教徒は、数え切れないほどの敗北と苦難を与えられにもかかわらず、神を捨てなかった。もちろん、棄教した人々も多かったことはいうまでもありませんが。
(ken) 高校生のとき、私はニーチェが大好きでした。田舎の本屋さんから取り寄せた文庫本に、大事だと思った文章には青のボールペンで線を引き、日記帳代わりにしていたノートに抜き書きしました。フロイトは苦手でしたから、まともに著作を読み通せなかった気がします。92ページにあるユダヤ教徒の記述は、とても分かりやすく参考になりました。