goo

『世界共和国へ』 (その21)

2016年11月17日 | O60→70(オーバー70歳)
【126~127ページ】
そもそも議会制を無視して、近代国家を考えることはできません。1848年におけるフランスの革命がもたらしたのは、普通選挙です。そして、その後の事態はすべて、この議会(代表制)の中において生じたのです。
一方に、現実の経済的階級の多様な分節化があり、他方に、代表する者たちの言説の多様な分節化がある。それらはどう関係しているのでしょうか。マルクスの考えでは、代表する者(言説)と代表される者(経済的諸階級)との問には、必然的なつながりがありえない。そこにこそ、近代国家を特徴づける、普通選挙による代表制(議会)の特質があるのです。だからこそ、諸階級が自分たちの本来の代表に背を向け、ボナパルトに彼らの代表を見いだすということがありえた。

【132ページ】
「世界市場」のなかでの交易で、商人資本は、もはやある地域のものを別のところで売るというのではなく、自ら生産を組織し、より安くより多く商品生産することで、国際的競争に勝たなければならなくなる。自然的な差異にもとづくのではなく、積極的に価値体系の差異を作り出す。そこから出てきたのが、マニュファクチュアです。それは手仕事ではあるが、分業と協業(労働の分割と結合)によって、生産力を飛躍的に上昇させる生産方法です。(中略)
機械の採用が資本制生産を生み出したのではない。逆に、マニュファクチュアにおける分業と協業の組織の発展において、はじめて機械の採用がありえたのです。

(ken) 今年(2016年7月)の参議院議員選挙では、ついに「支持政党なし」という団体が登場しました。政治意識の低下、無関心層の増大といった悪い意味で受けとられがちですが、マルクスは「代表する者(言説)と代表される者(経済的諸階級)との問には、必然的なつながりがありえない」ことを見抜いていたのですね。だから、「諸階級が自分たちの本来の代表に背を向ける」ことを嘆く必要はなく、近年の国政選挙や首長選挙では、それが顕著になってきていると認識すべきなのです。それにしても、労働者階級の分節化と弱体化には目を覆うばかりです。(つづく)
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

タバコのヤニを取る歯磨き!

2016年11月17日 | たばこの気持ち
▶︎先日、三井住友銀行での用事の前に、横浜開港記念館を初見学してきました。瓦の下敷きに使われた新聞が展示されていました。懐かしの「カルピス」と「スモカ」の広告。そして、歯磨きのスモカは「タバコのみの」が宣伝文句だったのですね。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )